みなさん、こんばんは。
さて、今日は社会福祉法人の計算書類の2つ目、事業活動収支計算書についてです。
以前に、事業活動収支計算書は、純資産の増減を伴う収入と支出の内容を明らかにするもの、というご説明をしました。
今日は、この純資産の増減を伴う収入と収支ということの意味について確認していきたいと思います。
まず、純資産というのは、資産から負債を差し引いた正味の財産を意味します。
従って、事業活動収支計算書に記載されるのは、資産を増加させる収入や、資産を減少させたり、負債を増加させたりする支出ということになり、資産間の異動や、資産と負債の同額の増減というのは、記載されません。
一つ具体例をあげて確認したいと思います。
資金運用のために額面1,000万円、期間3年の国債を990万円で購入したとします。
この取引自体は、預金が990万円減って、投資有価証券が同額増えるという資産間の異動なので、事業活動収支計算書には記載されません。
その後3年経って国債が額面1,000万円で償還された時はどうでしょう。
この時は、投資有価証券が990万円減って、預金が1,000万円増えているので、差引10万円の資産が増えたことになります。
従って、この取引については、事業活動収支計算書の記載対象となります。
なお、この場合の記載方法としては、差引増加した10万円だけを投資有価証券売却益として計上する方法(純額表示)と、投資有価証券の売却による収入総額1,000万円を収入に計上し、投資有価証券の減少額990万円を売却原価として支出に計上する方法(総額表示)の両方が認められています。
『保育園の経営を支える』会計事務所です。是非こちらもご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/encom/d/20121126