ビジネス書の厳選情報を毎日お届け 「ビジネスブックマラソン」 バックナンバーズ

アマゾン元バイヤー、土井英司による厳選ビジネス書評メルマガ。ベストセラー分析と本当に読むべき珠玉の一冊を提供しています。

『会社はだれのものか』

2005年06月30日 | Weblog
http://tinyurl.com/dr9zh
本日の一冊は、岩井克人さんによって書かれ、話題となった『会社はこれからどうなるのか』の続編です。

※参考:『会社はこれからどうなるのか』
http://tinyurl.com/74kps

会社とは何か、という根本的な問いかけにはじまり、話は、コーポレートガバナンスの問題、ポスト産業資本主義の競争の源泉、金融の役割、会社の社会的責任にまで及んでいます。

とりわけおもしろかったのは、ライブドア堀江社長の例を挙げながら、これからの競争の源泉はヒトであること、そしてヒトはお金では買えないことを強調している点です。

これからのビジネスにおける、創造的人材の重要性と、マネジメントの重要性を強く感じる、読み応えのある論考でした。

なお、後半部分は、著者と小林陽太郎さん、原丈人さん、糸井重里さんとの対談となっています。

こちらも、基本的には資本主義と会社、ヒトに関する議論で、それぞれの視点の違いを楽しむことができます。

これからの経営者には、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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アメリカ的な会社のあり方も日本的な会社のあり方も、会社というものがそもそも持っている二階建て構造の、それぞれ二階部分と一階部分のどちらを強調するのかということの違いでしかない

株主主権論とは、企業と会社とを混同した法理論上の誤りですが、それがたんなる理論上の誤りでしかなかったら、あまり実害はないかもしれません。だが、それは本来、信任関係で結ばれるべき会社と経営者との関係を、あたかも契約関係であるかのように見なすのを許すことによって、経営者による会社の私物化への道を開いてしまう働きをする

経済学の父に楯突くのは気が引けますが、資本主義と自由放任主義を同一視するのは誤りです。資本主義とは、いうなれば、その中核の部分で、人間が倫理的であることを必要とした社会体制なのです

違い(差異性)から利益をうみだす――それは、資本主義の基本原理

「違い」の寿命は短い
利益の源泉である違いは、一度作り出せばそれで安泰ということにはならない

ポスト産業資本主義という時代の最大の特徴は、おカネの価値が下がり、代わりに、ヒトの価値が上がる、ということにある

とくに重要なのは、ヒトの頭脳です。ヒトの頭の中にある知識や能力、ノウハウや熟練などが、違いを生み出す重要な源泉になってきた

ポスト産業資本主義の時代とは、おカネの供給者としての株主が、違いの創造者としてのヒトに、会社の支配者としての地位を譲り渡さなければならなくなった時代だと言える

ポスト産業資本主義的な金融活動とは、まだモノとしては何ものでもないアイデアを具体的なモノのかたちに変換していくプロセスに対して、おカネを貸すこと

会社は社会のもの
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『会社はだれのものか』
http://tinyurl.com/dr9zh
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■目次■
第一部
会社はだれのものか
第二部
新・日本型経営が見えてきた――小林陽太郎氏との対話
次世代産業は日本がリードする――原 丈人氏との対話
会社は、驚きに満ちている――糸井重里氏との対話
あとがき
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『CEOから高校生への96通の手紙』

2005年06月29日 | Weblog
http://tinyurl.com/b7b5z
本日の一冊は、アメリカに住む17歳の高校生が、世界中の名立たるCEOたちに手紙を書き、実際に受け取った手紙の内容をまとめたものです。

高校生の質問は、「CEOになるために必要なものは何ですか?」という極めてシンプルなもの。

ただ、それに対する答えは、十人十色。96通の手紙に書かれた、リーダーになるための原理・原則は、これからリーダーを目指す若いビジネスパーソンにとって、見逃せない珠玉の名言集です。

本のコンセプトとしては、若干ありがちな感もありますが、うがった見方をせずに素直に読めば、なかなかためになるメッセージが並んでいます。

こういう本なので、いくつか気になる言葉をピックアップして、本の紹介とさせていただきます。
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■ 本日の赤ペンチェック
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成功するもっとも大きなチャンスを持つ人は、勤勉で、自分のしていることを心から楽しんでいる人だ。エネルギーと情熱の代わりになるものなど存在しない。成功は、自分の欲するものを知り、どんなに道のりが厳しくても、それを真剣に追い求める人のためにある
(フォード・モーター 社長兼CEO ジャック・A・ナセル)

有能なリーダーは、コミュニケーションの達人でもある。コミュニケーション技術を磨き、そして、優れた聞き手になる必要がある。失敗は、リーダーが聞き手に理解できる明確なコミュニケーションを怠ったときに起こり、そして同僚や直属の部下からのインプットを無視すると、リーダーは必ず失敗する
(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ 会長兼CEO H・A・ワグナー)

CEOになることは、夢にしても目標にしてもいけない
(エクスプレス・スクリプツ 会長兼CEO バレット・A・トーン)

私は歴史に大きな興味を持っていたおかげで、最近のマネジメント専門家たちがようやく発見しだしたようなチャンスを、ずっと前から管理することができていた

人を正当に、公正に扱うこと。彼らが仕事をするのに必要な道具を与え、そしてそれを使用する権限を与えなさい。そうすれば、彼らはたいてい、あなたを驚かすことをしてくれるだろう
(ファースト・テネシー・ナショナル 社長兼CEO J・ケネス・グラス)

CEOにとってもっとも大切な二つの資質は、聞く能力と、人の意図を好意的に捉える姿勢だ
(マクドナルド 会長兼CEO ジャック・M・グリーンバーグ)

大きな成功を得るには、大きな夢を見なければならない。そして、大きな賭けに出る勇気を持たなければならない
(バイアコム 取締役会長兼CEO サムナー・M・レッドストーン)

誰も自分一人の力でリーダーになることはできない。自分が率いる人々から、尊敬され、高く評価されて初めて、人はリーダーになれる。それを忘れないでもらいたい
(スプリント 会長兼CEO ウィリアム・T・エズレー)
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『CEOから高校生への96通の手紙』
http://tinyurl.com/b7b5z
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■目次■
はじめに
第一章 PASSION 情熱
第二章 RESPECT 尊敬
第三章 VISION ビジョン
第四章 HUMANITY 人間性
第五章 CURIOSITY 好奇心
第六章 INTEGRITY 高潔さ
第七章 PRAGMATISM プラグマティズム
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『成功するM&A失敗するM&A』

