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アマゾン元バイヤー、土井英司による厳選ビジネス書評メルマガ。ベストセラー分析と本当に読むべき珠玉の一冊を提供しています。

『その言葉、口に出す前に3つ数えなさい』

2004年12月31日 | Weblog
http://tinyurl.com/6uegf

本日の一冊は、元吉本興業の敏腕プロデューサー、大谷由里子さんが書いた、「言葉の取扱説明書」です。

仕事やプライベートでの人間関係を台無しにする、悪いコミュニケーションの例を挙げながら、気をつけるべき点を教えてくれます。

極端な話、芸能界は人間関係がすべて。そこで培われてきたコミュニケーション術を学べるのが、本書の魅力です。

一体どんな教えが書かれているのか。さっそくチェックしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■「この程度なのか」
例)「売り上げは、この程度なの?」「その程度のことで…」

期待するレベルが高いとつい口に出てしまう言葉。でも、その一言が相手のやる気を失わせる。

意識のズレがある時に「その程度」という言葉が出てくる。だから、「その程度」と言う時は、気をつけたほうがいい。かなり危険な言葉だから。

■「○○はまだなの?」
例)「結婚はまだ?」「子供はまだ?」「就職はまだ?」

人それぞれの理由があるんだから、他人が土足で踏み込むようなことは言わないほうがいい。

■「○○さんはいいよね」
例)「あんたは、好き勝手なことしていていいよね」

隣の芝は青いもの。他人をただうらやむだけの一言は、自分の努力を放棄したのと同じ。

■「僕はそうは思わないよ」
例)人の意見を聞いておいて…→「そうは思わないよ」

相手の意見を聞く時は、自分の意見を持って聞かないのが大前提。聞く気がないなら、最初から聞くそぶりを見せるな。

■「もっと、もっと」
例)「もっと勉強しなさい」「もっと良い人がいるんじゃない~」

「もっと、もっと」は、何かを達成するパワーにもなりうるがガツガツしすぎと思われて、周囲の人を遠ざける場合もある。

■「まかせているから」
相手を信じているのか、単に無責任なのか。言われるほうは責任を押しつけるだけの「まかせているから」に、敏感に反応するもの。

■「なんで○○なの?」
例)「なんでできなかったの?」「なんで失敗したの?」

「なんで○○なの?」と聞くのは、相手に言い訳させるだけ。原因追及より、「どうすればいいか」改善策を考えさせるほうが建設的。
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いやあ、耳が痛い。人は知らず知らずのうちに、まずい言葉を使っているものなんですね。ソフトタッチの本ではありますが、本当に勉強になりました。

というわけで、今年最後の一冊は、

『その言葉、口に出す前に3つ数えなさい』
http://tinyurl.com/6uegf

です。お世話になった人々を来年も大切にするために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

■目次■
第1章 ぐさりと刺さる一言
第2章 相手を反発させる一言
第3章 可能性をせばめる一言
第4章 言ってもしかたない一言
第5章 使い方が間違っている一言
第6章 人間関係を良くする一言
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『働くということ』

2004年12月30日 | Weblog
http://tinyurl.com/4o5vy

本日の一冊は、暗い世の中で、一生懸命に自分らしい生き方、働き方を模索する人々を、ただひたすら紹介した本です。

日本経済新聞の連載をまとめて単行本化したもので、文章は新聞調。ボリュームの割にはあっさり読めてしまいます。

下手に議論を差し挟まず、ひたすら働く人々の姿を紹介し、現在の傾向をまとめることで、むしろ読者に働くことの意味を考えさせてくれる、そんな一冊です。

本文から、現在の労働環境や働く人々の抱える問題点の一部をピックアップしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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ベネッセ文教総研によると「仕事を通じて人の役に立ちたい」という大学生は一九九七年には三人に二人にとどまったが、二〇〇一年には四人に三人を占めた。社会や会社という「公」のためか、自分や家族という「私」のためか。両者をどう調和させるか。働く人々が二つの軸の間で揺れている。

都会の猛烈主義か、地方の「スローライフ」か。働き方の選択肢は着実に広がる。そんな環境で、自らの価値観を見据え、一人ひとりがそれぞれの働き方を探る動きが静かに進む。

情報技術(IT)の普及で新しい働き方が広がる。日本テレワーク協会によると、ITを駆使し、時間や場所に縛られずに働く人は四百万人を超えた。全就業者の六%に相当する。だがバーチャル社会の住人たちは同僚との連帯感や、汗を流した末の達成感への飢えとも闘う。

「普通にやっても七―八割は失敗する。ならば納得ずくで未知のやり方を試したい」(フジスタッフ部長、深津雅史)

カギになるのは、社会学で言うところの「弱い紐帯」だ。

出世したくない若者が増えている。産業能率大学の調査では「地位に関心がない」新入社員は九三年の三五%から増え続け、二〇〇二年には五三%と半数を上回った。社会経済生産性本部が働く目的を新人を聞いたところ、「楽しい生活をしたい」が三五%とトップで、「偉くなりたい」はわずか三%にとどまった。

日本人の所得格差は八一年以来拡大を続け、九九年は過去最高に開いた。「日本が平等社会というのは幻想に過ぎない。貧富の格差は独仏並みで、米国に近づきつつある」(京都大学教授、橘木俊詔)

厚生労働省の試算では、日本の労働力人口の総数は二〇一五年までに九十万人減るが、六十歳以上の層は三百四十万人増える。日本経済の競争力を維持するためには、高齢者の労働力の活用が喫緊の課題だ。

大学卒業者の就職率は一九九一年の八一%から二〇〇三年に五五%まで下がり、定職に就かない層は四百二十万人に迫る。

「すべての人間が人生の一瞬一瞬を、次の瞬間が最後の瞬間となってもいいように生きる」――(アーノルド・トインビー)
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20代でベンチャー企業を起こした若者、リストラの憂き目にあった中高年、したたかに会社を利用してキャリアを磨く若者、極端な成果主義にとまどう人々…。さまざまなケースが登場しますが、読者によって、どの人物に共感するかは異なると思います。実際に働いている人々の話は、本書で読んでみてください。

というわけで、本日の一冊は、

『働くということ』
http://tinyurl.com/4o5vy

です。来年の「働き方」を考える上でも、ぜひ読んでおきたい一冊です。

■目次■
はじめに
第1章 二つの価値に揺れる
第2章 世代のズレに悩む
第3章 不安と向き合う
第4章 会社との距離を探る
第5章 その喜びを伝える
第6章 「常識」を疑い壁に挑む
第7章 答えは悩みの中にある
おわりに
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『超人気キラーブランドの始まりは、路地裏の小さなお店から…』

2004年12月29日 | Weblog
http://tinyurl.com/434bb

本日の一冊は、路地裏の8坪の店から、熱狂的ファンのいる強力ブランドを築き上げた著者が、そのブランディングの秘密を明かした一冊です。

著者が持つメガネブランド、「モンキーフリップ」は、東海地方では、海外ブランドと肩を並べる超人気ブランド。新商品発表の度に話題になったり、マスコミの取材が殺到したりと、まさにキラーブランドのメリットを最大限享受しています。

しかし、そのブランド定着までの道のりは決して平坦なものではなく、紆余曲折を経て、現在にいたっているようです。

本書では、その経験を踏まえながら、キラーブランドとは何か、どうやって構築すればいいのか、またブランドを守るために何に気をつければいいのか、といったポイントを、著者の語り口調でわかりやすく伝えています。

具体的にどんな内容なのか。いくつかポイントをピックアップしてみましょう。
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■本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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ブランド認知度っていうのは「そのブランドの名前を知っている人が何人いるか」が判断基準。ブランド力っていうのは「ある商品についてそのブランドじゃなければダメという人が何人いるか」が判断基準。

世の中にはもう一つ隠れるようにしてブランドが存在しています。そうです。ブランド認知度は低いけれどブランド力が強いブランドです。ある分野が好きな人にとってはカリスマ的な魅力があるのに、その分野に興味がない人は名前も知らないブランド。

