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アマゾン元バイヤー、土井英司による厳選ビジネス書評メルマガ。ベストセラー分析と本当に読むべき珠玉の一冊を提供しています。

『脱・ドンブリ経営』

2005年07月31日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4885109191
著者は現在、中小企業を対象とした経営コンサルタントとして活躍中ですが、この世界では珍しく、キャッシュフロー経営のノウハウを体系化して、経営者に伝えることができる人物です。

その著者が、利益を増やすための考え方と、キャッシュフロー経営のポイントをコンパクトにまとめたのが、この『脱・ドンブリ経営』。

ある程度会計を学んだ人にとっては当然の内容ばかりですが、数字に弱い経営者にとっては福音の書だと思います。

図がご紹介できないのが残念ですが、これまでお金の計算から目をそむけていた社長でも、会社のお金の流れがすっきり理解できる、わかりやすい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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お金とビジョンは車の両輪です。どちらが欠けても、会社を理想の形に成長させることはできません

お金を使うときには、必ず投資効果を考えるクセをつけたい

◆会社のお金と上手につきあうポイント
1.お金の流れの全体図をビジュアルで理解する
2.判断する基準を持つ

◆ドンブリ経営から抜け出す3つのキーワード
1.お金に目的別に色をつける
2.お金の入りと出のバランスを考える
3.逆算思考で目標を決める

ちゃんと必要な利益が出ていて、経営がうまくいっているのであれば、そのときの労働分配率が適性値

借金をした場合、元本と、それにかかる利息を支払う必要がありますね。この支払い利息は経費(固定費)となります。しかし、元本自体は経費ではなく資産の移動であって、税引き後利益から支払う

「自分の貢献度を、売上ではなく粗利で考えるスタッフ」を育てることが、会社の底力を発揮するための大前提

価格設定をするときも、値引セールスをするときも、ちゃんとシミュレーションをしておかないと、思わぬ損をしかねません

◆スタッフと会社が共に成長・発展し、ハピネスを共有できるスタンス
人件費はより大きく、その分、粗利はよりもっと大きく

◆10分で必達売上目標を算出する7つのステップ
1.「借金返済額+設備投資額(共に1年間の)+貯蓄したい金額」を算出
2.その額の約2倍が必達利益目標(税金で半分近く取られます)
3.その利益に人件費を加えた金額は稼がなければいけません。業種にもよりますが、実は人件費と同じくらい、その他の固定費がかかる
4.つまり、人件費の2倍が固定費予算
5.それを必達利益目標に加えた金額を稼ぎましょう。これが必達粗利目標
6.さらに、仕入れや外注費のように売上と連動して増減する変動費を加えてみましょう。具体的には、必達粗利目標を粗利率で割り算
7.できましたか? それが必達売上目標です
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『脱・ドンブリ経営』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4885109191
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■目次■
はじめに 「あなた、ドンブリでしょ?」
プロローグ ドンブリにはドンブリのよさがあるけれど
第1章 これだけわければ怖くない! 30分でお金の流れのすべてをつかむ
第2章 儲けを倍増させるための3つのモノサシ
第3章 必ず儲けが残る! 売上目標の決め方・考え方
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『図解会計キーワード』

2005年07月30日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534039395
本日の一冊は、現役の公認会計士であり、かつ愛知大学の非常勤講師も務める著者が、会計の基礎知識を、用語集としてまとめたものです。

簡単な説明と図で、主要な会計の概念・用語が理解できるよう工夫されており、これまでわからなかった内容も一発で理解できます。

入門者向けの本ではあまりコメントされていない概念についてもコメントされており、じつにいい勉強になります。

単なる用語集ではなく、そこから会計の考え方や全体像が見えてくるように工夫されている点も注目です。

これまでどんな入門書を読んでも理解できなかった、という方におすすめの一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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ABC(活動基準原価計算):アクティビティごとに製造間接費を把握して、原価を計算する手法です。ABCは間接費の管理にすぐれており、ABM(活動基準管理)として広く普及しつつあります

会計参与:中小企業の計算書類の信頼性向上のため、取締役と共同して計算書類を作成する会社の機関です。平成17年度の商法改正により新設されました

環境会計:事業活動における環境保全コストとその効果を認識し、可能な限り定量的に測定し伝達するしくみです

クロス取引:有価証券などを売却し、その後同じものを同数同価格で買い戻す取引です。以前は含み益のある有価証券などを売却して売却益を計上する手段に使われていました

◆減損会計:固定資産がその投資に見合ったキャッシュ・フローの生成を見込めない場合に、その価値の下落を認識する会計

◆3段階の減損会計の処理手続
1.減損の兆候 2.減損損失の認識 3.減損損失の測定

◆後発事象:貸借対照日(決算日)後に発生した事象で、次期以降の財政状態および経営成績に影響を及ぼす事象のことをいいます。なお、後発事象は、修正後後発事象と開示後発事象の2つに分類

◆債務確定主義:税法においては、対外的な取引により発生する費用は債務が確定しない限り損金に算入しないという考え方があります。これを債務確定主義と呼びます

◆ヘッジ会計:ヘッジ目的のデリバティブ取引について、ヘッジの方法に応じた特殊な処理を認める会計です
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『図解会計キーワード』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534039395
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■目次■
※用語集なので、目次とより索引です。今回は省略します
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『「プロ経営者」の条件』

