たっきーです。
朝から良い天気に恵まれ気持ちよい一日です。
今日は0のつく日、5月10日です。
シリーズは第3章④です。
がん患者の方、その家族の方の何かの参考になれば幸いです。
「癌から奇跡の復活・第3章 ④」
【肺転移3ヶ月後のCT検査は・・・】
腫瘍科の先生に抗癌剤治療の延期を申し出て3ヶ月の間、体力の回復に努めるため、少しずつの運動や出来る限りたくさんの食事を取ることを重点的にして過ごしていました。
特に食事に関しては唾液腺を手術で摘出したこともあって、唾液が少なく口が乾いて食べ物が口の中でくっつき飲み込むのに一苦労する状況がずっと続き、水やお茶など水分が無いと食事は出来ませんでした。また、普段、会話する時でもすぐ口が乾いて喋り辛くなり外出時には常に水筒を持ち歩いていました。
そして、予定の通院日にCT検査を受け、ドキドキしながら検査結果を待ちました。診察室に入って先生に挨拶するとすぐに先生から検査結果の書類を渡され説明が始まりました。
先生はモニターの画像を私達に見せながら、表情ひとつ変えず「中咽頭がんの局所再発やリンパ節転移は認められません。そして、肺に転移した影は縮小しています」と言われるではありませんか。
一瞬耳を疑いました。
モニター画像を食い入る様に見ても良くわからないので、妻と私は今一度、手渡された検査結果の文章に目を通しました。
そこにははっきり【診断・「肺転移縮小」】と書いてあったのです。
私は診察室で何の恥じらいもなく妻の手を握りしめました。
そして、もう一度ミニターの画像に映しだされた転移と確定した時の画像と3ヶ月後の画像に目を移し指で先生に「この部分ですか?」と訪ね、自分の目で比較したうえで今度は、はっきり確認ができ思わず心のなかで「やった~!」と叫んでいました。
本当は大声で叫びたかったのですが・・・。
先生からも「良かったですね!」と言葉をかけて頂きました。
先生はこれまで努めて冷静に言葉を選びながら接して下さっているのが伝わって来ていましたのでこの言葉は胸にしみ、やっと落ち着きを取り戻しました。
「肺転移縮小」という結果がわかったものの、全てが無くなったわけではなくまだ現存していることに変わりはなく、今後どのようにすればよいのかが次の心配で先生と相談したところ「もう少しこのまま薬剤の使用はしないで様子見をしましょう」ということになり、また3ヶ月後に再度検査しましょうと言う事となりました。
次の予約日を確定し先生にお礼を言い、嬉しさ一杯の顔をして病室を後にしました。まるで難関校に合格した学生のような感じでした。帰りの時の気分の良さと足の軽さは今でも忘れられません。
転移発覚3ヶ月後の結果が順調でこんなに良くなっているとは信じがたいものがありました。しかし、私達もただ手をこまねいていたわけではありません。
第一に規則正しい生活。
入院当時と同じようなタイムスケジュールで毎日を過ごし、食事に関しては栄養のバランスを考え色々なものを少しずつ数回に分けて摂り、時には搾り機によるニンジンジュースを毎食時に飲んで柑皮症になる時もありました。
しかし、食事の量は相変わらず少なく体重もなかなか増えず、喉の通りもイマイチで、ある時期は食事が苦痛となり、なげやりになって“もうどうでもいいや”の気分になったこともあります。
しかし、口から物を入れないと元気になれないと自分に言い聞かせ、美味しく感じないものでも無理矢理に口にしていました。その中で一番食べやすかったのが「とろ玉うどん」でした。
この時からいろいろな料理に山芋を使ってもらい少しずつ食べる量も増えていきました。
第二に気分転換。
環境の変化は気分転換に大きく影響することを実感し、冷え解消に温泉・サウナに通い、マッサージには毎週出掛けそして田舎に帰省して病気であることを忘れるほどの行動をするなど、「肺転移縮小」という結果を得るまでの3ヶ月間、様々な試みを行っていました。
第三は情報収集と行動。
肺に転移したことがわかり私の気力が萎えそうになった時から、妻は自分が病気になった如くいろいろ情報収集を行ってくれて、衣食住全てにおいて良いと思われることはほとんど試しました。
その中で妻の知人で同じような病気になられた方が、漢方薬を飲み続けて元気になったとの情報を聞きました。
妻がお願いしてご本人にお会いして話を伺うことになり私はドキドキワクワクでした。私は初めてお会いしたのですが、とてもがん患者とは思えないほどお元気でゴルフにも奥様と毎週行かれているとかの話など信じられないことばかりが目の前で伺えました。
一番知りたかったその元気になられた源をお聞きすると、たくさんの資料をお持ちなっていた中から漢方薬が良かったのではとお話になられました。
その漢方薬はアメリカなど海外では承認されているものですが、日本では薬として承認されておらず香港から個人輸入しているものということで、入手方法、服用方法など事細かに説明して頂き詳細な資料も頂きました。
資料を持ち帰って私も試すことにしたのですが、医薬品として認められていなく保険適用にもならないので結構な金額になるものでした。