ブランド認知ではなく「ブランド力」を熟成させることを考えてください。

キラーブランド目指すなら、あなたが販売する商品やサービスや情報や技術や道に徹底的にこだわってください。

あなたが、そのコアプロダクトにプライドを感じたら、プライドを感じて人生捧げてもいいって思ったら、うん、そのコアプロダクトは本物です。コアプロダクトもあり、それに対してのこだわりを語らせたら「一日じゃとても時間が足りないぜ!」というすでに沸騰中のあなたは、次はそのこだわりを文章にしてください。

キラーブランドはリアルにターゲットを想定し、そこに莫大な量の力を注ぎ込むからこそ「キラー」なのです。(中略)コアプロダクトを使って欲しいと望む人で、その人があなたのコアプロダクトを使ってくれたらたくさんの人が真似するようなただ一人を、リアルターゲットとして選んでください。

プラスアルファは、価格と希少性でした。(中略)以前は原価からの積み上げ方式で価格を決めていたのですが、リアルターゲットをイメージしてからは、ターゲットが喜んでくれるだろう価格を先に設定。ターゲットに向けたゴリゴリのこだわりを薄めることなく、その価格でリリースしはじめたところ、目に見えて売れ方が変わった

実は成功しているブランドって、大体リアルターゲットのいる街に本店や事務所を構えているんですよ。

すべての商品は、「定番要素」と「目立つ要素」でできています。このふたつの要素を充分に意識し、かつバランスよく入れるっていうのが、実は肝なんです。

(キラーブランドのミッションは)もっと自分勝手でいい。社会貢献もヘッタクレも気にせず、エゴ丸出しで、あなたと関わるとどんないいことがあるのか、それをひと言でまとめればいい。

フロントコンテンツ(こだわり要素)とバックコンテンツ(定番要素)が対立概念になってると、そのカテゴリーはインパクトがデカイ

ブランドに名前をつけて、それからシンボルを考え、どの流通でどう接すればリアルターゲットが最も嬉しいかを想像し、どういうアプローチをすれば最も効果的にカテゴリーを広められるかを探り、最終的にあなたのブランドを最高の状態でアピールするカタチで組み上げる(→できたらニュースリリース)

ブランドがお客さまに接する場面って数え上げたらきりがないくらいたくさんあって、僕やあなたがブランドになろうと思ったら、そのすべての場面をひとつひとつ丁寧に組み上げていかなければいけない。
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さすが実業で成功している方の本、といったところですが、装丁や文体からは想像もつかないほど、中身が濃く、参考になります。もっと早く読んでおくべきでした。

というわけで、本日の一冊は、

『超人気キラーブランドの始まりは、路地裏の小さなお店から…』
http://tinyurl.com/434bb

です。小さくても強力なブランドを構築したい、という方にはおすすめの一冊です。

■目次■
第1章 キラーブランドの正体
第2章 キラーブランドのプライド
第3章 キラーブランドの魂
第4章 キラーブランドの導火線
第5章 キラーブランドの最もアツい180日
第6章 キラーブランドの力
終章 アイム・ハッピー
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『希望格差社会』

2004年12月28日 | Weblog
http://tinyurl.com/6snog

本日の一冊は、幸いにして、現在24時間以内発送可能(執筆時)で、しかも内容も優れた一冊です。

著者は、東京学芸大学教育学部の教授、山田昌弘さん。今回の著書では、今後日本が直面する、将来に希望が持てる人と、持てない人が分裂した社会「希望格差社会」について、警鐘を鳴らしています。

先日ご紹介した『「人口減少経済」の新しい公式』でも述べられていた通り、今後、日本経済が縮小していくのは避けられない傾向です。それに伴って、いわゆる「勝ち組」と「負け組」の貧富の差が拡大するわけですが、著者が問題にしているのはまさにこの点です。

参考:『「人口減少経済」の新しい公式』
http://tinyurl.com/53zqq

これまでも、雇用とその影響について論じた書はありましたが、その多くが、極端にマクロな話か、ミクロのうちでも本当に一部だけにスポットを当てた、偏ったものでした。

本書は、将来に希望を持てなくなった人々のボリュームとメンタル面、そしてそれが社会にもたらすインパクトを冷静に論じたという点で、これまでにはない一冊と言えそうです。

さっそく、その中身を見てみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■今後の社会に起こり得る変化
・リスク化
・二極化
・希望の喪失

自由で人生の選択が可能な社会とは、逆に、選択に伴う新たな危険に出会う可能性がある社会なのである。つまり、選択の結果、人並みの生活すらできなくなる可能性が生じる社会でもある。

自己実現ができずに、状態が悪くなったとしても、誰のせいにもできない。つまり、「自己責任」概念が発生する。自己責任は、個人の感情状態に相当の負荷をもたらす。

同時に、自己実現の強要という事態も現れる。リスクをとることが賞賛されるとなると、リスクをとらないでいること、自分の理想をもたないこと、目指さないこと自体が非難されるものとなる。

自由化論者は、選択に対して自己責任をとらせる傾向が強まる社会になると、将来設計について戦略的に考える人々が増え、社会が活性化するという仮説を立てる。(中略)しかし、リスク化が進み、自己責任が強調されると、自由化論者が想定した結果とは、逆のことが起き始めている。それは、「運頼み」の人間の出現である。

■「実力=生活水準の格差」の問題点
1.親の格差による間接効果
2.性役割分業社会――男性の稼ぐ能力に女性は従属
3.弱者の出現

社会秩序にとって問題なのは、格差が納得できるかどうかであって、その際人々が意識するのは、質的な、ステイタスの格差

■現代日本社会における二極化現象
1.職業に質的な格差が出現し、拡大している
2.自分の仕事能力によらない生活水準の格差が出現、拡大している

格差と人々の意識の関係は微妙である。過度な平等は、能力のある人のやる気をなくす。一方、近代社会においては、「生まれ」といった、能力が関係のない要因による格差拡大は、同じく能力のある人のやる気をなくす。また、あまりに能力による格差が強調されると、能力のない人のやる気をなくす。

二極化する仕事を前にして、企業は、雇用行動を変えざるを得ない。それは、専門的・創造的労働者は、企業に必要な中核的労働者として、自社で育て、抱え込み、長時間働かせようとする。しかも、他の企業にとられないように、給与を上げざるを得ない。一方、代わりが効き、マニュアル通りに働けばよい単純労働者、サポート労働者は、コストを下げるために、派遣社員、アルバイトに置き換えようとする。

職業は、人々にアイデンティティ感覚を与える。職業を通じて、社会から認められているという感覚を得、生きる糧にしているのである。そのような感覚から疎外された人が大量に出現すると、社会にとって不安定要因となることは間違いない。

「サラリーマン―主婦型家族」からはみ出るケース
1.家族形成を控えてリスクを回避する人の増大
2.リスクに陥り人並みの生活ができなくなる家族の出現

パイプラインのリスク化と二極化がもたらすもの
1.学歴に見合った職に就けなくなるリスクの増大――「不安感の広がり」
2.あきらめる機会がなくなる――「過大な期待の広がり」
3.「勉強して上の学校に行くことが将来の豊かな生活をもたらす」という期待が失われる

希望の問題は、個人だけの問題ではなく、社会全体の「活力」や「健全さ」そして、「社会秩序」に関わってくる。そして、希望をもつ人が多い社会は、発展し、活力がみなぎるだろう。一方、絶望する人が多い社会は、停滞し、堕落し、「社会秩序」が保てなくなるだろう。
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フリーターや女性についてのコメントは当事者から反感を買う危険性もありますが、データに裏づけされた考察は、非常に読み応えがあります。明日の日本社会に起きる変化を予測する上で、貴重な一冊と言えるのではないでしょうか。

というわけで、本日の一冊は、

『希望格差社会』
http://tinyurl.com/6snog

です。議論そのものは堅いですが、文章は比較的読みやすく、ところどころに図やグラフ、そしてなんと漫画まで挿入されています。食わず嫌いせずに、ぜひ読んでみてください。