2005年07月29日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198620369
本日の一冊は、起業からわずか10年で年商1400億円、東証1部上場を達成した、グッドウィル・グループ会長の折口雅博さんによる久々の新刊です。

折口さんの著書は、起業家にビジネスの視点と勇気を与えてくれるものが多く、かくいう土井も社会人になるかならないかという頃、『起業の条件』を読んで感銘を受けた一人です。

※参考:『起業の条件』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198620369

順調だった父親の経営が突如傾き、豪邸暮らしから一転、貧しい生活を余儀なくされた折口少年が、人生をどうとらえ、いかにして起業を成功させるに至ったか…。

強烈な上昇志向とハングリー精神に、心打たれる方、抵抗を感じる方、さまざまでしょうが、語られていることは、起業家にとって重要なことばかりです。

自らの半生について書いているので、前著と若干かぶる部分もありますが、それを差し引いても、刺激的な一冊です。

すべてのビジネスパーソンにおすすめします。
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■ 本日の赤ペンチェック
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「どうやって中に入ろうか、どうやって出世しようか」と考える人と「どうやったら創れるか」と考える人とでははっきり言って次元がまったく違います。どちらが社会人として伸びるか、いい仕事をするか、社会に貢献できるかといえば、答えは明白

目標を達成するには、そのための根本となる土壌が必要であると私は考えています。悔しさ、コンプレックス、惨めさなどの負の感情は、結果的には私の起業の原点になり、強い精神的なエネルギーを育んでくれた

ディスコでも、他のビジネスでも同じです。本質を突かなければ、継続的な成功は絶対に望めません。これを私は「センターピン理論」と呼んでいます

かっこいいもの、大きなものを売ろうと考えてはいけない。小さな商品が案外高い収益を上げる。苦しいこの時代に得た教訓は、後の「軽作業専門のアウトソーシング」という地味なビジネスにチャンスの糸口を見つけることへとつながっていったのです

システムをうまく活用できているために損益分岐点が低い(中略)だから、すばやく拠点を展開できる

何が本質なのかという部分を考えてやっていけば、雑音などに動じることはありません

完璧を目指すのはとてもいいことでもあるのですが、9割まで固めていくのと、7割の出来で次に進むのとでは、時間が3倍違ってきます

迂回して危険を避けることはとても重要な能力

お客さま第一主義とは、その人にとって最もふさわしいあり方を一緒に考え、創造していくこと

◆企業が成功する3つの条件
1.「夢と志」を持つこと
2.「技術と仕組み」を持つこと
3.「執念と鉄の意志」を持つこと
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『「プロ経営者」の条件』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198620369
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■目次■
1章 いつか、でっかいことをしたい
2章 どん底からの再起
3章 何が成功を呼ぶのか
4章 ビジネスと社会貢献の両立
5章 プロ経営者の発想と技術
6章 挑戦者たちの社会を
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『「夢のリスト」で思いどおりの未来をつくる!』

2005年07月28日 | Weblog
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478733139
本日の一冊は、アメリカでセールスマンとして成功し、現在は講演家、コンサルタントとして活躍中のブライアン・トレーシーによる注目の新刊です。

典型的なアメリカの自己啓発書ですが、読者がこれからの行動の指針とプラン作り、リスト作りができるように工夫されている点が特徴です。

成功するための原則、プラン、アクション、心構えといった要素が、バランスよく、かつコンパクトにまとまっています。

たまに根拠のない精神論も出てきますが、著者が過去に取り組んだことの具体例なども紹介されており、実践面でも有用な一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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できるかぎりのものを手に入れる唯一の方法は、「自分で未来をつくり出す」ことである

成功者と同じようにやれば、必ずあなたもいずれは同じ成果を得ることができる。それ以外に有効なものはない

どんな望みであれ達成の「可能性をたかめる」ためにできることはすべてせよ

読書家が必ずしも指導者とは限らないだろうが、指導者はみな読書家である。どのぐらい読めばいいのか? 調査によると、もっとも高給取りのアメリカ人は、一日に平均二、三時間読んでいる。最低賃金の人たちは、まったく読まない

重大な点は、あなたのスキルのうちもっとも苦手なものによって、他のスキルをどの程度活用できるかが決まるということだ。そして、そのもっとも苦手なスキルが収入や昇進の早さ、キャリアにおける将来性を決めることになる

「質問をする人が主導権を握る」のだ。相手を感心させようとするより、質問をして相手の言葉に感心することだ

◆金持ちになる七つの秘訣
1.仕事をスピードアップせよ 
2.品質を改善せよ
3.価値を高める方法を探せ 
4.取引を簡単にせよ
5.顧客サービスを改善せよ 
6.トレンドに従え
7.もっと安く売れ