しかし副作用がほとんど無いということが一番嬉しく、日本の代理店に即申し込み取り寄せて服用を始めていたのです。
漢方薬を服用するにあたって、取り寄せた説明書ではとっても飲みにくいもので人によっては合わない方もいるなどのことも書いてありましたが、私は丁度その頃は、味覚障害で味がわかりづらい状況で何とか飲むことは出来ました。
漢方薬は液体で20ml入りのもので、妻に言わせると匂いは墨汁のような匂いと言い、私も決して美味しいとは感じることはありませんでした。
その漢方薬を一日3回毎日飲み続けていました。
お陰様で私には本当に副作用もなく、何か体調も少しずつ回復しているような感じになり、この漢方薬の効果があったかどうかはわかりませんが、検査の結果が「肺転移縮小」となったので信じることにして飲み続けました。
そしてさらに3ヶ月が経過し、二回目のCT検査を受けました。
肺に転移しておよそ半年目の検査です。
いつもの様に通院で検査を受け、自分では体調も良くなりつつある感じを持っていたので以前よりは心に余裕がありましたが、検査結果を聞くまではやはりドキドキでした。
診察室に入ると以前と同じように画像がモニターに映し出されて先生の説明が始まりました。
先生はプリンターから検査結果の報告書を取り出し私たちに渡した後、画像を見ながら「順調ですよ。」とおっしゃいました。 私たちは先生のその一言でほっとし、さらに頂いた報告書に目を通すとそこにははっきりとこう書かれていました。
診断「肺転移はさらにやや縮小」
この文字を見たとき私たちは先生のおっしゃった「順調ですよ。」の言葉を理解したのです。 不思議なことに前回と違って検査結果が絶対に良くなっているとも信じていて、嬉しいことに変わりはありませんが、何か落ち着きのある気持ちでした。 抗がん剤も使用せず順調に回復しつつある状況となったので、先生に漢方薬を服用しているということをお話ししました。 先生は結果が良いこともあって漢方薬には触れず、このまま定期的に検査をして様子を見ましょうということになりました。 私は妻の手厚い介護によって順調に回復できたことに感謝し、また免疫力をupする食事をしっかりと食べるように妻に約束し、先の見えない、いや先の見えた日々を楽しく送るようになることができました。 自分でも少しずつ自信が湧いてきて、食事・運動・睡眠もバランスよく取れるようになりストレスを感じる機会も少なくなり、十数年ぶりに自宅で2013年の新年を二人で迎えました。
2013年の私の決意は「一日1回大声で笑う!」でした。
次回へ続く
朝から良い天気に恵まれ気持ちよい一日です。
今日は0のつく日、5月10日です。
シリーズは第3章④です。
がん患者の方、その家族の方の何かの参考になれば幸いです。
「癌から奇跡の復活・第3章 ④」
【肺転移3ヶ月後のCT検査は・・・】
腫瘍科の先生に抗癌剤治療の延期を申し出て3ヶ月の間、体力の回復に努めるため、少しずつの運動や出来る限りたくさんの食事を取ることを重点的にして過ごしていました。
特に食事に関しては唾液腺を手術で摘出したこともあって、唾液が少なく口が乾いて食べ物が口の中でくっつき飲み込むのに一苦労する状況がずっと続き、水やお茶など水分が無いと食事は出来ませんでした。また、普段、会話する時でもすぐ口が乾いて喋り辛くなり外出時には常に水筒を持ち歩いていました。
そして、予定の通院日にCT検査を受け、ドキドキしながら検査結果を待ちました。診察室に入って先生に挨拶するとすぐに先生から検査結果の書類を渡され説明が始まりました。
先生はモニターの画像を私達に見せながら、表情ひとつ変えず「中咽頭がんの局所再発やリンパ節転移は認められません。そして、肺に転移した影は縮小しています」と言われるではありませんか。
一瞬耳を疑いました。
モニター画像を食い入る様に見ても良くわからないので、妻と私は今一度、手渡された検査結果の文章に目を通しました。
そこにははっきり【診断・「肺転移縮小」】と書いてあったのです。
私は診察室で何の恥じらいもなく妻の手を握りしめました。
そして、もう一度ミニターの画像に映しだされた転移と確定した時の画像と3ヶ月後の画像に目を移し指で先生に「この部分ですか?」と訪ね、自分の目で比較したうえで今度は、はっきり確認ができ思わず心のなかで「やった~!」と叫んでいました。
本当は大声で叫びたかったのですが・・・。
先生からも「良かったですね!」と言葉をかけて頂きました。
先生はこれまで努めて冷静に言葉を選びながら接して下さっているのが伝わって来ていましたのでこの言葉は胸にしみ、やっと落ち着きを取り戻しました。
「肺転移縮小」という結果がわかったものの、全てが無くなったわけではなくまだ現存していることに変わりはなく、今後どのようにすればよいのかが次の心配で先生と相談したところ「もう少しこのまま薬剤の使用はしないで様子見をしましょう」ということになり、また3ヶ月後に再度検査しましょうと言う事となりました。
次の予約日を確定し先生にお礼を言い、嬉しさ一杯の顔をして病室を後にしました。まるで難関校に合格した学生のような感じでした。帰りの時の気分の良さと足の軽さは今でも忘れられません。