おそらく雇用関係の書籍では、今年のベスト5に入る本ではないかと思います。

■目次■
1.不安定化する社会の中で
2.リスク化する日本社会――現代のリスクの特徴
3.二極化する日本社会――引き裂かれる社会
4.戦後安定社会の構造――安定社会の形成と条件
5.職業の不安定化――ニューエコノミーのもたらすもの
6.家族の不安定化――ライフコースが予測不可能となる
7.教育の不安定化――パイプラインの機能不全
8.希望の喪失―リスクからの逃走
9.いま何ができるのか、すべきなのか
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『きっと、よくなる!』

2004年12月27日 | Weblog
http://tinyurl.com/5jk2j

本日の一冊は、来年早々に発売の、本田健さんの新刊です。

昨日見本が届いたので、さっそく読んでみましたが、内容は、いかにもサンマークさんらしい、自己啓発書です。

著者のこれまでの執筆活動・講演活動のエッセンスを、誰にでもわかるように平易な言葉でつづった、そんな一冊です。

一つの項目がほぼ一見開きで完結するようにまとめられているため、非常に読みやすく、後で気に入ったフレーズを読み返すことも容易です。

さっそく、どんな内容が盛り込まれているのか、要点をチェックしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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成功する人が普通と違うのは、その災難をきっかけに、いままでと違う生き方を選んだこと

チャンスを幸運に変える3つの関門
1.チャンスの存在に気づくかどうか
2.チャンスをつかめるかどうか
3.つかんだチャンスを生かせるかどうか

準備ができていないときに、チャンスはやってきます。準備が万端整ったときには、もうそれは、チャンスではなくなってしまっています。

ジョン・レノンのいうように、「あれこれ準備していくうちに、過ぎていくのが人生」です。楽しみを先に延ばすほど、つまらない人生はありません。幸せな人生を生きるには、「何かのために準備する」のをやめることです。

人生は楽しむためにあります。楽しいことは、出来事の中にあるのではなく、あらゆることが楽しいと思える心にあります。

「今後、絶対に言い訳をしない」と決めることは、人生をコントロールする力を自分の手に取り戻す、自由独立宣言

このままの人生を過ごすとして、五年後、十年後、二十年後、死ぬ前の自分を想像してみます。そのときの自分が、「もし何か後悔するとしたら、それはいったい何か」を考える

「やってみるのが怖いこと」の周辺には、実はあなたの情熱も隠れています。

批判をする人は、「あなたによくなってもらいたい」という人です。

優秀なメンターから教えを請いたければ、毎日を一〇〇パーセント生きることです。いい加減に生きている人に、貴重な時間を割いてくれるメンターはいません。

シンクロニシティーを意識しはじめると、連鎖的に物事が起きてきます。予想外にいろいろなチャンスが広がっていき、ベストなタイミングで出会うべき人と出会うようになります。

どんなことでも、自ら意図的に選択してやる

夢を熱く語り合える友人がいるかどうかが、人生の質を決める

成功者は、自分が望む現実が手に入るまで、目の前のことをやりつづけるだけだ

死の恐怖と同じくらいに、成功することへの恐れがある(中略)自分が最初に、豊かで幸せになるには、勇気が必要

自分らしくあるということは、孤独感とも表裏一体です。(中略)それは、「あなたらしい場所には、あなたしか存在できない」からです。(中略)この「健全な寂しさ」に耐える能力が、幸せに生きるためには必要です。

幸せな金持ちになるコツは、実はとっても簡単です。自分にふさわしいものをもち、自分とは合わない物を手放すことです。

与えることは、人生の豊かさを増やします。(中略)「自分がいちばん気に入っている物をあげる」ということが自分にできるか
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これまでの著作と違い、完全な自己啓発書になっているため、ビジネスパーソンにとっては、物足りない部分もあるかもしれません。

ただ、編集サイドの意図で言葉は最小限に抑えられているとはいえ、本質を突いた主張は相変わらずといったところです。

というわけで、本日の一冊は、

『きっと、よくなる!』
http://tinyurl.com/5jk2j

です。発売前にすでに話題作となっているようです。欲しい方は、いますぐ予約ですよ。

■目次■
◎準備ばかりの人生をやめよう
◎お金の過食症、拒食症に気づく
◎十年後の自分からアドバイスをもらう
◎ライフワークは「幸せ感」の近くにある
◎お金持ちほどパートナーを大切にする
◎子育ては、世界一すばらしいライフワーク
◎「自分発」で人生を生きる
◎ あなたの夢は発芽の時期を待っている
…etc.
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『英国ワーキングクラス直伝「逆成功」のルール』

2004年12月26日 | Weblog
http://tinyurl.com/7y73f

本日の一冊は、ハイテク業界のジャーナリストとして活躍し、その後イギリスに社会人留学した著者が、そこで出会ったワーキングクラスの「逆成功」哲学を紹介した一冊です。

ここで言う「逆成功」とは、金銭的な利益や、肩書きを追うよりも、人生の充実を優先させる。そして、「歩むべき道を探し、ふさわしい仕事をし、人生を大いに楽しみながら、『かえって成功してしまう』」状態になることです。

著者によると、これは「アメリカ発の成功の法則のように、弱った心臓をカンフル剤のように強い刺激で動かすような方法ではない。根拠のない自信を持ったり、一種の洗脳状態になったり、揺り戻しで落ち込むこともない」方法のようで、上昇志向の人でなくても応用できそうな、そんな考え方です。

では、具体的にどんな考え方が示されているのか、さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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清く正しく。日本人がそうやって生きるのはまことに結構なことだ。(中略)善良ぶって、騙されてもいいなんて考える人間は、ただのマヌケだ。決して”いい人”なんかじゃない。

ダメでもともとじゃないか、と考えるようになって変わった。(中略)何も期待しないでとにかく体当たりの数をこなしているうちに、ふと見えてくるんだ。何か大きく光るものが。偶然のようだが、それだけやった人間にだけ見えるものがある

家族や、守るべき大切なものがある人間は、自分を守ることによって周りのものも守れる。身内だから我慢してもらおう、あるいは周りにも一緒に犠牲になってもらおう、という考え方は間違いだ。

幸せはやってこない。あらゆる手段で探しあて、引っ張り出し、大きくする。つまらないように見えることでも、面白がるのは才能、そして努力が必要だ。その努力を惜しまない人間が結局は多くの幸せを見いだし、人生の蜜を堪能する。これが逆成功である。

ワーキングクラスは独自のネットワークを形成している。人間がお互いに信用できない社会で、信頼できる者同士が固まるのは当然(中略)どの部分においてプロであるか、が唯一このネットワークの中で問われる

仕事を楽しくやってこそ、自分の人生が充実する、というんだ。仕事そのものには、人生を自動的に楽しくさせるような機能はない

逆成功する人間は、差し出された皿はとりあえず喜んで受け取り、味見して、平らげる。充分味わったそのあとに、ウマイとかマズイとか言っても遅くない。まずは先入観を捨てて、真っ白であること

言い訳が上手な人間が友達にいたら、思い出してみるといい。そいつは、おそらく、明るく賢い奴だ

本当の受益者は誰か? を考えろ。

■頑張らないで生きる10のルール
1.将来のために準備ばかりするより、今を存分に生きろ
2.競争するな。自分と戦え
3.過去の自分はどこにもいない。だから縛られるな
4.笑え。それは武器になる
5.1秒で不幸を吹き飛ばす(意味をあれこれ考えるな)
6.陽に当たれ。太陽とともに仕事をしろ。たらふく肉を食ってビールも飲め。満腹になったらとっとと寝ろ。
7.ユルく自由に生きる(自分に甘く、人にも甘く)
8.言葉で思考回路は変わる
9.脱エリートは勇気の証明
10.弱さの特権も使いよう
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このほかにも、「最悪の時期を乗りきる8つのルール」や「お金なしで幸せになる8つのルール」などが続きます。イギリスだからできる、という部分もありますが、肩の力を抜いた生き方の姿勢には共感できます。