成功する人は、より価値あることにより多くの時間を費やす。目標に近づくことができることを、より多くやるのだ

成功した人々に共通しているのは、チャンスとみるやすぐさま行動を起こしたことだ

最後に成功すればいいのだ(フィル・ナイト)
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『「夢のリスト」で思いどおりの未来をつくる!』
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478733139
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■目次■
はじめに  自分の未来は自分でつくれる 
原則1――成功者と同じようにふるまえ  
原則2――望むことだけを考えろ
原則3――「夢のリスト」をつくれ!
原則4――読書で知識をたくわえろ
原則5――苦手なスキルを強化せよ
原則6――人に好かれると、成功に近づく
原則7――人のためになることをせよ
原則8――収入の一割を貯蓄せよ
原則9――「超意識」を使え!
原則10――もっとも重要なことからはじめよ
原則11――チャンスを引き寄せろ!
原則12――正直者になれ
原則13――あえて恐れていることをやれ
まとめ――素晴らしい人生にするために
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『内藤忍のお金持ちになる投資成功ノート』

2005年07月27日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806121738
本日の一冊は、ベストセラー『内藤忍の資産設計塾』の著者であり、現在はマネックス・オルタナティブ・インベストメンツの代表取締役を務める内藤忍さんが、初心者向けに投資のイロハを語った本です。

※参考:『内藤忍の資産設計塾』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4426774039


資産運用の基本的な考え方から、金融商品の選び方・買い方、そして前著でも述べていたアセットアロケーションについて、具体的に説明しています。

著者によれは、「運用の成果の8割は資産配分で決まる」そうです。

では、具体的にどんな配分にすればいいのか、その考え方が示されているのが本書の最大の特長でしょう。

巻末には、付録として「投資成功ノート」がついており、書き込みながら、自分の資産運用プランがたてられるようになっています。

前著を読んだ方や既に投資で成果を出している方にはあまり目新しい情報はないと思いますが、初心者にとっては極めて親切な一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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給与収入は、これからは減ることはあっても、増える可能性は低い

給与から差し引かれる費用は、これから増える可能性が高い

低金利の預貯金で保有している資産は、元本が保証されていても実質価値が目減りする可能性が高い

資産運用の目標となるリターンがローンの金利以下であれば、投資はやらないほうがよい

人生において収入を増やす方法は二つあります。自分で稼ぐのと自分以外の人に稼いでもらうというやり方です

外貨に投資することは怖いことではありません。むしろ、外貨に投資しないことによって抱えるリスクのほうが怖い

ドル・コスト平均法は投資家の心理的な弱さをカバーできる投資方法

運用の成果の8割は資産配分で決まる

◆インデックスファンドの選び方
・販売手数料のかからないファンド
・信託報酬についても、できるだけ低いものを選択

人間の心理として、感情的な矛盾が発生すると気持ちのアンバランスが崩されて不快になるものです。そして、そのアンバランスを修正するために、自分の感情を理論的にコントロールしようとする心理的作用が働きます(中略)自己の正当化にこだわっていると、投資の損失が大きくふくらんでいくのです
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『内藤忍のお金持ちになる投資成功ノート』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806121738

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■目次■
プロローグ
変化を恐れて行動しないことが、これから10年の最も大きなリスクになる
第1章 自分の現状を知ろう!
第2章 自分の夢・目標を具体的に考える
第3章 現状と夢・目標をつなげる
第4章 投資商品を考える
第5章 実際にアセットアロケーションをはじめてみる 
エピローグ
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『革命社長』

2005年07月26日 | Weblog
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534039239
本日の一冊は、しがない弱小外資系企業だったトリンプを建て直し、奇跡の18期連続増収増益を達成した革命社長、吉越浩一郎さんによる話題の一冊です。

社員のコメントによると、吉越さんが社長になってからは、残業が減り、休暇も増えた。にもかかわらず、天使のブラが1400万枚売れて、年商が5倍になったそうです。

一体、吉越さんはトリンプに入って何を成し遂げたのか。本人の思い込みではなく、関係者の声を拾いながら検証しているのが、本書の最大の特徴です。

社長の理念やビジョンがいかにして現場に反映され、伝播していくのか。その過程をリアルに感じることができるのが、本書の魅力ではないでしょうか。

いい会社とは何か、経営者とはどうあるべきか、深く考えさせられる、そんな内容です。

感情で理解したい部分は文章で、体系的に把握したい部分は図や表で、というメリハリのきいた本のつくりも斬新。

業界的にも気になる一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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吉越さんは、どんなに些細なことであろうとも、一度デッドラインを決めたからには、そのために必死になるのは当然だと思っている。事の大小に関係なく、全部に真剣。全力投球で臨むんです。それを見てるから、部課長クラスの人間も必死になるし、「社長でさえあんなに一生懸命なのに、おまえら何をやっているんだ」と、部下に対しても言える

ゲームだと思えば、余計な肩の力も抜けて、いろんな手法を考えられるし、楽しくなるじゃないですか。それで目標が達成できれば、営業はもちろん、社員全員が嬉しい

プライベートを充実させることで、仕事も集中して効率よくやる。そして自分のいない間、部下や後輩に仕事を任せることで伸ばしていくというスタンスが大事

日頃から、トップがいかに現場に食い込んでいるかが大きい。高いところから眺めて指揮を執るのと、弾が飛び交う戦場の中にどんどん入っていって、兵士たちと話し合ったうえで仕事を任せるのとでは、全然違います

教育はできない。自分で育つもの。だから能力を持った人しか雇っちゃいけないんです

会議の手法はこうです。まず僕のもとに来た情報について、「こういうことが起こった」「こういう報告があった」と、すべて会議でオープンにする。そして決まったことについては、「誰が、何を、いつまでに」というデッドラインを引く。それもできるだけ細分化して、期限は短く。基本は「翌日」までです。最長でも1週間

