エスペラントな日々

エスペラントを学び始めて22年目である。この言葉をめぐる日常些事、学習や読書、海外旅行や国際交流等々について記す。

中級学習(2)

2010-05-12 | 入門・初級教科書を作る
 今回で1年近く続けてきた入門書作りの最終回とする。おつきあいいただいた方々、特にベテランの方たちの温かい支援に感謝である。

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3)話す
 会話練習ではなく、発音や内容に注意してきちんと話す練習です。1人でするよりも相手があった方がいいのは言うまでもありませんが、1人でできることもあります。
 基本は、どんなときでも「読む」時には声を出して読むことです。それを録音して自分で聞くのも勉強になります。もう一つの基本は作文能力です。「朗読」に挑戦するのもいいでしょう。
 機会があれば、サークルの学習会や地方での「エスペラントで話す会」、全国合宿、八ヶ岳エスペラント館で毎年夏に行われている「エスペラント漬け合宿」などに参加しましょう。このような場では短時間「話す」機会があります。あらかじめ原稿を用意していきますが、その場ではできるだけ原稿を見ないで話します。
 書いた原稿は、そのままでは「話す」のには適さないこともあります。自分で聞いても理解できるように、易しい単語や表現を使うように気をつけながら直していきます。できれば、この段階では原稿を見ないで声を出しながらまとめていきます。風呂に浸かりながら、歩きながら、運転しながらでもやれます。
 本を読んで、面白いエピソードや短い話をエスペラントで話す。エスペラントの本をそのまま朗読しても聞く人に伝わるとは限りません。自分なりに組立て直し、話す工夫をします。
 自分の得意な分野を作ることも大切です。伝えたい内容があれば、自然に話せるようになるでしょう。

4)聞く
 日本人にとっては聞き取りの力をつけるのが一番難しいかもしれません。実際にエスペラントが話されている場が近くにない場合が多いので、基礎的な力はいろんな教材で練習して身につけるのがいいでしょう。
 入門書にはカセットテープやCDなどの音声教材が付属しているものがあります。「C^u vi parolas esperante?」など、初級者用の読み物で音声付きのものもあります。Lernu! など、ネット上にも音声教材があります。「Esperanto, Pasporto al la Tuta Mondo」や「Mazi en Gondolando」など、楽しいビデオ教材もあります。
 現在は台湾在住のイラン人、レザさんがかつて発行していた「Najtingalo」という音の雑誌や、同じくレザさんの「Leteroj el Japanio」もお勧めのカセットテープです。
 テープを聴きながら、それを自分でほぼ同時に話すという練習方法は「聞く」と「話す」を同時に練習できる一石二鳥の方法です。
1)徹底的に聞き込む
 沼津エスペラント会の中級講座では講師が吹き込んだテープを書き取る練習をします。かなり大変ですが、とても勉強になります。この方法は、入門書などの付属音声教材でもできます。
 「Ĉu vi aŭdis ke...」という小冊子つきの音声教材は非常に良くできています。 まずテープで短い話を一つ聞きます。内容がつかめるまで何回でも聞きます。まだ辞書は使いません。だいたいわかったら問題を見ます。問題を読むだけで、自分が聞き損なっていたところに気づくでしょう。こんどはそこに注意しながらまた何回か聞きます。この段階で初めて辞書を引き、自信の持てる回答が出来上がったら答えを見ます。違っていたところに注意しながらまた聞きます。最後にテキストを読んでどうしても聞き取れなかったところを確かめます。さらに、この話を自分の力や好みに応じて組み立て直し、学習会などで話して聞かせることができれば完璧です。
2)どんどん聞く
 毎日のエスペラントラジオ放送やポッドキャストがあり、インターネットに接続できればいくらでも聴くことができます。代表的なのは中国放送と、ポーランド放送(ポッドキャスト)ですが、他にもオーストラリアの3ZZZやキューバ放送、バチカン放送、Radio Verda などなどたくさんあります。これらをわかるまで繰り返して聞くのもいいでしょうし、どんどん聞き流すのもいいでしょう。

   写真は緑の学校の会場で見たホオジロ
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中級学習(1)

2010-05-10 | 入門・初級教科書を作る
 今回も「今後の学習について」
 2007年の1月頃にこのブログに書いたことのまとめである。具体的な資料については少し古いかもしれない。

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 これからの学習は、自分がどんなことにエスペラントを使うのかによって異なってくると思います。とりあえず「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つに分け、さらにこれらを「深く理解する」学習と「大量に触れて慣れる」学習とに分けて考えます。これらは順番に行うというわけではなく、自分のやりたいことを自分にあったやり方で行えばいいのです。

1)読む
 最初のうちは初級者用の易しい読み物を辞書を引きながら読みましょう。日本エスペラント学会(JEI)や関西エスペラント学会(KLEG)の図書目録には初心者用の読本がたくさんあります。学習書にも物語や小話が載っています。これらを何冊か読めば語彙も増え、読む力がついてきます。
1-1)精読する
 少し慣れてきたら、文法事項や文章構造などを考えながらじっくり読みましょう。大島義夫「新エスペラント講座」の第3巻や宮本正男編「現代人のエスペラント:輪読12カ月」のような注釈のついた学習書もあります。
1-2)たくさん読む
 「学習」よりも「エスペラントを楽しむ」ことに重点を置いた読書です。比較的易しいもの、関心のある分野のものなどをどんどん読みましょう。わからない単語があっても全体の流れがわかれば辞書を引かなくてもかまいません。小説類よりも JEI の「エスペラント」やアジアのエスペラント運動の機関誌「Esperanto en Azio」 など雑誌の記事の方が読みやすいかもしれません。

2)書く
 エスペラントは自分で使ってこそ自分のものになります。まずは文通やメール交換などではじめましょう。
1-2)作文練習
 たいていの入門書には作文の問題があります。沼津エスペラント会の通信講座でも勉強できます。阪直「エスペラント初級中級の作文」という本はお薦めです。さらに、JEI の「エスペラント」や KLEG の「La Movado」などには毎月作文教室が連載されています。インターネットでも阪直「週間エスペラント」というサイトがあります。これらに継続的に投稿するのはとても良い勉強になります。文法事項だけでなく、単語の意味や使い方がていねいに解説されるので、継続すると少しずつ力がついてきます。
1-2)たくさん書く
 文法的な間違いをおそれずにどんどん書くことです。文通やメール交換だけでなく、ブログや日記を利用するのも有効です。「日本語エスペラント辞典」で単語を調べたときは、必ず「エスペラント日本語辞典」でその意味や使い方を確認してください。辞書を使わないで、単語がわからないときは自分の知っている単語だけで言い換える工夫することも勉強になります。