転移発覚3ヶ月後の結果が順調でこんなに良くなっているとは信じがたいものがありました。しかし、私達もただ手をこまねいていたわけではありません。
第一に規則正しい生活。
入院当時と同じようなタイムスケジュールで毎日を過ごし、食事に関しては栄養のバランスを考え色々なものを少しずつ数回に分けて摂り、時には搾り機によるニンジンジュースを毎食時に飲んで柑皮症になる時もありました。
しかし、食事の量は相変わらず少なく体重もなかなか増えず、喉の通りもイマイチで、ある時期は食事が苦痛となり、なげやりになって“もうどうでもいいや”の気分になったこともあります。
しかし、口から物を入れないと元気になれないと自分に言い聞かせ、美味しく感じないものでも無理矢理に口にしていました。その中で一番食べやすかったのが「とろ玉うどん」でした。
この時からいろいろな料理に山芋を使ってもらい少しずつ食べる量も増えていきました。
第二に気分転換。
環境の変化は気分転換に大きく影響することを実感し、冷え解消に温泉・サウナに通い、マッサージには毎週出掛けそして田舎に帰省して病気であることを忘れるほどの行動をするなど、「肺転移縮小」という結果を得るまでの3ヶ月間、様々な試みを行っていました。
第三は情報収集と行動。
肺に転移したことがわかり私の気力が萎えそうになった時から、妻は自分が病気になった如くいろいろ情報収集を行ってくれて、衣食住全てにおいて良いと思われることはほとんど試しました。
その中で妻の知人で同じような病気になられた方が、漢方薬を飲み続けて元気になったとの情報を聞きました。
妻がお願いしてご本人にお会いして話を伺うことになり私はドキドキワクワクでした。私は初めてお会いしたのですが、とてもがん患者とは思えないほどお元気でゴルフにも奥様と毎週行かれているとかの話など信じられないことばかりが目の前で伺えました。
一番知りたかったその元気になられた源をお聞きすると、たくさんの資料をお持ちなっていた中から漢方薬が良かったのではとお話になられました。
その漢方薬はアメリカなど海外では承認されているものですが、日本では薬として承認されておらず香港から個人輸入しているものということで、入手方法、服用方法など事細かに説明して頂き詳細な資料も頂きました。
資料を持ち帰って私も試すことにしたのですが、医薬品として認められていなく保険適用にもならないので結構な金額になるものでした。
しかし副作用がほとんど無いということが一番嬉しく、日本の代理店に即申し込み取り寄せて服用を始めていたのです。
漢方薬を服用するにあたって、取り寄せた説明書ではとっても飲みにくいもので人によっては合わない方もいるなどのことも書いてありましたが、私は丁度その頃は、味覚障害で味がわかりづらい状況で何とか飲むことは出来ました。
漢方薬は液体で20ml入りのもので、妻に言わせると匂いは墨汁のような匂いと言い、私も決して美味しいとは感じることはありませんでした。
その漢方薬を一日3回毎日飲み続けていました。
お陰様で私には本当に副作用もなく、何か体調も少しずつ回復しているような感じになり、この漢方薬の効果があったかどうかはわかりませんが、検査の結果が「肺転移縮小」となったので信じることにして飲み続けました。
そしてさらに3ヶ月が経過し、二回目のCT検査を受けました。
肺に転移しておよそ半年目の検査です。
いつもの様に通院で検査を受け、自分では体調も良くなりつつある感じを持っていたので以前よりは心に余裕がありましたが、検査結果を聞くまではやはりドキドキでした。
診察室に入ると以前と同じように画像がモニターに映し出されて先生の説明が始まりました。
先生はプリンターから検査結果の報告書を取り出し私たちに渡した後、画像を見ながら「順調ですよ。」とおっしゃいました。 私たちは先生のその一言でほっとし、さらに頂いた報告書に目を通すとそこにははっきりとこう書かれていました。
診断「肺転移はさらにやや縮小」
この文字を見たとき私たちは先生のおっしゃった「順調ですよ。」の言葉を理解したのです。 不思議なことに前回と違って検査結果が絶対に良くなっているとも信じていて、嬉しいことに変わりはありませんが、何か落ち着きのある気持ちでした。 抗がん剤も使用せず順調に回復しつつある状況となったので、先生に漢方薬を服用しているということをお話ししました。 先生は結果が良いこともあって漢方薬には触れず、このまま定期的に検査をして様子を見ましょうということになりました。 私は妻の手厚い介護によって順調に回復できたことに感謝し、また免疫力をupする食事をしっかりと食べるように妻に約束し、先の見えない、いや先の見えた日々を楽しく送るようになることができました。 自分でも少しずつ自信が湧いてきて、食事・運動・睡眠もバランスよく取れるようになりストレスを感じる機会も少なくなり、十数年ぶりに自宅で2013年の新年を二人で迎えました。
2013年の私の決意は「一日1回大声で笑う!」でした。
次回へ続く