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アマゾン元バイヤー、土井英司による厳選ビジネス書評メルマガ。ベストセラー分析と本当に読むべき珠玉の一冊を提供しています。

『企業内人材育成入門』

2006年10月31日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478440557

本日の一冊は、「人材育成部門の書棚に常備される教科書」を目指
して作られた、企業研修に携わる人のためのテキストです。

特定の人向けに作られた本で、かつタイトルもシンプル極まりない
ものですが、内容はじつに充実しています。

古今東西の研究者による、人間心理や教育に関する研究成果が過不
足なく盛り込まれており、当該分野の理論を学ぶには重宝する一冊
ではないでしょうか。

トピックだけをひろっても、学習のメカニズムや動機づけ理論、学
習環境のデザイン、教育・研修の評価など、魅力的なものがズラリ
と並んでいます。

本書が特徴的なのは、ありそうでなかなかない、社会人のための教
育・学習の理論を扱っているということ。

オトナのための教育学「アンドラゴジー」や、人間が熟達するため
の認知的徒弟制のステップ、内発的動機づけの理論などは、学んで
おいて損はないと思います。

著者が冒頭で述べているように、「<私>にとってうまくいった教
育方法でも、<彼>にとってうまくいくわけではない。<私>にと
っての「教師」は、<彼>にとってもよい教師であるわけではない」

この機会に、「人を育てる科学」について学びたいと思った方は、
ぜひ読んでみてください。

とくに、人事や教育ビジネスの関係者、経営幹部は必読の一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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競争優位性に直結した知的生産性向上を達成することではじめて、
ビジネスパーソンは学んだと認められることになる

反応が正しかったのか間違っていたのかに関する情報は、すぐに与
えられなければならない。これを「即時フィードバックの原理」とよぶ

全体像を学習者があらかじめ把握していれば、その後に続く内容は、
より意味のあるものとして記憶される可能性が高くなる

◆大人の学習者の特徴
実利的、動機を必要とする、自律的、関係性を必要とする、目的志
向性が高い、豊富な人生経験がある

人間の根元的な認識には、「論理―科学的様式(パラディグマティ
ックモード)」と「物語様式(ナラティヴモード)」という二つの
思考様式が存在する

◆認知的徒弟制のステップ
1.モデリング 2.コーチング 3.スキャフォルディング
4.フェイディング

一般に、仕事や学習などの高次の活動には、外発的動機づけより内
発的動機づけのほうが効果的であるといわれる。その理由の一つは、
外発的動機づけでは、その動機づけが与えられない状況になったと
き、活動への意欲が低下する可能性があるからである

内発的動機づけは、報酬のような外発的動機づけを与えることでか
えって下がってしまう場合もある

学習の結果をもたらす原因が、外部にではなく自分の内部にあると
考える(内的)ほうが、学習者の意欲は高まる。また、その原因は
変えられないものではなく(安定)、容易に変えられる(不安定)
と考えているほうが、さらに学習者の意欲は高まる

能力は努力次第で変えられるという考え(能力変化観)をもつ人は、
能力は固定的でコントロールできないものだという考え(能力固定
観)をもつ人に比べ、内発的に動機づけられやすい

人は自分について深く振り返り、職業上の自己イメージをもつこと
によって、自分のアンカーに気づくことができる

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『企業内人材育成入門』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478440557
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■目次■

序章 「企業は人なり」とは言うけれど
第1章 学習のメカニズム
第2章 学習モデル
第3章 動機づけの理論
第4章 インストラクショナルデザイン
第5章 学習環境のデザイン
第6章 教育・研修の評価
第7章 キャリア開発の考え方
第8章 企業教育の政治力学
終章 人材育成の明日

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『自分らしくお金持ちになるための70の習慣』

2006年10月30日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478733325

本日の一冊は、22の会社と業界で働いた経験をもとに、プロの講演
家として活躍するブライアン・トレーシーが、お金持ちの習慣と、
それを身につける方法を指南した一冊です。

自己啓発書には欠かせない成功の心構えから、投資、ビジネス、セ
ールス、キャリア形成に関するヒントまで、じつに広範囲な内容が
盛り込まれています。

「成功している会社から学ぶべき7つのポイント」や、「無料広告
のための11のステップ」など、起業やセールス・マーケティングに
関する部分は読み応えがあります。

既に自分の目標に向かって走り出している人にとってはあまり参考
になりませんが、やりたいことがやれずにくすぶっている人や、こ
れから始めようとする人には、ヒントが満載の一冊だと思います。

やりたいけれど、勇気がない。背中を押して欲しい、という人には、
ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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大きな成功を収めた人の多くに共通することの一つは、彼らがほと
んどテレビを見ずに早く寝ることだ

やる気を起こさせるための燃料は「理由付け」だ。理由がたくさん
あればあるほど、成功したいという願望が強くなり、その願望を現
実のものにする決意が固くなる

五年以上のビジネス経験を持つ人が始めたビジネスの九〇パーセン
トが成功していることを忘れないようにしよう

いますぐ行動を起こそう。登記など必要ない個人事業でいいから、
今日、いまから自分のビジネスを始めよう

「アイディアが盗まれるといやだから」と、人に話さないでいる人
がよくいるが、これは実にばかげている。すでに同じ業界で活躍し
ている人からフィードバックをもらえれば、それだけでも何十万ド
ルもの価値がある

◆無料広告のための11のステップ ※一部紹介
3.ニュース価値を持たせる
7.写真を送る
8.個人宛に手紙を出す
10.無料で何か提供する

◆成功している会社から学ぶべき7つのポイント ※一部紹介
1.どうやって顧客を引きつけているか?
2.どうやって売っているか?
4.どうやって料金を集めているか?
7.カスタマーポリシーは何か?

チャンスは、決められた時間以外にも仕事のために喜んで時間を割
こうという人に与えられる

一番になるための大事なポイントは、弱みを克服することだ

約束はきちんと果たそう。やると言ったことは必ずやろう。人はそ
ういう人間を信頼する

人生で成功するために大事なのは、どこからやって来たかではなく、
どこへ行こうとしているかだ

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『自分らしくお金持ちになるための70の習慣』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478733325
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■目次■

はじめに あなたにも必ずできる
第1章 なぜ人はお金持ちになれないか?
第2章 「お金持ちになる」と信じれば必ずそうなる
第3章 お金持ちが選ぶ六つの投資先
第4章 ビジネスを始める
第5章 ビジネスを成功させる
第6章 何でも売り込む
第7章 ゼロからビジネスを始める
第8章 マインドストーミングでお金持ちになる
第9章 最良の師から学ぶ
第10章 会社勤めでお金持ちになる
終わりに 健康とお金と幸福を手に入れる八つの秘訣
訳者あとがき 夢をみつけるための宝の地図