というわけで、本日の一冊は、

『英国ワーキングクラス直伝「逆成功」のルール』
http://tinyurl.com/7y73f

です。ポジティブシンキングに疲れた方にはおすすめの一冊です。

■目次■
はじめに
第1章 シャ場を生き抜く逆成功13のルール
第2章 頑張らないで生きる10のルール
第3章 最悪の時期を乗りきる8つのルール
第4章 お金なしで幸せになる8つのルール
第5章 具体的に何から始めるか
おわりに
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『経営者、15歳に仕事を教える』

2004年12月25日 | Weblog
http://tinyurl.com/6v3yo

本日の一冊は、日本IBMの会長、北城恪太郎さんが、中学生の目線で経営の何たるかを説いた、ユニークな一冊です。

北城さんの新人時代の経験から、取締役になって仕事をするまでの一連の流れと、そこで得られた教訓が、平易な言葉で語られています。

タイトルには「15歳に仕事を教える」とありますが、社会人へのエールとも取れる教訓が、いたるところに散りばめられています。

具体的にどんな教訓・エピソードが盛り込まれているのか。さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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つくるだけのアマチュアと、止まったときのことも考えるプロ。「つくることによる満足」と「つくることの責任」の違いを感じること、それがすなわち「仕事」を知ることなのです

いい加減に返答してしまって、相手が迷惑をこうむるというのは、仕事をするうえでやってしまいがちなミスです。わからなくても、その後の対応さえしっかりしていれば、お客様は不満をもちません。「わからない」といえる勇気をもつことが重要

一芸に秀で、ものごとの道理を知って、つぎの仕事につなげていく。これが仕事に自信をもつ一番の近道

お客様にとっては製品が新しいかどうかは二の次。そんなことより、それが自分たちにとってどう役に立つのか、どんなことをしてくれるのか、という話が聞きたいのです

組織が成果や業績を上げても、人材が育っていないのでは、管理職として充分に仕事をしているとはいえません

結局、お客様に理解していただくには、会社のためではなく、お客様のために役に立ちたいと思う、一種の使命感が必要なのかもしれません

会社が利益を上げていく上で大切なのは、お客様に満足していただくこと。それを邪魔するような規則や習慣は、本来、排除していかなければならないものです

経営者は、ものごとを、ひとつの側面からだけでなく、いろいろな角度から見なくてはなりません。何かを実行したら、必ずそれにともなう反作用があります。業績が上がっても、社員の意欲や働く職場環境に悪影響が出たりもします

嫌なことを決めるからこそトップであり、いいことだけを決めるならトップでなくてもいいのです

経営者が業績目標を立てる際には、客観的な根拠のある数字にこだわるよりも、少し大きめの数字を出し、できるだけ制約をなくして、社員に挑戦させることが重要

悪い話があがってきても怒らない、これが肝心(中略)怒らないことによって、現場の実態を知り、結果的に正しい経営判断ができる

次の世代の価値観や方法論で会社の進路を変えていく、その連続によって会社は伸びていくもの

状況が変われば過去に決めたことでもすぐに変えられる柔軟性をもっている会社は競争力があります。トップが朝令暮改、軌道修正をしたとき、すぐにそれを受け入れて行動できるような企業文化をもった会社こそが本当に強いのです
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平易な言葉ながら、社会人として、そして経営者として大切な教訓や心構えを、見事に表現しています。

というわけで、本日の一冊は、

『経営者、15歳に仕事を教える』
http://tinyurl.com/6v3yo

です。200ページとちょっとの読みやすい本です。いま一度自分を引き締めるために、読んでおきたい一冊です。

■目次■
はじめに
第1章 仕事とはどういうことなのか
第2章 経営とは何をすることなのか
第3章 これからの会社はどうあるべきか
第4章 これからの教育はどうあるべきか
第5章 これからの君たちはどう生きるべきか
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『この会社はなぜ快進撃が続くのか』

2004年12月24日 | Weblog
http://tinyurl.com/579pj

本日の一冊は、全国6000社を訪問したという著者が、10年以上高成長を続けている22社を厳選し、そこから見えてきた成功の法則と具体的事例を紹介した一冊です。

本書でいう「快進撃企業」とは、

1.売上高が右肩上がりに増加している
2.売上高経常利益率が5%前後以上維持している
3.従業員数の維持・拡大が図られている

という3つの特徴を持ち、かつ「感動」を創造・提案する企業であるということで、いわゆる大企業ではないですが、確かに好業績の優良中堅企業が取り上げられています。

では、実際にどんな教訓が盛り込まれているのか。さっそく赤ペンチェック行ってみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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全国の「景気超越型企業」「景気創造型企業」すなわち”快進撃企業”を訪問調査してみると、これら企業の”経営学”は驚くほど似ていることがわかる。その共通的特徴はたくさんあるが、その最たるものは、本書のテーマでもある「感動」である。

■「快進撃企業」の共通的特徴・キーワード
1.経営者の経営姿勢・リーダーシップ
2.高い志・ロマン・ビジョン
3.人財
4.創造力
5.アウトソーシング力・ネットワーク力
6.グローバルスタンダード
7.感動的商品・感動的接客サービス
8.財務力
9.製販一体型
10.多品種少量型
11.コスト改善力
12.小さな本社

■未来工業株式会社の例
・大手商社や大手問屋を通さず、工事業者や末端に近い問屋と直接取引をしている
・創業以来重視している提案制度が見事に機能している
・社員が要望して、なるほどと思うことはすべて会社が取り入れ、実行

超優良企業の本社は小さい。これは、本社が小さければ、本社だけであれもこれもできなくなるので自然と分権化が進むし、何よりも低コスト経営が実現できるからである。

超優良企業に共通して見られる特徴・特質はたくさんあるが、その一つが社員を管理するルールが必要最小限のものしかないという点

■株式会社サンキューの例
・「ありません・できませんノート」とは、同社の全社員がポケットに忍ばせているメモ書きノートのことである。顧客の要望に対応できず、「ありません」「できません」と言わざるを得なかったことをメモしてグループ本社に送り、その対策を全社員で考えるのである。

■沢根スプリングの例
・会社の都合や効率のみの経営ではなく、人に優しく、残業しないで儲かる経営、つまり「人のやらない・やれない・できないビジネスを創造する経営」
・担当が違うとか、担当者がいないとかといって電話をたらい回しするような社員は一人もいない(中略)同社では知識や情報の共有化はもとより、問題の共有化が全社員に浸透している

■杉山フルーツの例
・通信販売比率が業界と比較して、抜きん出て高い(中略)町の小さな果物屋ではあるが、ITへの積極的な取り組みが機能している

■伊那食品工業株式会社の例
・当社はこれまでも、これからも社員のリストラは決してやりません。なぜならば、当社にとって人件費はコストではないからです
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一部、提灯記事と化している部分が見受けられますが、参考になる部分も数多くあります。なかなか書籍ではお目にかかれない企業の事例が取り上げられているということも、本書の価値だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『この会社はなぜ快進撃が続くのか』
http://tinyurl.com/579pj

です。中小企業の経営者にはおすすめの内容です。

■目次■
第一章 快進撃企業から学ぶ
第二章 社員に感動を与える企業
第三章 顧客に感動を与える企業
第四章 感動する商品をつくる企業
第五章 地域に感動を与える企業
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『キヤノン流現場主義』

2004年12月23日 | Weblog
http://tinyurl.com/6n59m

本日の一冊は、キヤノンの御手洗冨士夫社長が、その経営の要諦を話し、ジャーナリストがまとめた一冊です。

開発や組織マネジメント、戦略、そして会社としてのあり方まで、御手洗社長の個性的な考え方をうかがい知ることができます。

聞き書きというスタイル自体への不満があるものの、プロの書き手が書くことによって、読みやすくなっているのは間違いありません。

では、具体的にどんな内容が盛り込まれているのか、さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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会社にとって大事なのはまず「従業員の生活の安定を図ること」であり、二つ目は「投資家に利益を還元すること」、三つ目は「社会貢献をすること」、そして四つ目は「先行投資するに十分な資金を稼ぐこと」である

