園コミ

育児が趣味の公認会計士・税理士のブログです。
保育園の情報など子育て家庭に役立つことをご紹介しています。

子ども・子育て新システムの制度案~費用負担~

2010-09-30 | 子ども・子育て新システム

みなさん、こんばんは。

さて今日は「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」第9回です。

 費用負担

社会全体で子ども・子育て支援を支えるという観点から、社会全体(国・地方・事業主・個人)により、必要な費用を負担する。
両立支援・保育・幼児教育給付(仮称)に、事業主・個人が拠出することを検討する。
国及び地方の恒久財源の確保を前提として実施する。
既存の特別会計(勘定)の活用などにより、子ども・子育て勘定(仮称)を設け、各種子ども・子育て対策の財源を統合し、市町村が自由度を持って必要な給付を行うことができるよう、子ども・子育て包括交付金(仮称)として、市町村に対して必要な費用を包括的に交付する。
子ども・子育て包括交付金(仮称)の算定基礎は、児童人口などの客観的な指標を基本とするが、両立支援・保育・幼児教育給付(仮称)について需要量に応じた要素を加味することなどを検討する。
市町村は、子ども・子育て特別会計(仮称)において、子ども・子育て包括交付金(仮称)と地方からの財源をあわせ、地域の実情に応じ、給付を行う。
事業主拠出の在り方は、社会全体で子ども・子育てを支える観点や、両立支援における企業の果たす役割を踏まえ、企業の経済活動に対する影響などにも配慮しながら、検討を行う。

さぁ、いざ実行だっとなるとネックになるのが、この費用負担の問題です。
制度案では概要的なことくらいしか記載していないので、あまり特筆すべき点はありませんが、取り上げるとすれば、「子ども・子育て包括交付金(仮称)」という言葉でしょうか。
先日の民主党代表選挙で、小沢さんが地方への一括交付金化というのを主張していましたが、「子ども・子育て包括交付金(仮称)」は、全て一括というわけではなく、子ども・子育てという大きなくくりの中での包括的な交付金ということだと思います。
気を付けなければいけないのは、本来は地方の裁量の幅を広げることが目的の一括交付なのに、主目的が変わってしまう恐れがあることです。
つまり、今回小沢さんが主張していたように、一括交付することによって全体としての金額が少なくて済むといった面が強調されてしまう可能性があるということです
もちろん分散による非効率が排除されることは望ましいことですが、十分な財源が地方に行き渡らず、地方が負担増加に対する不満ばかりを主張するような事態にはならないようにしてもらいたいと思います。

  

『保育園の経営を支える』会計事務所です。是非こちらもご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/encom/d/20121126

 


子ども・子育て新システムの制度案~放課後児童給付~

2010-09-18 | 子ども・子育て新システム

みなさん、こんにちは。

さて、今日は「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」第8回です。

(3) 切れ目のないサービスの保障
○ 育児休業の給付と保育サービスを一元的な制度により保障することにより、育児休業から保育サービスへの円滑な利用を保障する仕組みとする。
① 市町村の認定による保育サービスを受ける権利の付与
② ①と連動した市町村によるサービス提供体制確保
③ 短時間労働者向けサービスなどのサービスメニューの多様化
④ 育児休業中の給付あるいは保育サービスのいずれかが保障される仕組み

(4) 放課後児童給付(仮称)
○ 放課後児童給付(仮称)については、「小一の壁」に対応し、保育サービス利用者が就学後の放課後対策に円滑な移行を可能とするという視点に基づき、放課後の遊びの場と生活の場を提供するサービスとして、個人に対する利用保障を強化する。
○ 指定事業者ごとに利用登録する仕組みを導入し、登録児童数に応じて当該指定事業者に費用保障する仕組みを検討する。
○ 小4以降も放課後児童給付(仮称)が必要な子どもにサービス提供を行う。

(5) 市町村独自の給付
○ 市町村の裁量で、両立支援・保育・幼児教育給付(仮称)の上乗せ給付が可能となる仕組みを検討する。

「切れ目のないサービスの保障」、「放課後児童給付(仮称)」ともに非常に重要な項目だと思います。
「切れ目のないサービスの保障」は、育児休業から保育サービスへの円滑な移行を保障することを指しています。
育児休業の期限が近づいてるのに入れる保育園が見つからない、というのはよく耳にする話で、ただでさえ久しぶりの職場復帰で不安になる時なのに、復帰の時期などで職場との交渉が必要になったりするのは大きな負担だと思います。
やはり、子育て支援施設を充実させて、誰もが希望する時に利用できる制度を整備する必要があると思います。