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『考えすぎ人間へ』

2006年10月29日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413021711

本日の一冊は、かつて遠藤周作により出されたエッセイを、新装版
として再発刊した一冊。

人生をラクに生きるための考え方や、人間関係のコツ、マナーやユ
ーモアなど、著者独自の見解が、読ませてくれるエッセイです。

どういった経緯でこのような話になったのかわかりませんが、全体
的にビジネスパーソンを意識した話が多いのが特徴です。

どうしたら出世できるか、どうしたら人に嫉妬されずに済むか、ど
うしたら本物と偽者を見極められるか、人間関係において必要なマ
ナーやユーモアのコツとは何か…。

ビジネスパーソンが興味を持つと思われる、あらゆるトピックが網
羅された、遠藤周作流「処世術」の本です。

恋愛や女性との関係について語った部分は、人によって評価はまち
まちだと思いますが、「ラクに行動する」という本書の目的はかな
えてくれる内容だと思います。

遠藤周作ファンというよりも、どちらかと言えば人生をラクに生き
たい方におすすめの一冊ではないでしょうか。
(遠藤周作ファンはガッカリする部分もあるかと思います)

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■ 本日の赤ペンチェック
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一人の人間の不幸を作りあげていたマイナスの原因も、混ざり合っ
ていくうちにだんだんプラスに変じてくるということもある

人生、大きな海の中にいるようなものなんだから、その大きなもの
に任せるという気持ちが必要なんです

ときには同僚を仕事の面で助けることも必要でしょう。そういうと
き、<できる姿>を見せずに助けるにはどうしたらいいのか。……
「誰にでもできる仕事」ってあるでしょう。誰にでもできることだ
けど仕事の量が多くてシンドイ、そういう量的な仕事を助ければいい

言葉は丁寧にして憎まれることはまずありません

虚礼というのは人と人との潤滑油となるべきもので、人間が長い間
の経験から考え出したものなんだね。たしかにムダなんだが、ムダ
だからこそ礼儀なんです

友情や人間関係を短距離競争ではなく長距離競争にしたければ、互
いのリミットは越えないのが礼儀でしょう

人に好かれるためには、自分の欠点をユーモア化する才能を持つ必
要はあります

青年時代というのは「絵に描いたモチ」を心に持つからこそ青年と
いえるのであって、それがなかったら青年とはいえない

カネの使い方というのは、その人の品性やイメージを決定的にする
ところがある

嫉妬心の根底には、自尊心がある。自尊心を傷つけられると誰でも嫉妬する

これからは生理と観念とを調和させていくのが、生きるための一つ
の進歩だと思う。生理を軽く見ていると間違いを起こしやすい

まずはそこに緊張感があるかどうかということ。これを基準にすれ
ばいいでしょう。ちょうど、いい文章には言葉と言葉の間に緊張感
があるように、いい絵にも色彩と色彩の間にピーンとしたものがあ
るはずです

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『考えすぎ人間へ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413021711
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■目次■

1.アイツにはないがオレにはある
2.なりたい自分に簡単になれる
3.自分の頭においていかれる恐さ
4.女はあなたのそれにくらくらする
5.これであなたはケタ違いになる

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『ワンダーマンの「売る広告」』

2006年10月28日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798112585

本日の一冊は、世界で初めてダイレクトマーケティングを提唱した
レスター・ワンダーマンによるマーケティングの名著です。

単なるノウハウ書ではなく、著者の半生の仕事を振り返りながら、
マーケティングの本質と技術、実際に効果のあった取り組みを述べ
ているため、じつに読み応えのある読み物に仕上がっています。

今でこそ、ワンダーマンの会社WCJは世界最大のダイレクトマー
ケティングの代理店としてその名を轟かせていますが、その道のり
は決して平坦ではありませんでした。

破れたスーツの尻の部分につぎをあててまで営業に臨み、挙句の果
てにクライアントが倒産。代金を回収できずに会社をたたんだ経験
からスタートした著者が、いかにして這い上がり、成功を収めるに
至ったのか。その経緯が詳しく語られています。

もちろん、マーケティングノウハウとしても秀逸で、レスポンスを
高めるためのアイデアから、効果的なメディアを発掘する方法、コ
ピーの書き方まで、じつに有用なノウハウが盛り込まれています。

ただ、本書の価値をひと言で語れ、と言われたら、それはマーケタ
ーが持つべき「成果に妥協しない心構え」だと言えるでしょう。

ワンダーマンのマーケティングに対する真摯な姿勢や、飽くなき探
究心、そしてその結果もたらされた大成功のストーリーは、マーケ
ティングに携わる多くの人に、この仕事本来の楽しさを思い出させ
てくれるに違いありません。

マーケターや広告関係者はもちろん、経営者、ビジネスパーソンに
もぜひ読んでいただきたい、珠玉の一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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ピーナッツはなかなか売れません。そうなると、費用を削らなけれ
ばなりません。金のかかるものといえば、石炭とピーナッツぐらい。
そこで、石炭をいつも燃やすのはやめて、客に売るピーナッツを暖
めるときだけ火をつけることにしました。ところが、ひとつ大事な
ことを忘れていました。火が燃えなければ蒸気の笛が鳴りません。
笛が聞こえなければ、誰もピーナッツ売りが来たと気づきません。
ついに廃業です。不況のときにこそ笛を鳴らして宣伝すべきです

相手がユニークな解決策を教えてくれそうだとみると、多くのビジ
ネスマンは会社が抱える問題をすすんで話してくれる

広告代理店が提供できるもっとも重要なサービスは、新しく、より
優れたマーケティングのアイデアであることを私は学んだ

大きな広告は金がかかるが、小さな広告よりも費用に対する効果が
高く、利益も大きかった。広告で一番効き目のある言葉は「無料」、
二番目は「新しい」であることも知った

価格にはこれ以上下げられない最低ラインが存在するが、サービス
や才能などの付加価値には限界がない

お金のことは忘れなさい。心から消し去ることだ。重要なのは、毎
日できる限りの努力をして、広告で利益を生む方法を学ぶことだ。
他人がまだ知らないことを発見し続ければ、お金やキャリアはあと
からついてくる

ダイレクトマーケターが使える最大の武器はテストする能力である

顧客はパーキンス(著者のクライアント)と個人的に会ったことが
なくても、彼について知り、信用しなければならない。そしてパー
キンスのほうでも、顧客の名前までとは言わないが、買い物の習慣
については知らなければならない

前菜をたくさん選ぶことができるほど、人が並ぶ列は長くなった

ベストのもの同士が手を結べば、より良くなれる

今までのマーケティングや広告の目的は製品を売ることであった。
これからは、長期的な顧客との関係から製品を売るという目的にな
るだろう。マーケティング投資は消費者の生涯価値に対してなされ
るだろう