2005年06月28日 | Weblog
http://tinyurl.com/aj7ks

本日の一冊は、日経BP社の違いのわかる男、T氏が、弊社の移転後第1号の宅配便をねらって送ってくれた一冊です。

見事第1号に輝いた上、ちょうど土井が注目していたタイトルが送られてきました。相変わらず粋な方です。

最近、ライブドアの堀江さんの件があってから、日本でもM&Aが注目されてきましたが、この分野の先進国、アメリカでは、既にさまざまな買収合戦を経験し、ノウハウも蓄積されています。

本書は、かつて話題となった『Big Deal:Mergers and Acquisitionsin the Digital Age(2000)』の第3部を翻訳したものです。

ちょうど2000年は、アメリカでも大型案件が続出した年であり、それゆえに本書の内容もかなりダイナミックなM&A事例が中心となっています。

著者のブルース・ワッサースタインはM&A専門の投資銀行ワッサースタイン&ペレラの会長兼CEOで、本書には、その専門家としての視点が生きています。

M&Aの裏舞台で活躍するアメリカの専門家、敵対的買収の際に駆使されるさまざまな戦術…。通常はなかなか知る機会のない、M&Aに関するさまざまなエピソードや知識が盛り込まれています。

500ページ近い大著ですが、文章も読みやすく、あっという間に読み終えることができました。

アメリカで行われた、歴史的な「ビッグディール」とその裏舞台を活写した、じつに刺激的な読み物です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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最近相次いでいる大型M&Aは、世界経済に地殻変動が起こっていることを示している。マイクロチップ、サービス、アウトソーシングが中心の脱工業化の時代が始まろうとしている。その一環としてグローバル化の傾向が強まっていく。この渦巻きの中心にあるのが企業の買収、合併、事業売却といった資産再構築の動きである

敵対的買収が企業の戦術として一般的になるまで、委任状争奪戦が現経営陣から経営権を奪取する唯一の手段だった。これは現在でも重要な戦術で、全面的な買収提案より割安な手段として利用することがある(中略)委任状争奪戦では不満を持つ株主が独自の取締役候補者名簿を作成し、経営陣とは別に委任状を勧誘する

裁定取引者は究極の短期投資家で、なるべく短期間で大きな投資収益をあげることを重視している(中略)経営者やアドバイザーに電話攻勢をかけ、マスコミを利用し、あらゆる手段で利己的な利益を追求する。経営陣にとっては、裁定取引者の目的を理解し、発言のほとんどがはったりや虚勢である点を忘れないようにすることが重要だ

広報の専門家はM&Aに大きな影響力をもつようになってきた。M&Aの世界では、一貫性と説力のある主張をすることがさまざまな面で重要である

買収の成否は買収価格だけでは決まらない。その企業をどのように経営するか、買収で生まれた機会をいかにうまく利用するかも大きく影響する

◆買収契約書に盛り込まれる基本事項
価格条件、当事者の表示、約定条項、取引完了の条件、損害補償

経営陣の持ち株比率が高い。従業員の忠誠心が強い。株主の株式保有期間が長く、投資収益率が高い。そして、浮動株が少ないと敵対的な買収は難しい

◆競売者の鉄則
1.つねに買い手より多くの情報を持つ
2.買い手が何を重視しているかを知る
3.進行のペースを管理する
4.絶好の機会であることを売り込む
5.現実的な予測を提示する
6.質の高いデータ・ルームを用意する
7.問題点を明らかにし、回答を用意する
8.適正な入札手続きを行なうという姿勢を明確にする
9.柔軟な姿勢を保つ
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『成功するM&A失敗するM&A』
http://tinyurl.com/aj7ks
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■目次■
はじめに
序文
第1章 M&Aに参加する人々  
第2章 買収価格
第3章 M&A取引の構造    
第4章 取引の実行
第5章 攻撃戦術   
第6章 防衛――戦うべきか、売却すべきか
第7章 防衛――塹壕を張り巡らす   
第8章 防衛――戦場での戦術
第9章 政府の介入
あとがき
解説、ちょっと小説風 牛島信
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『二大博士から経営を学ぶ』

2005年06月27日 | Weblog
http://tinyurl.com/afypy

本日の一冊は、デミング博士の研究家であるドミニコ・レポールと、ゴールドラット博士のパートナーであるオデッド・コーエンが、両博士の理論をまとめ、その共通点から、オペレーションマネジメントの要諦を導き出したものです。

内容的には、ベストセラー『ザ・ゴール』などで触れられている理論を土台に、継続的改善を可能にするための手順や、注意点、考え方などを紹介しています。

※参考:『ザ・ゴール』
http://tinyurl.com/cwvy8

注目したいのは、分析や改善計画実行のためのツールを詳しく紹介している点で、これらのツールを使えば、なぜプロジェクトが上手くいかないのか、現場の改善が進まないのかが一目瞭然です。

ある程度勉強している人を前提に話を進めているためか、若干記述に不親切なところもありますが、テクニカルな部分と人間的な部分のバランスが取れた、納得のいく論考だと思います。

とくに、「最高の結果は、個人個人の努力を合計することによって生まれるのではなく、彼らの『活動をうまくひとつにまとめること』によってのみ、可能となる」という見解や、「組織は常に自らのパフォーマンスを検証し、現在および将来において、どこか改善できるところはないかを探し続けなければいけません」というアドバイスは、マネジャーにとっての最大の課題を示しています。

メーカーに限らず、すべての業種・ビジネスに当てはまる原理・原則が説かれた一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆継続的改善のための10ステップ
1.システムのゴール、評価単位、評価基準を設定する
2.システムを理解する
3.システムを安定させる
4.制約条件を見つけて「集中プロセスの5ステップ」を実行する
5.バッファー・マネジメントを導入する
6.制約条件と主要プロセスの揺らぎを減らす
7.適切なマネジメント・ストラクチャーを構築する
8.外部の制約条件を除去する
9.可能な限り制約条件を組織内に取り込む
10.継続的な学習プログラムを作る

最高の結果は、個人個人の努力を合計することによって生まれるのではなく、彼らの「活動をうまくひとつにまとめること」によってのみ、可能となる

◆考慮すべき3つの評価尺度
1.在庫―投資(I)2.スループット(T)3.業務費用(OE)

