ビジネス書の厳選情報を毎日お届け 「ビジネスブックマラソン」 バックナンバーズ

アマゾン元バイヤー、土井英司による厳選ビジネス書評メルマガ。ベストセラー分析と本当に読むべき珠玉の一冊を提供しています。

『商いの道』

2004年08月31日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569604412/

本日の一冊は、先週、古本屋で見つけた10冊のうちの一冊です。古本屋、あるいはアマゾンのマーケットプレイスでないと入手が困難な絶版本です。

著者はご存知、イトーヨーカドー・グループの創業者、伊藤雅俊氏。『商いの道』という王道タイトルと、和紙の風合いが楽しめる渋い装丁にひかれて、思わず買ってしまいました。

で、その中身はというと…。

ひとことで言うと、決して今では流行らない本だと思います。経営書には、「実践の書」「考え方を学ぶ書」「心構えを学ぶ書」といった種類がありますが、現在もっとも大きな部数が出るのは、「考え方を学ぶ書」であり、「心構えを学ぶ書」は、いつしか流行らなくなってしまいました。

これは一体どうしてなのでしょうか?

がむしゃらに頑張ることよりも、工夫すること・考えることの価値が高まったからでしょうか? あるいは多くの良書が模倣され、読者が同じスタイルに飽きてしまったからでしょうか?

いずれにせよ、確かに言えることは、創意工夫も実践も、もとは心構えから生じる、ということです。そして、優れた仕事を成し遂げた方は、皆、心構えも優れている、ということです。

こういった視点で見た場合、本書は、いまどきのビジネス書にはない光を放っています。その内容は、まさに『商いの道』であり、シンプルな言葉ながら、著書の商売にかける真剣な思いや覚悟が伝わってきます。

では、さっそく、その言葉のうち、気になる部分だけをピックアップしてみましょう。
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 本日の赤ペンチェック
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「お客さんは来ないもの」「取引をしたくてもお取引先は簡単に応じてくれないもの」「銀行は貸していただけないもの」、そのようなないない尽くしから、商いというものは出発するのだよ(伊藤氏の母君)

商売とはね、お客さまを大事にすること、そして信用を大事にすること。それに尽きるのだよ(伊藤氏の母君)

人を愛する、ものを作り上げる、それと同等の感動が、”商い”という行為にはあるように思えてなりません。お客様が安心感と満足感を持って商品を買っていってくださる、私どもを信頼されて買っていってくださる、そのありがたさに、商いの本質があるように思います

商人というのは、自らは何も生産せずに、人さまの作られたものをお預かりして、お使いいただく人さまに手渡しする仲介業です。ですから、お客さまから信用を得ると同時に、問屋さん、メーカーさんからの信用も得なければなりません。そこに商いの立脚点があるのです。

商人にとって利益よりも大切なのが信用――と言われる所以です

農民は連帯感に生きる―――商人は孤独を生甲斐にしなければならぬ(「商人の道」より)

商いだけでなく、もの作りの現場でも、芸術の道でも、人生に成功する早道を一つだけ挙げろ、と聞かれたら、私は、「どれだけ人間が好きか」ということを挙げます。人間が生きている様子、泣いている様子、笑っている様子、怒っている様子、喜んでいる様子、人間のすべてをながめて、すべてに関わりたいと考えている人は、半ば成功したも同然です

品物を手にして、「これにいくらの価格をつけるか」が商いの重要なポイントです

地位とお金は誰でも欲しいものですが、それだけを目標にして成功した人はいない

ひらがなで話す人は知恵の人です。書物で得た学問的な知識よりも、実践を通して身についた知恵のほうが、商人には必要です。

お客さまの心の奥底の、お客さま自身も気がつかない欲求を満足させてこそ、プロの商い

成長を考えるな、生存を考えよ
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いかがでしょうか。一見すると平易な物言いですが、見事に商人の進むべき道と心構えを示しています。

というわけで、本日の一冊は、

『商いの道』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569604412/

です。中古で数が限られているため、例のごとく、急がないとなくなってしまいます。欲しい方はお早めにお願いします。

目次

プロローグ 商人の原点 (ないない尽くしからのスタート時代が変わる怖さ ほか)
1 商いの心構え (誠実を貫く難しさ誠実さがお金を集める ほか)
2 心に残る出会い (謙虚なる人柄の崇高さ商売の原点を学ぶ ほか)
3 これからの日本へ (大変な時代への予感銀行神話を見直す ほか)
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『マンガ 終身旅行者』

2004年08月30日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775930117

本日の一冊は、木村昭二さんによるロングセラー『税金を払わない終身旅行者―究極の節税法PT』のエッセンスとPT関連の最新情報を、マンガにしてまとめたものです。

元金融マンで、現在は資産運用で生計を立てている主人公、ハルアキと、ハルアキに影響を与えたバーのオーナー、公認会計士のケイイチ、JJエアラインの国際線客室乗務員カオリ、バヌアツ在住のユウコらが、ストーリーを通じて、海外投資や税金、オフショアセンターの最新情報を提供してくれます。

PTの基本的な考え方から、節税効果、PTの前提となる「非居住者」の条件、「5+1のフラッグ理論」など、さまざまな知識を、マンガを通じて楽しく学ぶことができます。

イタリア領であるにもかかわらず、実質はタックスヘイブンというカンピオーネや、一般には知られていない香港第2の空港、1969年からタックスヘイブン政策をとっているバヌアツ共和国など、各オフショアセンターの知られざる情報が掲載されており、とても刺激的な一冊です。

巻末には、付録として、ビザ・永住権・市民権の話、オフショアセンターの動向・解説、そしてPT用語辞典として、基礎知識が文章でまとめられています。

日本だけが安全・快適という時代は、もはや過去のこと。海外移住も含め、個人が多様な生き方を求める時代が、もうそこまで来ているのかもしれません。

というわけで、本日の一冊は、

『マンガ 終身旅行者』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775930117

です。

PT(終身旅行者)に関心のある方の入門書として、また、海外投資や節税に興味のない方には、ちょっと異色の旅行ガイドとしても楽しめます。

個人的には、次回はキプロスを取り上げて欲しいです。

目次

はじめに
人物紹介
第1章 日本・東京 ――Tokyo, Japan
第2章 イタリア・カンピオーネ ――Campione, Italy
第3章 中国・香港 ――Hong Kong, China
第4章 バヌアツ・ポートヴィラ ――Port Vila, Vanuatu

付録
1 PTに必要な知識[ビザ・市民権・永住権] 143
2 PTに必要な知識[オフショアセンター] 147
3 PT用語辞典 161
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『駆け出しマネジャー アレックス リーダーシップを学ぶ』

2004年08月29日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532149347/

本日ご紹介するのは、そんなマネジャーたちのための一冊です。まだ刊行前の本ですが、編集者のご好意により、ゲラをご提供いただきました。ありがとうございます。

本書は、マッキンゼーの元パートナーが書いたもので、すでに世界14カ国で翻訳されているベストセラーです。倒産寸前の会社の再建を請け負った主人公アレックスが、試行錯誤しながら、リーダーに必要な「シンプルな原則」を学んでいくという、ストーリー仕立ての内容になっています。

ストーリーの出来だけを見ると、三枝匡さんの『V字回復の経営』に軍配が上がるのですが、さすがにリーダーシップに特化しているだけあって、各章の終わりにまとめられた「シンプルな原則」は非常に興味深い内容です。