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『ワンダーマンの「売る広告」』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798112585
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■目次■

第1章 出発点
第2章 広告代理店としてスタートしなかった理由
第3章 一つ買えばもう一つは無料
第4章 新しいメディアを発見する方法
第5章 ベストセラーを発明する方法
第6章 「優れたコピーは広告である」
第7章 神の補聴器
第8章 『エスクァイア』にオープンした仮想店舗
第9章 世界最大のばら栽培業者
第10章 クラブの威力
第11章 世界最大のクラブの誕生
第12章 魔法の材料「選択」の発見
第13章 外からのさらなる「選択」
第14章 ダイレクトマーケティングの新しいメディアの発明
第15章 アメリカン・エキスプレス・カード
第16章 広告代理店をスタートする方法
第17章 ダイレクトマーケティングをいかに発見したか
第18章 「対話型マーケティング」を発見したアフリカでの生活
第19章 部族長になる方法
第20章 ほかの部族と合併する方法
第21章 新しいダイレクトマーケティングの創造
第22章 スウェーデンのコーヒー王、アメリカにメールで上陸
第23章 光陰矢のごとし
第24章 フォード車を一回に「少し」ずつ売る
第25章 当店ではアメリカン・エキスプレス・カード歓迎
第26章 未来への道は
第27章 インターネット

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『事例に学ぶ 経営と現場力』

2006年10月27日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777105091

本日の一冊は、大前研一さん率いる強力講師陣が教鞭をとる、ビジ
ネス専門チャンネル「ビジネス・ブレークスルー」のLIVE講義をま
とめた注目の新書シリーズ。

ローランド・ベルガーの会長であり、『現場力を鍛える』『見える
化』などのベストセラーを持つ遠藤功さんが、現場力を鍛えるため
のポイントをわかりやすく説明しています。

※参考:『現場力を鍛える』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492531718

※参考:『見える化』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492532013

著者によると、強い企業というのは、ビジョン、競争戦略、オペレ
ーションのバランスに長けているもの。しかしながら、ほとんどの
企業では「ビジョンや競争戦略にスポットライトが当たりがち」で、
肝心のオペレーション(現場)に目を向けていないというのです。

本書では、企業の競争力を支えるこの「強い現場」を作るためのエ
ッセンスが、勝ち組企業の事例とともに紹介されています。

実務家をゲストに招き、対話形式で行われる講義も本番さながらで
臨場感があり、飽きさせることがありません。

図をふんだんに使ってわかりやすくまとめられており、著者の主張
のエッセンスを拾うには手頃な一冊ではないでしょうか。

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■ 本日の赤ペンチェック
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◆強い企業が保っている3つの経営要素のバランス
1.ビジョン(リーダーシップ):「なぜ」この会社は存在するのか
2.競争戦略:「何を」具体的な価値として生み出していくのか
3.オペレーション(現場力):「どのように」価値を生み出していくのか

(トヨタの)2004年3月期の純利益は、1兆2000億円である。そのう
ちの「ゲンテイ額」(原価低減額)は、1年間で2300億円。なんと、
純利益の4分の1弱が現場のコストダウンによって生み出されている

◆「現場力」3つのポイント
1.「自分たちで問題を発見し、自分たちで解決しよう」という高
  い意欲と能力を持つ現場だということ
2.「組織能力としての現場力」というレベルまで高められていること
3.現場力を高めるのであれば、競争上の優位性となる高いレベル
  をめざそう

抽象的、表面的な言葉の羅列でなく、現場の人たちがどのような考
え方に基づいて仕事をしなければいけないのかという行動原則にま
で落とし込まれていることがポイント

PDCAAサイクルを回す上で重要なのが、「見える仕組み」であ
る。問題が見えていれば解決しようとするが、見えていないとその
まま放置されてしまう

現場力の強い企業は褒め上手である。現場の組織能力が向上したこ
とを経営として認知し、その成果を発表したり活用するさまざまな
”場”を作っている

製造と販売、製販が一体となって頑張っているという現場力があっ
てこそ、圧倒的なポジションが作れる

他力を非常にうまく使っているんですよね。デルのビジネスモデル
に組み込まれると、もっといいことがある。だから、「いろんな協
力をしたい」「デルと仕事をしたい」という会社が増えてくる

現場力というのは最終的には人です。人がいろんな知恵を出して、
工夫をして、いろんなプロセスの改善をしていく。目先のお金だけ
ではなくて、きちんと人が育っているかどうか、そういう観点で見
ていかないと、本当の意味での現場力は高まらない

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『事例に学ぶ 経営と現場力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777105091
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■目次■

はじめに
第1章 現場こそが価値を生み出すエンジン
第2章 「販売のトヨタウェイ」の海外展開
第3章 三菱FA事業の製販一体の現場力
第4章 デルのビジネスモデルと現場力
第5章 成熟企業における改革型SCMの展開
おわりに

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『買わせる通販ビジネス』

2006年10月26日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4537254408

本日の一冊は、アサツー ディ・ケイのダイレクトコミュニケーショ
ン本部がまとめた、通販ビジネスのレポートです。

さまざまなデータを駆使し、通販ビジネスの概要と特徴を簡潔にま
とめた、入門者向けの一冊です。

広告代理店が書いているということもあり、実践的なノウハウは期
待できませんが、全体を俯瞰した冷静な分析は、類書になり魅力だ
と思います。

通販で儲けるために必要な「だけの3原則」「ヒット商品の条件」
「3・3・4の法則」など、覚えておくと便利な情報が、コンパク
トにまとめられています。

実践的なノウハウを必要とする方には、『“通販の女王”が初めて
明かす 10倍儲かる通販ビジネスの秘密』、もしくはちょっと値が
張りますが、『通販成功マニュアル』がおすすめです。

※参考:『“通販の女王”が初めて明かす 10倍儲かる通販ビジネスの秘密』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534041357/businessbookm-22/ref=nosim

※参考:『通販成功マニュアル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4891010576

社内やクライアントに対して、通販ビジネスの有望さをアピールし
たい人とっては、データも豊富な本書が便利でしょう。

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■ 本日の赤ペンチェック
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消費者が通販で商品を購入する最大の理由は、商売の基本原理であ
る「だけの3原則」が存在しているからです。「ここだけ(媒体限
定)、今だけ(期間限定)、この商品だけ(ユニークな商品)」に
惹かれ、消費者は受話器を手に取ったり、パソコンでホームページ
に向かったりします