パワフルなソリューションというものは、自らを廃れさせる傾向にあります。パワフルであればあるほど、現実に対する影響力は大きく、その結果、現実が変化して、自らの有効性をも奪い取ってしまう

組織のプロセスを設計する場合は、それに関わるすべての人から意見を聞かなければいけません

◆集中プロセスの5ステップ
1.システムの制約条件を見つける
2.制約条件を徹底活用する
3.制約条件以外のすべてを制約条件に従わせる
4.制約条件の能力は高める
5.ステップ1に戻る

◆プロジェクトが複数ある場合の対応方法
1.複数のプロジェクトを全部あわせてひとつの大きなプロジェクトとみなしスケジューリング
2.クリティカル・チェーン手法を用いて、プロジェクトをひとつずつスケジューリングし、プロジェクトを追加する度に、リソース間のコンフリクトを解消していく
3.クリティカル・リソースを基準にスケジューリングする(中略)リソース間のコンフリクトは戦略的リソースに関わるコンフリクトに限って解消し、また最初にまず全プロジェクトの戦略的リソースをスケジューリングする

考慮しなければいけないのは制約条件の最大パフォーマンス

◆根本問題の雲(根本問題解決のソリューションを見つける妨げ)
1.システムの「ルール」とのコンフリクト
2.リーダーが抱えている個人的なジレンマ・問題
3.異なる機能、マネジメント・レベル、あるいは個人間のコンフリクト
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『二大博士から経営を学ぶ』
http://tinyurl.com/afypy
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■目次■
第1章 さあ、はじめましょう
第2章 制約条件を使ってシステムを管理する
第3章 システムを成長させる
第4章 思考プロセス
第5章 デミング博士とゴールドラット博士
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『東欧チャンス』

2005年06月26日 | Weblog
http://tinyurl.com/7qfkg

本日の一冊は、大前研一さんによる、久々の新刊。しかもテーマは何と東欧です。

著者は、かつてマッキンゼー時代に、東欧が市場経済化する際の全体戦略の策定に関わっていたらしく、本書ではその知識と、2004年に著者が行ったハンガリー、チェコ、ポーランドの視察旅行の成果が盛り込まれています。

なぜ東欧か、という点に関しては、序章で若干説明がありますが、EU域内で生産した場合、域外で生産した場合にかかる14%の輸入関税を免れること、そして教育水準の高いホワイトカラーの賃金が中国などと比べても割安であるということが理由のようです。

旧東欧諸国を、バルト3国、中欧、南東欧の3つに分けて論じていますが、著者がもっとも注目しているのは、このうち外国投資が殺到しているポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーなどの中欧諸国。

本書では、これら中欧諸国を中心に、旧東欧諸国の現在の市場規模や社会情勢、ビジネスチャンス、日本企業の進出状況を明らかにし、著者独自の見解を盛り込んでいます。

また、実際に投資を考えた場合の窓口となる機関についてもコメントがあるため、実用面での価値もあると思います。

次なる投資先・生産拠点を考える上で参考にしたい貴重な一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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南東欧で注目すべきはルーマニアとブルガリア

外国からの直接投資額の累計は、チェコ、ハンガリー、スロバキア、ポーランドの中欧4か国で、新規加盟国全体の約85%(中略)

中・東欧諸国の経済水準を国民ひとりあたりGDPで見ると、1万ドルから5000ドル程度。先進国の下位から、メキシコなど中進国の水準の範囲にある

チェコは、1918年にチェコスロバキアとして独立したとき、オーストリア・ハンガリー帝国の工業資産の4分の3を継承し、世界有数の工業国としてスタートした歴史を持っている(中略)現在の産業の特色としても、チェコは自動車が圧倒的に強い

スロバキアも農業から自動車にシフト(中略)失業率が高く賃金が安いので逆に外国からの直接投資が活発化し、02年以降は年4%以上の高い経済成長率を達成

ハンガリーは80年代から外国資本に対して開放的な政策(中略)現在まで13名のノーベル賞受賞者を出しており、これは人口比世界一だ。数学、科学、物理学を中心に基礎研究の蓄積があり、これらの分野の研究で多くの優秀な人材を輩出(中略)ハンガリーをR&D拠点として活用するケースも目立っている(中略)政府もR&D分野での投資に対する補助金制度を整備し、誘致に積極的

トヨタの動きも要注目だろう。同社は東・中欧の部品メーカーからの調達率を、02年の6%から06年には17%に拡大する方針

チェコには優秀な投資誘致機関がある

ポーランドの豚肉は競争力が高い(中略)食品分野でポーランドに進出している日本企業は現在のところ、味の素だけ
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『東欧チャンス』
http://tinyurl.com/7qfkg
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■目次■
序章 中国の反日運動の真実と中・東欧
第1章 なぜいま中・東欧が注目されるのか
第2章 旧オーストリア・ハンガリー帝国活用法
第3章 自動車に強いチェコの工業力
第4章 ポーランドの地政学的活用法
第5章 中・東欧のチャンスをつかめ!
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『人生の成功とは何か』

2005年06月25日 | Weblog
http://tinyurl.com/b4fmw

本日の一冊は、シンクタンク・ソフィアバンクの代表であり、現在は多摩大学大学院の教授も務めている田坂広志さんが、人生における「成功」の意味を問い直した、哲学的な一冊です。

オビにある、「人生において『成功』は約束されていない。しかし、『成長』は約束されている」という言葉がもっともよく本書の思想を表しています。

それはつまり、われわれが「勝利」でも「達成」でもなく、「成長」を目的に生きることで、より人生の成功に近づくことができる、という思想です。

現在は起業ブーム、資産運用ブームですが、これらは競争である以上、必ず勝者と敗者が存在します。

そこから当然導き出される結論として、前々から、今年以降は、人生哲学や癒しに関する本が売れると申し上げてきたのですが、本書はまさにその動きにはまった一冊だと思います。

「成功」よりも「成長」を目指すことで、より人生が充実する。この考え方は、厳しい競争社会に生きる私たちにとって、きっと励みになるに違いありません。

人生に迷った時にひも解きたい、そんな一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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我々は、しばしば、世間一般に語られる「人生の成功」のイメージを疑問を持つことなく受け入れ、「自分にとって、人生の成功とは何か」を問うことを忘れてしまいます