◆トリンプのユニーク人事制度 ※表のなかから一部紹介
2.「NO残業デー」の導入
4.「がんばるタイム」の導入
7.「禁煙報奨金制度」の導入

成功するまで続ければ必ず成功するんです
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『革命社長』
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534039239

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■目次■
プロローグ
第1章 仕事を楽しくする法則!
第2章 社員をイキイキさせる法則!
第3章 会社をとことん伸ばす法則!
第4章 商品が愛され続ける法則!
エピローグ
おわりに
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『星の商人』

2005年07月25日 | Weblog
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763196529
本日の一冊は、数多くの成功哲学書のなかでも、なぜかあまり語られてこなかった、ある成功法則を説いた注目の一冊です。

著者は、多くのITベンチャーの成功を支え、自らも若くして富豪となった人物。ビジネスで成功を収め、ビジネス書の著者として活躍中の著名人たちを指導していたという陰の人物です。

本書のキーメッセージは、他者の成功を助ける、ということと、富をわかちあう、ということ。とくにひとつめのキーワードは、以前このメルマガでご紹介した『商経』で、中国の大富豪、胡雪岩が実践していたこととまったく同じです。

※参考:『商経』
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844320726

あの名著、『地上最強の商人』を髣髴させるエキサイティングなストーリーを読みながら、商売で成功するための心構えを学ぶことができます。

※参考:『地上最強の商人』
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4930838908

自分中心の身勝手な成功法則ではなく、社会との関係性も考慮した、良質な成功法則を説いた一冊として、要注目です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆他の成功は己の成功
ほかの人の成功を助けると自分も成功する

◆成功者にふさわしき者を選べ
今は成功者ではなくてもいい

「いくら教えてもわしの知識は減るもんじゃない。それにこうして人に恩をかければ、いずれ協力者になってくれるものだ。もっている物にしがみつく者はずっと一人ぼっちで貧しい」

人の成功を応援するとき。学習が加速する

◆その者の成功を知れ

人は自分が何者であるかという思い込みに縛られているものだ

◆仕組みで分かち合う
独り占めするのではなく、応援し合って成功を分かち合う

この世の富は限られたものではなく、無限である
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『星の商人』
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763196529
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■目次■
1.湾岸都市の賢者
2.信じる者と疑う者
3.羊皮紙に隠された秘密
4.ソルフィ号の船出
5.バティス
6.レキネス
7.魔物との対決
8.星の商人
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『遊ぶ奴ほどよくデキる!』

2005年07月24日 | Weblog
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093794537
仕事の達人は、往々にして遊びの達人でもあったりするのですが、本日ご紹介する『遊ぶ奴ほどよくデキる!』の著者、大前研一さんもまたそんな達人の一人です。

本書では、ビジネスパーソンが日頃の疲れを癒すため、また人生を充実させるための手段として、休暇の過ごし方にスポットを当てています。

外資系企業で活躍していた著者だけに、長期休暇を取らなければ実践できないレジャーも若干ありますが、紹介されているものの多くは、週末や連休、アフター5などを使って気軽に実践できるものです。

現在、漫然と行っている家族サービスや非合理的なお金の使い方を改め、よりクリエイティブで刺激的な遊びを楽しむよう、読者を促している、じつに読み応えのある本だと思います。

大前さんの一連の著書やメルマガでも見せる、ロジカルな考え方と、
海外も含めた豊富な情報ソースが、本書の魅力と言えるでしょう。

※参考:メルマガ「ニュースの視点」
http://www.lt-empower.com/mag2


人生を本当に楽しむためには、仕事と遊びの両方が充実していなければなりません。本書は、そのための一助となる本だと思います。
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■ 本日の赤ペンチェック
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小さな不完全燃焼を何度も繰り返すよりも、数は少なくても本場で集中的に楽しみ、完全燃焼する――これもまた、オフを充実させ、楽しむためのコツのひとつである

◆オフを完全燃焼するための鉄則
1.自腹で楽しむ 
2.本場で楽しむ

◆ひとりの時間を使ってじっくりと思考をするための留意点
1.スケジュールに組み込んで習慣化する
2.リフレッシュのための空間と、思考のための空間を使い分ける
3.そこに身を置くと集中してモノが考えられるという場所を作り、定番化

◆国内旅行を楽しむためのポイント
1.旅行プランは「滞在型」で
2.「行き当たりばったり」を恐れない
3.「お土産禁止」の励行

◆気軽な小旅行のポイント
1.みんなと同じ場所に行かない
2.閉ざされた空間ではなく開かれた空間で楽しむ

どういう人生を送るかは何にどれだけの時間を使うか、どういう人と付き合うか、で決まる

これは、と思った店を馴染みの店にしたいのなら、まずは料理人を立てること。それでいて決して媚びない。美味いと思ったときだけ素直にほめる

◆父親が書斎を持つメリット
1.自分の居場所ができて、精神的にリラックスできる
2.ビジネス能力を高めるための勉強を落ち着いてできる
3.勉強している姿を子供に見せられる