通販でヒットする商品は、消費者の心を揺さぶる商品。言い換える
と、メーカーの思い入れがたっぷり入った、ほかでは売っていない
商品です

通販ビジネスの属するダイレクトマーケティングの場合、0.1%が
行動を起こしてくれれば、その商品は、十分に収益を上げるヒット
商品としてスターダムに乗れる

顧客が定着し、継続購入してくれるまで通販ビジネスは赤字が続きます

石鹸1個が4,000円でも売れるのが通販

通販では最も売れている商品を改良する

通販の利用者は、一般的には中高年の主婦層がほとんどだと思われ
がちですが、データ(社団法人 日本通信販売協会調査)を見てみ
ると、近年は若年女性と中高年男性層に拡大しています

「単品リピート通販」ビジネスでは、3・3・4といわれる法則が
一般化しており、商品原価および販管費30%、広告予算30%、営業
利益30%での運営を基本としています。残り10%の営業利益に関し
ては、その時々の事業のニーズによって使い分けられます

安直に刺激的な表現に走ったり、権威に依存した表現をしたり、効
果効能を大げさに表現してしまうと、関係する法律の基準に抵触す
る恐れがあります

年間の10大ニュースとなるような出来事が起きた日の通販レスポン
スは悲惨な数値となります

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『買わせる通販ビジネス』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4537254408
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■目次■

まえがき
第I章 通販ビジネスの陥りやすい罠!
第II章 日本における通販ビジネスの歩みと現状
第III章 通販の評価指標とビジネス成功の要因
第IV章 通販ビジネスのスキーム
第V章 通販ビジネスの構成チャネル
第VI章 通販ビジネスの広告戦略
第VII章 通販の現状とこれから
付録 ADKの「EX-Director」 

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『ピーター・リンチの株の教科書』

2006年10月25日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478631298

本日の一冊は、世界No.1ファンドマネジャーの誉れ高いピーター・
リンチが、「儲けるために学ぶべきこと」を読み物風にまとめた、
『ピーター・リンチのすばらしき株式投資』の復刻版です。

ピーター・リンチをご存じない方のために説明しておくと、リンチ
は、77年から90年までの13年間に、マゼラン・ファンドを2000万ド
ルから140億ドルにまで育て上げた伝説のファンドマネジャーです。

アマチュアがプロに勝つための方法と心構えを示した著書『ピータ
ー・リンチの株で勝つ』は、発売当時大好評を博し、現在でもロン
グで売れています。

※参考:『ピーター・リンチの株で勝つ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478630704

今回の著書は、アメリカ資本主義の歴史から話が始まっているため、
株で勝つための方法論を知りたい方にとってはちょっと冗長な感が
ありますが、富を増やすための本質を学びたい方には、示唆に富ん
だ一冊だと思います。

国の経済が発展するために必要な要素とは何か、個人が財を成すた
めに持つべき考え方とは何か、伸びる企業の条件とは何か…。

投資の原則・哲学はもちろんですが、読み方次第では人生戦略まで
学べてしまう、そんな一冊です。

個人的には、『ピーター・リンチの株で勝つ』の方がいい本だと思
いますが、興味のある方はぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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教育の重要性は、よく言われています。良い仕事に就いて高収入を
得るためには教育が必要だということです。しかし、長期で見ると、
将来の豊かな生活を約束するのは収入の額だけではないと教えてく
れる人は多くはいないようです。その収入のなかからいくら貯金し
て投資に回すか、ということがカギになるのです

問題は、投資をしなければ、と考え始めるときまでに、貴重な時間
を失ってしまっていることです。それは株式が利益を生んで、資産
を積み上げてきたかもしれないはずの時間です

物を収集するということは、とても専門的な行為と言えます。この
道の成功者は、その収集対象だけでなく、それが取引されている市
場や価格についての権威でもあるのです

あなたは銘柄選びの天才かもしれません。しかし、選んだその株を
持ち続ける忍耐力と勇気がなければ、たとえ成功しても、単に賭け
に強い平凡な投資家になってしまうでしょう。投資家の良し悪しを
分けるのは、頭のよさではなくて、投資哲学、習性であることが多
いのです

証券会社も儲けなければなりません。自社が運営に関係しているフ
ァンドだと、手数料率が高い場合もあります。推奨するファンドが
彼らにとって最も有利で、必ずしも顧客にとってはそうでないこと
もあり得るでしょう

あなたが長期方針の投資を考えているなら、債券や債券・株式の折
衷型は避けて、株式だけのファンドを選ぶべきです

長期には、大企業よりも小企業に投資したほうが大きな成果を得られます

ファンドからファンドへ乗り換えるのは損です

専門家の情報で問題なのは、彼らが考えを変えたときに、それを知
る方法がないこと

最も成功したと思われる合併や買収は、同じ業種の会社間のものか、
少なくとも共通したものを何か持っている会社同士のものです

猟犬のように行動しろ、そして目の前にある事実以外のことはすべ
て無視すること

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『ピーター・リンチの株の教科書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478631298
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■目次■

はじめに
序 私たちの生活と会社
1章 資本主義の歴史
2章 投資の基本
3章 会社の一生
4章 見えざる手
補遺1 誰にでもできる会社の選び方
補遺2 早わかりバランスシートの読み方
訳者あとがき 

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『お金を集める技術』

2006年10月24日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475691022X

本日の一冊は、公認会計士でありながら、「匿名組合ドットコム」
の運営にも携わる著者が、成功するファンドの作り方を説いた一冊。

ファンドというと、つい株式や不動産を思い浮かべてしまいがちで
すが、著者が主張しているのは、それ以外のビジネスをファンドに
してしまうテクニック。

最初からドカンとお金を集めて、オフィスを構え、従業員を雇い、
ファンドとして価値のあるビジネスを運営する方法を説いているのです。

本書の価値は、大きく分けて2つあると思います。

一つは、中小企業経営者に対し、コツコツ貯めて会社を成長させる
以外の道を示した点。

そしてもう一つは、ファンドに投資する人たちが、ファンドを運営
する側の立場を知ることで、儲かるファンドとそうでないファンド
を見極める目を養えることです。

今春、世界的なファンド格付会社である、モーニングスターの日本
代表の本を手掛け、この本でぶっちゃけ書いてもらいましたが、日
本のファンドはハッキリ言ってほとんど儲かりません。

※参考:『投資信託選びでいちばん知りたいこと』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270001216

どうしてそんなことになってしまうのか、仮に儲かるものがあると
したらそれはどんなファンドなのか。

この辺の知恵を身につけたい方は、ぜひ読んでみるといいと思います。

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■ 本日の赤ペンチェック
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300万円ぐらいで始められる事業は、誰でもすぐに参入できるため
競争相手が多くなる。1億円なければ始められない事業は、誰でも
できるわけがない。その時点で、すでに競争相手が少ない