もし本当に「人生の成功」の意味を考えたいのであれば、その前に、「自分の個性」を見出さなければならない。「自分らしさ」を見出さなければならない

◆「人生の成功」に関する3つの思想
1.勝者の思想 2.達成の思想 3.成長の思想

「競争の勝者」になることが「人生の成功」であると考える社会において、「自分自身の個性」を発見し、「自分自身の成功」を定義して生きていくことは、厳しい「孤独」との戦いを強いられる

◆競争社会において勝者になっても直面する問題
1.果てしない競争 2.精神の荒廃 3.人間関係の疎外

世の中を深く見つめるならば、この厳しい競争社会においてさえ、本当に優れたプロフェッショナルの仕事のスタイルは、「喜びの奪い合い」ではなく、「喜びの高め合い」である

◆「達成の思想」が突き当たる問題
1.人生において夢を実現できるとはかぎらない
  人生において目標を達成できるとはかぎらない
2.人生は続く
3.さらに高い目標に駆り立てられる

我々が、様々な苦労や困難を超えて、この人生を一生懸命に生きるのは、競争で勝者となるためでも、目標を達成するためでもない。人間を磨き、成長していくためである
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『人生の成功とは何か』
http://tinyurl.com/b4fmw
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■目次■
・「人生の成功」とは何か
・なぜ、我々は「勝者の思想」を抱いて歩み始めるのか
・「勝者の思想」を抱いて歩むとき、見えてくる限界とは何か
・なぜ、「勝者の思想」は「達成の思想」へと成熟していくのか
・「達成の思想」を抱いて歩むとき、見えてくる限界とは何か
・なぜ、「達成の思想」は「成長の思想」へと深化していくのか
・最期の一瞬に問われるもの
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『営業の神様が教える25の習慣』

2005年06月24日 | Weblog
http://tinyurl.com/7u4qh

本日の一冊は、アメリカで20万部を超えるベストセラーとなった、営業マンのバイブルです。

IBMやメリルリンチ、ソニー、フォードなどのトップ企業で50万人の営業マンを育てたという著者が、営業マンとして成功するために身に付けておきたい25の習慣を説いたものです。

具体的な例は盛り込まれていませんが、著者が長年の指導経験から導き出した営業ノウハウを、ひとつひとつ丁寧に解説しています。

薄い本であり、ひとつひとつの章の見出しが教訓になるため、常に持っていて、迷った時に読み返す、という使い方が可能な本です。

本書で書かれていることは、営業マンとして、また人間として欠かせないコミュニケーションの基本であり、誰が読んでも何かしら得られるところがあると思います。

目新しいメソッドや奇をてらった記述はありませんが、基礎を押さえるという意味ではなかなか重宝しそうな一冊です。

営業マンの人間的成長を促してくれる、そんな本だと思います。
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■ 本日の赤ペンチェック
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長期的な協力関係を築くのに「餌」は無用である(中略)七面鳥を売っているのなら、七面鳥の話をするのは当然だ。だが、車を売っているなら、車の話をしなければならない

顧客の信頼を勝ち得るためには、自分が口に出す言葉のすべてに百パーセントの責任をもつことだ

商談というのは、卓球とは違う。相手の玉を反射的に素早く打ち返すだけでは駄目なのだ。相手の言葉や態度の裏に隠された欲求に応えてこそ、あなたは真摯に対応したと言えるのである

あなたが訪問し、腰を下ろしたオフィスの環境には、目の前の見込み客の趣味や仕事ぶり、といったものが反映されている

もしも仮に、紙をまとめる以外の用途にペーパークリップを使用することが重罰をもって法律で禁止されたとしたら、この商品の売上は間違いなく激減するであろう(中略)新しい使い途がセールスに結びつけば、あなたの営業マンとしてのキャリアは大きく変わるだろうし、ひょっとしたら、あなたが属している業界までもが大きく変わってしまうかもしれない

初回の面談を終える前に次の面談の日時を決めておく

営業マンは、なぜ自分がセールスのプロとして成功しているのかを見込み客に具体的に説明する技術を身につけるべきだ。つまり、自分が仕事を成功に導く能力を備えているという事実を伝えるのである

守れない約束をしてはならない。顧客は、嘘をつく営業マンと決して二度目の契約を結ばない

営業マンが顧客との商談に関して個人として責任を引き受けることは、営業活動にとって非常に有効な戦略となる

あなたは信念を持たなければならない。自らの主義や哲学を信じなければならない。顧客とともに生産的で嘘偽りのない協力関係を追求することに唯一最大の価値を置き、その価値の実現のために努力を集中しなければならない
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『営業の神様が教える25の習慣』
http://tinyurl.com/7u4qh
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■目次■
習慣1 信頼を抱かせるためのメッセージを送る
習慣2 適切な質問をする
習慣3 主導権を握る
習慣4 見込み客と真摯な関係を結ぶ
習慣5 鍵となるニーズを探り出す
習慣6 不意の客を確実に自分のものにする
習慣7 商品の新たな用途を考える
習慣8 コンサルタントになりきる
習慣9 初回の面談を終える前に次の面談の日時を決めておく
習慣10 メモをとる
習慣11 新たな見込み客には新たなプランを立てる
習慣12 見込み客を紹介してもらう
習慣13 熱意を伝える
習慣14 適度な自己宣伝をする
習慣15 真実のみを語る
習慣16 モチベーションを高める
習慣17 早めに出社する
習慣18 業界誌に目を通す
習慣19 面談の翌日に見込み客と連絡をとる
習慣20 積極的にスピーチを引き受ける
習慣21 ライバルに有益な情報を提供する
習慣22 自分一人で責任を引き受ける
習慣23 自分を活かせる会社かどうかを考える
習慣24 人に会ったら自分の仕事を説明する
習慣25 ユーモアを忘れない
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『経営者になる経営者を育てる』

2005年06月23日 | Weblog
http://tinyurl.com/aqcco

本日の一冊は、ボストンコンサルティンググループのヴァイス・プレジデント アンド ディレクターの菅野寛さんが、実践的なリーダーシップに必要なスキルセットを明確に示した、注目の一冊です。

著者は本書の執筆のために、出井伸之、稲盛和夫、金川千尋、酒井秀樹、鈴木敏文、高原慶一朗、柳井正といったそうそうたる面々にインタビューおよびディスカッションを申し込んでおり、本書にはこれらの優秀な経営者たちの生の声が散りばめられています。