参考:『V字回復の経営』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532149347/

では、その「シンプルな原則」とは一体何なのか。さっそく要点を見ていきましょう。
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 本日の赤ペンチェック
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人は、計画や分析では動かない。人を動かすのはビジョンであり、やる気であり、勢いなのだ。だから有能なリーダーはさまざまなテクニックを駆使して、この三つを生み出そうと努力する

課題はリーダーシップであって、カリスマ性じゃない

有能なリーダーほど、大きな改革の前に時間を確保するものだ。目を開き、耳を傾けて内情を知ろうと務め、次の三つの答えを探る
1.どこにエネルギーを注ぐか
2.事態の緊急性をどう説得するか
3.どの派閥に注意するか

有能なリーダーは、早い段階で重要な課題に取りかかる。どんなチームを編成するか。一緒に先頭に立つ役割をだれに割り当てるか。どの集団を解体しなければならないか。

心に響くビジョンの4原則
1.わくわくするようなストーリーがある
2.ポイントを押さえており印象に残る
3.意義がある
4.心に残る

リーダーは早い段階で、チームや会社がすべきことについて仮の方針を立てる。(中略)自説を訴える時は、次の点に注意するとよい。
・自分がやりたいことを表明し、反応を見る
・主力メンバーの意見を聞く
・支持勢力と抵抗勢力を見極める
・心に響くビジョンへと膨らませる

ビジョンの狙いと組織が必要とする能力やスキルとがうまく噛み合っているかを確認する。そのほか、組織全体に連鎖反応を引き起こすような触媒効果が期待できるか、という点も要チェックである

リーダーは二種類の信頼を獲得しなければならないということだ。一つは目的に対する信頼、もう一つはリーダーの能力に対する信頼である

リーダーは、ビジョンの本質を伝えるメッセージを絶えず発信しなければならない。ここで難しいのは、同じことを繰り返すのではなく、毎回新しい響きや輝きを込めることである

目的地に向かってトップギアで走り続けるには、リーダーは部下に自主的な取り組みを奨励すべきである。この時、すぐに結果を出そうと「アメとムチ」に走りがちだが、まず最初に業務の分担や責任の所在をチェックすることが肝心である

有能なリーダーは、成果に対して称賛を惜しまない

有能なリーダーが使う手段
1.明快でわかりやすいビジョンを打ち出す
2.象徴的で話題性のある行動を取る
3.クチコミを積極的に活用する
4.主要業績評価指標(KPI)を選ぶ

リーダーは、効率よりも効果を考えるべきだ

リーダーの重要な使命は、リーダーを育てることである。(中略)トレーニングもそれなりに有効ではあるが、優秀な企業ほど、人材を育てるには経験を積ませるのが一番だと知っている

ある程度成功したリーダーが犯しがちな最大の過ちは、最優先課題に時間を費やすこと(その重要なことをやれるのは自分だけ?)

キャリアを通じて有能なリーダーであり続けるために、リーダーは自分自身にもリーダーシップの公式を適用する
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ストーリー仕立てでさらりと読めますが、ここで示されている「シンプルな原則」は非常に奥深いものです。

これまでたくさんの経営書を読んできましたが、ここで示されている「シンプルな原則」は、まさに再建に成功した名経営者たちが、決まって実行していた内容です。

ここまでしっかりと体系立てて、かつわかりやすい本は滅多にお目にかかれないでしょう。

というわけで、本日の一冊は、

『駆け出しマネジャー アレックス リーダーシップを学ぶ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532149347/

です。

内容が盛りだくさんで、赤ペンチェックでも載らなかった有用な情報が満載されているため、ぜひ買って熟読することをおすすめします。
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『40歳からの仕事術』

2004年08月28日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106100584/

今日、ご紹介する本は、知人からのリクエストによるものです。

もともと、売れていた本で、気にはなっていたのですが、なぜか読む機会がなく、ずるずると来てしまいました。送って頂かなければ、読まなかったかもしれない本でした。Oさんありがとうございます。

本書の著者、山本真司氏は、シカゴ大学でMBAを取得している、経営コンサルタント。東京銀行、ボストンコンサルティンググループを経て、現在はA・T・カーニーのヴァイス・プレジデントを務めていらっしゃるようです。

その著者が、ストーリー仕立てで、40代のための仕事術を指南した
のが、本書『40歳からの仕事術』です。

MBAを持っていない、たたき上げの管理職、朝倉に対し、かつて同期だったというMBAホルダーが、戦略的な学習のコツや、仕事で役立つさまざまな知識を伝授する、というストーリーになっています。

おもしろいのは、このMBAホルダーが、MBAのフレームワークやツールを使いながら、仕事で使えるさまざまな考え方・知識を伝えている点です。登場人物にあえて「MBAくさい」話し方をさせることで、MBAのさまざまな知識を伝えている点に、作り手の工夫が見られます。

いくつか要点を抜き出してみましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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勉強することは正しいが、戦略が重要だ。40代の我々にとって、時間資源はどんどん希少になっている。しかも若いころのように無理が利かないんだから、よほど考えて有限な時間と集中力という資源を最適配分しないと学習だってできない

何をやるかは簡単に決まるけれど、何をやらないかを決めるのが難しい。その「何をやらないか」が戦略だ

(英語を学ぶ際に)
まずは、自分に強みのある分野から勉強しろっていうのが大原則。「英語を勉強する」のではなくて、仕事に関係するテーマを「英語で勉強する」ってことだね

世の中には常識となるスタンダードが存在して、それを学ばないといけない、というのは初等教育の考え方だ。しかも相手を出し抜かなくてはならない競争の現場では、標準の思考方式で同じ発想に行き着くことに意味はない。どうしたら世間と違う発想や仕事の進め方ができるかを学ばなければならない

心配なのは、君の処世術の巧拙ではない。そういった制約のなかで、「自分で考える能力」がどんどん毀損され退化していくことだ。仮に、君が批判する経営陣や部長陣が明日いなくなったとしたら、代わりを務められるか

もし君に、「自分で考える能力」が十分あったとする。世の中で必要とされているのは、特定の技術でも肩書きでもない。「自分の考え」をしっかり持ち、自ら実践して、業績を上げるということだ。そういう人は少ないから、常に需要超過だ

コンサルティング業界で比較的「長生き」している人間は、経営や経済以外の異分野から刺激を受けているケースが多い

20~30代の若手は、一生懸命に経営理論の言語や論理を勉強している。それはそれで悪いとは思わないが、彼らは手段の目的化というリスクを常に抱えている

経営に科学的合理主義を持ち込むのが、最初のステップだ。(中略)何か主張が出たら、一言「プルーブ・イット」(証明せよ)と言えばいい

部下がつまらない単なるグラフを持ってきたときは、一言「ソー・ホワット?」(So what?)すなわち「だからどうなんだ?」「何が言いたい?」と尋ねる

よい質問は、事実を拾い、因果関係を解き明かす

相手に共感を持たせ、心と体を動かしてもらって、初めてコミュニケーションと呼べる。一方的に自分のメッセージを伝えるのは、コミュニケーションの必要条件だが十分条件ではない