仲のいい夫婦は一緒に過ごすイベントと別々に過ごすイベントのバランスがとてもいい

◆一生つきあえる趣味を選ぶ”3つの鉄則”
1.40歳を過ぎたら、定年後に続けられる趣味を持とう
2.さまざまな年代の仲間と一緒に楽しもう
3.発表の機会がある趣味を選ぼう
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『遊ぶ奴ほどよくデキる!』
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093794537

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■目次■
序章 「勝ち組」の条件はオフにあり!
1章 年齢不相応の精神を持て!
2章 ブルーマンデーを撃退せよ
3章 旅に出よう
4章 オフのIT活用術
5章 酒場はこう楽しめ
6章 家族マネジメント術
7章 目から鱗の子育て術
8章 老後は今から備えよ
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『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』

2005年07月23日 | Weblog
http://tinyurl.com/aa9uy
本日の一冊は、ウォートン・スクール、プライス・ウォーターハウスを経て独立。現在は、経営コンサルティング会社の代表を務める著者が、ビジネスパーソンとしての仕事の基本を説いた一冊です。

作業を効率化する方法論から対人関係、能力開発まで、仕事に必要な心構えがひと通り網羅されています。

決して奇をてらった本ではなく、あくまで仕事の王道を説いているため、さほど目新しいことはありません。

ただ、仕事で迷った時、落ち込んだ時などにページをめくれば、きっと大切な基本を思い出させてくれる、そんな本です。

自分の仕事に当てはめて、現在の自分がうまくできているかどうか、チェックしてみるのもいいかもしれません。

もちろん、新入社員、若手社員にはとくにおすすめです。
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■ 本日の赤ペンチェック
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上司と話すときはタイミングに気をつけなさい。タイミングを間違えると仕事の邪魔をするだけでなく、あなたへの評価も悪くなり嫌われるから

「できません」「不可能です」「無理です」は禁句

ビジネスで最も強い人は、お客様に好かれ味方にした人

できる人、信頼される人の共通点は、リーダー的思考を持ち合わせていること

人間である以上ついつい独り善がりになりがちなため、絶えず冷静かつ客観的に自分が会社に貢献している言動をとっているかを自問自答

ギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブを実行

職場でいい人間関係を作りたかったら、周りの人に絶えず言葉で感謝の気持ちをしっかり伝え続けること

絶対に約束の時間に遅れないように心がけることです。もしも相手がもっと早く来ている人だったとしても、約束より早くその場に着くことによって「気遣いのできる人」として評価は高まります

言う前に言っていいかどうかまず考えよう

プロ集団として能力以上に背伸びすることによって、私を含めスタッフの許容範囲を広げ、能力をより伸ばすことができる

極めていく過程の中で人間性を高めていくことが本当のプロ

人に変わってもらいたければ、まず自分が変わろう

全ての情報を整然と伝えようとするのではなく、一番伝えたいことを短い発言でポイントを付けること

できる人の言動から学ぼう
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『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』
http://tinyurl.com/aa9uy
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■目次■

※多すぎるので省略します

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『好き嫌いで人事』

2005年07月22日 | Weblog
http://tinyurl.com/bcrrf

本日の一冊は、証券業界の風雲児、松井証券の松井道夫さんによる注目の新刊です。

巷では、成果主義の失敗に伴う批判本が花盛りですが、本書は、能力主義でも成果主義でもない、松井証券独自の評価システムを紹介した、異色の人事論です。

採用から教育、評価・報酬制度まで、松井証券が実際に行っていることが、トップの立場で語られています。

縁故採用を肯定し、教育はなし、好き嫌いによる評価を取り入れ、年俸で大きく差がつく…。いかにも破天荒な松井社長らしいやり方だと思います。

松井社長のお話は、セミナーで一回、日本経営合理化協会さんのテープで一回聞いていますが、相変わらず合理的で面白いです。

松井社長が風通しの良い、実力主義の社風をどうやって保っているのか、興味のある方はぜひ読んでみてください。
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■ 本日の赤ペンチェック
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組織は、自らを大きくすることを手段ではなく目的にした時点で滅びへの道を辿ることになる

生き残ることができるのは、企業の都合を押し売りするのではなく、個の都合で考え、個と個をつなげる働きができる企業だけである(必要なのは、企業の立場を離れ、自由に、顧客のビューポイントで物事を考えられる社員の存在)

給料をもらって働く人間は要らない。働いて給料をもらう人間しか要らない

「人を組織に縛り付ける人事制度」の下で、従業員は健全なビジネス・ジャッジができるのだろうか。顧客本位の営業姿勢を保てるのだろうか。無理である

プロジェクトリーダーの選定も簡単だ。顧客が希求するサービスのコンセプトを着想したスタッフがいたら、その人間にプロジェクトチームを組ませて業務を進めてもらうだけなのだ

人間の仕事には、必ず相手の人間がいる。商品・サービスをつくり上げるシステムの専門家、法制度問題をクリアするために交渉する相手、そして利益をもたらしてくれる顧客もすべて「人間」である。したがって、「人間の心理」「人情の機微」を理解することなくしては、極論すれば「何もできない」のである

これまでの常識がまったく通用しない時代、明日一体何が起こるのかまったくわからない時代に最も必要なのは、知識・経験ではなく、固定観念を捨て去って洞察し、仮説をたてるといった想像力・構想力である。そして何よりも、失敗を恐れない前向きの楽観主義である