7人の経営者は、それぞれ、創業社長として、一代で大企業を創り上げた人、さえない企業を超優良企業に脱皮させた人、大企業のなかで見事リーダーとして成長した人など、違った経歴を持っており、リーダーシップの研究には最適です。

本書では、この7人の経営者のコメントに加え、著者がこれまでにコンサルティング活動で関わってきた経営者の考えなども盛り込まれています。

これらの情報ソースから導き出された経営者のスキルセットは「科学系スキル」と「アート系スキル」に分けられるのですが、本書が主題とするのは、「実行」するための「アート系スキル」。

「強烈な意志」「勇気」「インサイト」「しつこさ」「ソフトな統率力」といった5項目について、それぞれ具体的にどういうことなのか、何を身につけ、何をなすべきなのかが語られています。

土井が普段から主張している「フレームワークの罠」などについても言及されており、まさに実践を主眼に置いた書といっていいでしょう。

経営者の心構えの書としても、読み応えのある一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆経営者に求められるアート系スキル
1.強烈な意志 2.勇気 3.インサイト 4.しつこさ 5.ソフトな統率力

◆継続的に利益を生み出すために必要なこと
1.差別化されたバリューの創造 2.ビジネスモデルの確立

「経営者の候補を見る時は、実績を見る。経営者の本当の仕事は結果です。一〇〇のアイデアより、一つの実績を上げているかどうか」(金川千尋 信越化学工業社長)

「事を成し遂げるのは人の”才”ではなく”意”である。才の不足は意で補えるが、意の不足は才では補えない」(高原慶一朗 ユニ・チャーム会長)

・「経営とは、”社会・業界の矛盾の解決”」(柳井正 ファーストリテイリング会長)

◆経営者に必要な勇気
1.トレードオフを理解したうえで、どちらかを捨てる勇気
2.不完全な情報化でも必要なタイミングで決断する勇気
3.やめる勇気、変える勇気
4.必要ならば情を捨てて人を切る勇気

わけがわからなくなったら、一歩引いて本質を見るクセをつける

アイデアが成功に結びつくかどうかは、「考えるしつこさ」によって最初のアイデアをどこまで進化させるかによる

「いい頭、するどい頭を持とうと思うな。強く、粘り強い頭を持て」(高原慶一朗 ユニ・チャーム会長)

◆「ソフトな統率力」の要素
1.夢を掲げる能力 2.夢を「共有」する能力 3.経営者の人間的魅力

◆夢を共有するためのポイント
1.回数 2.チャネル 3.スタイル

◆経営者を疑似体験する方法
1.徒弟制度によりメンターから直接学ぶ
2.先人/故人の体験を聞いたり、読んだりして追体験する
3.ケーススタディやアクション・ラーニングを行う
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『経営者になる経営者を育てる』
http://tinyurl.com/aqcco
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■目次■
1章 経営者の時代
2章 経営者に必要なスキルセット
3章 経営者のアート系スキル1:強烈な意志
4章 経営者のアート系スキル2:勇気
5章 経営者のアート系スキル3:インサイト
6章 経営者のアート系スキル4:しつこさ
7章 経営者のアート系スキル5:ソフトな統率力
8章 習得プロセスを構築し、習慣化する
9章 体験を通じて、習得する
10章 スキルセットを使い分ける
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『自分の会社をつくるということ』

2005年06月22日 | Weblog
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本日の一冊は、26歳という若さでトレンダーズ株式会社を立ち上げ、現在は女性起業家の教育・支援活動でも知られる経沢香保子さんが、初めて書いた、注目の一冊です。

売上1億円、年収3000万円という明確な指標を示し、それを実現するための方法論を、著者自身の体験を織り交ぜながら、わかりやすくかつ具体的に書いています。

本書のいいところは、これから起業する人にとっては、経営者の考え方・視点を身に付けられること、そしてスタートアップ直後の経営者にとっては、今後の成長ステージや課題が明確になる点だと思います。

「起業」から「企業」へのプロセスをここまで体系的にかつわかりやすくまとめた本はなかなかないのではないでしょうか。

女性のための起業バイブルになることは間違いないと思いますが、これから起業する人や、起業したばかりの人、女性部下に起業マインドを植えつけたいマネジャーにとっても、有益な一冊だと思います。
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■ 本日の赤ペンチェック
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社長は、常に自分自身で物事を決められる人間でなければなりません

社長になったらお金の使い方は「投資」だけです。いかに小さい金額でも確実に元をとっていく。それが経営の基本だと思います

◆女性が起業するときの最初の目標
年商一億円、社員三~四人、オンリーワンビジネス

周りの人からも、この人は飛び抜けていると思われたら、その段階がひとつの目安、つまり辞めるタイミングになる

どんな仕事でもしっかり結果を出す。そうやって「個人」としての安心感を周囲に植え付ける人物になること

起業準備期間でもうひとつ、鍛えておいたほうがいいのは、表現力

◆企業の成長のステージ
1.事業ドメインを明確にする
2.事業として確立する
3.リスクを分散し、顧客を創造し続ける
4.組織を構築する
5.社会に必要な存在となる

社長の一番大事な仕事は、継続的に売り上げを上げ続ける仕組みを作ること

本来、社長が常にやらなければいけないのは、”次を考えること”

◆商材選定の基準
1.売りやすい 
2.原価ができるだけ安い
3.時流に乗っている 
4.差別化されている

お店に入ったら、サービスだけを見るのではなくて、サービスの向こうにある運営側の意図とか、経営者の心理を読み取れるようになること

少し時代の先を読んで、ニュースになるような、世の中に必要とされていることをやらないといけない

気前がいい人が、結局は最後に最も多くを長期的に回収できる

リレーションは、顔つなぎでも飲み会でも何でもありません。お互い有益な存在であり続けること

うまく成功している人は、結局一人では大きなことはできないとわかっている人
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『自分の会社をつくるということ』
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■目次■
まえがき
第1章 自分の会社を持ちましょう!
第2章 立ち上げの前にやるべきこと
第3章 会社を成功させるキーワード
第4章 あなたのブランドで、オンリーワンになりましょう
第5章 社長の仕事って何でしょう?
第6章 売る人はあなたです
第7章 経営のマインドが重要です
第8章 あなたの会社を知ってもらいましょう
第9章 お金をかけずに営業しましょう
第10章 人事のエキスパートになりましょう
第11章 起業から最低三年はがんばりましょう
第12章 事業は生き物
第13章 女性起業塾について
第14章 人生と仕事。全体を充実させましょう
あとがき
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『ミリオネアの遺産』