   写真は「緑に学校」で見た小鳥。
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中級へのステップ

2010-05-06 | 入門・初級教科書を作る
 入門書作りもいよいよ最終段階。今回からは「これからの学習」である。以前ある日本人が外国からのお客さんに「何年くらいエスペラントを勉強していますか?」と聞いたら「・・・? X年ほど前に1年くらい勉強しました。」という返事だった。日本人の場合はいつまでたってもエスペラントは「勉強」の対象であるが、Eterna Komencanto という言葉は別に日本人専用というわけではない。我々だって、1年も集中して学習すれば充分すぎるのではないかと思う。ある程度の所まで学習したら、あとは「学習」というよりは実際に使う中で習熟していくのがいい。
 今までの内容を簡単にまとめると、
 ・はじめに、学習について、文字と発音
 ・エスペラントの基礎(1) 品詞と語尾
 ・エスペラントの基礎(2) 短文を読みながらエスペラントに触れる
 ・エスペラントの基礎(3) La Feino
 ・エスペラントの基礎(4) 文法編
 以前の分類によれば、 エスペラントの基礎(3)までは「入門編」で、「エスペラントが日本語とは全く違う言語である」ことを体感できれば成功である。
 文法編が「初級編」ということになるが、もう少し簡略にしても良かったかもしれない。
 ここまでを2か月程度で終了したい。もともと、かつての私自身(50才を超えている、外国語には全く素養がないが英文法の用語くらいは何とか理解できる、独習者)のための学習書だから、少なくとも私自身は「こんなもの」かなと半分自己満足している。残りの半分は「例文」の貧弱さである。
 ここからは以前書いたことの要約である。JEI や KLEG などの連絡先やサイトのアドレスなどは省略したが、実際に本を作るとしたら必要である。

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これからの学習について(1)
 ここまで学習を進めてきた方は、すでに手紙を書いたり、易しいエスペラント文を(辞書を片手に)楽に読む力がついていると思います。これからの一番の課題は「語彙」を増やすことでしょう。単語を覚える近道はありません。たくさん読んで、たくさん書くことで少しずつ覚えていきましょう。
 ここではこれからの学習についてのヒントをあげます。順番にやるのではなく、自分にあったやり方でどれか一つをやってみましょう。
 何をするにしても、基本は「声に出して読む」「辞書をこまめに調べる」です。

1.今までの知識を確実なものにするために
 1)入門書を読む。
 エスペラントの入門書は10種類以上発行されています。一通り学習したあとでも別の入門書を読むことはとても勉強になります。すでに知っていることが多いので時間はかかりませんし、知識を確実に身につけることにもなります。
 インターネット上にもいくつかの入門講座があり、無料で利用できます。
 2)通信講座を受ける。
 沼津エスペラント会の入門講座(中級講座もあります)は、自分のペースで学習できますし、ていねいで迅速な添削で知られています。「受講生通信」で他の受講生たちの様子を知ることができるのも魅力です。

2.エスペラントを使う
 言葉は使うことで習得できます。これから先はエスペラントを実際に使うことで語彙を増やし、身につけていきましょう。
 1)文通
 日本エスペラント学会や関西エスペラント連盟では外国の文通相手を紹介してくれます。また学習サイト Lernu! ではメール文通の相手を見つけることができます。
 2)専門や趣味などでエスペラントを使う
 文通や会話などでは、自分の知識・関心についてエスペラントで表現できることが大切です。エスペラントを使える得意な分野を作るのです。関係する本を読む、日本語の本をエスペラントに訳してみる、話す練習をするなど、工夫してみましょう。
 3)大会や合宿に参加する
 毎年、日本エスペラント大会や地方の大会が行われています。エスペラントによる講演や、学習講座、外国人参加者と話す会などが設けられることもあります。ベテランの方たちもたくさん参加するので、会話の練習もできます。
 思い切って世界大会やアジア大会など、国際大会に参加するのもとてもいい経験になります。
 5月の連休などには数泊の学習合宿も行われます。集中して学習して短時間で実力が上がります。また、アメリカやオーストラリアなど、2~3週間の合宿もあります。エスペラントだけで生活しますが、初心者でも十分可能です。

3.会話について
 エスペラントを学んだらまず「会話」ができるようになりたいと、多くの人が考えます。そして一向にうまく話せるようにならないと感じる人も多いのです。
 会話の練習方法は特にはありません。会話に上達するには、場数を踏んで慣れていく以外にありません。逆に、会話はどんな初心者にでもできます。相手との意思疎通ですから、言葉で通じなくても絵を描いたり、身振り手振りを交えて話すこともできますが、それよりも自分に話したいことがあれば、何とか話せるものです。そして「間違えたら恥ずかしい」といった後ろ向きの気持ちを捨てることです。会話では少々の文法ミスなどは全く問題ではありません。
 会話のコツは「話す内容があることと、恥をおそれない大胆さ」です。

4.エスペラント会に加入しましょう
 もしあなたの住む町か近くにエスペラント会があればぜひ加入しましょう。地方会の多くが定期的に講習会や学習会を行っています。近くにエスペラント会がなければ、全国組織(日本エスペラント学会、関西エスペラント連盟)があります。

   写真は「緑の学校」で撮ったもの。鶯色の鳥ですが、何でしょう?
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k-相関詞

2010-04-26 | 入門・初級教科書を作る
 まず前回の反省。
 「エスペラントで話す」というとき、何となく「道具・手段」の per を使ってしまったが、en にしたいという Jamo さんの指摘があった。辞書を調べたらそうなっていた。
 今回は従属接続詞の最後として k-相関詞をとりあげる。あまり書くことがないので、またまた例文を作ってみた。入門書では k-相関詞+ajn の譲歩節を全部あげる必要はないだろうと思う。実際、9個の k-相関詞全部をあげている本が見あたらなかった。小坂「接続詞の用法」では kvankam の付録として少しだけあげているにすぎない。 エスペラント日本語辞典でさえ見出し語に kial ajn がない。たぶんあまり使われないのだろうと思う。
 ここは、私の作文練習である。たぶんまた満点は取れないと思う。考えながら、自分には創造力・創作力がないことを思い知らされた。
 間投詞・造語法・文型・慣用表現・句読点などは省略して、 これで「 エスペラントの基礎(4) 文法編」を終わりとしたい。一番の反省事項は「適切な例文をもっとあげること」である。自分で作る力がないからいろんな本から引用しないといけないが、それには膨大な時間と努力が必要で、私の手に余ることになる。