評価者には「評価対象者の年俸額」をまず認識させ、そのうえで、人の価値と年俸額とを天秤にかける

時代とのギャップを縮められるのは社長だけであり、だからこそ、「企業の最大のコストは社長の頭の中にある」

捨てる決断はみなから反対され、実行はきわめてむずかしいが、それが結果的に正しい場合に、得られるものは凄まじく巨大である
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『好き嫌いで人事』
http://tinyurl.com/bcrrf
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■目次■
はじめに
第1章 組織論 「個の時代」に対応できるしくみ
第2章 人材論 「個の時代」に対応できる資質
第3章 採用・教育論 「商人」として働くことの意味
第4章 評価論 人間評価の主観と客観
第5章 分配論 「給料をもらって働く」から「働いて給料をもらう」
第6章 リーダー論 社長と副社長の距離>副社長と新入社員の距離
あとがき
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『大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代』

2005年07月21日 | Weblog
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本日の一冊は、世界でもいち早く原油の高騰を見抜いた大投資、ジム・ロジャーズが、今後の世界経済とマーケット、そして商品投資について語った注目の一冊です。

著者はもともと、国際投資会社クォンタム・ファンドでの驚異的なパフォーマンスで有名になった人物で、世界中を見聞してまわる、「冒険投資家」としても知られています。

もちろん、今回の著書でも、その「冒険投資家」の視点は生きており、今後、世界の商品市場で最も強い力を振るう勢力になると思われる中国への見解は、読み応えがあります。

商品投資に興味のある人もない人も、この世紀の大投資家が今後の世界経済をどうとらえているのか、については読んでおいて損はないと思います。

商品を通じて世界経済のダイナミックな動きが感じられる、そんな一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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商品はとてもリスクが高く、変動が激しく、複雑で、どう見ても危険だと人は言う。しかし、それは俗説にすぎない。長期的に見れば、商品ほど儲かっている資産は少ないのだ

下調べをし、需給が完全に崩れていると知り、とるべき行動を取ったときには、必ず大変「運がよく」なると決まっているのだ

商品はあらゆるところにかかわっている。だから株でも債券でも為替でも、何に投資するにせよ商品を理解していなければ投資家として成功はおぼつかない

本当にポートフォリオを分散させたければ必ず商品を入れておくべきだ

株式と商品の市場は平均一八年の周期で代わる代わる上昇している

商品相場が上昇すれば、たくさんの企業が悪影響を受け、利ざやが縮小するし、同じ商品の価格が長期にわたって低迷すれば、そうした企業は恩恵を受ける

ヒステリーを空売りするのは通常正しいことだが、そういうときでも、価格が下がりそうだと信じられる何らかのファンダメンタルズに根差したよい根拠を持っておくことを勧める

先物を取引しようという人は、誰でもレバレッジについて、じっくり、真剣に考えなければならない

ある商品の価格がなぜ、いつ動くのかを理解するためには、需要と供給の歴史的な変遷と現在の傾向をともに研究する必要がある

商品にこれから投資する人は、世界商品市場で最も強い力を振るう勢力について理解することから始めるべきだ。すなわち、中国である

運は常に、備えを怠らなかった人に味方する
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『大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代』
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■目次■
訳者まえがき
序章 商品なんて誰も気にかけない
第1部
第1章 次に来るもの――それはモノ
第2章 「でも、でも……」
第3章 商品市場と向き合う
第4章 商品市場へ足を踏み入れる
第5章 中国の時代――東方からの風
第2部
第6章 安い石油よ、さようなら
第7章 金――神秘か実体か
第8章 鉛の飛行船が空を飛ぶ
第9章 砂糖――いつか甘い気分に
第10章 コーヒー――やがて心うきうき
終章 運は常に、備えを怠らなかった人に味方する
付録 商品指数の構成と主要取引所、先物契約一覧
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『ついこの店で買ってしまう理由(わけ)』

2005年07月20日 | Weblog
http://tinyurl.com/8j63o

本日の一冊は、消費者の購買行動を分析し、世界的ベストセラーとなった、『なぜこの店で買ってしまうのか』のパコ・アンダーヒルと、博報堂が共同で作った本です。

※参考:『なぜこの店で買ってしまうのか』
http://tinyurl.com/7k8vq

本書のベースとなっているリサーチは、現場での購買行動を観察するトラッキング調査、ビデオ調査、出口インタビュー調査の3種類。

消費者本人すら気づいていない、購買のさまざまな要因が明らかになる、注目の書です。10万時間におよぶ退屈なビデオを分析してくれたことを考えれば、1500円は安い投資かもしれません。

巻末には、リサーチの結果をまとめた資料も掲載されています。

好き嫌いはあると思いますが、売り場のイメージがわくようにイラストを多用しているので、売り場作りにも役立つ一冊だと思います。

小売業に携わる方は、ぜひ読んでみてください。
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■ 本日の赤ペンチェック
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消費者は高齢化し、情報通になり、そしてより賢くシニカルにもなっている

マーケティングの世界の中で、最も必要とされるのは、明日の売上を導くことであり、それは、本日どこで購買の「本質」が生まれたかをとらえることである

いいポスターや広告をつくっただけではクリエイティブではない。そのクリエイティブを受け入れる環境まで発想しないと本当のクリエイティブとは呼べないのだ

スーパーマーケットでの顧客の買物の約六〇~七〇%は、いまだに計画外の買物

通りがかりの人に、足を止めて来店してもらうためには、あなたの店が何の店なのか、お客さんにとって自分のための店なのかどうかを短時間に伝えられるようにしなければならない