2005年06月21日 | Weblog
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本日の一冊は、自己啓発分野の不朽のロングセラー『成功の掟』の著者による、待望の新刊です。

※参考:『成功の掟』
http://tinyurl.com/bpaz4

今回の話は、若いリムジンの運転手が、ひょんなことで知り合ったミリオネア氏の遺書を読んでしまったことから始まります。

うだつの上がらないサラリーマンだった著者が、いかにして自己を変革し、人生を変えていくか。そしてその結末とは…。

遺書に書かれた深い教えと、現実世界との奇妙なオーバーラップが読む者の心をぐいぐい引きつける、そんな一冊です。

最近は、物語形式の自己啓発書が数多く出され、何人ものベストセラー作家が登場していますが、本書の著者は、その先駆けとも言うべき存在です。

ストーリーものの王道とも言える内容ではありますが、今回も楽しく読ませていただきました。

自己啓発書好きには、外せない一冊だと思います。
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■ 本日の赤ペンチェック
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あんたの未来を知るためには、自分の抱いているもっとも強烈で、深い願望を調べてみることだ

恐怖のせいで、自分の才能を埋もれさせてはいかんぞ

百万ドルをすでに持っているようにふるまいたまえ……。実際に、それが百万ドルを手に入れるための最善の道なのだ

どんな謙遜な人間でも、あんたが出会う人物はすべて、何かしら貴重な知識を持っておるもんだ

わしがあんたに願っている能力とは、ミリオネアの考え方を持っている人間を周囲に集められるようにすることだ。人生を義務に縛られたうんざりする歳月ではなく、魅力的なゲームとして眺められる人間を周りに集めることじゃ

偉人の伝記から模範や哲学を手に入れ、心のなかに勇気、野心、ビジョンをしっかり培うことだ

簡潔で、躍動感のある言葉を話せるようにしておきたまえ(中略)話すときは、内容に人間味、事実と数字、それにユーモアも交えたまえ

売り方を学ぶことだ。望むと望まざるとにかかわらず、売り方があんたの一生を形作るのだからな

学ぶのをやめられるのは自分が引退する日だけで、学ぶのをやめた瞬間、自分は一線を退くことになると、肝に銘じておくがいい

百人の人間に信じてもらえる人間より、百人の人間には信じてもらえなくても自分だけは信じられる人間になることのほうが大切なことだ

ヴェネチア人の成功の秘訣は、ひとつの目標をつねに追い求めながら、その目標のために手段を変えていける柔軟性を備えているところにあった

太陽はすべてのものに分け隔てなく光を降り注いでいる。だから、誰もが太陽を求めるのだ。ほんとうのミリオネアが人々から求められているようにな。それがカリスマ性やリーダーシップの秘訣なのだ
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『ミリオネアの遺産』
http://tinyurl.com/bwk8t
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■目次■
訳者まえがき
第一章 失意の青年に運命の女神がほほ笑む
第二章 仕事は慎重に選びたまえ
第三章 恐怖という悪魔を退治せよ
第四章 学校では教えてくれない知識を身につけたまえ
第五章 高い目標を掲げたまえ
第六章 途中であきらめてはいかんぞ
第七章 豊かさは与えたものに比例する
第八章 人と同じことをやってはならない
第九章 自分自身を鍛えなさい
第十章 自分自身と仲よくしなさい
第十一章 思ってもみない出会い
追伸
訳者あとがき
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『ブルー・オーシャン戦略』

2005年06月20日 | Weblog
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本日の一冊は、おそらく、ビジネス書業界としては、今期最大の注目作です。

先日、韓国に行った際、ソウル市内の主だった書店をひと通り見てまわったのですが、もっとも目を引いたのは、あらゆる書店でベストセラーランキング1位に輝いていた、鮮やかな青い本でした。

その本の名前は、『Blue Ocean Strategy』。あの『エクセレント・カンパニー』や『ビジョナリー・カンパニー』以来の名著と評され、すでに世界25ヵ国で刊行が決まった、超話題作です。

※参考:『エクセレント・カンパニー』
http://tinyurl.com/cszkm

※参考:『ビジョナリー・カンパニー』
http://tinyurl.com/8em7h

著者のW・チャン・キムさんは、INSEAD(欧州大学院)のボストン・コンサルティング・グループ・ブルース・D・ヘンダーソン寄附講座教授。「ハーバード・ビジネス・レビュー」に掲載された論文が話題となり、何とその抜き刷りが50万部以上の売上を記録したという、実力派です。

本書でいう「ブルー・オーシャン戦略」というのは、既存市場で戦う血みどろの「レッド・オーシャン戦略」と対照的に、新規市場を開拓し、競争のない状態を作り出していく戦略のこと。

従来であれば「アントレプレナーシップ」の名のもと、精神論で片づけられていた新規市場開拓に、初めて本格的なフレームワークとツールを提示したという点が、極めて画期的です。

また、古い体質のサーカス業界に革命をもたらしたシルク・ドゥ・ソレイユ、伝統に固執するワイン業界で大ヒットを生み出したカセラ・ワインズなど、ワクワクする事例も満載です。

ビジネススクールの教授が書いているとはいえ、本書の内容は、起業家や中小企業経営者こそ活用すべきものです。

『ビジョナリー・カンパニー』のような感動はなかったものの、実用面では、こちらの方が数段上かもしれません。

前評判に違わぬ名著として、強くおすすめしたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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企業にせよ、産業にせよ、時代を超えて輝きを放ちつづけることはできない。ところが、ブルー・オーシャンを生み出し、利益をともないながら力強い成長を実現した戦略は、どれも驚くほど似通っている

バリュー・イノベーションを成し遂げれば、「価値とコストはトレードオフの関係にある」という、競争を前提とした戦略論の常識から解き放たれる

◆四つのアクション
Q1.業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か
Q2.業界標準と比べて思いきり減らすべき要素は何か
Q3.業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か
Q4.業界でこれまで提供されていない、今後付け加えるべき要素は何か

優れたブルー・オーシャン戦略の価値曲線には、1.メリハリ、2.高い独自性、3.訴求力のあるキャッチフレーズ、という三つの特徴がある

◆市場の境界を引き直すための6種類のアプローチ
1.代替産業に学ぶ 
2.業界内のほかの戦略グループから学ぶ
3.買い手グループに目を向ける
4.補完財や補完サービスを見渡す
5.機能志向と感性志向を切り替える
6.将来を見通す