簡潔がプレゼンの基本思想だ。(中略)ポイントは表現技術ではなく、論理構成のほうにあるんだ

メッセージをサポートする素材は、文章なら箇条書きで最大7か条まで、グラフなら最大2つまでにすること

ステップは3つ。すなわち、
1.己の持ち時間の正確な把握
2.資源を投入すべき仕事の選択と集中
3.行動面で成功のツボを外さないこと

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というわけで、本日の一冊は、

『40歳からの仕事術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106100584/

です。

40代にかかわらず、あらゆる世代のビジネスパーソンにとって役立つ勉強法や仕事術、経営に使えるフレームワークやツールが、コンパクトにまとめられています。

忙しくて、学ぶ暇なんてない、という方にこそおすすめしたい一冊です。

目次

序章  終末と始まりの予感
第1章 MBA不要論
第2章 自立するための思考法
第3章 本質をえぐる分析技術
第4章 メッセージを売り込め
第5章 自分を変える戦略
終章  決断
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『生き方―人間として一番大切なこと』

2004年08月27日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763195433/

精神論はあまり好きではないのですが、やはり社会の中で生き、人とかかわっていくのであれば、心の置き所もきちんと考えるべきだ、と思ってしまいます。

そういった意味では、本日ご紹介する本は、ピッタリの一冊だと思います。

著者は、ご存知、京セラ名誉会長の稲盛和夫氏。本書では、ビジネスマンとして類まれなる大成功を収めた著者が、成功するために必要な心構えや考え方、そして成功や幸福を持続する秘訣について、自身の言葉で語っています。

さっそく、その内容を見ていきましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
※熱意・能力は0点から100点まで、考え方は-100点から+100点

不可能を可能に変えるには、まず「狂」がつくほど強く思い、実現を信じて前向きに努力を重ねていくこと。それが人生においても、また経営においても目標を達成させる唯一の方法

「もう、これ以上のものはない」と確信できるものが完成するまで努力を惜しまない。それが創造という高い山の頂上をめざす人間にとって非常に大事なことであり、義務ですらある

いままでだれも試みなかった前例のないことに挑戦するときには、周囲の反対や反発は避けられません。それでも、自分の中に「できる」という確固とした思いがあり、それがすでに実現しているイメージが描けるならば、大胆に構想を広げていくべき

いっけん無理だと思える高い目標にもひるまず情熱を傾け、ひたむきな努力研鑚を惜しまない。そのことが私たちの能力を、自分自身もびっくりするほど伸張させる。(中略)できないことがあったとしても、それはいまの自分にできないだけであって、将来の自分になら可能であると未来進行形で考えることが大切

安易に道を選ばず、一歩一歩、一日一日を懸命、真剣、地道に積み重ねていく。夢を現実に変え、思いを成就させるのは、そういう非凡なる凡人なのです

通い慣れた同じ道は通らないということが、成功に近づく秘訣

もうダメだと思ったときが実は始まりで、そういうときはいったん冷静な気持ちに戻って、もう一度いまいる場所から周囲を観察し直してみる

自分の人生を自分の力でしっかりと創造していける人というのは、かならずその基盤として、大きすぎるくらいの夢、身の丈を超えるような願望を抱いているもの

原理原則に基づいた哲学をしっかりと定めて、それに沿って生きることは、物事を成功へと導き、人生に大きな実りをもたらします

人間がほんとうに心からの喜びを得られる対象というものは、仕事の中にこそある

六つの精進
1.だれにも負けない努力をする
2.謙虚にして驕らず
3.反省ある日々を送る
4.生きていることに感謝する
5.善行・利他行を積む
6.感性的な悩みをしない

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というわけで、本日の一冊は、

『生き方―人間として一番大切なこと』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763195433/

です。

ところどころに仏道に関するお話が登場するため、人によって好き嫌いのありそうな内容ですが、人生やビジネスに直接かかわる部分だけを拾って読んでも、充分ためになります。

前著とダブっている部分も若干見られますが、エピソードも豊富で読み応えがあります。著者の実体験と、それを経て生まれた人生哲学が、バランス良く配された、興味深い一冊だと思います。

目次

プロローグ
第1章 思いを実現させる
第2章 原理原則から考える
第3章 心を磨き、高める
第4章 利他の心で生きる
第5章 宇宙の流れと調和する
あとがき
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『マッキンゼー流図解の技術』

2004年08月26日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492555226/

今日、ご紹介するのは、いまAmazon.co.jp で売れに売れている、『マッキンゼー流図解の技術』です。元々この本は『Say It With Charts』の名前で原書が大変よく売れており、翻訳されたらきっと売れると目されていたものでした。それを今回、東洋経済新報社さんが版権を取り、世に出したということです。

※参考『Say It With Charts』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/007136997X/

翻訳版で、「マッキンゼー流」を標榜している通り、著者はマッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務しており、ビジュアル・コミュニケーション・ディレクターとして活躍しています。著者の仕事は、マッキンゼーのコンサルティングスタッフにプレゼンテーションや報告文書などのデザインを教えることで、いわばこの道のプロフェッショナルです。

普段からビジネス書をお読みになっているみなさんはご存知の通り、ビジネス書の世界ではちょっと前、「図解」ブームが巻き起こりました。しかし、すぐに消えていってしまったのです。

恐らくこれは、本書の著者が指摘している通り、「チャートについての熟考が足りず設計が悪い場合には、明確に伝わるどころか混乱を招く結果となってしまう」からでしょう。

本書では、あくまでも「伝える」ことを主眼に置いて、伝えたいメッセージを軸にしたチャートの選び方や表現方法を説明しています。
パイチャート、バーチャート、コラムチャート、ラインチャート、ドットチャートといった5つの基本形だけで、効果的なプレゼンテーション方法を解説しており、それだけに、戦略的な部分に多く紙数が割かれています。メッセージ数値との連携、強調、比較など、さまざまなテクニックが、要領よく説明されています。

単なる「図解」ではなく、ナビゲーションの視点が盛り込まれているのが面白いですね。

というわけで、本日の一冊は、

『マッキンゼー流図解の技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492555226/
です。

ビジネスパーソンはもちろんですが、本作りに携わる人にとっても、見逃せない内容だと思います。

目次

Section I: Choosing Charts.
Section II: Using Charts.
Section III: Say It With Concepts Metaphors. Visual Concepts. Visual Metaphors.
Section IV: Say It.Com.
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『バナナがバナナじゃなくなるとき』

2004年08月25日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447850234X/

本日ご紹介する本は、一口で言えば、エクスぺリエンス・マーケティングの本です。マスターカードのCMではないですが、「お金じゃ買えない価値(プライスレス)」を求めて人々は購買をする、というわけです。

では、このプライスレスなエクスペリエンスを実現するために、企業はどうすればいいのか、そのヒントを示したのがこの一冊です。

タイトルとなっている「バナナがバナナじゃなくなるとき」というのは、1950年代から続いているニューオーリンズのレストランの、伝説のメニュー「バナナフォスター」から来ています。

1950年代のニューオーリンズでは、バナナが供給過剰で安く買えたため、人々は皆バナナにうんざりしていました。ところが、やり手経営者だったオーウェン・ブレナンは、この何の変哲もないバナナを使って、炎に包まれるバナナのフランベとアイスクリームのデザートを提供したのです。

このデザートは瞬く間に話題を呼び、なんと50年後の今でも一番の人気を誇る、伝説のデザートとなったのです。

バナナでできたのだから、現在コモディティ商品とみなされている多くの商品でもできないはずがありません。成功のポイントは、商品そのものの客観的価値ではなく、その周辺にあるのです。