重要なことは、どこからどんな買い物客が入ってくるかによって商品の配置も決まってくるということだ

「見せ場」と「売場」を割りきって店舗づくりをしなければならない

メッセージは、数撃ちゃ当たるのマシンガンではなく、狙いを定めて撃つライフルであるべきだ

価格を単に表示するのではなく、価格の意味を伝えることが大切

「どれだけモノを持てるか」が「どれだけモノを買うか」を左右する

お客さんの横に並んで話すことで”買い物を手伝う”姿勢が伝わる

子供の目線で見える場所=床と天井(天井がゴールデンゾーン)

子供におもちゃ、夫にはイス、奥さんにショッピングを
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『ついこの店で買ってしまう理由(わけ)』
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■目次■
I 今、買い物はどう変化しているのか
II つい買ってしまう法則
III 「法則」はリサーチから始まる
おわりに
エピローグ 「今日できること」「2カ月でできること」
「1年後にはできること」を見極め、実践しよう
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『人生の旋律』

2005年07月19日 | Weblog
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本日の一冊は、神田昌典さんによる久々の新刊です。

ベストセラー『成功者の告白』の続編にあたる一冊で、神田さんが伝説の実業家、近藤藤太さんの生涯を通じ、ビジネスパーソンへのメッセージをつづっています。

※『成功者の告白』
http://tinyurl.com/dudkg

取材は実際に本人を相手に行われたもので、そういう意味では、当時を知る貴重な資料とも言えるでしょう。

第二次世界大戦、戦後復興という激動の昭和を生き抜いた男の、波乱万丈の人生を通じて、人生の意味を問うという、これまでの著作では見られなかった試みをしていますが、個人的には非常に感銘を受けました。

富や人脈を築き上げるために必要なこと、成功の落とし穴を避けるための考え方、そして人生を本当の意味で豊かにするための心構えが、この一冊に凝縮しているような気がしてなりません。

読書をすることの意義は、今となっては出会えない先人たちの教えを学べることにありますが、本書を読むことには、まさにそういった意義があります。

これから10年の人生の指針として、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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「諦めるっていうのは、罪なことだな。土壇場に追い詰められると、人間は何でもできる。どんな絶望の淵にあっても、助かる方法は必ず目の前にあるんだ」(死にそうな程の喉の渇きを、小便でしのいだ後の言葉)

世の中は、どんなに安定しているように見えても、一夜にして秩序が失われ、混乱の極みに達することがある。そのときに下す一瞬の判断は、その後、何年にもわたって大きな違いを生み出す

誰の目の前にも、チャンスは平等にあるのに、手を挙げるものが少ない。だから、手を挙げたものだけにチャンスは舞い込む

「奇跡が起こらないヤツっていうのは、飛び込まねえからだよ」
(軍事裁判にかけられるはずだったのに、奇跡的に助かったことに関して)

ボク(神田氏)は七〇年周期を前提に、二〇〇五年には、一九三五年当時と似たエネルギーが宿っていると感じている。そこから発想すると、今後一〇年間は、日本が敗戦に至るまでの一〇年間と似たような意味を持つ時代になる

大変革の時代には――冷酷な事実ではあるが――その時代の流れに乗れた、ごく一部のものだけが裕福な暮らしを送ることができた

どんなに今の状態が幸せであっても、仕事や人間関係の変化を押しとどめることはできない。人生というのは、その場に留まっていることができないのだ

人間はひとつではなく、多数の人格でできている

ビジョンが共鳴しあうことで、自然に人と人とはつながっていく

われわれは――あなたが望む、望まないにかかわらず――死するものから、引き継いでいるのだ

幸せとは、いかに生き、いかに死ぬか、という死生観があってはじめて得られる。死をリアルに感じることができなければ、生もまたリアルに感じることができない。不幸をきちんと生きなければ、幸福をきちんと生きることはできない。幸せとは、そうした人生のパラドックスの中から、あなた自身が、自分の物語を引き出すことに他ならないのである
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『人生の旋律』
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■目次■
プロローグ
第1章 軍隊行進曲
第2章 星降る夜に……
第3章 ニューヨークニューヨーク
第4章 薔薇色の人生
エピローグ
あとがき
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『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』

2005年07月18日 | Weblog
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本日の一冊は、またまた出版マッチングサイト「ほんなる!」から出版が決まった本です。

この著者には、当初から土井も注目していたのですが、案の定、複数の出版社から同時にオファーがあり、最終的にランダムハウス講談社に決まったようです。

著者の山口揚平さんは、M&A専門のコンサルティングファームで働く、企業価値評価の若きプロフェッショナル。

本書は、そのプロの手法を用いて、「ざっくり企業価値評価」ができる、つまりバリュー投資に使える、これまでにないタイプの株式投資本です。

表紙のイメージからもわかるように、文章は読みやすく、レイアウトもすっきり。こんなに簡単にバリュー投資の本質がわかっていいのか、と思えるほどすらすら読めます。

ギャンブルと金融商品を比較したり、結婚相手の選択を通じて資産株、成長株の概念を説明したり…。とにかくわかりやすく、的を射た説明がなされています。

おそらく、現存するバリュー投資の本のなかで、もっともわかりやすい一冊ではないでしょうか。

株でも商売でも、基本は「安く買って高く売る」こと。本書は、安く買うためのノウハウをわかりやすく教えてくれる、注目の書です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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大規模な企業買収の意思決定も、個人投資家としてたった1株を買うときも、基本原則はまったく変わりません。すなわち企業の本質価値を見抜き、これより圧倒的に安い”お買い得価格”で株(会社)を買うということです