トレンドに気づいたら、将来に思いを馳せて、予想どおりにトレンドが展開した場合、市場はどのような姿になるだろうか、と自問してみる

◆ブルー・オーシャン戦略の原則
1.市場の境界を引き直して競争を迂回し、ブルー・オーシャンを創造する
2.細かい数字は忘れ、森を見る
3.新たな需要を掘り起こす
4.正しい順序で戦略を考える
5.組織面のハードルを乗り越える
6.実行を見すえて戦略を立てる

ティッピング・ポイント・リーダーは、短期間でハードルを越えようとして、特に影響力の大きな行動にうって出る。みなの目の前に厳しい現実を突きつけ、肌で触れさせるのだ
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『ブルー・オーシャン戦略』
http://tinyurl.com/bhqa4
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■目次■
第1章 ブルー・オーシャンを生み出す
第2章 分析のためのツールとフレームワーク
第3章 市場の境界を引き直す
第4章 細かい数字は忘れ、森を見る
第5章 新たな需要を掘り起こす
第6章 正しい順序で戦略を考える
第7章 組織面のハードルを乗り越える
第8章 実行を見すえて戦略を立てる
第9章 結び:ブルー・オーシャン戦略の持続と刷新
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『ビーンズ!』

2005年06月19日 | Weblog
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本日の一冊は、昨年話題となった一冊です。アマゾンでもベストセラーになったのですが、なぜか土井は読んでいませんでした。

ちょっと旬を過ぎた感はあるのですが、週末に読んだ本であまりいいのがなかったので、あえてご紹介することにします。

本書は、20数年間、雨の日も風の日も行列の絶えない伝説のカフェ、「エル・プレッソ」の物語です。

今でこそ、常連客の多かったドットコム企業が移転し、苦境に立たされている「エル・プレッソ」ですが、その経営の姿勢には、すべての企業が学ぶべき普遍の真理が隠されていました。

では、その普遍の真理とは何なのか。まさにその点が、本書の最大の読みどころです。

読者は、主人公ジャックがお店で実践していることや、コンサルタントのキャロルの話、従業員を信頼できないジムの現状を読みながら、経営の要諦を学ぶことができます。

テクニカルな面を見たら、これはOne to Oneマーケティングだとか人間心理にもとづいたマネジメントの本だとか言えるのでしょうが、読み終わった後は、そんな無粋なことは言いたくない気分です。

素直に受け取れば、情熱を持って経営することの素晴らしさを感じられる、そんな一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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最高のスタッフに大きな自由を与えて、お客さまに奉仕する喜びを教える。この基本を忠実に守れば、成功するんだ

こちらがハートを込めてつくったものは、お客さまもごく自然に愛してくれる

それぞれに個性ある人材が集まってこそ、ほかにはないユニークな店が生まれる

情熱と好ましい姿勢さえあれば、極上のコーヒーを淹れるコツは後から教えればよい

この何十年かのあいだに次々と「スリム化」を進めてきた企業は、社員の忠誠度が、そのままお客さまの忠誠度に響くということを見落としていた

お客さまの名前を覚えるだけで、どれだけ違った世界が開けるか

ひとりひとりのお客さまを意識して、互いをよく知ると、お客さまの輪をつくることになる

とんでもない商品を売っていては、よいサービスをしても意味がない

優れた商品は社員の忠誠度を高め、それが仕事への熱意に変わる。するとよい仕事ができ、商品の質がさらに高まっていく

事業を成功させるためには、自分にとっての成功とは何かを、あらかじめ考えておく必要がある

事業が思わしくないときには、どうやって好調の波に乗ったかを振り返って、同じことをやればいい
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『ビーンズ!』
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■目次■
プロローグ
第1章 情熱(Passion) すべては、情熱からはじまる
第2章 人(People) 働いている人を見れば、その店がわかる
第3章 商売を超えた温もり(Personal) 誰もが、常連になりたいと思っている
第4章 商品(Product) まずいコーヒーに、お金を出す人はいない
第5章 志と目標 どこに行きたいのかわからなければ、目的地についても気づかない
第6章 四つのP 一杯のコーヒーが教えてくれる大きな教訓
エピローグ
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『凡人が最強営業マンに変わる 魔法のセールスノート』

2005年06月18日 | Weblog
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本日の一冊は、ベストセラー『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』の著者が、前著で示したノウハウをコンパクトにまとめ、実際に成功した営業マンたちの事例を取り上げた、注目の一冊です。

※参考:『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』
http://tinyurl.com/bebp7

人間心理にもとづいた巧みなセールストークと、成約に導くまでのステップが、具体的かつわかりやすく示されているのが特徴です。

単に効果的なトークを示すだけでなく、きちんとその根拠も示しており、かつ前提が崩れた時の対処方法についても述べられています。

社会心理学のテキストで示される心理原則を応用し、実際にセールストークにまで落とし込んだ点は注目に値します。

セールスや接客に携わる方はもちろん、人間関係を改善したい方にも有効な一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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お客様の最初の要望を真に受けているようでは営業マン失格

◆魔法のセールストーク
ステップ1
「今回○○なわけですが、いまの××に何かお悩みでもおありなんですか?」

ステップ2
・「たとえば?」「具体的に言うと?」
・「それはどうしてですか?」「○○だと、何か××すぎるのですか?」

ステップ3
・「それでは、いままでおうかがいしたことを、ご確認させていただきたいのですがよろしいでしょうか?」
・「お客様のご要望は、これで全部ということでよろしいですか?」
・「万が一、ご要望をすべて満たすことができない場合には、少なくとも最優先されたいものを、1つだけお願いします。また、最悪の場合は、妥協できるものはまったくありませんか?」

ステップ4
・お見積りをご説明する前に、前回おうかがいしたご要望や条件をご一緒に確認していただけますか?
・以上でしたが、他にご要望や条件の追加、変更などはないでしょうか?
・すべて満たしていますが、どうされますか?
・いかがされますか?