では、さっそく内容のポイントを見ていきましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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消費に関するエクスペリエンスについて話すとき、それがよかったにしろ悪かったにしろ、人々はモノやサービスだけに反応しているわけではない(中略)パッケージ、マニュアル、コールセンター、商品の入手のしやすさなど周辺の要素もエクスペリエンス全体に影響を及ぼしている

インタラクションは何らかのリアクションを引き起こし、リアクションは考えや感情に結びつく。否定的なリアクションはエクスペリエンスの価値を損なうが、好意的なリアクションは少なくともどこかのレベルで価値を生む

これまで企業は価値そのものの変遷をほとんど追わずに来ているが、本当は流れをきちんと追うべきだろう。価値が大きくシフトするときは、ビジネスのやり方も大きな影響を受けるからである

バリューエクスペリエンスを創り出すためには、最初から最後まで一貫したエクスペリエンスのプロセスが必要不可欠である

あなたやあなたの商品に関係のある人が顧客に対してすることは、顧客にとってはすべて個人的な問題なのだ。(中略)モノやサービスを買うプロセスには、メリットや犠牲を創り出す機会が豊富に隠されている。仮に、このステージだけに取り組んでほかのステージは後回しにしたとしても、きっとその会社の売上げは伸びるだろう。

エクスペリエンスの観点から製品の機能や便益を見るときには、製品の特定の機能や特徴ではなく、それらが総体として顧客に与えるインパクトに注目する

犠牲をもたらさないまでも、積極的にエクスペリエンスに貢献しない物理的属性もなくしたほうがいい。顧客に価値をもたらすのでなければ、多分それは中立的な要素であり、メリットなしにコストを上昇させているかもしれないからだ

たいていの場合、顧客がいるステージを特定し、それに合わせて調整を行うことでサービスの質を改善できる

調査によれば、従業員に自らの判断で動ける裁量が与えられているほうが、顧客を満足させ、長期的な関係につながる反応が生まれやすい

行動学者によれば、顧客はすべてのイベントをエクスペリエンスとして記憶にとどめているわけではない。(中略)特に終わりのほうのイベントを鮮明に記憶しており、残りはそのイベントの記憶でなんとなく被われてしまうのだそうだ

技術や企業の持っている能力(それに顧客の価値観)をよく理解している観察者を活用することは、企業の規模や商品の種類にかかわらず、あらゆる企業にとって大きな可能性をもたらす

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著者らが述べているように、人々は、「過去の経験や教訓の蓄積のうえに成長し、常に変化し続けて」います。この変化をとらえ、大きな付加価値をもたらすエクスペリエンスを提供するには、いったいどうしたらいいのか。本書にはそのヒントが書かれています。

ただ、あえて苦言を呈するとすれば、「バリューエクスペリエンスを創り出すためには、最初から最後まで一貫したエクスペリエンスのプロセスが必要不可欠である」といっておきながら、事例に関しては、その一貫したプロセスを分析しきれていません。

この点を差し引いても、本書には読む価値があると思います。決して読みやすい文章ではないですし、「バカ売れするか」と言われたらYESとは言いづらい本ですが、真剣にアイデアやヒントを探そうとする人には、得るところが多いはずです。

というわけで、本日の一冊は、

『バナナがバナナじゃなくなるとき』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447850234X/

です。マーケティングや流通・サービスに携わる方は、ぜひ読んでみてください。

目次

はじめに

第1部 エクスペリエンスと価値

第1章 馬と引き換えに王国を 鍵は“価値”にあり
第2章 バナナがバナナじゃなくなるとき バリューエクスペリエンス
第3章 旅の始まり エクスペリエンス・プロセス

第2部 エクスペリエンスと価値創造

第4章 つかみどころをつかめ 製品という要素
第5章 ひとり上手にならないで サービスという要素
第6章 環境にやさしく 環境という要素

第7章 贈り物 顧客より愛を込めて

訳者あとがき
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『どん底営業チームを全国トップに変えた魔法のひと言』

2004年08月24日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820716247/


本日の一冊は、某外資系生保会社の辣腕支社長が、部下に書いたという励ましのメールをまとめたものです。

じつは私は、ある情報筋から、事前にこのメールの話を聞いていて本になったら面白いだろうなあと思っていました。だから私は彼がどこに所属している人間なのか知っていますが、あえてここではふせておくようにします。

関係者から聞いたところ、この著者の早川勝さんは、本当に凄腕の支社長のようで、同支社の成績は、2002年、2003年と2年連続で全国総合ポイント第1位を獲得したそうです。

営業の組織というのは、往々にしてトップセールスが出世して管理職になるものです。ですから、必ずしも管理者として優秀でない人が管理者に就いてしまうという不幸な事態がしばしば起こるのです。

しかし、この著者は違いました。彼は自分のやっていたことを客観的に理解できた人であり、それを部下に伝える能力・手段を持っていました。

必ずしも手放しで絶賛できる、という内容ではありませんが、そういう目で本書を読めば、きっと仕事に役立つヒントがあるはずです。

もちろん、現役営業マンの方にとっては、日々の仕事の励みとなるはずです。

では、さっそく内容のポイントを見ていきましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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楽観的な考えや発言に終始し、「行動」に移していない人が多い。これでは単なる気休めでしかない。行動が伴わないポジティブシンキングでは、幸せになれない

プラズマテレビのように、鮮明な映像でみることができる夢は、必ずかなう

ネギップ(ネバーギブアップ)の神様はいつも遅刻してやってくる。しかもほんの少しだけ……

「プライド」と「コンプレックス」を一緒にしている人がいる(中略)「あの人はプライドが高いから……」と言われる人の多くは、コンプレックスを抱えている人だ。可哀相に、何も変われず、成長できない人だ

(クヨクヨと後悔する人に)大事なのは、ことが起こってからの心構えを治そうと思っても手遅れということなのだ。ことが起こる前の段階、すなわち「決断」の仕方を正すのだ(中略)そもそも腹のくくり方が中途半端だから後悔するのだ

もう人生のバックミラーを覗くのは止めよう!(中略)あなたの心の中には「経験」という人生の地図を持っている。経験にもとづいた直感は正しい選択をしてくれる。失敗はない。すべて正解だ。たとえそれがデコボコ道や険しい山道であっても……(中略)迷わず進むのだ。逃げ道も退路もすべて見えないようにしてしまうのだ

頑固者には困ったものだ。そんな人に限って「オレにはオレの信念があるから、簡単には曲げられない」などとカッコイイことを言ってはいるものの、なにも改善されないことがある(中略)この人たちの行動が改善されない理由は、その信念が嘘で固めた信念だからだ。まさに、「ナンチャッテ信念」なのである

仕事を趣味にしてしまえばいいのだ。「遊び」は仕事をより充実させるためのリフレッシュ期間に過ぎないのだと割り切ってしまうと、人生において「遊ぶこと」はさほど重要ではなくなり、逆に遊んでいることがバカバカしくなってくる

言い訳を我慢すれば、成長できる。言い訳を我慢すれば、成功できる

自分を縛りつけている「なにか」、現状を正当化している「なにか」に気づき、それを捨てることだ

コミュニケーションがとれないという人は、なにがいけないのだろうか? それにはさまざまな理由があるが、一つだけはっきりしていることがある。それは、会話や商談中に、自分がリスクを負っていないということだ