ある事業に携っている人がどれほど愛着を持っていようと、長期不採算事業であれば閉鎖するのが当然

安心して開発投資をするには、借金を返して自己資本の充実を図ることが第一条件

P/L(損益計算書)重視の経営にはしばしば落とし穴があります。(中略)それに対してキャッシュフローを重視するということは、お金の流れから会社の実態を把握していくということです。(中略)これを分析すれば「自由に使える資金が手元にどれだけあるのか」もつかみやすくなります。

■企業が自由に使える資金源
1.過去の投資に対する減価償却費
2.税金を支払ったのちの純利益
3.管理努力により売掛債権や在庫などの資産を圧縮して得られる資金

会社全体で力を発揮していくには適切な目標設定をすること、目標を支える考え方の浸透を図ること、目標を実行するための仕組み作りの三つが必要

目標設定と実行をうまく機能させる方法をひとことで言えば、「トップダウン」(中略)決断し行動する人物が会社全体をよい方向に導いていく、そんなイメージです。

漠然とした目標ではなく、後で達成の度合いを評価できる経営目標を立てるとなると、多面的な情報収集が必要(中略)情報収集の際に大切なことは、みなにもよく言うのですが、「情報は待つな。取りに行け」ということ(中略)もう一つ、情報収集に関連して重要なことは情報の「本質を見抜く力」

スピードの速い経営をするためには、やはり人心が安定していることがとても大事

会議に出席するときは必ず目的を持って、会議に来てからものを考えるのではなく、会議には結論を持って来るようにとみんなに言っています。

かりに自分の提案に対する反対意見があっても、相手がなぜそう考えるのかを理解できれば、感情的な対立にはならない

「本格的な基礎技術が確立していなければ、製品化してはならない」(中略)どんなものであれ、製品は技術の上に乗っています。製品を支えている技術が多様であり、深ければ深いほど、その製品は差別化できますし、寿命も長くなります。それが重要なのです。

■「社会に親しまれる会社」「社会から尊敬される会社」の条件大前提:業績が優良である
1.社員が優良市民であること
2.環境との共生
3.コンプライアンス(法令遵守)
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「現場主義」という割に、包括的な経営の話でしたが、なかなか興味深い内容です。これまでのキヤノン本と比べても、まずまずの出来だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『キヤノン流現場主義』
http://tinyurl.com/6n59m

です。御手洗社長の考え方を理解したい、という方にはおすすめの一冊です。

■目次■
序章 利益重視の原点
第一章 利益追求への改革
第二章 会社を強くするコミュニケーション
第三章 組織を動かす仕掛け作り
第四章 メーカーの競争力の源泉
第五章 戦略の柱は多角化と国際化
第六章 社会に親しまれる会社
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『人生の座標軸』

2004年12月22日 | Weblog
http://tinyurl.com/4f77w

本日の一冊は、民間No.1ビジネススクールとして知られる、グロービスの代表、堀義人さんによる一冊です。個人のことについて書かれた本は、『吾人の任務』に続き、二冊目です。

参考:『吾人の任務』
http://tinyurl.com/5zmrp

個人、家族人、組織人、日本人、アジア人、そして地球人としての座標軸から、社会や人生、仕事について論じたもので、それぞれの座標軸に対する著者の考え方が示された後で、ウェブ上で展開されていたコラムが挿入されています。

起業家の日常や、仕事上での悩み、家族とのやり取りを読みながら、自分の人生についても考えさせられる、そんな本です。

国内外に幅広い人脈を持ち、また起業家とMBAホルダーという、2つの顔を持つ著者だけに、トピックには事欠きません。韓国大統領をはじめ、国内外の有名人とのやり取りや、ハーバード・ビジネススクール時代の話、起業の話など、じつに興味深いトピックが、飾らない言葉でつづられています。

著者の日常や仕事の風景は、本書でお読みいただくとして、ここでは、本書から得られる教訓・考え方などをピックアップしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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各人がそれぞれの座標軸をしっかり意識し、自らの役割を定義して、人生設計をしたうえでプライオリティをもって行動しているならば、どんどん思いきったチャレンジをすべきだと思う。

僕は、長い人生のスパンで、人生のバランスがとれていればそれでよいと思っている。つまり、学ぶ時期や社会で勝負する時期、家庭をつくり上げる時期など、なにかを成し遂げるときには、そのことに集中することが重要なのだと思う。

僕は、ものごとをフレームワーク(枠組み)で捉えることにしている。複雑なものを考えるときには、単純に構造化されたモデルを頭の中でつくったほうがわかりやすくなるからだ。

■「個人」としてのバランスを考えるときの枠組み
1.心
2.頭
3.体

頭で考えたことよりも、心で感じることを最優先する

頭の枠組みをさらに分類すると…
・考える力
・知識
・伝える力

知識、考える力、伝える力の三つの中で、最も難しいのは、この伝える力ではないかと思っている。それだけ、考えていることが伝わらないのだ。伝える力を育成するには、当然、言語処理能力が必要になる。可能ならば英語と日本語双方の言語における処理能力をもち、つねに高めつづけることが望ましい。これに加えて、受け手の感情を理解する心理学の知識、さらには詩的でアーティスティックな感性、人間力などが必要になるのだろう。

家族を考える際には、なにを尺度に競争すればいいのか。僕は、その勝ち負けの尺度を、個人のレベルだけではなく、家族全体のレベルでも考え、その判定を家族全体という「チーム」に委ねたらどうだろうかと考えている。

「忙しいのによく家族との時間がありますね」と言われることが多い。「ある」というよりも「がんばってつくる」しかないのだ。仕事をしながら、家族との時間をいかに確保するかは難しい問題だ。そうとう強い意識をもたないと、なかなか実践できない。

■著者の考える「働きたい組織」
1.よい仲間に恵まれ、
2.やりがいがある仕事ができ、
3.最大限能力を開発することに喜びを感じられ、
4.社会に貢献していることを実感でき、
5.やった分だけの成果が配分される

どういう人が幸せになっているかというと、先述した要素を備えた勝ち組組織をいっしょになってつくっている人々である。転々と一匹狼のように生きていくよりも、よい組織に所属してその組織をさらによくすることに尽力し、その成果をみなで分け合うほうがよいのではないか

「勝つ組織」=「個の爆発」×「崇高なビジョン・理念・基本戦略の確立と浸透」×「規律の精神」

個人の爆発が生み出すエネルギーが利益に結びつくように組織設計をして、ベクトルを合わせるのがマネジメントの仕事

■今後の日本に求められていること
1.政府レベル:市場原理を徹底的に導入して公正な競争を促進する
2.企業レベル:アジアナンバーワン、グローバルナンバーワン企業を目指す
3.個人レベル:グローバルに通用するビジネスリーダーへ

「一隅を照らす」――この言葉が好きだ。(中略)偉そうに黒塗りの車に乗ってなにもしない経営者、言葉だけの評論家、威張ってばかりいる役人の姿よりも、日々の生計を立てるために、汗を流して労働している姿により強い感銘を受けるのだ。(中略)個々人が成し遂げることの大小よりも、自らが与えられた環境の中で、精一杯に生きているかどうかのほうが重要なのだと思う。
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長いスパンで人生のバランスがとれていればいい、なにかを成し遂げるときには、そのことに集中することが重要、という指摘は、現在バランスが取れておらず、負い目を感じている身には、とても励みになりました。きっと著者も起業家として、同じような経験をしたのでしょうね。


というわけで、本日の一冊は、

『人生の座標軸』
http://tinyurl.com/4f77w

です。とかくバランスを崩しがちな起業家にとって、人生のバランスを取る良いきっかけを与えてくれる、そんな本です。

■目次■
はじめに
第一章 個人――起業家のフレームワーク1
第二章 家族人――起業家のフレームワーク2
第三章 組織人――起業家のフレームワーク3
第四章 日本人――起業家のフレームワーク4
第五章 アジア人、そして地球人――起業家のフレームワーク5
おわりに
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『「儲けの手帳」公開します!』