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従属接続詞としての k-相関詞
 k-相関詞は、関係詞として従属節を導きます。
  Vi naskiĝis en la tago, kiam la mondmilito okazis.
  (注)日本語には「世界戦争が起こった日にあなたは生まれた」のように、後ろから訳すのがふつうですが、エスペラントを読み・聞く場合は、前から順に理解するように努めましょう。もちろん「あなたが産まれたその日に世界戦争が起こった」と前から訳すことができることもあります。
  Kiu estas la sinjoro, kiu staras apud via edzino?
  Tra la urbo, kie mi laboras, fluas granda rivero.

 ki-相関詞+ajn で「どれほど~でも…」という譲歩節を導きます。
  Kian ajn lingvon vi lernos, vi devos klopodi longatempe.
  Kial ajn vi faris ĉi tiun malbonaĵon, mi ne pardonas vin.
  Kiam ajn vi komencos lerni Esperanton, mi estos preta helpi vin.
  Kie ajn vi estas, vi povas lerni Esperanton.
  Kiel ajn multe vi pagos, vi ne povas aĉeti ŝian koron.
  La juvelo bele brilas, kies ajn posedaĵo ĝi estas.
  Kion ajn vi faros, la muro ne falos.
  Kiom ajn vi pagos, vi ne povas aĉeti ŝian koron.
  Kiu ajn vi estas, ni bonvenigos vin.

   写真はネパール。豆を売っています。
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従属接続詞 その他

2010-04-22 | 入門・初級教科書を作る
 今回は従属接続詞の続き。例文をいつもよりもたくさん作ったが、全く減点がないかどうか自信がない。先輩の皆さんのご指導をお願いしたい。

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その他の従属接続詞の例文と注意事項。
apenaŭ:~するやいなや
  Apenaŭ mi eniris en la ĉambron, la lumo estingiĝis.
dum:~する間に、一方では
  Lernu multe, dum vi estas juna.
  (参考)Lernu multe dum via juneco.(前置詞)
  Ŝi laboras multe, dum ŝia edzo nur diboĉas.
 副詞形の派生語 dume も従属接続詞のように使われます。
  En la domo estas feliĉa vivo, dume ekstere estas multaj malfeliĉaj vivoj.
ĝis:~するまで
  Ni multe laboru, ĝis ni atingos la celon.
  (参考)Ni multe laboru ĝis la fina venko.(前置詞)
ĉar:~なので
  Esperanto nepre venkos, ĉar ĝi solvos gravan problemon de la homaro.
kvankam:~であるが
  Kvankam mi diligente lernis Esperanton, mi povas nur balbuti per ĝi.
  (注1)誤解を生じない限り、kvankam の導く節の単語が省略されることがあります。
    Kvankam bela, ŝi estas tre malica. (=Kvankam ŝi estas bela, ...)
  (注2)前置詞 malgraŭ も同じ意味で使われます。
    Malgraŭ granda laboro, ni ne sukcesis.
ju:~であるほど
  Ju pli multe mi lernis Esperanton, des pli grandiĝis mia intereso pri eksterlando.
kvazaŭ: まるで~であるかのように
  Li kuris tre rapide, kvazŭ li havus flugilon.
  (注1)kvazaŭ が導く節では、原則として仮定法 -us が用いられるが、kvazaŭ だけですでに仮定を表しているので、直説法(-as, -is, -os)が用いられることもある。
  (注2)Kvazaŭ 節内の単語が省略されることがあります。
    Li parolis kvazaŭ plore.
    Li parolis kvazaŭ instruisto.
    Ŝi amis lin kvazaŭ sian filon.
ol:比較表現で使われます。ふつう、比較の対象となる単語以外は省略されます。
  Li estas pli alta ol li (estas alta).
  (比較)Li amas pli multe ŝin ol mi.
      Li amas pli multe ŝin ol min.
  (注1)antaŭ ol(~するまえに、~しないうちに)も接続詞として使われます。
    Mi vidis lin, antaŭ ol li vidis min.
  (注1-2)主節と従属節の主語が同じ場合、antaŭ ol +不定詞の形で使われることもあります。
    Mi elŝaltis la lampon, antaŭ ol eliri el la ĉambro.
  (注2)alia(他の), malsama(同じでない), preferi(~よりも好む)なども比較表現なので ol とともに用いられます。
    Li estas tute alia ol mi antaŭe supozis.
    Esperanto ne estas alia ol internacia lingvo.
    Lia opinio estas tute malsama ol la via.
    Lia opinio jam estas tute malsama ol antaŭe.
    Mi preferas kafon ol teon.
    Mi preferas forkuri ol batali.
se: もし~なら(事実に反する仮定の場合は仮定法を用いる)
  Se vi diros la veron, mi ne punos vin.
  Se vi dirus la veron, mi ne punus vin.(言わなかったから罰した)
  (注1)単純な仮定でなく、常に成り立つ事実についても使われます。
    Se la suno leviĝis, jam estas tago.
  (注2)eĉ se(たとえ~でも)も接続詞として使われます。
    Eĉ se vi malamos min, mi daŭre amos vin.
    Eĉ se min atendus abismo, mi iros antaŭen.