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ここでは、営業マン以外の方でも役立つ普遍的なポイントを抜き出しましたが、もちろん、営業の場面で即役立つ考え方・手法についても述べられています。


ということで、本日の一冊は、

『どん底営業チームを全国トップに変えた魔法のひと言』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820716247/

です。

かつて名プレイヤーだった管理職の方に、また現在仕事に疲れている営業マンに読んでもらいたい一冊です。


目次

幸運の扉1「元気になる」を読む。
1.ニセポジティブの呪い
2.鮮明なスクリーンで夢をみる
3.ネバーギブアップの神様
4.言霊を大切にする
5.試練がやってきたら、チャンスだと思え
6.生きているだけでラッキー
7.自分を愛する~ナルシスト営業のすすめ~
8.絶対に後悔しない前提で決断する
9.バックミラーを見るな
10.不幸的幸福論
11.ナンチャッテ信念を変える

幸運の扉2「やる気になる」を読む。
12.魔法使いになる
13.仕事を趣味にする
14.言い訳を信じ込むな
15.不幸な人と付き合うな
16.悩んだら、大事なものをひとつ捨てろ
17.どん底を楽しむ
18.与えると戻ってくる
19.幸運を呼ぶ親孝行
20.客にペコペコするな

幸運の扉3「解決できる」を読む。

21.魔法の営業スキル~ノリツッコミ&ブーメラン♪ブーメラン~
22.リスクミニュケーション
23.10秒以内に行動をはじめる
24.マメ男君に改名する
25.つもり病を治せ
26.猿も豚も木から落ちる
27.二時間ドラマの女王
28.武器を持って羞恥心と戦う
29.ミス・プライオリティーの甘い罠
30.大粒の涙を流す
31.健康オタク的快楽物質の効能
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『こっそり読みたい相場の法則』

2004年08月23日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244148/

本日の一冊は、日経BP社の「違いのわかる男」Tさんが、「あなたならこういうの好きかと思って」と言いながら送ってくれた本です。

いやいや、そんなに単純じゃないですよ、と言いたいところですが、さすがです。じつはこういうの大好きなんです(笑)。個人的には、最近のビジネス書の中で一番読みたかった本です。

著者は、元・千代田書店店長で、相場の本を語らせたら日本一の前野晴男さん。その前野さんが、古今東西の相場に関する名言を、見事にまとめあげています。

以前、このメルマガでご紹介した本間宗久やジェシー・リバモア、世界一の投資家として名高いウォーレン・バフェットやその師匠であるベンジャミン・グレアムなど、名立たる投資家たちの名言が惜しげもなくこの一冊に詰め込まれています。

また投資家に限らず、マキャヴェリ、豊臣秀吉、福澤諭吉、ジャン・コクトーといった他ジャンルの有名人の名言も、投資に役立つ言葉としてまとめられています。著者の投資本に対する教養と執念が伝わってくるようです。

取り上げられている名言のなかから、いくつかピックアップしてみましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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「相場の高下は天性自然のこと」(本間宗久)

「損をしたければ確実なものに投資せよ」(ウォール街の格言)

「相場に乗るには三つの慎みあり、油断、不功、不敵、これなり」(商家秘録)

「うまい話は貧乏神がつれてくる」(相場格言)

「賢い人ほど騙されたがる」(ニコロ・マキアヴェッリ)

「相場の道、すなわち孤独に徹すること」(是川銀蔵)

「商人は一時の利に誇ることなく、一時の損に驚くことなかれ」(福澤諭吉)

「幽霊と相場は淋しいほうに出る」(近藤信男)

「人が皆、売るときに買い、人が皆、買うときに売れ」(ネイサン・ロスチャイルド)

「眠れぬほど株を持つな」(J・P・モルガン)

「バックミラーで将来を見ることはできない」(ピーター・リンチ)

「相場は時間なり」(W・D・ギャン)

「悪手が悪手を呼ぶ」(格言&名言)

「もうはまだなり、まだはもうなり」(本間宗久)

「人捨てるとき我これを拾う」(安田善次郎)

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ひとつの名言につき、1ページを割くという、ぜいたくな構成ですが、全部で400ページ弱という大ボリュームのため、かなりの数の名言を網羅しています。著者の投資本への情熱が伝わってくる意欲作です。

しいて注文をつけるとすれば、タイトルに「こっそり読みたい」のひと言がくっついている点でしょうか。

私は言いたいです。

「いい本なんだから堂々と読めばいいじゃないですか!!」

ということで、本日の一冊は、

『こっそり読みたい相場の法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244148/

です。

投資家が座右の書として本棚に入れておくのはもちろんですが、投資の世界に影響を与えてきた歴史的人物たちの名言を一覧できるという意味で、資料的な価値も大きいと思います。

「自分は株をやらない」という人でも、手軽に楽しめる教養の書です。ぜひご覧になってください。


目次

相場とは
投資と投機
投機の世界
相場の三徳
三猿の教え
投資家心得
理外の理
相場の裏を行く
群集心理
相場サイクル
相場の強弱
材料と人気
騰落の法則
投資資金について
銘柄の見方・選び方
売買心得
利食い
腹八分目
利乗せ
損切り
保合い
休むべし
罫線について
魑魅魍魎
相場の経験則
恐慌に学ぶ
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『成功するまであきらめない』

2004年08月22日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777100626/

本日の一冊は、アメリカ成功哲学の始祖、オリソン・マーデンによる幻の名著『An Iron Will』の日本語訳です。

以前もこのメルマガでちらっとご紹介しましたが、あの本田健を世に出した遠藤編集長が、眠れる名著を掘り起こして、今回の出版となったわけです。

この『An Iron Will』は、なんと初版が1901年に出されています。だから、冒頭で申し上げたように、1896年の第一回近代オリンピックの話が出てくるんですね。

ちなみにこのオリソン・マーデンは、あの起業家たちのバイブル『サクセス・マガジン』を創刊した人物。つまり、ナポレオン・ヒルやオグ・マンディーノの師匠とも言うべき人物なのです。

では、その内容はいかがなものかというと――言葉に力があります。著者は本書の中で何度も「意志の力」を強調していますが、この本そのものからも著者の強い「意志の力」が感じられるのです。

基本的には、歴史上の偉人たちの事例を挙げながら、「意志の力」の重要性を説いた自己啓発書ですが、やはり元祖は言葉の力が違います。困難に直面した時、くじけそうな時、あるいはこれから大志を持って羽ばたこうとする時には、きっと力を分けてくれる本だと思います。

著者自身の言葉に加え、さまざまな偉人たちの名言も散りばめられているので、今日はそのなかからいくつかご紹介しましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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自分の「意志の力」がどれだけ正しい方向に育てられ、鍛えられているか、臨戦態勢はどこまで整っているか。まさにそれが勝敗の鍵を握る(シャーマン将軍の言葉)

世の中には三種類の人間がいる――やる人、やらない人、できない人だ。やる人は何でもやり遂げる。やらない人は何にでも反対する。できない人は何をやっても失敗する(ある作家の言葉)

銃は撃ってみよ。いつかは的に当たるかもしれぬ。だが、撃たないでいれば絶対に当てることなどできない(イギリスの文人フェルサムの言葉)