2004年12月21日 | Weblog
http://tinyurl.com/6apm2

本日の一冊は、『失われた「売り上げ」を探せ!』や『「儲け」を生みだす「悦び」の方程式』などの著書で知られるコンサルタント、小阪裕司さんによる一冊です。

参考:『失われた「売り上げ」を探せ!』
http://tinyurl.com/4guhu

参考:『「儲け」を生みだす「悦び」の方程式』
http://tinyurl.com/5kd4n

ギラギラした表紙やタイトルとは裏腹に、逆境にもめげず、地道に成果を上げている中小企業の事例が紹介されています。

これまであまり紹介されたことのない、中小の優良企業の事例が中心で、なかなか興味深いマーケティング手法や顧客維持の施策、社員のモチベーションアップの手法などが紹介されています。

どんな事例があるのかは、目次のところで見てもらうことにして、赤ペンチェックでは、重要な教訓・ヒントをピックアップします。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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どんなに自信のある商品でも、お客さんは値段に納得しないと買ってくれません。(中略)お客さんは商品の価値をご存じありません。背景や意味もご存じありません。売る側が語らないと、それはなかなか伝わらないんです。

コミュニティが形成されると、売れる世界は自然と見えてくるものです。商人にとっては売ることが第一ですが、コミュニティの最大のメリットは、作り手や売り手の思いが伝えられること

「軽い」「重い」「フルーティ」といったありがちな表現は使わず、このお酒を飲んだらどんな幸せが感じられるかを語る

(社員に)金銭で報いる方法も検討したのですが、その方法では部署によってハードルの高さが変わります(中略)全員を一括りにして評価するには、金銭より名誉

ニューズレターで紹介するとコンビ二でも九谷焼作家のカップが売れる

価格で競争するのもひとつのやり方でしょうが、キャラクターで競争するという方法もあるのです。

商品をただ並べるだけで売れるわけがありません。そんな時代はとっくに終わっています。ましてや、値段が高ければなおさらです。お客さんは商品の価値を知りたいんです。

本当の商売とは、商品の価値をお客さんに教えて、今まで知らなかった世界を体験させてあげること

仲間をねぎらう気持ちを大事にすると、小手先のマネジメント手法より何倍もモチベーションが上がります。

「儲かる仕組み」を作ると、目先の利益を追わなくても儲かるようになります。

ちょっとしたプレゼントを添えることも現場の判断で行います。このようなプロセスを何回か繰り返していくと心理的な距離が縮まり、塾や先生のファンになってくれる人が増えます。

クリニックの方針を語れば語るほど、やる気のある優秀な人材が来てくれる

私の仕事は注文をとることではなく、安城建築の家がいかにすばらしいかを伝えること

POP一枚で次のオーダーが頂けるのですから、わずかな手間を惜しむわけにはいきません。

どうしてわざわざこんな商品を作るかというと、私自身が使いたいから

やはり商品に惚れ込んだ人に売ってもらうのが一番

手書きの礼状で通販実績が34%伸びた

わが社がフォーカスすべきは得意先の「人」だった

新ビジネスの条件はたったひとつ。「手持ちの設備・人材だけで始められること」
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ページ数の都合もあり、若干掘り下げが足りない感があるのですが、事例そのものは大変興味深いものばかりです。

というわけで、本日の一冊は、

『「儲けの手帳」公開します!』
http://tinyurl.com/6apm2

です。いま流行の図解シリーズで、写真や図が添えられているので、より理解を深めることができます。


■目次■
プロローグ
「高くても売れる」――こだわって、悦ばれて、儲かる、職人商売!
会員権バブルがはじけたのに高収益を上げるゴルフ場!
頭打ちだったコンビニが地域ダントツの店に変身した!
市場が成熟しているのに「酒屋は成長業種」ってホント?
少子化時代に教室数を10倍に増やした学習塾!
やる気のある優秀な人材!しかもモチベーションがどんどん高まる
「相見積もりゼロ」を実現、お客・職人とファミリーを創る工務店?
冠婚葬祭の激戦地で婚礼受注2万件
女性は買い物が大好き! だからイマンは、「お知らせ」するのです
都会でなくてもワクワク系で商売はこんなに元気だ!
2~3ケタ増を実現した日本料理屋のワクワクコピー!
名古屋・大須のローカルブランドが欧米ブランドに伍して第4位?
ワクワク系のめがねで、足元の宝の山を発見した!
資格やキャリアは関係なし!それでも全国の顧客から頼られるコンサル
大企業のサラリーマンでもワクワク系で仕事が激変した!
1年後の1億より10年後のすごいビジネス!
商売繁盛15連発!
エピローグ
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『ザ・ファシリテーター』

2004年12月20日 | Weblog
http://tinyurl.com/668km

本日の一冊は、最近いくつかの書籍で紹介されている「ファシリテーション」に関する書籍です。

ファシリテーションの場合、コーチングなどと一緒で、理論は理解できても、肝心のプロセスが習得できないと意味がありません。

本書では、その点をふまえ、ストーリー形式でファシリテーションの技法が紹介されています。

ファシリテーションの技術を使い、マーケティング部門の生産性を飛躍的に高めた若手女性リーダー、黒澤涼子が、今度は開発現場の意識改革と組織変革、そして生産性の向上に挑むという、なんとなく『ザ・ゴール』的なストーリーになっています(笑)。

とは言え、さすがにMITでMBAを取得し、GEに勤務。実務経験を経て、日本ファシリテーション協会の理事を務める著者だけあって、ストーリーの作りは緻密で、読者はあたかも自分が現場にいるような感覚で理論と実践を学ぶことができます。

本文が会話体で展開されているため、引用は難しいですが、要点だけ抜き出してみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■ファシリテーションとは
皆さんが持っている知恵や疑問をうまく引き出し、反応させて、いちばん優れた考えを導き出す「グループウェア」のようなもの

■新任管理職インテグレーション
・よそ者を受け入れる際に、お互いの心理に起こる「お前は何者だ?」とか「自分は受け入れられるだろうか?」といった懸念を払拭するために設計されたやり方
・グループダイナミックス理論の応用で、新しい管理職をすばやくグループに溶け込ませるための手法
・リーダーの出入りの多い欧米企業などでよく用いられる

■心理学者のタックマンが組織の進化として唱えたモデル
組織は、形成(フォーミング)された後、すぐに機能(パーフォーミング)しはじめるのではなく、その前に、ストーミング(混乱・対立)があり、ノーミング(統一)が進んではじめて機能しはじめる

■GE式ワークアウトの狙いと効果
・ひたすら「ストレッチ」する
・「システムシンキング」を育てる
・既成概念にとらわれない水平思考を促す
・本当の権限委譲と「説明責任」を生み出す
・短サイクルでの変革とすばやい意思決定を手にする

相手の緊張をほぐすような簡単な質問を何度か繰り返してから、次第に核心に迫る質問を繰り出していく。ベテランのジャーナリストなどがよく使うインタビューのテクニックだが、ファシリテーターにとっても重要なスキルだ。

塩崎は、相手の発言を鸚鵡返ししながら書き留めた。発言を繰り返すことで、相手への同意の気持ちを伝えることができる。塩崎は、発言を促すために意図的に繰り返した。

取り組んだことすべてがうまくいくわけではないのだから、より高い自己目標を設定しておかなくて、どうして所期の目標を達成できるのか。GEのウェルチ前会長が、ストレッチゴールと呼んでいた発想だ。

SWOTは、機会と脅威という環境要因と、自社の強みと弱点という内部要因を組み合わせた簡単な表を作成するエクササイズだが、完成した表よりは、これを皆で作成するプロセスが重要(中略)書かれた言葉以上に、問題意識が深く共有化される。それを目の前にして議論すると、建設的な意見が増える。同じことでも外部の人間から言われたのでは、反発が生まれるかもしれないが、こうして自分たちが考えれば動機が内在化する。

