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◇企業システム◇住商情報、日本HP、マイクロソフトが「ワークスタイル革新IT基盤構築サービス」提供

2009-01-14 11:31:24 | システム開発

 【システム開発】住商情報システム、日本HP、マイクロソフトの3社は、戦略的なIT投資による費用削減や社員の生産性向上など、企業の攻めの経営を支援するITプラットフォームソリューションを共同で提供開始すると発表した。3社は、出張・通信費用や紙の資料を削減、業務効率の向上と社内コミュニケーションの活性化などの支援を行う「「ワークスタイル革新IT基盤構築サービス」を協力して提供する。同サービスは日本HPのブレードサーバーおよびストレージ、マイクロソフトの「オフィス・シェアポイント・サーバー」「エクスチェインジ・サーバー」「オフィス・コミュニケーション・サーバー」、住商情報のSI導入ノウハウを組み合わせたサービス。企業のコミュニケーションを最適化することによって、業務コスト、IT投資を削減しつつ、異なる部門間や異なる拠点間で円滑なコミュニケーションを可能とさせることができる。 (09年1月7日発表)

 【コメント】100年に一度といわれる世界同時不況に喘ぐ企業にとっては、ITどころではないというのが本音であろう。また一方、企業は好況の時には社内システムがどうのこうのはいわないが、いったん業績が落ちると社内システムがうまく機能していないから業績が落ちるのだと、社内システムに責任をなすりつけようとする傾向が強い。この矢面にたたされるのはいつも情報システム部門である。このため情報システム部門は、こんな不況なときほど理論的でも、実践でもしっかりとした対応をしないと、社内での評価は得られない。今回、3社による「ワークスタイル革新IT基盤構築サービス」は、こんな状況下において情報システム部門のニーズを先取りしたサービスとして評価されよう。

 これに先立ちマイクロソフトは、「Save Mony.苦境をのりきる、攻めのITを。」キャンペーンを開始している。ITベンダーがITコスト削減をいうことは、なかなか難しいことである。企業がITシステムに投資しなければITコストは削減されるが、ITベンダーからすると業績が悪化してしまう。今回のマイクロソフトの「セイブ・マネー」キャンペーンは、ソフトベンダーとして、ソフト製品をユーザーに買ってもらうことで、正面を切ってITコスト削減策を打ち出したもので、なかなかの戦略といえるものだ。同キャンペーンの具体的な中身を見てみよう。マイクロソフトが挙げたコスト削減策は①IT管理、運用コスト削減(仮想化技術を活用したサーバーの集約)②PCの消費電力を抑える電源管理ツール(一元化されたIT管理)③出張、通信コスト削減(Web会議導入でコストを減らしながらコミュニケーションを活性化)④業務、間接コスト削減(プロジェクト管理、オフィスの活用、紙文書の削減、システム開発の部品活用と内製化)⑤ソフトウエア利用コストの削減(パック価格、オフィスをライセンスで購入、製品評価・導入計画の立案支援サービス、情報漏洩対策コスト削減)―の5つ。

 これらのコスト削減策は一つ一つなるほどなと思えるものである。ソフトベンダーである特徴を生かした提案内容が面白い。ところで、これまで企業システムのコスト削減には取り組まれてきたと思うが、今回の100年に一度の世界同時不況を機にもう一度、コスト削減策の見直しを行ったらどうであろう。コスト削減をしたと思っていても、意外に効果が出ていないケースも少なくないはずである。例えば紙を削減したからといって効果があるかというと、逆に業務の進展にブレーキをかける場合だってある。要は現場の業務システムを運用する人たちを巻き込んだコスト削減でなければ意味がないということだ。(ESN)