思い焦がれてただ必死なだけのころには、目の前に大きな山が立ちはだかっていたけれども、現実に合うように夢の形を整え、具体的な目標として意識しだすと、助けは探し求めなくても向こうからやって来てくれたのだ

あまたの敵の中で最も手ごわいのは、自分を疑うことだとは思いませんか。可能な限り最大限の成功を手に入れたいのであれば、それだけの資格が自分にあるのだという「信念」、どんな障害もものともせず必ず手に入れるのだという「信念」を、ずっと持ち続けなければならないはずです

忘れないでください。自分の価値はこれくらいだと、自分で付けた値段が、その人に対する世間の評価になるということを。世間は、自分を信じている人間を信じるのです

一見、人生最大の不幸としか思えない出来事にも、けっしてへこたれない人間には、不幸のほうが頭を垂れてくる

厳としてひたむきに、運命の強い絆を信じて前進しよう。命を惜しんできびすを返したりはすまい。偉大なる人物の書物を開き、胸像を眺め、いや、その名を耳にするだけで、たちまちわれらは電撃に打たれ、『意志の力』の何たるかを知るのだ。色あせぬ不屈の精神を持たずして、偉業を成し遂げた者など一人としていないのだ

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こうした教えのほかに、本書では、数多くの偉人たちのエピソードが登場します。

しびれに襲われ、死の訪れを感じながら、生涯最高の作品を生み出した作曲家のヘンデル、聴力を失いながら名曲を生み出したベートーベン、「四〇年間、一日たりとも健康な日はなかった」というダーウィンなど、興味深いエピソードは枚挙に暇がありません。

ということで、本日の一冊は、

『成功するまであきらめない』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777100626/

です。原題は『An Iron Will』。人間にとって、意志の力がいかに重要なのかを教えてくれた、古典的名著です。ページ数も少なく、簡単に読めてしまうので、ぜひ楽しんでみてください。

オリソン・マーデン略歴

1850年アメリカ東部ニューハンプシャー州の貧しいスコットランド移民の家庭に生まれる。ハーバード大学・ボストン大学へ進学。医学や法学を学び、医学博士号や法学修士号を取得。卒業後、ホテル・ビジネスの仕事で成功し、自ら事業を起こす。
しかし、経営するホテルが大火災や天然痘の被害に遭い、やがて事業は失敗。ゼロからの再出発を余儀なくされる。そうしたなかから「成功するためにはどうすればいいのか」という研究をはじめる。

1891年、研究成果を1年にわたってまとめた最初の著書「Pushing to the Front」を出版、世界25カ国で翻訳されるほどの大ベストセラーとなる。

1924年、亡くなる直前まで精力的に書き続け、生涯に45冊に及ぶ著書を発表した。

1897年には起業家のバイブルとも呼ばれる雑誌『サクセス・マガジン』を創刊し、成功哲学の確立に尽力。同誌には2代目編集長のナポレオン・ヒルやオグ・マンディーノといった、日本でもおなじみの錚々たる人物が名を連ね、自己啓発や成功哲学の分野で活躍する人材を輩出した。

目次

第1章 必ずやる!と決心する――「意志」を鍛える
第2章 夢を明確にし、自分を信じる――運命を変える
第3章 自分の中の生命力を高める――病苦を克服する
第4章 人生の目標を見つけたら迷わない――逆境に立ち向かう
第5章 つねに自分を奮い立たせる――粘り抜く力を磨く
おわりに――真に正しく生きる
訳者あとがき――アメリカ成功哲学の始祖、オリソン・マーデン
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『ココまでできる経理の合理化』

2004年08月21日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820716255/

本日の一冊は、実用書ですが、じつに刺激的な一冊です。もし読者に中小企業の経営者や、経理担当の方がいらっしゃったら、絶対に読むべきだと思います。

なぜなら、この本の教えをきちんと実践した場合、正社員の経理担当はいらなくなり、経理の人件費、作業時間を大幅に減らすことができるからです。

著者が指摘しているように、経営者が経理に聞きたいのは、「今いくら使えるのか?」です。単なる帳簿つけではなく、「資金管理」「予算管理」、さらには経営に役立つ情報の提供(管理会計)に時間を割いて欲しいのです。

本書のやり方で経理を合理化し、パソコン会計を活用すれば、いままで、作成しても活用されずに終わっていたデータが、経営の意思決定に役立つようになると思います。内容はそれぐらい具体的で、説得力があります。

本書の教えのなかから、重要な点をピックアップしてみましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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■簿記の知識がなくてもできる仕組みにして、パートにお願いする

■小口現金を廃止し、1か月分の立替経費をまとめて精算することで、 煩わしい金庫の管理や日々の作業がなくなる

■伝票・帳簿は毎日つける必要はない

■経費は、取引内容を知っている当事者が集計するのが一番効率的 →営業マンに科目まで決めてもらえばいい

■法人税法上、少額経費はまとめて計上してもOK

■相手の支払い条件に合わせるのではなく、支払日を月1回に定める

■会計処理は毎月3つのことだけやればいい
1.入出金の記録
2.売上・仕入の計上
3.手形管理

■会計処理をする日を決め、まとめて作業する

■支払い関係書類のファイルは、1つにまとめる

■会社の取引をパターン化し、パソコンに覚えこませる

■取引をメインバンクに集中させ、通帳で儲けがわかるようにする

■売掛金の回収管理を自動化する

■カネ払いのいいお客様とだけつきあう

■経理部門の社員を、営業部門、仕入部門、製造部門などに異動し、 社内のカネの流れを良くする

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今回の本に関しては、これだけ読んでも何のことかわからないと思います。ただ、これらの教えの裏には、それを支える思想がきちんと存在します。ぜひ読んで、その思想の部分を感じ取ってください。

ということで、本日の一冊は、

『ココまでできる経理の合理化』
>http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820716255/

税理士を目指している知人が、青ざめたほどの内容です。ぜひ、読んでみてください。

目次

第1章 経理の常識を打ち破れ!
第2章 キャッシュレスにすると生産性がアップする!
第3章 経理の仕事はまとめてやる!
第4章 パソコン会計を効率的に活用しよう!
第5章 管理するものを徹底的に減らす!
第6章 中小企業に経理部は本当に必要か!
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『お金と英語の非常識な関係(上・下)』

2004年08月20日 | Weblog
『お金と英語の非常識な関係(上)』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894511711/
『お金と英語の非常識な関係(下)』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489451172X/

本日の一冊は、カリスマ中小企業コンサルタントとして知られる、神田昌典さんの本です。上下2分冊になってはいますが、内容はつながっているので、一冊としてご紹介します。

みなさんご存知の通り、著者は、上智大学を卒業後、外務省経済局に勤務。その後、全米No.1ビジネススクールの誉れ高い、ウォートンスクールでMBAを取得した人物です。

そんな著者が、「お金と英語の非常識な関係」を説くというのです。一体どんな内容なのでしょうか。

本書をひと言でいうと、「飛躍的に英語を身につけ、成功するために、ズルをする方法」です。冒頭の私の言葉を使うなら、「カンニングペーパーの作り方」です。

つまり、飛躍的に英語力・ビジネス力を高めるために、どんな準備をすればいいのか、どんな学習をすればよいのかを説いているのです。では、具体的にどんなことが書かれているのでしょうか。