ブレーンストーミングではアイディアに対する批判はご法度だが、往々にして批判は出てくるものだ。そういう発言を、いちいちとがめるのではなく、PAと題した紙を一枚用意してすばやく書き留め、話を本筋に戻す。皆に見えるようにPAを貼り出しておくところがポイントだ。

二つ以上の組織が共同して働くとき、多くの場合、問題は組織と組織の間に発生する

何のためにやっているのか混乱しているなと思ったら、ツリー状に目的と手段を結んで構造を示すのがいい(中略)ツリー構造を描きながら議論すると、全員で真の目的を共有することができます。

■プロセスマッピング
・物や情報の流れをブロック図に表していく
・客観的に自分たちのプロセスを見直すのに役立つファシリテーション・ツール

社員の行動を変えられないのなら、組織やプロセスをいじっても混乱するだけ無駄というものだ。

■フォース・フィールド・アナリシス
あるべき姿を妨げている『力』。例えば、マーケティングが、各市場セグメントの魅力度をよく把握していないとしましょうか。それは、マーケティングの人たちがそうしようとしていないのか、能力がないのか、やろうとしているのだが、もっと他にやるべき事があってできないのか?どういう力が働いてそうなっているのかを書いてほしい

ミッションですから、達成したかどうか計測できるように書くことが重要 しかし、これを達成したいと思わせる、感性に訴える要素もいる

人の気持ちが続くのは九〇日だ。その間に改革を軌道に乗せられるかどうか。それが失敗と成功の分かれ道だ

理想はそういうチーム作りだね。優秀なプレーヤーほど、練習をノルマだとは思っていないでしょ。栄光への道だと信じている。繰り返し同じ動作を練習しても、取り組むプレイヤー一人ひとりの気持ちによって、結果には大きな違いが出る。この会社も、これから実施する組織変更だけでは何も変わらない。新しいリーダー、そしてSWATの卒業生達が、気持ちや行動のうえで要にならなければ改革は成功しない。せっかく生まれた目標に対する内発的な動機付けを、どうやって維持するか。そこが勝負だと思います

■ホーソン実験の教訓
1労働者の行動は、感情から切り離しては理解できない。
2感情は偽装されることが多く、面接では把握しにくい。
3感情は、その人全体的状況と合わせてはじめて理解できる。

ファシリテーターの人たちは、チームが達成しようとしている目的から絶対に目を離さないんだよ。その上で、人と人とのインタラクションに注目している。感情的なしこりが障害になっていると思えば、それを取り除くことを考える。既成概念にとらわれて新しい発想ができないと見れば、視野を広げようとしたり、時にはショックを与えて目を開かせてくれる。

■会議を阻害する五大悪癖
1過去の話を繰り返すだけ
2自分達がコントロールできない他の部署などのせいにする
3アクションを決めない
4全体最適に逆行する部分最適の主張を繰り返す
5堂々巡りの議論
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MBAで学ぶ分析ツールや理論が数多く登場しますが、わかりやすく書かれているため、予備知識がなくても読むことができます。むしろ、楽しいストーリーを読みながら理論を学ぶ良い機会といえるでしょう。

というわけで、本日の一冊は、

『ザ・ファシリテーター』
http://tinyurl.com/668km

です。ストーリー形式で書かれているので、ファシリテーションの
プロセスを学ぶのに適した一冊だと思います。

■目次■
はじめに
第1章 リーダーズ・インテグレーション
第2章 開発センターの改革
第3章 全社改革へ
第4章 SWAT
第5章 エグゼキューション
第6章 何が変わったのか
エピローグ
あとがき
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『ダントツ飲食店の繁盛ノート』

2004年12月19日 | Weblog
http://tinyurl.com/56csb

本日の一冊は、あのブッシュ大統領と小泉首相が会談した居酒屋「権八」のスタッフ教育を担当した飲食コンサルタント、加藤雅彦さんによる、飲食店のためのノウハウ集です。

グローバルダイニング在籍中、6年間にわたりしたためていた「繁盛ノート」の中から、スタッフの採用・教育、そしてコミュニケーションに関する部分を抽出し、まとめたものだそうです。

ちなみに共著者の大久保一彦さんは、みなさんご存知のカリスマ飲食コンサルタント。著書に『誰も言わなかった!飲食店成功の秘密』『「行列のできるダントツ飲食店」の秘密』などがあり、飲食店経営で儲けるための勘所を押さえた内容が好評を博しています。

参考:『誰も言わなかった!飲食店成功の秘密』
http://tinyurl.com/6dgrx

参考:『「行列のできるダントツ飲食店」の秘密』
http://tinyurl.com/46zke

今回は「繁盛ノート」ということで、実践ノウハウが淡々と説かれています。そのなかから、一部ご紹介しましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■加藤流・5つの面接基準
1.「DNA」を重視する
2.笑顔がさわやかでハキハキと物事を話す人
3.向こう気の強い人間、負けず嫌いの人間
4.特別なセンス・才能を持っている人間
5.部活動経験者

■面接で効果的な10の質問 ※一部ご紹介
1.あなたが思う「よい接客」とはどんな接客ですか?
3.どんなことでもかまいませんので、苦手なことを教えてください
4.いままで、最も勇気と決断力を必要としたときはいつですか?
5.いままでに一番感動したこと、またどうして感動したかを教えてください
6.いままでに一番辛かったこと、またどうして辛かったかを教えてください
10.あなたの人生を生きていくうえでの価値基準がありましたら教えてください

■オリエンテーションを進める6つのステップ
1.会社の経営方針、目標
2.ハウスルールの説明
3.オペレーションルールの説明
4.組織図
5.シフト表の見方と勤務スケジュールの説明
6.ロールプレイング

■いますぐ聞き上手になれる4か条
1.体を動かさないように心がける
2.先入観や自分の基準は捨てる
3.自分は話したくても我慢を心がける
4.精神論は二の次

「ほめる」のではなく「認めて育てる」
※「ほめる」は自分が基準 「認める」は相手が基準

スポーツと同じように、飲食店にも攻撃のような役割(ホール)と防御の役割(キッチン)、そして両方を行なう中間的な役割(デシャップ)があるのです。(中略)よいフォーメーションを組み、さらによい人材に恵まれれば、お客様を感動させるようなサービスを提供できる飲食店に変わるわけです。

■ミーティングで話すべきこと
・店長や料理長の考え、ビジョン
・お店としての目標・方向性
・接客の楽しさの再確認
・普段の業務における、各スタッフのよかった点の紹介
・明確な責任分担の確認

■ミーティングにおける注意点
・情報の公開
・スタッフに考えさせる

■本当の笑顔を引き出す「7つの環境」
1.お互いが意思を確認できる環境
2.一度決めたら絶対に継続する環境
3.フェアーな環境
4.スタッフに未来が見える環境
5.高いパフォーマンスを発揮できる環境
6.ゲームな環境
7.ほめる環境・叱る環境
-------------------------------------
繁盛ノートの内容は、実践的で参考になりますが、正直、本文の掘り下げが甘く、読み応えに欠けます。飲食業界の関係者以外には、ちょっとつらい内容かもしれません。

というわけで、本日の一冊は、

『ダントツ飲食店の繁盛ノート』
http://tinyurl.com/56csb

です。非常に読みやすい本ですので、飲食業界の方には良いのではないでしょうか。

目次
はじめに
第1章 モテないお店からいますぐ脱出しよう!
第2章 「ダイヤの原石」を発掘する驚きの採用面接術
第3章 新人スタッフをダントツ・スタッフに変えるスーパー会話術
第4章 店長は「監督」になれ!あなたのお店を最強チームに変える法
第5章 お客様を感動させる!「戦略的シフト」編成術
第6章 人件費率を43%から27%にする究極の方法
第7章 スタッフの心を1つにする「ミーティング」のススメ
第8章 現場の空気がガラリと変わる!「ミーティング」実践ノウハウ
第9章 ダントツ・マスター直伝!お店が笑顔に包まれる接客術
第10章 1分間でスタッフをその気にさせる魔法のひと言
おわりに
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『社員がワクワクして仕事をする仕組み』