   写真はネパール、干した魚を売っている。
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従属接続詞 ke

2010-04-18 | 入門・初級教科書を作る
 5月22~23日はエスペラント東海大会である。学習サークルチャンブロチャルマではみんなで朗読をすることにした。ただ分担して読むだけだが、内容を十分理解して、聞く人にもわかるように読むのは案外難しい。別に私個人でも短い文章を完全に暗記して朗読してみたいのだが、もう若くない頭脳ではなかなか「完全」には行かない。ザメンホフの演説をすべて完全に覚えてしまったKさんのようなまねはやっぱりとてもできそうにない。

 今回は従属接続詞の続き、ke について。学習初期にはこいつの使い方が何となくつかめなかった。
 エスペラント日本語辞典の ke の項に、ke 節の補語は一般的に副詞であるが、意味上形容詞を使うこともあるとして次の例文があげられている。Mi trovis stranga, ke li forestas. これが ke 節を主語として使う項目の中に書いてあるので読む人を混乱させる。

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従属接続詞 ke の使い方
 ke は名詞節(~ということ)を作り、主文中の名詞の同格補語となるのが基本的な使い方です。
  Mi eksciis la fakton, ke li ŝtelis mian monujon.
  La onidiro, ke ŝi estas tre bela, estas vera.
 主文の中に ke 節に対応する名詞がない場合には tio を補うことがあります。
  Tio multe malĝojigis min, ke ili ne sukcesis trapasi la ekzamenon.
  Ni parolu pri tio, ke Esperanto estas bona komunikilo.
 この tio は前置詞がついている場合など省略できない場合もありますが、省略されることが多く、その場合には ke 節自体が主文の主語・目的語などとして働きます。
 (主語として)
  Estas bone, ke ni denove renkontiĝis.
   (注)ke 節が主語の場合、補語は副詞になります。
 (目的語として)
  Mi vidis, ke la fulmo atakis lin.
   (注)主文の主語が、deziri, ordoni, postuli など希望や指示を表す場合、ke 節の動詞は命令法になります。
  Mi deziras, ke vi lernu Esperanton.
  Li ordonis al mi, ke mi tuj foriru.
    ただし、esperi の場合は主語の意志とは無関係な希望を表すので、命令法としないのがふつう。
  Mi esperas, ke ili fariĝos feliĉaj.
 (その他)
  Mi ĝojas (pro tio), ke vi venis.

 副詞や ti-相関詞と組み合わせて使うことがあります。
  kondiĉe ke...:…を条件に
   Mi vizitos vin, kondiĉe ke la vetero estos bela.
  por ke... -u:…という目的のために
   Ni rapidu, por ke ni akurate atingu la kunvenejon.
  anstataŭ ke...:…する代わりに
   Anstataŭ ke vi lernos diversajn lingvojn, lernu Esperanton.
  krom ke...:…を別として
   Mi nenion deziras, krom ke vi donu al mi vian favoron.
  malgraŭ ke...:…にもかかわらず
   Margraŭ ke mi jam longe lernis Esperanton, mi povas nur balbuti per ĝi.
  tia... ke~:~であるほどの…
   Li estis tia homo, ke ĉiuj amis lin.
  tial ke...:…だから
   Ŝi riproĉis sian filon, tial ke li estas malhonesta.
  tiel ke...:そのため
   Mi perdis esperon, tiel ke homaro senlace interbatalas.
  tiel... ke~:とても…なので~
   La demando estis tiel malfacila, ke neniu povis solvi ĝin.
  tiom... ke~:とても…なので~
   Tiom multe da homoj estis en la ĉambro, ni preskaŭ ne povis moviĝi.

   写真はネパールにて
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従属接続詞

2010-04-12 | 入門・初級教科書を作る
 まず前回の反省。
 読書ノートの「Montara Vilaĝo」は去年の9月に読んだものだった。ブログ用のメモは取っていたのだが、時間がたちすぎてそのメモの意味がわからなくなっていた。そのためにあんな中途半端な記事で終わってしまった。
 「入門書」作りはいよいよ最後に近づいてきた。今回から「複文」「従属接続詞」である。これも小坂狷二「エスペラント接続詞の用法」という立派な本がある。メモを取りながら読んだが、「前置詞略解」と同じく頭に全く入らなかった。たぶんこれらはあまり初期の段階で読む本ではないのだろうと思う。いずれ読み直してみたいと思う。
 複文における時制の話は、小西岳「文法の散歩道」がわかりやすいが、いざ自分で説明するとなると難しい。

従属接続詞
 一つの文が他の文の一部(主語・目的語・補語など)として働いていることがあります。このような文を従属節と言います。従属節を導く単語が従属接続詞です。
 従属接続詞には次のものがあります。* で他の品詞としても使われることを示します。
  ke:~ということ。名詞節を作ります。
  ĉu:~かどうか。疑問節を作ります。* 疑問詞。
  apenaŭ:~するやいなや。* 原形副詞。
  dum:~する間に、一方では。* 前置詞。
  ĝis:~するまで。 * 前置詞。
  ĉar:~なので
  kvankam:~であるが
  ju:常に pli または malpli を後ろにともない、ふつう、ju (mal)pli~des (mal)pli ... の形で用いる。~であるほど…である。
  kvazaŭ:まるで~であるかのように。「実際にはそうではない」ので動詞には -us を用いる。 * 原形副詞。
  ol:(mal)pli... ol ~ の形で用いる)~よりも…である。
  se:もし~なら。
 この他、ki- で始まる相関詞が「関係詞」として従属文を導きます。

直接話法と間接話法
  Ŝi diris al mi, “Mi amas vin”.:これは直接話法です。単語ではありませんが、" " という引用符が従属節を導いていると考えることもできます。この文を間接話法にすると、
  Ŝi diris, ke ŝi amas min.
 となります。従属節の中の代名詞などが変わることに注意してください。
 " " 内が疑問文の場合は、疑問詞をそのまま従属接続詞として使います。
  Li demandis al mi. “Ĉu vi estas malsata?”
   ーー Li demandis al mi, ĉu mi estas malsata.
  Li diris al mi, “Kial vi ne lernis Esperanton?”
   ーー Li diris al mi, kial mi ne lernis Esperanton.
   (注)これらの場合、動詞の時制は変化しません。間接話法の中の動詞は、話された時点の時間を基準にします(相対時制)。
 命令文の場合
  Li ordonis al mi, “Tuj iru al la lernejo”.
   ーー Li ordonis al mi, ke mi tuj iru al la lernejo.