「放課後児童給付(仮称)」は、放課後の遊びの場と生活の場を提供するもので、いわゆる「小一の壁」に対応するものです。
実態としてどの程度不足しているのかあまり聞いたことがないのですが、今後共働きの世帯がますます増える傾向にあることを考えても、保育所と同様に当然充実させていく必要があるのだろうと思います。
ただ、放課後ということで時間が限られているため、民間事業者だと採算を取るのが難しいという課題はあると思います。
この点については、教育的な側面を強化したりすることで付加価値の高いサービスを提供するなど、事業者が工夫するだけでなく、教室を無料で利用できるようにするなど、事業者を支援する仕組みが必要だと思います。

  

『保育園の経営を支える』会計事務所です。是非こちらもご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/encom/d/20121126

 


それでも増える待機児童

2010-09-14 | 子育てNews

みなさん、こんばんは。

さて、先週の日経新聞に待機児童数が3年連続で増加したという記事が掲載されていました。
今年4月時点で26,275人で、昨年同月より891人増えたそうです。
一方で、全国の認可保育所数は23,068ヶ所で、143ヶ所増加、定員も2158千人で、26千人増えています。
大幅な定員増加にもかかわらず、待機児童が減らない理由として、厚生労働省は「女性の社会進出や不況で需要が増え、特に都市部など特定の地域では供給が追いついていない」と分析しているようです。
不況で仕方なくてという後ろ向きな理由でなければ、女性の能力が活かされるのはむしろ歓迎すべきことだと思うので、やはり供給不足が問題だといえます
そもそも昨年の待機児童数が25,384人で、定員が26千人増えたにもかかわらず、今年の待機児童数が26,275人になっています、という数字自体に違和感があります。
昨年の待機児童数を上回る定員増加なのに待機児童数が減っていないのは、定員が増えれば増えた分がすぐ埋まるくらい利用したいと思っている人たちがいるということ、つまり、カウントされていない潜在的な需要が相当あるということだと思います。
民主党の内輪モメもやっと落ち着いた()ことですし、すぐに国民の方に向き直して、国を良くするために「動くぞ!!」っていう姿勢を見せてもらいたいと思います。

  

『保育園の経営を支える』会計事務所です。是非こちらもご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/encom/d/20121126

  


千葉市の子供向け体験教育

2010-09-11 | 子育てNews

みなさん、こんにちは。

さて、今日は先週の日経新聞に掲載されていた、子供向け体験教育についての千葉市の取組みを紹介します。
若い市長として注目を集めている熊谷市長は、子供たちを「千葉市をつくる主役」と位置付けるとともに「市内で子育てをしたい人を増やす」ことを目指しているそうです。
紹介されていたイベントの一つは「ちばし こどものまち」というもので、子供が仮想の街の住民になり、地方自治を考える場を提供するものです。
僕自身は子供の頃は政治の仕組みなんて全然分かってなくて、市長さんといえば、卒業式の時とかに「市長さんの代わりの人」が挨拶する位のイメージしかありませんでしたが、こういうイベントに参加することで少しでも政治に関心を持てるようになったり、自分たちの住んでいる街に愛着を感じられるようになるんじゃないかと思います。
もう一つ紹介されていたのは「西千葉起業塾」というイベントで、子供たちが仮想の企業を立ち上げ、商店街に人を呼び込むための企画を練り、事業計画を作り、実践するというものです。
個人的に、この子供向け起業家教育というのに関心を持っていたので、とてもおもしろい試みだと思いました。
日本では子供向けの起業家教育というのはあまりメジャーではなく、教育のカテゴリーとしてほとんど認識されていない感じがしますが、実際に起業するかどうかは別として、新しい発想を生み出す力や、自分で考えて解決策を見い出す力を身に付けることは、とても大事なことだと思います。
起業家教育は英語教育と並んで、これからの子供たちに欠かせない分野になるんじゃないかと思います。

  

『保育園の経営を支える』会計事務所です。是非こちらもご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/encom/d/20121126

