キリスト者の慰め

無宗教主義の著者が、人生の苦しみに直面し、キリストによって慰めをえる記録

聖書の誤訳

2009-05-24 18:31:34 | 聖書原典研究(ヨハネ文書)
原典聖書(ネストレ・アーラント27版)にて、ヨハネ文書を読了する。 原語聖書を読み始める前から、ある程度は誤訳が多いことは知っていたが、 驚くべき誤訳の多さである。 毎日1時間~1時間半かけて、10節程度を読むことを日課にしてきて、 明確な誤訳は赤ペンで記してきたが、ノートが赤字で埋め尽くされる程である。 もちろん、誤訳が生じるのは、他民族の書を読むときの性(さが)ではある。 イタリア . . . 本文を読む

イスカリオテのユダ

2009-04-26 16:55:58 | 聖書原典研究(ヨハネ文書)
イスカリオテのユダ。 イエスに選ばれた十二使徒の一人でありながらイエスを裏切り、 ヨハネ福音書において悪魔の代名詞にように名指しされ、 ダンテの「神曲」において地獄の最深部に落とされ、 2000年間西洋世界で最も忌み嫌われた名。 このイスカリオテのユダの罪とは何だったのだろうか? ユダがイエスを裏切る際に使われた単語「裏切る」の原語は、 παραδiδωμi(パラディドーミ)という . . . 本文を読む

光と闇

2009-04-12 18:34:32 | 聖書原典研究(ヨハネ文書)
光は暗闇の中で輝いている。 暗闇は光を理解しなかった。 (ヨハネ福音書1-5/新共同訳) ヨハネ福音書によれば、光とは神であり、創造のキーであり、 命そのものであり、さらには人間の光である。 すなわち、イエス・キリストである。 ヨハネの論述は、まず結論を示して、 しかしてその後に、事実をもって証明する。 「光は暗闇の中で輝いている」 それはマニ教の教義の如く、善悪二元が闘争しあう . . . 本文を読む

荒野の蛇

2009-04-05 18:25:47 | 聖書原典研究(ヨハネ文書)
神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。 (ヨハネ福音書3-16/新共同訳) 「神は愛である」という。 しかし、如何なる愛であるかが問題だ。 上記の聖句は、原語ではωστε(甚だしく)という単語が記載されていることから、 「神は甚だしく世を愛された」という意味になる。 甚だしく、すなわち、異常に世を愛したという意味である。 福音書記者であるヨハネは、明らかに、神の尋常 . . . 本文を読む

原典研究の利益

2009-03-27 02:19:09 | 聖書原典研究(ヨハネ文書)
聖書を原語で読み始めてから、やっと「最後の晩餐」までを読了する。 原典聖書を研究することの意義は、日本語・英語によっては知りえない原語の意味を、 より正確に知りえることである。 ましてや、コイネーギリシャ語は宗教・思想的表現に豊富であり、 それに比べて日本語は哲学的語句に貧困であるから、なおさらである。 しかし、原語で聖書を研究することの大なる利益は、 より深く精読できるということであ . . . 本文を読む

異質なもの、未知なもの

2009-01-23 01:55:49 | 聖書原典研究(ヨハネ文書)
私が初めて読んだ聖書は新改訳だったが、 どうやら誤訳が多いということで、ある時新共同訳に変えた。 しかし新共同訳にも誤訳があるということで、 昨年より英訳に変えた。 しかし英訳にも誤訳があるということで、 それならばいっそのこと原語で読もうと思い、 辞書があれば何とか読めるようになった。 今年に入ってヨハネ伝を読み始め、やっと5章までを読み終えたところだが、 なるほど誤訳が多い。 . . . 本文を読む