   写真はネパールにて
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相関詞

2010-03-28 | 入門・初級教科書を作る
 というわけで、今回は相関詞。初めの頃、45個もある相関詞には悩まされた。kial と kiel の区別がなかなかつかなかったりして。ある人に「そんなものおぼえる必要はない。自然に覚えるから」と言われた。
 覚えていく過程は単純ではないと思う。まずこういう単語があることを知る。その基本的な働きを理解する。個々の単語の使い方が実例にあたる中でだんだんわかってくる。辞書を細かく読む。PIVやPMEGを読んでみる・・・。
 以前このブログで、ali-vortoj を相関詞の仲間に入れることの不当さについてのPMEGの記事を紹介したことがある。

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相関詞
 エスペラントには相関詞と呼ばれる45個の単語があります。整然とした表にまとめることができますし、その形(前半部分と後半部分)によってその意味が決まっています。しかし、個々の単語の使い方には個性があるので、辞書で調べて確かめてください。

 前半部分
  ki-:関係詞、疑問詞
  ti-:指示詞
  i-:不特定
  ĉi-:すべて
  neni-:否定
 後半部分
  -o:もの・物事(代名詞、もの全体を指すので複数形にならない、対格語尾 -n はつく)
  -u:個々の人・物(代名詞・指示形容詞、複数形・対格形になる)
  -a:性質・種類(形容詞、 複数形・対格形になる)
  -es:所有(形容詞、複数形・対格形にならない)
  -e:場所(副詞)
  -el:様子・方法(副詞)
  -al:理由(副詞)
  -am:時(副詞)
  -om:数量(副詞)

 例えば、ki- と 後半部分を組み合わせると9個の疑問詞(関係詞)ができます。
  Kio vi estas?:君は何ですか?(職業や役割などを尋ねる)
  Kiu vi estas?:君は誰ですか?(名前などを尋ねる)
  Kia estas via fianĉino?:君の婚約者はどんな人ですか?
  Kies libro estas ĉi tiu?:これは誰の本ですか?
  Kie troviĝas via loĝejo?:お住まいはどこにありますか?
  Kiel vi eksciis Esperanton?:あなたはエスペラントをどのようにして知ったのですか?
  Kial vi lernas Esperanton?:あなたはなぜエスペラントを学習していますか?
  Kiam vi eklernis Esperanton?:あなたはいつエスペラントの学習をはじめたのですか?
  Kiom da horoj vi lernas Esperanton ĉiutage? :毎日何時間エスペラントの学習をしていますか?

(注1)相関詞は前半部分と後半部分にそれぞれの役割がありますが、合成語ではないので切り離すことはできず、前半部分や後半部分だけを使うこともできません。ただし、例外的に neni- のみ接頭辞のように使うことがあります。neniaĵo:無価値なもの、nenieco:何もないこと、虚無、neniigi:無にする、neniiĝi:無になる、nenifarado:何もしないこと、など。さらに、例外的単語 tiaĵo:そんなもの(こと)も使われます。
(注2)ĉiu-, kia- などが接頭辞的に使われることがあります。
  ĉiufoje, ĉiutaga, kiamaniere, tiamaniere
(注3)相関詞から作られるその他の合成語・派生語の例
  ĉiama:恒久的な
  ĉiopova:全能の
  kialo:理由
  kioma:何番目の Kioma horo komenciĝos la kunsido?
  iama:いつかの、かつての
  ioma:少量の
  iomete:ほんの少し
  tiela:tia の強調形
  tiele:tiel の強調形

   写真はネパールにて
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等位接続詞

2010-03-20 | 入門・初級教科書を作る
 キューバの世界大会に参加するが、大会前遠足の一つグアテマラ旅行に申し込んだ。6人以上で実施、最大12人までということだったが、7人になったから実施されるという連絡が UEA から来た。あと5人である。行こうと思っている人は早めに申し込んだ方がいいかもしれない。
 前回の反省。danke al が danke ak になっていた。隣のキーを叩いた単純タイプミスではあるが、2回も見直したのに自分では見つけられなかった。見つけたのは Jamo さん。
 今回は等位接続詞。(注3)で命令文以外の文につないで「そうすれば」「さもないと」の意味に使ってみたが、これで間違いではないだろうか。

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等位接続詞
(1)kaj:そして、~と~
   aŭ:または
 この2つは、単語や句、節、文など、文法的に同じものを結びます。
   Ŝi estas juna kaj bela.
   Mi agas por kaj per Esperanto.:エスペラントのために行動し、エスペラントによって行動する。
   Mi ofte faras skrib- kaj parol-erarojn.
   Li babilaĉas aŭ dormetas.(どちらか一方)
   Eble Taro aŭ Hanako venos.(どちらか一方、または両方)
   Mi demetis la ŝuojn, kaj enlitiĝis.:靴を脱いでからベッドに入った。
(注1)3つ以上をつなぐときは komo(,)を使います。
   Taro, Hanako, Akiko kaj mi...
(注2)kaj... kaj..., aŭ... aŭ...:強調した形
   Kaj Taro kaj Hanako eklernis Esperanton.:太郎も花子も
   Aŭ vi eraris, aŭ mi miskomprenis.;君か私かどちらか
(注3)命令文等のあとの kaj, aŭ
   Lernu diligente, kaj vi sukcese trapasos la ekzamenon.:そうすれば
   Mi devas lerni diligente, kaj sukcesos en la ekzameno.
   Lernu diligente, aŭ vi poste ploros.:さもないと
   Mi nepre edziĝos al ŝi, aŭ mortos.
(注4)否定のあとには nek を使います。ここで kaj や aŭ を使うとわかりにくくなるので避けましょう。
   Mi ne fumas nek drinkas.
   (比較)Mi ne fumas kaj drinkas (samtempe).
       Mi ne fumas aŭ drinkas.(=nek)
(注5)kaj を使った成句とその短縮形。いずれも同じように使われますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
   kaj aliaj=k.a.
   kaj ceteraj=k.c.
   kaj similaj=k.s.
   kaj tiel plu=k.t.p. または ktp
   ふつう、話すときは短縮形にしませんが、ktp のみは kotopo と発音することもあります。

(2)sed:しかし(何らかの対比、対立的関係を示す)
   Mi amas ŝin, sed ŝi ne amas min.
   Akira estas saĝa, sed Motohiro estas pli saĝa.
   Ŝi estas tre bela, sed malica.
(注)原形副詞 tamen も同じような意味で使われます。強調形 sed tamen が使われることもあります。

(3)plus と minus:プラスとマイナス
   Ses plus du estas (egalas al) ok.
   Vi devas pagi la kotizon plus afrankon.
   Pagu la kotizon minus la rabaton.