◆世界最強のクロージングトーク=「無言」

達人は相手のパーソナリティを一瞬にして見抜いている

◆人間の心を構成する4つのパーソナリティ+1
1.批判的な父性の心 
2.養育的な母性の心
3.無邪気な子ども心 
4.従順な子ども心
5.アダルト

こちらがアダルトを使うとアダルト同士の会話が成立する

予想をしないニーズを持って訪れる客がいる。それが「チャンスの女神」
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『凡人が最強営業マンに変わる 魔法のセールスノート』
http://tinyurl.com/bsv6o
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■目次■
PART1 凡人が最強営業マンに変わる魔法の4ステップ
PART2 「心理じゃんけん」の法則を駆使した達人型セールスの手法
PART3 最強営業マンはマーケティングとセールスを分ける
PART4 【18業種の成功事例を完全収録!】凡人が最強営業マンに変わった!
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『「儲かる経理」に30日で変わる究極の方法』

2005年06月17日 | Weblog
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本日の一冊は、大好評を博した『ココまでできる経理の合理化』の著者が、現場の反発を想定し,スムーズに経理の合理化を達成する方法を記した一冊です。

※『ココまでできる経理の合理化』
http://tinyurl.com/8yzav

前著は、「経理の人件費と作業時間が半分以下になる101の改善策」ということで、技術論を中心に書かれていましたが、今回は、合理化に伴い関係してくる社長、経理、工場、営業の視点も意識しながら、会社の成長に貢献できる経理のあり方を説いています。

「小口現金廃止」など、前著と重なる内容もありますが、自分のコストを意識した合理化策や、社長に会社の現状を3分間で伝えるためのポイントなどが紹介されており、じつに実践的な内容です。

会社における経理の本来の役割を思い出させてくれる、そんな一冊です。経理担当者はもちろん、経営者にもぜひ読んで欲しい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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黒字企業は、粗利益に占める経理事務コストの割合は2%以下でした。それに対して赤字会社は、この割合が4~5%

◆経理データを経営に役立てるための要件
1.経営者がタイムリーに経理データの報告を受けている
2.経営者が経理資料の見方を理解し、それに基づいて意思決定を行っている

◆管理部門の役割
1.組織として活動しやすい環境を整備すること
2.活動の結果を測定して、現場にフィードバックすること

◆非金3原則
現金を「置かない」「使わない」「持ち込まない」

経費精算を月1回にすると、経理事務コストの他に、ムダな経費も削減

◆ネットバンキングのリスクを知っておこう
1.電子認証された経理の特定のパソコンからしか資金移動できないようにする
2.取引照会や振込手続きをする人と、決裁承認する人のID、パスワードは別にする

◆合算手抜き入力:経費科目の合計金額だけを入力

◆決算をスピーディにする3つのポイント
1.キャッシュレス
2.使っていない口座はどんどん解約
3.代金回収の仕組みをシステム化

◆儲かる経理
会社の本業に貢献する経理、順調に業績アップができるように財務バランスを整える経理

◆(社長に)会社の現状を3分間で伝えるためのポイント
・予定どおり儲かっているか?
・おカネは足りているか?

◆会社の「燃費」を悪くする3つの過剰
「設備」「借入金」「人の過剰」
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『「儲かる経理」に30日で変わる究極の方法』
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■目次■
第1章 間違いだらけの経理の常識
第2章 30日で経理作業を半分にする!
第3章 経理のスピードアップ&50%コストダウン大作戦
第4章 「儲かる経理」に30日で変身する
第5章 「財務ナビゲーター」として社長の右腕になる!
第6章 「経理スコアラー」が現場を成長させる!
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『日本経済にいま何が起きているのか』

2005年06月16日 | Weblog
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本日の一冊は、『デフレの経済学』などの著書で知られる、学習院大学の岩田規久男教授が、経済学の基礎と、日本経済の長期停滞の理由をわかりやすく解説した一冊です。

※参考:『デフレの経済学』
http://tinyurl.com/7rnfs

なぜ日本経済が長期停滞に陥ってしまったのかがわかるだけでなく、通常、メディアを通してあいまいなまま理解している経済用語を、きちんと基礎から学ぶことができる、社会人のための経済学入門書です。

わかりやすい例を用いながら、サラリーマンや投資家、家計など、さまざまな視点から解説されているので、日本経済の問題点がすっきりと理解できるはずです。

もちろん、テキストの体裁をとっているとはいえ、提言されている政策に関しては、経済学者の間でもさまざまな論議が存在します。

ただ、その部分を差し引いても、ここまでわかりやすくまとめた本はなかなかないと思います。

経済学を学び直したいと考えている社会人、無機質な経済学テキストに嫌気が差している学生さんにおすすめの一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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日本経済が長期にわたって停滞した原因は、日本経済がデフレに陥り、人々の間にデフレ予想が定着してしまったことにある

デフレ予想が定着したままでは、構造問題を解決して潜在成長率を高めても、一時的にはともかく、それを長期にわたって維持することはできない

ハンバーガーや牛丼など、個々の商品の価格が下がることはデフレではありません

社会はモノをつくる能力を高めるだけでは、貧困や失業問題を解決できない

インフレが良いかデフレが良いかを判断する一つの基準は、そのとき名目所得がどう変化し、その結果、実質所得が上がるかどうか

企業がおカネを借りてリスクの大きな事業に挑戦し、技術革新などを進めるからこそ、経済が成長し、私たちの生活は豊かになる

◆家計にとっての経済問題
1.可処分所得を、どう消費と貯蓄に配分するか
2.「貯蓄したおカネ」を、どのような資産に配分してもつか

現在の複雑な経済では、増えたお札がそのままモノの購入に向けられたり、お札が減ったためにモノを売っておカネの不足を補おうとしたりすることは、そう多くはありません。それは、現代の発達した経済では、お札以外にさまざまな金融資産が存在するからです

日銀と政府がバブル崩壊の影響を見誤ったのは、バブル崩壊によって資産価値は下がりますが、借金の負担は、貸し手が借金を棒引きにしてくれないかぎり残ることを見逃したから

中国輸入デフレ説は国際比較をしてみると事実でない

日本経済が真に復活するには、デフレをとめるだけでは不十分で、物価が1~3%で上昇し続けることが必要
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『日本経済にいま何が起きているのか』
http://tinyurl.com/95fqd
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■目次■
はじめに
序章 デフレがわかれば日本経済がわかる
第1章 あなたの身の回りの「デフレ現象」
第2章 デフレが儲かるか、儲からないか
第3章 今日買うか、明日買うか、それが問題だ
第4章 デフレはなぜ起きるのか
第5章 なぜ日本はデフレになったのか
第6章 デフレをとめて、おだやかなインフレへ
終章 日本経済の未来は明るい
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