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 本日の赤ペンチェック
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なんだかんだ言って、アメリカは、日本よりもかなり先を走っている。英語を使ってビジネスをすれば、大きなチャンスをつかめる

ビジネスとは「認識」と「行動」のズレを解消すること。そこにチャンスがある

ハリー・S・デント氏の、人口動態による経済予測理論をもとに、日本のこれからを予測すると、これからの10年が見えてくる

英語学習が飛躍的に楽しくなる「捨てる技術」

1.日常会話を捨てる
2.専門外のトピックを捨てる
3.単語力を増やすことを捨てる
4.文法的に正しく話すことを捨てる
5.ペラペラしゃべることを捨てる
6.キレイな発音を捨てる

自分の人生を語っても、60分テープでわずか数本分。この数本分の英語を頭に入れれば、自分の言いたいことや、興味のある分野、専門分野については語れるようになる

「自分のことを何でも表現できる」単語レベル850語に、専門用語を加えれば、ビジネス英語はほぼ事足りる

願望実現のための法則

1.明確な目標設定により、潜在意識を働かせる
※SMARTの法則(Specific, Measurable, Agreed upon, Realistic, Timely)
2.自分に制限をかけているものに気づいて、サイドブレーキを外す
3.未来のイメージと現在のセルフイメージを合わせる

読むスピードを飛躍的に高めるための手法・フォトリーディング
目的を明確にし、本から引き出したい情報を意識する
「読む」作業から、「探す」作業へのシフト

ビジネスの糸口を開く魔法のフレーズ
1. Would you be interested in promoting your products in Japan?
2. I do have prospects already in Japan.
3. Who would be the best person to get in touch with?

コミュニケーションをスムーズにする、最初の一言
Hi, I have a question for you.
日本人の英語が通じない理由のひとつは、「いきなり話すから」
だから、まず"Hi"や"Hello"、できれば相手の名前も呼ぶ

英語がヘタでも、会話につまらず、永遠に続かせる法
1.トニック…興味をもって質問する
2.サブドミナント…相手の答えの理由を聞く
3.ドミナント…違った視点を提供する
4.トニック…相手と自分の意見を統合する

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学習方法やコミュニケーションのコツだけでなく、ところどころに、役立つ英語表現なども出てきます。

ビジネスで使える実践的な英語を身に付けたい、外国人を前にして堂々と話せるようになりたい、という人には適した一冊でしょう。

ということで、本日の一冊は、

『お金と英語の非常識な関係(上)』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894511711/

『お金と英語の非常識な関係(下)』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489451172X/

です。2分冊になってはいますが、非常に読みやすいため、短時間で読み終えることが可能です。ちなみに上巻には、神田昌典とゲリラ・マーケティングのウィリアム・リードの対談CD、下巻には、神田昌典の成功を支えた、海外の情報ソース一覧が載っています。

目次

<上巻>
第1章 お金になる英語の学び方
第2章 勉強しなくても、なぜか英語が使える人の秘密
第3章 新しい現実を生み出すファースト・ステップ
<下巻>
第4章 3時間洋書攻略法
第5章 国際ビジネスで活躍するワープの入口
第6章 未来への帰還
巻末付録 神田昌典の全情報ソース
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『もっと深く、もっと楽しく。』

2004年08月19日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087497127/

みなさんは、中部銀次郎さんという方をご存知でしょうか?

私はごく最近まで知らなかったのですが、アマチュアゴルファーとして名を馳せ、過去6回の優勝を手にした、伝説の人物です。

今回ご紹介する『もっと深く、もっと楽しく。』は、彼の著作のなかでもとくに有名な一冊で、ゴルフの本としては、珍しいほどのロングセラーとなっています。

それもそのはず。この本、単なるゴルフの本ではありません。基本的にはゴルフで成功するための心構えが書かれているのですが、その言葉は含蓄に富んでおり、人生全般に通じる考え方を授けてくれるのです。

私が入手したのは、日本文化出版から出されている初版であり、現在出されている新版とは若干内容が異なるかもしれませんが、ご容赦ください。

では、さっそく、その名言を見ていきましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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ゴルフにとっていちばん難しいのは”立つ”ことなのである。(中略)私たちはだれでも、ごく自然に立つことができる。(中略)ところが、いったんクラブを握り、ボールに向かうとなると自然に立てなくなってしまうのだ

――ボールはあるがままの状態でプレーせよ

世の中はすべてそうなのだが、ゴルフも同様、いっさいの言い訳は無意味である。たとえどれほど悪い条件の下でミスを犯したとしても、結局それは、自分の技の未熟に帰さざるをえない。バンカーのアゴの下から脱出できずに何打もかかったとしたら、バンカーショットの未熟であり、それより前にそこへ打ち込んだ腕の未熟なのである

頭で考えたことを果たすのは体であり、それより前に頭で考えるべきデータを収集するのも体である

1番ホールの第1打でミスをし、クラブを手に走り出すという行為そのものが、スコアメイクに途方もない悪影響を及ぼすのだ。彼がラウンド平均100ストロークを費やすとするなら、第1打のミスなどまだ100分の1でしかない。なんであわてる必要があるのだろう。(中略)冷静に第2打をどう処理するか考えればいい

プロにせよ、アマチュアにせよ、名手たちの歩き方は必ずといっていいほど、リズムがあり、美しい。そして大事な点は、彼らは名手だから歩き方にリズムがあって美しいのではなく、歩き方がいいから名手になれたのだ、ということにある

いいかい、3オン・1パットも4、4オン・0パットも4、2オン・2パットも同じなんだよ。どういうショットで、どういうパットでスコアをまとめたか、関係ないんだ(中村寅吉プロの言葉)

土壇場に立たされたとき、ゴルファーを支えてくれるのは、自信だけである。それも、自分の技術に対する自信ではない。自分はあれだけ練習したのだ、という自信である

いいアドレスから始まったスイングがまちがった軌道を描くことはあるとしても、悪いアドレスから始まったスイング軌道が正しくなることは、絶対にないのである

「ドライバーを除いて、飛距離がいちばん出るのはどのクラブ?」すると彼は、「平均飛距離という意味ですか?」と問い返してきた

どういうボールが打ち分けられるよりも、どうやっても絶対に打たないボールをつくるべきなのかなのだ

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どうでしょう?ご自分の仕事に当てはめて考えれば、きっとこれらの言葉の価値がわかるはずです。

ということで、本日の一冊は、

『もっと深く、もっと楽しく。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087497127/

です。私の持っているのは昔の単行本のため、目次は違っている可能性があります。今回は目次の掲載は控えておきます。
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『世紀の相場師ジェシー・リバモア』

2004年08月18日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047913715/

みなさんは、このジェシー・リバモアという人物をご存知でしょうか? ウォール街では有名ですが、1929年の世界大恐慌を予測し、暴落のさなかに一人勝ちをおさめた、伝説の人物です。

端正な顔立ちで、ストイックな精神の持ち主。しかし、その生涯は、あまりに壮絶でした。

本書には、そのジェシー・リバモアの生い立ちから、少年時代、株式投資との出会い、奇跡の大成功、家庭崩壊、そして壮絶な死までが描かれています。

内容をざっと見ていきましょう。

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幼いリバモアは、きゃしゃな体つきで、よく体をこわしました。おかげで活字に触れる時間がたっぷりあったようで、貧しい農夫だった父とは、まったく違った道を歩むことになります。