企業の価値は、その企業が稼ぐ「利益」と、過去に稼いで、会社という「蔵」に貯めている「財産」から成り立っています

投資とは、「買値よりも高く売り抜くこと」ではありません。投資とは、「いまある資産(現金)をより価値ある資産(証券や現金)に交換するプロセス」です

◆企業価値算定のポイント
1.企業は丸ごと評価すること
2.企業の価値は、その「企業の事業の価値」と「もっている財産」を足したもの

◆株価算定の4ステップ
1.「事業価値」を見積もる
2.「財産価値」を見積もる
3.負債(借金)を引く
4.発行済株式数で割って1株の価値を出す

◆利益の源泉を見抜く4つの質問
1.その企業は「なに」で稼いでいるのか?
2.「なぜ」稼げているのか?
3.今後、稼げるしくみに変化はあるのか?
4.これから「いくら」稼げるのか?

◆高い利益率の源泉
1.多くのことをうまくやる企業(高い業務効率)
2.他に任せる企業(フランチャイズ、ネットワーク)
3.誰もできないことをやる企業(知的財産)
4.信頼が厚い企業(ブランド・ロイヤルティ)

バフェットが回転率に目を向けない理由は単純です。それは、彼の会社の資産規模があまりにも大きいからです(中略)だからこそ、利益率が高い会社を丸ごと買収するのです。(中略)しかし、私たちの資産はそれほど大きくないため、回転率も重要な要素となります

◆良い投資先の条件
1.価値と価格の差が大きいこと
2.価値と価格の差が解消されるまでの期間が短いこと
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『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』
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■目次■
(株式投資で儲ける7つのステップ)
はじめに
第一章 株式投資で儲けるしくみ
第二章 「価値」ってなに?
第三章 企業の価値を暴きだせ!
第四章 価値の「源泉」を見抜くには?
第五章 なぜ株価は上がるのか?
第六章 「感情の罠」にはまらないために
おわりに
知っておくと便利な12の指標
個人投資家に役立つ情報源
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『オマケつき!マーケティング』

2005年07月17日 | Weblog
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本日の一冊は、米マーケティング界のカリスマ、セス・ゴーディンによる久々の新刊です。

朝食用シリアルの箱をイメージした表紙で、思わず目を奪われますが、アメリカでは何と本当に朝食用シリアルの箱入りで本書を売ったそうです。内容は、派手な広告費や開発費をかけずに「オマケ」やちょっとした工夫で成功した企業の事例と、その分析です。

本書で紹介されている「ゴーディン曲線」を出すまでもなく、開発費や広告費というのは、損益分岐点を押し上げてしまう行為です。だから、創意工夫プラスPRで売ろう、というのは、今日では極めて正当な主張と言えるでしょう。

では、具体的にどうすればそのような「ソフトイノベーション」を生み出せるのか。本書には、まさにその点が書かれています。

とくに、第3部の「先端(エッジ)」生み出すためのポイントは、まさに差別化に成功した企業がやっていることを体系化したもので、ソフトイノベーションを生み出すためのヒントと言えます。

マーケターはもちろん、仕事で新たな価値を生み出したいと考える方は、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆オマケの特徴
1.話題にする価値があり、捜し求めて買う価値のあるサービス・製品・組織に関するもの
2.誰かのニーズではなく、私たちのウォンツを満たすもの

どんな「オマケ」も永遠ではない。だからこそ、新しい「オマケ」を生み出す手腕を磨くことが非常に重要なのである

組織がイノベーションを生み出した例などない。イノベーションを生み出すのは人間であって、企業ではないのだ

アイデアの優秀さと、組織がそれを受け入れる可能性とのあいだには、何の相関関係もない

満足顧客が売上高を劇的に増やしてくれる可能性は低い(中略)むしろ成長をもたらしてくれるのは、「不満足顧客」と「未経験顧客」

◆イノベーションを生み出す戦術 ※一部紹介
1.質問する
2.異論には質問で切り返す
3.他人の口出しは歓迎する
5.組織にではなく、個人に売り込む
6.わざと自分のアイデアを改善してもらう
8.試作品をつくる
10.「新語」を発明する
13.将来像を描き出す
16.スケジュールの威力を理解する

◆idea-a-day.comから得られる教訓
1.自分のアイデアを隠しておくのはやめること。秘密にすればアイデアは死んでしまう
2.大切なのはアイデアそのものではなく、それをどう扱うか

◆「先端(エッジ)」を生み出すためのポイント ※一部紹介
・人間工学
・公共の場で使用する
・品揃え
・待ち時間
・不平等な待遇
・業界の常識を破る
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『オマケつき!マーケティング』
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■目次■
第1部 冒険者たち
第2部 マネジメントの神々
第3部 伝説のキングダム
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