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書評『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(フィリップ・K・ディック著)

2019-09-10 15:27:17 | 書評
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229)) フィリップ・K・ディック
いろんな嬉しい偶然が重なって、読むことになった、1977年出版の文庫をKindleで読みました。

映画「ブレードランナー」の原作ということで有名ですが、著者のフィリプ・K・ディックさんは、ブレードランナーの公開の直前にお亡くなりになったということです。

ブレードランナーのファイナルカット版を鑑賞する日に、朝から読み始め、鑑賞の前に80%読み、残りの20%はその翌日に読みました。

一言、面白い、引き込まれる小説です。世界観が、すごい。テーマがすごい。ラストが、すごい。

未来についての綿密かつ特異な設定。ブレードランナーの世界観がここにあります。

舞台は、地球。長引く戦争による大気汚染で、地球の空気は汚れ、大きの人間は宇宙に移住している。あらゆる動物が絶滅、あるいは絶滅の危機に瀕しており、生身の動物は憧れの的であり、異常なほどに愛護される。危険な仕事はアンドロイドが行う。技術の進歩とともにアンドロイドは人間により近くなり、見分けをつけられなくなっている。

そんなブレードランナー世界観の中で、火星で任務にあたっていたアンドロイドが8人、地球に逃げてくる。アンドロイドを狩ることが使命のバウンティ・ハンターの主人公がアンドロイドと戦う、というところまでは、同じですが、その戦い方も、視点も、結末も映画「ブレードランナー」と原作では違います。

テーマは、「人間とは、何か。」 アンドロイドも人間と同様に感情も持つ。どこに違いがあるかを主人公の視点から、とことん追求しています。

映画のストーリーをより緻密に描いた原作、というよりは、むしろ、映画の世界観をより深く理解するための作品。映画を観る前にこの本を読むことを推薦<していただけたことを、心から感謝します。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』