しばらくこのブログの更新をサボっていました。とくに書くことがなくなってしまって、そろそろ閉店かな〜、なんて。今日は久しぶりに思いついたことを書きますが、たいした内容ではありません。
ウェルズの「タイムマシン(La Tempo-masxino)」のエス訳を読んでいる。この中で「今この瞬間」というのは存在しないという議論がある。線上の点(限りなく短い線)とか厚みのない面と同じことで、限りなく短い時間というのは実体的には存在しないというのである。数学的には正しい理論ではある。しかし数学的な「点」と実生活で使う「点」とは同じではない。
エスペラントでは「nun」をどう定義しているだろうか?
まず PIV を見てみる。
1.gxuste en la momento, dum kiu ni parolas:我々が話しているまさにその瞬間に
2.gxuste en tiu momento, en kiun ni metas nin per la imago:想像でその中に自分を置くその瞬間に
3.cxe la estantaj cirkonstancoj, sekve de tio:今の状況において、その結果として
4.en la estanta tempo:現在の時間(時代)に
次に日本語エスペラント辞典。
1.今
1-1.現在の時点を指す。
1-2.少し前の時点を指す。=jxus
1-3.少し後の時間を指す。=tuj
1-4.物語の中で話の進行している時点を指す。
1-5.現在の時代を指す。
2.話題の移行を促す。・・・Ofte ”nun” montras ne nur tempon, sed ankaux novan situacion, novajn cirkonstancojn.(PMEG)
大雑把に言ってしまえば、日エスの1-1〜1-3がPIVの1にあたり、1-4が2(ニュアンスがいくらかちがう気もするが)、1-5が4、2が3といったところか。
というわけで、日エスの1-1〜1-3とPIVの1によれば「nun」というのはその瞬間を含めた前後にいくらかの幅を持った時間を言うようだ。他の意味についてはこれ以上は考えないことにする。
こんなことを考えたのは、ある友人から「Nun mi sendis al vi mesagxon...」というメールをもらったからである。nun と 過去形を一緒に使ってもいいのか? と思ったわけだ。PMEGには「”Nun” estas normale uzata kun AS-verboj, sed ankauxŭ aliaj verboformoj povas aperi」とあり、いくつかの例文が示されている。上記のメールは、jxus とか tuj antauxe とでもした方がよい気はするが、とくに目くじらを立てることではなかったらしい。
写真は京都の西山を歩いていて見た蝶
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