   写真はネパール・ポカラにて。氷河から流れ出した水なので、石灰岩を削ってミルクのような色になっている。
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前置詞(2)

2010-03-17 | 入門・初級教科書を作る
 今回は前置詞の続きである。学習初期の頃には前置詞がなかなか覚えられなくて困ったが、こういうことで困るような学習方法は良くないことがわかっている。前置詞というものの原則的な性格さえ理解していれば、あとは実例にたくさんあたるうちに自然に覚えていく・・・のがいいと思う。しかし、そう理解させる教科書作りは難しい。この試案は悪い方の見本みたいなものである。

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前置詞についての注意事項
1)前置詞の多くはいくつかの意味を持っており、また同じような意味を持つ前置詞もあります。前置詞を選ぶときは、使う動詞がどんな前置詞を伴うのかを辞書で調べるのがいいでしょう。
2)前置詞+名詞で作られる句はふつう、形容詞句または副詞句です。どちらなのかは文脈で判断します。
   Mi vidis lin dormanta en la lito.:私は彼がベッドで眠っているのを見た。(副詞句)
   La viro en la lito estas mia patro.:ベッドの中の男は私の父です。(形容詞句)
  この例文のように、形容詞句は修飾される語の後ろに置くのがふつうです。
3)前置詞の後ろに来る名詞は原則として主格ですが、対格の場合があります。
 (1) 移動の方向を表す。
   Rato kuris sub la tablon.:ネズミがテーブルの下に駆け込んだ。
   (比較)Rato kuras sub la tablo.:ネズミがテーブルの下で走っている。
  (注)al, ĝis など、移動の方向の意味をすでに持っている前置詞には対格語尾の名詞はつきません。
 (2) 状態の変化を示す。
   Li tradukis la novelon el la japana (lingvo) en Esperanton.
   La glaso rompiĝis en pecetojn.
3)動詞の不定形を伴うことができる前置詞があります。
   anstataŭ:Li karesis sian filon anstataŭ puni.
   krom:Mi nenion povis fari krom plori.
      Ŝi dancis krom kanti.
   por:Li skribis al ŝi por konfesi sian pekon.
   sen:Vi ne povas bone lerni Esperanton sen legi ĉi tiun lernolibron.
  これ以外の前置詞が動詞の不定形を伴うことはありません。
4)いくつかの前置詞は副詞を伴うことがあります。
   de morgaŭ, de proksime, de supre
   ĝis morgaŭ, ĝis malfrue
   por eterne, por ĉiam
5)2個の前置詞を組み合わせて使うことがあります。
   Li prenis la libron de sur la tablo:彼はテーブルの上から本を取り上げた。
6)前置詞をともなう副詞もたくさんあります。これらは一つのまとまりとして覚えましょう。ここにはほんの一例を挙げます。
  (例)aldone al, ekskluzive de, escepte de, fare de, helpe de, honore al, kompare kun, kune kun, okaze de, pere de, proksime al, proksime de
   dank’ al(=danke ak:~のおかげで)という形もよく使われます。
7)前置詞に品詞語尾や接尾辞をつけて派生語を作ることができます。また前置詞は接頭辞としても働きます。
   antaŭa, antaŭe, antaŭenigi, antaŭo, antaŭaĵo, antaŭulo
   antaŭhieraŭ, antaŭmilita, antaŭĉambro, antaŭiri, antaŭdiri

   写真はネパールで見た花
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前置詞

2010-03-13 | 入門・初級教科書を作る
 前々回の記事の反省の続き。ある先生から次のように指摘された。
 「ここに挙げてある例文は
Ju pli multe vi memoras vortojn, des pli facile vi povas legi. 
とするのがよいと思います。
 -os でなく -as を使うのは,「おぼえている単語の数が多ければ多いほど読むのが楽である」というのは,時に関係なく通用する,いわば「普遍の真理」であるからです。
ju pli ..., des pli ... の語順も,上で訂正したような語順が普通です。ただし,韻文では別ですが。」
 「たくさん覚えれば読むのが楽になるでしょう」で未来形と考えたのだが、初級教科書の例文は素直な方がいいからこの指摘に従いたい。
 どこかで「 ju pli は接続詞だから先頭に、des pli は副詞だからどこにでも置ける」と読んだのでわざとあのように書いたのだが、その説明を結局は書かなかったので余計なことになってしまった。素直な例文作りを心がけよう!

 前回の記事にはとくに反省はないが、エスペラント日本語辞典に「派生副詞でもなく、原形副詞にも分類されていない副詞」を見つけた。retro である。この単語は PIV, PAG, PMEG では「未公認の接頭辞」であり、単独で副詞として使われることがあるとされている。この後半部分をエス日辞典では主に取り上げて「副詞」に分類したらしい。こういう場合は「原形副詞」の一覧表に入れておくべきではないか?
 今回から「前置詞」である。分類上の問題はなさそうだが、日エス辞典の巻末付録にある一覧表にはやっぱり apud, po, por が抜けている。ついでに揚げ足取りをしておくと、この表には1ヵ所アルファベット順になっていないところがある。
 前置詞についてはあまり深く考えすぎない方がよさそうだ。学習初期の頃はどの前置詞を使えばいいのか迷ったことも多い。小坂狷二「前置詞略解」はノートをとりながら読んだが、頭の中には何にも残っていない。しかし、辞書では前置詞を引くよりも動詞を引いて調べた方が早い。

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前置詞
 前置詞は原則として主格の名詞・代名詞の前に置いて、その名詞・代名詞が文章の中でどのような働きをするかを示します。多くの前置詞は2つ以上の意味を持っています。また、一つの意味に対していくつかの前置詞が可能な場合もあります。辞書を引いて意味や使い方を確かめてください。
 前置詞には次のものがあります。重要なものが多く、読み書きするうちに自然に覚えられます。

 al:方向・対象・目標などを示す。
 anstataŭ:~の代わりに
 antaŭ:(場所・時間)前を示す。
 apud:~のそばで
 ĉe:~のところで、~の場合に
 ĉirkaŭ:~の周りで、おおよそ
 da:数量を示す
 de:(場所・時間)~から、~によって
  de には多くの使い方があり、誤解を避けるために次のような合成語などが使われます。
   ekde:(時間)~から
   disde:(場所)~から、~から離れて
   fare de:(行為者を表す)~によって:fare は動詞 fari を副詞形にしたもの。
   far:fare de と同じ意味の(未公認の)前置詞
 dum:(時間)~の間(ずっと):接続詞としても使われます。
 ekster:~の外で
 el:(中から)外へ
 en:中で、(ある時)に
 ĝis:(場所・時間・程度など)~まで
 inter:(時間・場所)~の間で
 je:適切な前置詞が見つからない場合に使う意味不定の前置詞。現在ではほぼその使い方が限られている。詳しくは辞書で調べてください。
 kontraŭ:~に対面して、対立して
 krom:~を除いて、~は別として
 kun:~とともに
 laŭ:~に沿って、従って
 malgraŭ:~にもかかわらず
 per:(道具・手段)~によって
 po:(数量)~ずつ
 por:(目的・用途)~のために、(対価)~に対して
 post:(時間)~より後で、~だけ後で
  場所の「後ろ」には malantaŭ がおもに使われる。
 preter:~の傍らを通って
 pri:(対象)~について、関して
 pro:(動機・理由)~のために
 sen:~なしに
 sub:(場所)~の下で、(事情など)~のもとで
 super:(場所)~の上方で
 sur:(場所)~の上で、表面で(天井や天球面などにも使われる)
 tra:~を通り抜けて
 trans:~の向こうで、向こう側で
   写真は朝靄に煙るネパール・ポカラのフェワ湖。ついでながら、このブログで使用した写真・図が1,000枚を超えた。記事もほぼ1,000回になるわけだ。
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原形副詞(2)