学校に通うようになったリバモアは、算数で抜群の冴えを示しました。算数はみんなよりずっと先の上級過程で学び、通常3年で終える数学の過程はたった一年で終了しました。

しかし、十四歳になると、父親に無理やり学校をやめさせられ、農作業を手伝うように言い渡されます。しかし、息子の才能を知っていた母は、彼に5ドルを持たせ、家出させます。リバモアは、この5ドルを元手に、ボストンに向かいました。

リバモアは、ペイン・ウェバーの店に入り、株価を黒板に書き込むチョークボーイとして働くことになります。ここで相場を学んだ彼は、やがて、バケット・ショップで相場を張るようになり、16歳にして1000ドル以上の現金を稼ぎ出します。
※バケット・ショップは、現実の株価と連動したギャンブル場のようなもの(当時は、ここで呑み行為が平然と行われていました)

バケット・ショップで荒稼ぎしたリバモアは、彼らに締め出しを食らい、いよいよニューヨークへ乗り込みます。しかし、現実の相場と、バケット・ショップでのギャンブルの違いに戸惑い、丸裸になってしまいました。

しかし、頭脳明晰な彼は、ここで支持者を見つけ、見事相場の世界に復帰します。彼は再びバケット・ショップで荒稼ぎし、一万ドルの資金を手に、ウォール街に乗り込みました。

1900年、リバモアはバケット・ショップに出入りしていた頃に出会ったネティと結婚します。夫婦の仲は当初円満でしたが、リバモアが破産状態に陥ると、それをきっかけに2人の気持ちは離れてしまいます。

しかし、相場師としてのリバモアの人生は、この後、順風満帆でした。地震の発生を読んだ彼は、鉄道株で大儲けし、十分な資金を確保しました。

その後、苦い教訓を得ながら、リバモアは相場師として成熟していきます。コットン市場で再び手痛い失敗をし、第一次大戦を機に復活。ネティと離婚し、ドロシーと結婚、そして息子の誕生…。しかし、ここからが悲劇の始まりでした。

世界恐慌での大成功をピークに、リバモアの人生は坂道を転げ落ちていきます。度重なる相場での失敗、母の銃弾を受け、傷ついた息子、泥沼化した家庭環境…。そして最後、追い詰められたリバモアは、自らの頭に銃口を当てます。

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どうでしょう?映画になってもおかしくないぐらい、すごい人生です。残念ながら角川書店さんが切らしているようですが、いつか復刊されることを期待したいと思います。

ということで、本日の一冊は、

『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047913715/

です。アマゾンのマーケットプレイスで一冊発見しましたが、早い者勝ちです。運悪く手に入らなかった場合は、パンローリングさんの方でマンガが出るようですから、そちらを読んでみてください。

参考:『マンガ―伝説の相場師リバモア ウィザードコミックス 7』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775930125/

目次

第一章  一九二九年――「ウォール街のグレート・ベア」
第二章  十四歳――家出同然でボストンに
第三章  千金の富――サンフランシスコ大地震をニューヨークで体感
第四章  一九〇七年――J・P・モルガン、JLに救済を要請
第五章  パーム・ビーチでの豪遊―― 一転して破産へ
第六章  第一次世界大戦――再起するリバモア
第七章  新婚生活――大邸宅と、トレード・セオリーの完成
第八章  盤石の富とスキャンダル
第九章  ボストン・ビリー―リバモア邸に強盗
第一〇章 忍び寄る影―金融大恐慌勃発
第一一章 タイミングの秘訣―出撃と退却の時
第一二章 リバモアのルール―資金管理
第一三章 意欲喪失―別離と寂寥と絶望と
第一四章 険悪な関係―ドロシー、息子を撃つ
第一五章 死に神の到来
付録 ジェシー・リバモア――投資の鉄則
訳者あとがき
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『これからの10年 団塊ジュニア1400万人がコア市場になる!』

2004年08月17日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806117293/

さて、本日の一冊は、歴史人口学の本ではないですが、「人口」という視点から、今後のマーケティングを説いた、ユニークな本です。

じつはこの本、2002年12月に出た時は、まあぼちぼち売れている、といった程度でしたが、ここに来てがぜん注目が集まっています。まあ、早い話、時期尚早だったわけです。

株の本と同じで、実際に相場が上がっているのを肌で感じないと人は動かない、といういい例です。

本当は、2年前に読んでおいて、いまごろ収穫しているのが理想ですが、いまからでも遅くはありません。というより、この本の内容がわかっていないと、今後10年ぐらいは、ビジネスパーソンとして不利な立場に置かれることになると思うのです。

さっそくですが、内容を概観してみましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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1.日本の人口は2006年をピークに減り続けていく

2.収入があって消費をする人の数(生産年齢人口)がすでに1997年をピークに減っている

3.団塊世代を世帯主とする標準世帯が減っても、若い世代がそれを穴埋めできればいいが、若い世代は人口が少ないうえに晩婚化、未婚化しているので、巨大な団塊世代ファミリーの抜けた穴を埋められない

4.これからの10年、放っておけば必ず売上は減る。売上を伸ばしたければシェアを増やすか、より付加価値の高い物を売らねばならない

5.2015年の推計では、「ひとり親と子供の世帯」「夫婦のみ世帯」「単独世帯」の合計は2941万世帯にのぼり、「夫婦と子供からなる世帯」と「その他の親族世帯」の合計である1985万世帯に比べて、1000万世帯近くも多くなる

6.したがって、もっと個人に目を向けたマーケティングをしなければならない

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では、具体的にどんなマーケティングをすればいいのでしょうか?そのためには、個人の行動や意識、あるいはそれを探るためのケーススタディをする必要があります。

本書で挙げられている事例は、衣服のリフォーム、スキンケア商品、クルマ、家、雑誌、WiLLプロジェクトなど、さまざまです。成功例、失敗例にかかわらず、新しいマーケットの動向を探るいい手掛かりとなるでしょう。

この本の恐ろしい点は、50代~60代女性、あるいはフリーターが新しい消費トレンドを作る、ということを、この2002年の時点で見事言い当てている点です。

2年前にこの本を読んで、手を打っていれば、現在の「冬ソナ」ブームでひと山当てられたかもしれません。残念!

しかし、まだまだあきらめてはいけません。本書を読んで、これから消費の中心となる「団塊ジュニア」ほかのコア市場をきちんと把握すれば、ぼうっとしている他の企業やビジネスパーソンに大きく差をつけられるはずです。そして、その優位性は、おそらく10年は続くでしょう。

ということで、本日の一冊は、

『これからの10年 団塊ジュニア1400万人がコア市場になる!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806117293/

です。じつはこの本、版元が増刷を控えており、ひょっとしたらそのうち、入手困難になるかもしれません(裏情報)。ご希望の方はいまがチャンスです。

目次

第1章 これからの10年、新しい消費社会が誕生する!
第2章 「ライフスタイルケア市場」が生まれ、急成長する
第3章 躍進する4つの新市場も見逃すな!
第4章 団塊世代1000万人はこうやってつかめ!
第5章 団塊ジュニア世代がこれからの市場をリードする!
第6章 団塊ジュニア世代1400万人はこうやってつかめ!
第7章 これからの10年、生き残る企業の戦略はこれだ!
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