あなたが1億円を集めて事業を始めるとする。自分がもらう管理報
酬は年間300万円として、投資家には毎年1000万円の利益を分配する
計画を立てた。この事業の利回りは、たったの13%でよい。それぐ
らいの事業であれば、見つけやすいしリスクも小さい

1億円集めて事業を始めるならば、事務所も借りて、すぐに社員も雇
える。社長は事業で儲けるための仕事に専念できる

投資家は証券会社の信用力とリスクを比べているのではない。投資
先の利回りとリスクを比べて、お金を出す意思決定をする

預金が少ない(小口の)人を相手にしても管理する経費ばかりかか
ってしまう。大きなお金を預けている(大口の)人だけを相手にす
れば効率がよい

◆すぐに思いつく大口の投資家
1.事業の取引先になる会社
2.社会的地位が高い人たち
3.定年退職して余裕がある人たち

お金を集める人は、1.配当 2.財産価値 3.税金 の3つを
同時に考えてファンドのしくみを作らないと失敗する

買う側の一番の心配は買った後、同じ事業が続けられないこと。社
員の能力に頼る事業は買いたくない

今から1億円のファンドを作ろうと考えている人たちは組合を使うべきだ

株へ投資するファンドだけ任意組合で作る。それ以外は匿名組合を
選べばよい。理由は、任意組合で確実に税金が得になるのは株への
投資だけにかぎられるからだ

事業が腐らないうちに他人に売ることで投資家に元本を返す。投資
家の損を最小限に抑えれば、きっと次の新しい事業でも助けてくれ
るはずだ

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『お金を集める技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475691022X
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■目次■

はじめに
第1章 お金を集めるということ
第2章 集めたお金を返すしくみ
第3章 ギャンブル性と投資家の数は比例する
第4章 集めたお金を返さないしくみ
第5章 配当がゼロでもお金が集まる
あとがき 

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『手帳 メモ・ノート200%活用ブック』

2006年10月23日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820743929

本日の一冊は、昨年発売され、空前の大ヒットとなった『手帳200%
活用ブック』の改訂版。

名称も『手帳 メモ・ノート200%活用ブック』と変更されているこ
とからわかるように、今年はメモ術、ノート術も加わり、大幅パワ
ーアップしています。

タリーズコーヒーの松田公太氏、ドリームインキュベータの堀紘一
氏、博報堂ケトルの嶋浩一郎氏など、ビジネスの達人たちの手帳術、
ノート術をのぞき見れるのは、本書の最大のメリット。

巻頭インタビューで糸井重里氏も述べているように、コンセプトを
知ってわかった気になるのではなく、実際に達人たちのマネをする
ぐらいの気持ちで読めば、きっとビジネスのヒントが見つかるはずです。

とくに今回、土井が感銘を受けたのは、堀紘一氏のメモ術と、榊原
廣氏の会議のテクニック、そして、嶋浩一郎氏の新たな発想を生む
「情報放牧」です。

成果を出している人々が、どんな形で情報に触れ、それらを活用し
ているか。また、貴重な資源である時間を、どう活用しているか、
ぜひのぞいてみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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<糸井重里>
現代人の仕事というのは、他の人の協力なしにうまくいくことはない

実は形とか行為をマネるのは難しいんですよ。コンセプトを知って
わかった気になるのはいちばん悪い

<堀 紘一>
ノートというのは、すべてを書き取れるものではないんです。です
から、”要点をいかにつかんで、書けるかどうか”で差がつく

できる社員は、お客さまの話でもポイントをちゃんと拾っているし、
特に大事なところはそのままのワーディングで、カギかっこでくく
って書いてある。できの悪いのは、どうでもいい一般論みたいなこ
とばかりで、肝心かなめなところは、残ってない

<道幸武久>
自分と対話する時間をいかに持つかが大切。だから、自分とのアポ
を手帳に書き込む

<榊原 廣>
「会議では必ず立ち上がってホワイトボードの前に立つこと」。こ
れも先輩から教わりました。そうすると話の主導権を握れるんです。
みんなの意見を自分の好きな要領でボードに書き出して、枠組みを
作って矢印でつなげたりして位置関係を提示できる。話の要点を瞬
時に判断してフォーマットに当てはめていく力もつきます

<嶋 浩一郎>
情報って、フォルダに名前をつけてそこへしまい込んでしまった瞬
間に死んでしまうと思う。だって整理したらそのあと二度と見なく
なるでしょう? 逆に、ノートに書き連ねただけでムリして整理し
ないでおくと、あとでときどき見返すという作業がしやすい

高度成長期はやることが決まっているから整理できる人が活躍でき
る。でも今は新しいビジネスを作らなければいけないから、今まで
とは違うものの組み合わせで新しいアイデアを生まないと。そのた
めには情報を整理しないで、アトランダムで俯瞰できる人が有利だ
と思うんです。つまり情報を放牧できる人ですよね

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『手帳 メモ・ノート200%活用ブック』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820743929
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■目次■

巻頭インタビュー 言葉は虹色に変化する 糸井重里
目標達成編 夢や目標を手で書いて実現する
発想編 手書きは、クリエイティブである
仕事編 手書きは、仕事の質をグンと高める 

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『資本主義から市民主義へ』

2006年10月22日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4403231055

本日の一冊は、独自の貨幣論で定評のある論客、岩井克人さんが、
貨幣や資本主義、法人の本質について語った、注目の論考です。

なぜお金に対する欲望には終わりがないのか、なぜ経営者には倫理
が求められるのか、現在の社会で起きている問題の本質は何なのか…。

まるで哲学書のように、緻密なロジックで話が進められていくため、
「ラクに読めてすぐ役に立つ」といった性質の本ではありませんが、
われわれの経済活動の大前提を考えるという意味で、じつに意義の
ある本だと思います。

貨幣を、「元祖デリバティブ」と言い、「人類は貨幣を使い始めた
ときから投機という現象に直面せざるをえなかった」とする著者は、
現在の資本主義論の建前を次々と打ち崩し、その本質に迫っていきます。

本書を読むと、いかにわれわれの基盤となっているシステムが脆弱
で不安定なものなのか、何が起こるとその基盤が揺らぐのか、じつ
によくわかります。

巷では、「お金持ちになる方法」や「自由を手に入れる方法」「心
の安らぎを手に入れる方法」などの処世術があふれていますが、そ
のくせ、そもそもお金とは何なのか、自由とは何なのか、なぜわれ
われは不安になるのか、といった質問に答えられる本はほとんどあ
りません。

期待していた市民社会論、人間論はどうやら未完成のようですが、
貨幣論から信任論のところをまでを読むだけでも、現代社会が抱え
ている問題の本質と、その解決の糸口はつかめると思います。

あいまいな不安や恐怖にあおられて走り出す前に、ぜひ読んでおき
たい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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生産や消費こそ本源的な経済活動であり、金融活動をそのたんなる
派生と見なすこのような伝統的な考え方こそ、経済の本質を見損な
っている

