エスペラントな日々

エスペラントを学び始めて27年目である。この言葉をめぐる日常些事、学習や読書、海外旅行や国際交流等々について記す。

やっかいな接尾辞 -i-

2012-09-15 | -uj- aux -i-?


 -uj- が3つも意味を持っていて不便だというのなら、-i- はもっと奇怪である。PIV は -i- に国名以外の5つの意味を与えている。エス日にはこの記述はない。造語要素としてもあげていない。たぶんすべて語根の一部だという立場だと思うが、それにしても以下に示すように例が多すぎる。
 PIV の5つを簡単にあげておく。
 1.人からその行動分野
  ksenofobo(外国人嫌いの人)ー ksenofobio(外国人嫌い) 
  pederasto(男色者)ー pederastio(男色)
 2.専門家からその専門
  agronomo(農学者)ー agronomio(農学)
  diplomato(外交官)ー diplomatio(外交)
   しかし、kemio(化学)ー kemisto(科学者)、kemo ではない
 3.人から社会システムや現象
  aristokrato(貴族)ー aristokratio(貴族政治)
  demokrato(民主主義者)ー demokratio(民主主義)
 4.道具や行動から技術名
  stetoskopo(聴診器)ー stetoskopio(聴診法)
  stenografo(速記)ー stenografio(速記法)
 5.数学・・・これについては私には質問しないこと
  homeomorfio(位相同形)ー homeomorfio(同相写像)
  progreso(進展)ー progresio(級数)
 余談だが、人からその専門分野などを作るのはどうもしっくり来ない。ヨーロッパ言語と日本語との違いであろうか。

 -i- には他にもややこしい問題がある。以下は「Rusoj Logxas en Rusujo」から拾ったことである。
 メキシコの首府はやっぱりメキシコである。これを区別するために、ザメンホフは、都市には Meksiko、国名には Meksikio を提案した。エス日辞典には、Meksiko は都市・国名両方に使うとしてあり、Meksikio もある。国民名ではないものから国名が作られている同様な例は他にもいくつかある。当然これらの国の住民は -ano である。
  Algxero(アルジェ)ー Algxerio(アルジェリア)
  Tunizo(チュニス)ー Tunizio(チュニジア)
  Luksenburgo(ルクセンブルグ・都市)ー Luksenbrurgio(国)
  Senegalo(セネガル川)ー Senegalo, Senegalio(セネガル)
  Nigxero(ニジェール川)ー Nigxero(ニジェール)
              ー Nigxerio(ナイジェリア)
 例外も多い。
  Paragvajo(パラグアイ)には同名の川もあるが、これは PIV によれば Paragvajrivero である。
  Urugvajo(ウルグアイ)にも同名の川がある。
  Malto(マルタ)には同名の島もあるが、国名を Maltio とは言わない。
  Singapuro(シンガポール)は都市国家だから国名と都市名を区別する必要はないだろうが、構成する一番大きな島も同名である。
  Kenjo(ケニア)は、本来同名の山から由来する国名であるが、Kenjio とは言わない。

   
写真はフランス・モンペリエ、1998年のエスペラント世界大会会場近くの公園
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