2010-03-10 | 入門・初級教科書を作る
 まず前回の反省。
  Ju pli multe vi memoros vortojn, vi povos legi des pli facile.
  memori は「覚える」ではなく「覚えている」なので、ここは ekmemori としなければならない。Jamo さん、ご指摘ありがとうございました。
 今回は原形副詞について少し補足です。

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 原形副詞についての若干の補足事項

1)いくつかの原形副詞は接頭辞としても使われます。
  (例)ĉi-matene, ĉi-jara, ĉi-rilate(ふつうハイフンでつなぎます)
     memstara, memfido
     plejparte
     pliaĝa
2)いくつかの原形副詞から語尾を持つ単語を作ることができます。
  (例)ajna
     fore, fora
     jena, jene
     kvazaŭa
     memo
     nei
3)原形副詞を使った表現をいくつか紹介します。
  ne nur… sed (ankaŭ)~:…であるだけでなく~も
  ne nur… sed eĉ~:…であるだけでなく~さえも
  ĉu… ĉu~:…かそれとも~か、…であろうと~であろうと
  eĉ se:たとえ~でも
  tro… por -i:あまりに…すぎて~できない
   Mi estas tro maljuna por marŝi tiel longe.
    (2つの動詞の主語が一致する場合)
  tro… (por) ke, -u:あまりに…すぎて~できない
   La vojo estas tro longa, ke mi marŝu.
    (2つの動詞の主語が一致しない場合)

   写真はネパール毛派のポスター
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原形副詞

2010-03-07 | 入門・初級教科書を作る
 今回は原形副詞。エスペラント日本語辞典には「本来副詞」とあるが、今まで「原形副詞」と書いてきたのでこの用語を使う。個々の単語についてはあまり深くは触れない。私自身の経験から、羅列してもどうせ覚えきれないからである。それよりも自分で必要なときに辞書を引くことだと思う。辞書を引くのが面倒な人には別な学習法が必要かもしれない。

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原形副詞
 品詞語尾を持たない単語の中に「原形副詞(本来副詞ともいいます)」と呼ばれる一群の単語があります。これらは実際に副詞として使われる単語もありますが、代名詞や形容詞として、あるいは特殊な使い方をされるものもあります。それほど多くはありませんが、重要な単語が多いので自然に覚えていきます。
 以下に原形副詞を列挙します。今までに覚えたものもあるでしょう。また 特殊な使い方をするものがあるので、初めのうちは必ず辞書を引いてその意味や使い方を調べてください。
 ajn:「無差別(なんでも、どうにでも)」を表す
  ie ajn:どこでも
 almenaŭ:すくなくとも
 ambaŭ:両方(の)
 ankaŭ:~もまた
 ankoraŭ:まだ、もっと
 apenaŭ:かろうじて、やっと
 baldaŭ:まもなく
 ĉi:「近いこと」を表す
  ĉi tie (tie ĉi):ここに
 ĉu:疑問文・疑問節を作る
 des:(常に des pli, des malpli の形で使われる)いっそう
  ju (mal)pli ~ des (mal)pli …:~なほどいっそう…
  (例)Ju pli multe vi memoros vortojn, vi povos legi des pli facile.
 do:だから
 eĉ:~でさえ
 for:遠くへ
 hieraŭ, hodiaŭ, morgaŭ:昨日、今日、明日
  antaŭhieraŭ, postmorgaŭ:一昨日、明後日
 ja:まさに
 jam:すでに、もう
 jen:ほら
 ĵus:(直前の時間を示す)たった今
 kvazaŭ:あたかも、まるで~のような
 mem:~自身、自ら
 ne:「否定」を表す
  (注)ne は否定される語の直前に置かれる
   ne granda:大きくない
   ne tre granda:とても大きいというわけではない
   ne utila:役に立たない
   ne nur utila, sed bela:役に立つだけでなく美しい 
 nun:いま
  (注)現在の時点だけでなく、すぐ前の時点(=ĵus)、すぐ後の時点(=tuj)を表すこともある。
 nur:たった、~だけ、単なる、やっと
 plej:最も(最上級を作る)、とても
  kiel eble plej ~:できるだけ~
 pli:より(比較級を作る)、それ以上に
  malpli:より少なく
  pli-malpli = pli aŭ malpli:多かれ少なかれ、だいたい
  pli kaj pli:だんだん
 plu:さらに、引き続き
  kaj tiel plu(=ktp, k.t.p.):など
 preskaŭ:ほとんど(少し足りない)
  preskaŭ ne:ほとんど~でない(ほんの少し)
 tamen:けれども、しかしながら
 tre:とても
 tro:あまりにも~すぎる
 tuj:すぐに

   写真はネパールの山村
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本来副詞に入る前に

2010-03-04 | 入門・初級教科書を作る
 まず前回の反省から。
 en unu tago... は「ある日」と「1日のうちに」の両方あるから避けた方がいいという masakato さんの指摘。たいていは文脈から判断できると思うが、注意書きをしておくべきだった。
 つぎに Jamo さんから、Iu homoj kriis. これは初歩的なミス。iuj homoj または iu homo に。また iu は話し手が知らない場合だけでなく、知っていても相手に示す必要がない場合にも使われる。
 「その他の数量表現」の(注)に「階数の表し方」を入れておくとよかったかもしれない。