人類は貨幣を使い始めたときから投機という現象に直面せざるをえ
なかった

貨幣とは、金や銀のかたちをもとうと、紙切れでつくられていよう
と、それをすべての人が貨幣として使うから貨幣として使われると
いう自己循環論法によってその価値が支えられている

資本主義がつづいていくためには、差異性がなくてはならない。利
潤は差異性から生まれるからです。そこで、資本主義は意図的に差
異性を作り出すようになる

貨幣を使わない自由をみんなが同時に行使すると、ものが売れなく
なって不況になってしまう。その結果、自由を行使する場が狭めら
れてしまうのです

貨幣をもつことは、将来にどのようなモノでも買うことのできる可
能性をもつことであって、可能性ならいくらでも足していくことが
できる。その意味で、貨幣とは、人間にけっして飽和しない無限の
欲望を与えることになったわけです

自分を所有することが自分になることですが、そのことに不安をも
つ。自分が自分でないと感じることを、他者を所有することで解消する

資本主義社会は倫理性を絶対に必要とする

もっとも根源的な人間の関係は信任関係であって、契約関係とはそ
の派生的な形態である

倫理とは、人間が死ぬ存在であることと本質的にかかわっていると
思っています。なぜなら、人間が永遠に生きられるとすると、現在
何か悪いことをやっても、将来かならず相手に対して償いをするこ
とが可能になるからです

人間にとっての最大の他者とは、まさに人間にとって最大の内部で
ある言語である

この関係(信任関係)が成立するためには、信頼を受けた側は、自
己利益を押さえて行動しなければならない。つまり倫理性を絶対に
要請してしまう。こうして資本主義のまさに中核に信任関係、倫理
が登場する

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『資本主義から市民主義へ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4403231055
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■目次■

第1章 貨幣論
第2章 資本主義論
第3章 法人論
第4章 信任論
第5章 市民社会論
第6章 人間論 

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『アマゾンのロングテールは、二度笑う』

2006年10月21日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062820315

本日の一冊は、ボストンコンサルティンググループ、ネットベンチ
ャーを経て、現在百年コンサルティングの代表を務める著者が、50
年勝ち残る会社をつくるための8つの戦略を紹介した、企業戦略の
教科書です。

「なぜイトーヨーカドーはダメになったのか」「なぜ松下はマネシ
ナクなったのか」「なぜアマゾンはロングテールで二度笑うのか」
など、キャッチーな見出しで、それぞれの企業の戦略およびビジネ
スモデルを分析しており、じつにいい勉強になります。

本書の優れた点は、その洞察もさることながら、戦略を実行する際
に障壁となる、経営者およびメンバーの人間心理にまで触れている
点だと思います。

なぜ「優秀な人材を抱える会社ほど、環境の悪い方への変化に脆い」
のか、なぜ理容業界はQBハウスのビジネスモデルを真似できない
のか、なぜ日本のメーカーはITビジネスで遅れをとったのか…。

企業が「有利な戦略」を実行できないさまざまな心理的理由がケー
スから読み解けて、経営者の心構えとしても学ぶべきところが数多
くあります。

まさに著者が言うように、「一番の敵は自分の心の中にある」のです。

とくに目新しい事例が紹介されているわけではありませんが、現在
成功している企業の戦略およびビジネスモデルをじつにうまくまと
めていると思います。

企業戦略の入門書として、ぜひ読んでいただきたい良書です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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自分のいる場所、つまり市場を分析し、再定義して、それから自分
が戦うのに都合のよい市場、つまり戦うべき有利な土俵を選ぶ能力。
これが戦略の第一の基本です

劣っている戦力でも何かに集中して徹底的に鍛えると、その部分に
限定すれば、短期間で何とか戦えるレベルにまで上げることができます

海の上の戦いでありながら、ローマは海戦を陸戦という土俵に見事
に転換した

優秀な人材を抱える会社ほど、環境の悪い方への変化に脆い

「縮小する市場で売上を伸ばす工夫」は可能ですが、そのような工
夫ばかりしていると、結局は負け組の土俵に埋もれてしまう

平均して30年の事業寿命を企業が乗り越えるには、ビジネスの中身
を変える、土俵を変えるといったことを定期的に行っていかなけれ
ばなりません

戦略論については、「差異化が重要である」という考え方が広まっ
ていますが、実は、この考え方にはもう一つ対になる大切な考え方
があるのです。それは「業界トップにとっては、同質化こそが重要
な戦略である」という考え方です

同質化を基本戦略とするトップ企業は、何を武器に同質化を仕掛け
ているのでしょうか。それは基本的には「商品開発力」と「販売力」

ジョージアが日本一売れる缶コーヒーになったのは、コカ・コーラ
の自動販売機の数が、日本国内でダントツに多いから

一番の敵は自分の心の中にあるのです。「それは私の仕事じゃない
だろう」と感じさせるものが大きければ大きいほど、その新しいビ
ジネスアイデアは、競争なしのオンリーワンになる可能性が高い

仮想在庫から上がるロングテールの売上がゼロになり、倉庫にある
在庫からしか売上が上がらないようにしただけで、アマゾン・ドッ
ト・コムはバーンズ&ノーブルと同じ水準の、普通の小売業ぐらい
にしか儲からなくなってしまう

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『アマゾンのロングテールは、二度笑う』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062820315
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■目次■

プロローグ
第1章 なぜイトーヨーカドーはダメになったのか
第2章 なぜ松下はマネシナクなったのか
第3章 なぜ小川直也はインリン様に負けたのか
第4章 なぜ外資系金融マンはBMWを買うのか
第5章 なぜスタバはアメリカンコーヒーを駆逐したのか
第6章 なぜローソンとファミマは上海のコンビニに勝ったのか
第7章 なぜアマゾンはロングテールで二度笑うのか
第8章 なぜウィンドウズには欠陥があるのか
エピローグ 

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『営業の赤本』

2006年10月20日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822245470

本日ご紹介する一冊は、何かを始めようとする読者に、決して言い
訳を許さない一冊です。

著者はアメリカでトップセールス、講演家、コラムニストとして活
躍中の人物で、もちろん本書も表向きは営業の本です。

トップセールスとして活躍するための方法論や心構え、そしてそれ
を伝えるユーモアにあふれる一冊ですが、この本を営業マンだけの
ものにしておくにはあまりに惜しい。

自己啓発書の多くは、その目的である「行動」を起こさせることに
失敗していますが、本書はちょっと違います。

行動しないことの言い訳を徹底的に排除する辛口&ユーモラスなト
ークで、読者の心にやる気と魂を吹き込んでくれる、そんな一冊なのです。

仕事にのぞむときに、一ヶ月のノルマを望むのか、それとも一生涯
の成果を求めるのか、人から見てどんな自分になりたいのか、そし
て、仕事に対する自分の美学は…。

自らの仕事について振り返り、新たな行動と習慣を促してくれる、
貴重な一冊です。

本書を読んで、久々に土井も熱く燃えてきました。

ちょっと奇抜な本のつくりで、最初は戸惑いましたが、読み慣れる
とかえってそれが心地良い、不思議な一冊です。

これはぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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成功する人とそうでない人の違いは、哲学があるかないかである。
営業マンのほとんどは、一ヶ月にどれだけ売れるかしか考えていな
い。そうではなくて、一生涯かけてなにが達成できるかということ
を考えて欲しい。わたしはそういう考え方をしている