  


子ども・子育て新システムの制度案~多様な事業者の参入~

2010-09-02 | 子ども・子育て新システム

みなさん、こんばんは。

さて今日は「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」第7回です。

(
給付の仕組み)
非正規労働者、自営業者、求職者も含め、親の様々な就労状況にも応じることができる公的保育サービスを確実に保障するため、客観的な基準に基づく保育の必要性を認定し、それに基づきサービスを利用する地位を保障する。

利用者がサービスを選択可能な仕組みとするため、市町村の関与の下、利用者と事業者の間の公的保育契約制度を導入する。
必要な給付の保障責務や利用者の支援など、市町村の責務の明確化を図る。
利用者に対し、利用したサービスの費用を確実に保障する仕組み(利用者補助方式)とし、一定の利用者負担の下にサービスが利用できるよう、公定価格を基本としつつ、現物給付する。その際、サービスの多様化の観点等を踏まえ、柔軟な制度を検討するとともに、提供される多様なサービスの特性に配慮する。

(
多様な事業者の参入による基盤整備)
幼保一体給付(仮称)の各サービス類型ごとに、事業者を指定し、指定された事業者がサービスを提供する仕組みを導入(指定制の導入)する。

子ども・子育てビジョンの目標達成に向け、幼保一体給付(仮称)の各サービスについて、集中的に整備する。特に、地域におけるNPO等による家庭的保育サービス、小規模保育サービス等の取組支援の拡充を図る。

イコールフッティングによる株式会社・NPO等の多様な主体の参入促進のため、
・サービスの質を担保する客観的な基準による指定制を導入する。
・施設整備費の在り方を見直す。
・運営費の使途範囲は事業者の自由度を持たせ、一定の経済的基礎の確保等を条件に、他事業等への活用を可能とする。
・会計基準は、法人類型ごとの会計ルールに従うことを基本とする。


(
サービスの安定と質の確保・向上)
撤退規制、情報開示等のルール化を行うことにより、サービスの安定と質の確保を図る。


サービスの質の向上を検討する。

前回は給付の対象となる具体的なサービスを列挙したものを紹介しましたが、今回は給付を運営していくための仕組みの部分であり、残念ながら、前回に比べて抽象的な表現に留まっているという印象は否めません。
まず、サービスに対する給付の価格ですが、「公定価格を基本としつつ」、「サービスの多様化の観点等を踏まえ、柔軟な制度を検討するとともに、提供される多様なサービスの特性に配慮する」とされています。
利用者の負担を公平にするためには、公定価格を設けることは有用ですが、それによってサービスの多様化が損なわれてしまうことに対する懸念が示されています。
従来から認可外保育園は柔軟な対応で利用者のニーズに応えてきたとされていますが、制度が一本化されることでそういったアイデアが活かされなくなってしまうことが考えられます。
本来は自由競争の中で各事業者がサービスを競い合うことが、利用者にとっても一番いいんじゃないかと思いますが、それだと全ての子どもへの良質な成育環境の保障という理念が実現できなくなってしまう恐れがあり、非常に難しいところだと思います
次に、多様な事業者の参入という点についてですが、「イコールフッティングによる株式会社・NPO等の多様な主体の参入促進のため、サービスの質を担保する客観的な基準による指定制を導入する」とされています。
現在は事業者の形態によって取り扱いが異なり、参入障壁が存在すると言われていますが、先ほどのサービスの多様化という意味でも、様々な事業者が平等に参入できる環境が望ましく、客観的な基準の明示、浸透を図ってもらいたいと思います。
一方、こういった規制緩和を行う場合についてまわる課題として、質の確保という点が挙げられます。
これについて制度案では、「サービスの質の向上を検討する」とだけ書かれていますが、非常に重要なポイントなので、もうちょっと踏み込んだ対応策に触れて欲しかったなぁという感じはします。
ということで、今回はやや具体性が乏しい記載が目立ち、議論が煮詰まっていない課題が複数ある感じはしましたが、そうは言っても、とにかく改善に向けて踏み出すということが重要だと思います。
民主党には内輪モメに時間を費やしてないで、国民のための政策をスピード感を持って実行していってもらいたいと思います。

  

『保育園の経営を支える』会計事務所です。是非こちらもご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/encom/d/20121126