 次回は原形副詞の予定だが、一覧表を作ろうとして少し困ってしまった。原稿を書くのにあたって一番頼りにしている「エスペラント日本語辞典」(以下「辞典」と略記)の巻末付録に「本来副詞」(原形副詞)の一覧がある。この巻末付録は不完全な場合があって注意が必要だが、原形副詞の表は教科書によっても微妙に違うのだ。かつてある有名な先生の講義で「必ずしも副詞ではないものも原形副詞には含まれている。分類ができないものをここに一括して入れてあるからだ」といったことを聞いた。
 そこでいくつかの教科書を比較しながら「辞典」を少し調べてみた。
 ・まずPMEGではそもそも分類の方法が全く違っている。「E-vortecaj vortetoj(副詞的小辞?)」には相関詞のかなりの部分も含まれる。
 ・タニヒロユキ「エスペラント単語練習帳」も本来副詞をさらに「副助詞」「程度副詞」などに分類し、さらに「連体詞」「その他の小詞」を別に立てるなど独特の分類をしている。
 ・nun, plu, ja この3つは「辞典」の付録のリストにはないが、本文では「副詞」となっている。リストからの欠落と見ていいだろうか?
 ・ĉirkaŭ 「辞典」では「前置詞」に分類、「副詞と見なすこともある」
 ・jes 「辞典」では「間投詞」 に分類、「副詞的用法」の例。
 この2つは「辞典」の付録リストにもないが、
 ・jen はリストにあるのに、本文では「間投詞」である。
 ・同じく ambaŭ もリストにあって、本文では「形容詞」「代名詞」
 この2つはリストから外すべきか?
 ・この他、教科書によっては nu, ju, bis をあげている。とくに少し古い教科書は bis を必ずあげているが、新しいものはすべて「間投詞」に分類している。

   写真はネパールの案山子
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数詞(2)

2010-02-28 | 入門・初級教科書を作る
 まず前回の反省から。ひとつミスがあった(偶然自分で見つけた)。
  3.14:tri komo unu kvar の「.」を「,」に。ついでにどこかで「.」と「,」の読み方に言及しておくべきだった。
 今日は数詞の2回目である。いろんなことがあるが適当に取り上げた。全部あげているときりがないので、あとは学習者が実例にぶつかることで学習していく。
 エスペラントを始めて間もない頃、Nifty のフォーラムで「100万番目はどう言えばいいのか?」と質問したことがある。「難しい問題である」という解答しか記憶していないが、エスペラント日本語辞典にはちゃんと miliona で百万番目とある。PMEGには「miliona はいろんな意味を持ちうるが、おおむね百万番目の意味で使われている」といったことが書いてある。それ以上の場合は numero miliono unu といった形を使うのがよいとも。

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序数詞
 数詞に形容詞語尾 -a をつけて順序を表します。形式的には形容詞なので、対格語尾 -n・複数語尾 -j がつきます。-e をつけて副詞にもなります。
   unua:最初の、第一の
   unue:一番目に、まず
   unuaj sep tagoj
   kvina horo, dua tago de marto
 分かち書きされている場合はハイフンでつなぎます。
   sepdek-sepa, du-mil-deka = 2010-a(2010a とも書きます)

数詞の使い方
1) 形容詞的な使い方(対格語尾・複数語尾はつきません)
   tri pomoj, dudek du jaroj
2) 名詞的な使い方(対格語尾・複数語尾はつきません)
   Unu kaj du faras tri:1+2=3
  同格補語として
   la paĝo 15 = dek-kvina paĝo
   la jaro 2010 = 2010-a jaro
3) 数詞の名詞化(個々の数詞によって特殊な意味を持つことがあります。)
   unuo:数字の1、(計量の)単位
   duo:数字の2、2個(人)組=paro
   dekduo:ダース

前置詞 da は、数や量を示す名詞・副詞に伴って数量を表すのに使います。
   Mia urbo havas tri milionojn da homoj.(意味上の目的語は homoj ですが、前置詞の後なので対格語尾はつきません)
   du dekduoj da ovoj
   du boteloj da vino
   tri litroj da akvo
   Multe da homoj kolektiĝis.(multe は副詞ですが名詞的に使われて主語になっています)
   Mi renkontis kelke da amikoj.(kelke は副詞ですが名詞的に使われて目的語になっています。対格語尾はつきません)
    (比較)Mi renkontis kelkajn amikojn.: kelke da amikoj はひとまとまりとしてとらえ、kelkaj amikoj は「個々に」というニュアンスを持っています。
   Ĉu mi havas sufiĉe da tempo?
   Kiom da homoj partoprenis en la kunsido?

時間の表現(例)
   Zamenhof naskiĝis en la dek-kvina (tago) de decembro, 1859.
   La kunsido komenciĝos je la oka (horo) en la dudek-oka (tago) posttagmeze.
    (tago, horo は省略されることがあり、前置詞で区別します)
   Mi laboris dum tri horoj de la unua ĝis la kvara.
   dek kvin minutoj = kvarono da horo
   La tertremo daŭris dum tri minutoj kaj tridek sekundoj.
   Je kioma horo komenciĝos la kunsido?
年齢の表現(例)
   Kiom da jaroj vi havas?
   Kian aĝon vi havas?
   Mi estas sesdek ses jarojn aĝa.
   La knabo jam aĝas dek jarojn.
    (この2つの例の対格 jarojn は前置詞省略の対格です:La knabo jam agas je dek jaroj.)
その他の数量表現(例)
   La ponto estas longa je cent metroj. = La ponto estas longa cent metrojn.
   Mi estas cent sesdek ok centimetrojn alta.

unu の特殊な用法
 代名詞として(alia と対で使われることがある。また複数になることもある。)
   Unu el la knabinoj estas mia filino.
   Du knabinoj aperis. Unu kantis kaj la alia dancis.
   Kelkaj homoj kolektiĝis en la ĉambro. Unuj lernis diligente, aliaj babilis.
   Ili amas unu la alian. = Ili amas reciproke.
 指示形容詞として「ある」「ひとつの」
   Iam estis unu avo.
   En unu tago...
   (比較)
    Iu homoj kriis.:誰かが叫んだ。・・・話し手も知らない。
    Unuj homoj kriis.:ある人たちが叫んだ。・・・話し手は知っていることを暗示。
    Certaj homoj kriis:奴らが叫んだ。・・・知っていることをより強く暗示。
 これらの場合、対格語尾は複数形のみにつきます。
   El ili unujn mi konas.

   写真はネパール、道路を作る材料らしい
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