人は売りつけられるのはきらいだけど、買うのは大好き

あなた自身に価値があれば、市場のほうからあなたを求めてくる。
まず価値を与え、営業マンとしてでなく、情報源として認めてもら
う。あなたの価値は、あなたが持つ知識であり、他人のためになろ
うとする気持ちだ

失敗は最良の師である。失敗という手痛い経験によって目が覚めれ
ば、固い決意をするきっかけになる。失敗を失敗と考えず、二度と
同じ間違いを繰り返さないことを学んだと思えばいい

優秀な営業マンは、月の最初の二週間でノルマを達成し、残りの二
週間で預金残高を積み上げていくものだ。あなたは、上司が秘訣を
尋ねにきたり、社長が「よくやった」というねぎらいの電話をかけ
てきたりするような営業マンにならなければだめだ

ほかの人にとって一番の人間になるためには、自分自身にとっても
一番の人間にならなければいけない

「あなたの会社のことを教えてください」という言葉は、お客様に
伝える言葉のなかで三番目に愚かなものだ。二番目は「わたしの仕
事を説明させてください」である

進んで人のためになることをしよう――唯一の方法ではないが、ブ
ランドを長期的に維持するにはこれが最善である

営業で大切なのは、誰を知っているかではない。誰に知られているかだ

効果的な質問をすれば、お客様は新しい考え方をする

リスクを取り除くことを、クロージング成功の切り札とする

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『営業の赤本』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822245470
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■目次■

「なぜ買うのか?」
赤いゾーンで売る
本書をどう読むか
この本が赤い理由
営業マンにとって成功と失敗の違いは何か?
なにが一番怖い?
営業で成功し続けるための12.5原則
わたしという営業マンの物語
営業マンとして最も大切なこと
生涯学び続けるための12.5原則
「やればやるだけうまくいく」という原則
どうすればナンバー1になれるか? それをどこまで維持できるか?
本書に終わりはない
監修にあたって 

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『実践EQ 人と組織を活かす鉄則』

2006年10月19日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312973

本日の一冊は、コンピテンシー理論の実証的体系を作り上げ、アメ
リカで「コンピテンシーの神様」と呼ばれるリチャード・ボヤツィ
スと、ウォートンスクールMBAで教鞭をとるアニー・マッキーが、
EQを実践するための考え方を説いた一冊。

全米ベストセラー『EQリーダーシップ』の著者グループが書いて
いるということもあり、その実践編ともいえる一冊ですが、内容的
には、リーダー・マネジャーのための自己啓発書です。

※参考:『EQリーダーシップ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532149754

序文でダニエル・ゴールマンが説いているように、「リーダーとし
ての最初の仕事は集団を引っ張ることではない。その第一歩は、
『自分を知って管理する』」ことなのです。

本書は、リーダーが「自己犠牲症候群」になるのを抑え、組織内に
良い循環を作るためにどうしたらいいか、その方法論と考え方を述
べています。

意識の傾注や希望、思いやりなど、当たり前のようでいて、リーダ
ーになるとなかなか実践できないEQ的活動のすべてがこの一冊で
網羅されています。

自己啓発書と何が違うの? と言われると厳しい部分はありますが、
悪いサイクルから脱したいリーダーにとっては一読の価値ありです。

ぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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◆持続する変革に必要な5つの大きな発見
1.理想の自分
2.現実の自分
3.学習計画をつくる
4.新しい習慣を試し練習する
5.親しい個人的な共鳴しあう人間関係を築き維持する

リーダーにとって会話とは、人々、集団、文化についての貴重な情
報を集め、人間関係と共鳴を築く好機

効率性ばかりを追求すると、自分の注目したこと以外には気がまわ
らなくなる。創造的な解決方法とか、ものごとの新しいやりかたを
すっかり見逃してしまうのだ

◆リーダーの教訓
1.リーダーは夢と大志を抱く必要があるが、周囲の人たちとのふ
  れあいも欠かせない
2.リーダーは楽観的であること、そして変化をつくる自分の能力
  を信じる必要がある
3.リーダーは現実的で実現可能な望ましい未来を描かなければならない

ビジョンで人々を鼓舞しようと思ったら、みずから明言できなけれ
ばいけない

希望に自己効力がくわわれば、可能性のある結果(希望)だけでな
く、結果に影響を与える能力の感覚(自己効力)を信じることにな
るから、現実と最終的な結果を左右することになる

私たちは自己効力にくわえて「集団的効力」も育てる必要がある。
つまり、家族、チーム、組織、国家などの集団が一丸となって事象
へ影響を与え、ある程度のコントロールを及ぼすことができる、と
いう信念である

意識の傾注、希望、思いやりを自分自身と他人のなかに育てていく
ことで、自己犠牲と再生のサイクルをコントロールしていくことが可能

リーダーになること――それも「偉大なリーダー」になることを選
択してほしい。もし自分自身をつくり変えた勇気あるリーダーから
学ぶことができれば、私たちもまた自分を再生し、維持することが
できるだろう

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『実践EQ 人と組織を活かす鉄則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312973
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■目次■

序文 ダニエル・ゴールマン
第1章 偉大なリーダーは人を動かす
第2章 リーダーの抱える課題
第3章 不協和はデフォルト
第4章 共鳴と再生に目覚める
第5章 意図的変革
第6章 意識の傾注
第7章 希望
第8章 思いやり
第9章 世界に変化を望むのであれば、みずからがその変化となれ
付録A パワーストレス、自己犠牲症候群、再生のサイクル
付録B 追加の演習
謝辞
原注
訳者あとがき 

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『グズな大脳思考デキる内臓思考』

2006年10月18日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756910254

本日ご紹介する一冊は、おそらく自己啓発の世界に大きな波紋を呼
ぶ問題作です。

というのは、本書は、成功法則や潜在意識、右脳教育、NLP、イ
メージトレーニングといった、近年、自己啓発書の世界で当たり前
に主張されているロジックを、完全否定しているからです。

自己啓発セミナーの教祖的存在、アンソニー・ロビンズまでもが丸
裸にされており、この手のビジネスで飯を食べている人にとっては、
脅威的な一冊となるでしょう。

著者は、脳神経外科の専門医(医学博士)で、自身、これまでに数
多くの自己啓発書を読んできて、科学的に間違い、あるいは証明さ
れていないものが多いことに気づいたといいます。

本書の議論のなかでもとくに興味深いのは、脳と内臓、どちらが
「主」でどちらが「従」か、という問題。

従来の考え方では、脳はすべてを司るものであり、それゆえに「脳
を鍛える」「考え方を変える」というアプローチがとられてきたの
ですが、著者が述べているのは、じつは内蔵こそが脳の主人である、
という考え方。

確かに、「系統発生学・形態学」の立場から考えれば、内蔵が「主」
であるというのは、十分納得が行くわけで、それだけに興味深い議
論です。

本書は、これまでの脳偏重の自己啓発書に警鐘を鳴らし、本来の主
人である内臓の立場から、成功するために効果的なアプローチを説
いた、これまでにない新しい自己啓発書。

自己啓発好きには、目からうろこの一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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論理的思考こそが、うまくいかない原因

成功する人の生い立ちや環境は、千差万別です。ただし、一般の人
ができないような経験を経ている点で共通していると言えるでしょ
う。成功する経営者は、そこで養った独特の嗅覚を持ち、それぞれ
が独特の「内臓思考」を持っています。この鋭い感覚を駆使して、
今までなかった新しいことを創造できるのが、「成功者」と言われ
る人々です。ですから、成功法則を普遍化しようとすること自体に
矛盾があるのです

人間は、自分にとって都合のよい環境下で、次々と創造的になれるもの

「成功法則」をうのみにすることは、あなたの独自性が奪われるということ

芸術家や、大脳新皮質に傷害のある人たちの中には(サヴァン型自
閉症など)、キャンバスから飛び出してくるようなイキイキとした
リンゴを描きます。これは、目の前にあるリンゴの個性を、細部ま
で知覚できているからです。一方、思考が抽象化している私たちは、
目の前のリンゴを描いても、一般的なリンゴ像の域を出ません。ど
ちらかというと、平面的な絵を描きます

人間にとって全く新しいものを見るというのは、実質的に不可能

往々にして「イメージトレーニング」はうまくいきません(中略)
むしろ何もイメージせずに、脳を静かに休めることが、私たちの生
命力の根源である「内臓思考」につながるのです

NLP理論は、大脳新皮質に頼る「大脳思考」の典型例

潜在意識というものは、現代のサイエンスでは全く検証されていな
いのが実情

動物の基本構造は、中心が植物性の内臓で、後からそれらを取り囲
むように動物性の脳・神経・筋肉ができた

理性的な判断をするのには、情動や感情という土台が不可欠なので
す。逆に言うと、情動や感情がなければ、健常な「思考」ができま
せん(中略)考え方だけを操作してみたところで、それが私たちに
正しい方向性を与えてくれるとは限らないのです

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『グズな大脳思考デキる内臓思考』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756910254
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■目次■

Chapter1 「頭がいい人」は論理で考えない
Chapter2 「頭がいい人」になるためのトレーニング
Chapter3 なぜ「ハラで考える」ことが大事なのか
Chapter4 「ハラ」を鍛えて、内臓のチカラを引き出そう
Chapter5 「内臓思考」はこうして実践する

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『言葉と声の磨き方』

2006年10月17日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894512408

本日の一冊は、俳優から政治家、ビジネスマンにいたるまで、あり
とあらゆる職業人に指導を行ってきたというヴォイストレーニング
の達人が、声の磨き方の基本を指南した一冊です。

仕事がら、さまざまな業界のリーダー、トップランナーにお会いし
ますが、なかには「声」で損をしている人も数多く見受けられます。

ちょっとトレーニングを受けるだけで、講演で受け取る報酬も大き
く変わるだろうに、と思うことも少なくありません。

もちろん、ヴォイストレーニングはお金もかかりますし、トレーニ
ングに費やされる時間もばかになりません。

そこで、おすすめしたいのが、本日ご紹介する一冊です。

この本には、声がわれわれの心理にどう影響するか、そしてその影
響力を使いこなすためにどんなトレーニングをすればいいかが解説
されています。

自宅で手軽にヴォイストレーニングができるCDもついており、こ
れ一冊で発生の基本はバッチリ押さえられるはずです。

本を読むだけでも参考になりますが、できればCDを聴いた方がベター。

CDには、本では紹介されていない「滑舌を良くするためのトレー
ニング」が収録されているため、併用すればさらに充実したトレー
ニングを体験することができるからです。

経営者や営業マン、その他、話し方が仕事の成果に直結する、とい
う人は、ぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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「人に好かれる話し方」は、声や態度を工夫することであり「何を
話すか」ではない

欧米では「コミュニケーションにおける声の重要性」が重視されて
おり、仕事やプライベートでの成功者は「話す声のトレーニング」
を受けている

◆専門家が考える5つの「良い声」
1.声量のある声
2.明るい声
3.よく通る声
4.響く声
5.やわらかい声

どんな緻密な論理より、「安定した声量のある声」の方が相手に伝
わります。それを相手は「熱意」と受け取ります

◆「声を生む姿勢」を作る6つのポイント
1.両足を骨盤から肩幅くらいの広さに開く
2.背骨がまっすぐになるように保つ
3.頸椎がまっすぐになるように保つ
4.顔は真正面を向き、目線はやや上向きくらいの高さを向く
5.両腕は身体に沿って「ゆるめて」垂らす
6.体重は「足裏の前方」にかけ、ひざはリラックス

呼吸は息を吐くことが重要なのです。これからは「息は先に吐く」
ようにしましょう

◆効果的な発生の技術
1.チェストヴォイス
目の前にいる人に対して、自分の発言の説得力を増したい時に特に効果
2.ミドルヴォイス
少し距離の離れた人に対して、「自分の言いたいことをはっきり伝
えたい」そんな時に使えたら特に効果
3.ヘッドヴォイス
遠くにいる人に向かって自分の声をはっきり伝えたい、そんな時に
とても効果的

◆空気を変える明るい声の作り方
1.「明るい声を出す」という気持ちを高める
2.唇の拡張トレーニングを行う
3.ミドルヴォイスを基本意識においたトレーニング

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『言葉と声の磨き方』
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■目次■

プロローグ 日本にはコミュニケーションがなかった!
第1章 人間関係を劇的に変えるには?
第2章 あなたの印象を決めている声のこと
第3章 「好印象」を作るための基本トレーニング
第4章 印象が変わる!「五つの声」
第5章 声のプロが教える!シチュエーション別「声の出し方」

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