2004年12月18日 | Weblog
http://tinyurl.com/5wc67

本日の一冊は、日本経営合理化協会の辣腕編集者、Oさんが手掛けた最新のビジネス書です。

Oさんは、あの伝説のベストセラー『地上最強の商人』を世に出した方で、土井がもっとも尊敬する編集者の一人です。

『地上最強の商人』
http://tinyurl.com/3pdwl

そのOさんが手掛けた今回の一冊は、タイトル通り、社員がワクワクして仕事ができる仕組みづくりを説いた本。もっと言うなら、社長が「本当に仕事を任せられる幹部・社員」のつくり方を説いた本です。

経営者、あるいはマネジャーであれば誰しも、部下が自主的に仕事をし、成果を出して欲しいと願っているはずです。しかし、多くの場合、その望みはかなわないわけですが、それには必ず理由がある、というのが本書の立場です。

本書では、部下が育たない理由を具体的に解き明かし、経営者として何をすべきか、そして具体的にどうやって施策に落とし込んでいくかを、チェックシートなどの具体的なツールを使って紹介しています。

著者が大証一部上場の優良企業、西尾レントオールの先代に学んだエピソードや、実際に効果を挙げた手法を紹介しているため、読み物としても、実践の書としても楽しめる内容になっています。

チャレンジシートやランクアップノートといったツール類は、本に挟み込まれている実例を見ながらでないと理解が難しいため、ここではエッセンスだけを抜き出すことにします。

※紹介されている「自創」という概念は、「自らが計画を立て、チェックし、改善し、その目標の達成に責任を持つ」という意味です。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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会社経営とは、日常の業務から金銭的儲けを出すことだけではない。社員一人一人が会社の目標達成に貢献し、自己実現できる仕組みをつくることも経営の重要な仕事である。

人というのは現場を知らない人間がいくら言っても絶対言うことをきかない、「三現主義」すなわち「現場、現物、現状」を知ったうえで話さないと説得力がない

■社員が喜ぶ4つのポイント
1.会社の安泰と成長
2.利によろこぶ
3.名・地位・名誉
4.自由さ

■「自創の人」のセルフマネジメント
1.方向を示し、自ら計画(納得目標)を立てるマネジメント
2.企(起)業家マインドで業績向上を図るマネジメント
3.会社の歴史を、自分の歴史をつくるマネジメント
4.出来る原因をつくり、その過程(プロセス)を愉しむマネジメント
5.仲間と一緒にやり、達成感を味わうマネジメント
6.成長対話で人が育つマネジメント
7.自らが評価(期待基準に合わせて)することで、活力を創出するマネジメント

人は自分の意志のみで動くのである。だから、やりたくなるように仕掛けなければいけない。社長であれば、このへんの人の機微を知ることが非常に大事なことだ。

本当のコミュニケーションとは、数字をつくることである。

■自創経営の前提条件「V・S・O・P」
・ビジョン
・ストラテジー
・オリジナリティ
・パーソナリティ

社長が自分の分身をつくろうと思ったら、分身候補を何人か選んだ上で課題を与える。とりあえず最初は「当面の仕事の問題点を三つ書いてほしい」と言って、どんな課題と解決策をもってくるかを見るというやり方がいい。

大事なことは、人というのは押し付けや強制、命令、威圧、説教、懲罰、ノルマ、拘束などのやり方ではうまく動かない。ただし、時には必要な場合もある。しかしそういう場合はその根底に「この人を本当に育てたい」「感動を与えたい」という信念がなければ、人は育たない

■人材育成の3・3戦略
1.意識改革
2.機能向上
3.行動変革

■自創経営導入の手順
・経営理念チェックリストを使って自社の経営理念を見直す
・自社の経営計画策定のやり方を見直す
・「当社は何屋さん?」の作成
・「事業発展の哲理」の作成
・「人づくり○カ年計画」の作成
・「人材育成の3・3戦略」の作成

部下の計画がうまくいかない原因は、ほとんどが仕事の段取りにある。したがって、上長は部下の仕事がうまく進むように調整、指導しなければならない。

本来、任したというのは、言ったことを完全にやらせきった時に任したということになるのだから、そのプロセスの要所要所で上司はチェック、アドバイスをしなければいけない。

上に立つ人は、節目節目に部下に一言声をかけてあげてほしい。
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土井は、まだまだ未熟な経営者なので、とても役に立ちました。たくさんの部下を抱える大企業の社長・マネジャーにとっては、なおさら役に立つ内容だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『社員がワクワクして仕事をする仕組み』
http://tinyurl.com/5wc67

です。現在、人材育成で悩んでいる経営者やマネジャー、これから経営幹部になろうとする方には、おすすめの一冊です。

目次
まえがき
第1章 社長の思いを全社員に徹底する仕組み
第2章 社長の分身づくり(その一)考える幹部に育てる
第3章 社長の分身づくり(その二)社員をワクワクさせる
第4章 自創経営の全体像
第5章 経営理念を原点から見直す
第6章 チャレンジシートの作成と評価
第7章 ランクアップノートの活用
第8章 脳力開発と習慣づくり
第9章 採用のやり方と教育
第10章 部下育成のための成長対話
付録
あとがき
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『経済人の名言(上)(下)』

2004年12月17日 | Weblog
『経済人の名言(上)』
http://tinyurl.com/3w4vo
『経済人の名言(下)』
http://tinyurl.com/6635a

本日の一冊は、「私の履歴書」「有訓無訓」から、日本を代表する経済人たちの言葉を厳選し、紹介した一冊です。

取り上げられているのは、1950年~1990年に活躍した経営者で、何と約400人の名言を紹介しています。

松下幸之助や早川徳次などの有名どころはもちろんですが、ポイントは、普段あまり取り上げられない松永安左エ門や、三島海雲、出光佐三、伊藤忠兵衛といった人物が取り上げられていること。

『私の履歴書』の豪華セットは買えないけれど、そのエッセンスだけは知っておきたい、という方におすすめの一冊です。

参考:『私の履歴書 経済人1~24』
http://tinyurl.com/5dmd9

では、一体どんな名言が紹介されているのか。土井の心に響いたものだけ、ピックアップしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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事業は金がなければできないが、正しい確たる信念で裏づけられた事業には、必ず金は自然に集まってくる。
(三島海雲)

商売気を離れて油の用意をした。私のお客だけは油不足で仕事を休むようなことはなかった。他の事業会社では油が切れて事業を休んだところが沢山出た。わたしはただお客のために油を用意しただけだ。しかし戦争が済んだら、油は出光にまかせておけということになった。金はもうけなかったが、得意先をもうけたのだ。
(出光佐三)

人は”天下一品の使命”といって、その人でなければ持ち合わせていない特性あるいは才能がある。これを自由に発揮させる場をつくることが、経営者にとって最も必要なことだと思う。
(倉田主税)

金というものは一見無駄と思えるところにかけると、回り回って大きな果実になって戻ってくるものなんですよ。
(古川為三郎)

のれんは磨いて、初めて値打ちが出る。先人たちは、過去をふまえながらも、絶えず時代を先取りする先見の明を持っていた。
(松田伊三雄)

最初から和尚はない。ふき掃除から洗濯まで、小僧の苦労を重ねてこそ大和尚になれる。
(安藤楢六)

「最もよく人を幸せにする人が最もよく幸せになる」――これが人生七十余年に及ぶ人生を振り返って得た結論であり、同時に私の信条信念である。
(立石一真)

成功は窮苦の間に芽生えており、失敗は得意満面の間に宿る。黒雲のうしろには、太陽が輝いている。
(越後正一)

上に立つ者は見識と決断力を養い、部下に将来への確かな道筋を見せてやる。同時に下意上達、つまり部下の意見をくみ上げる気配りを欠かさないことだ。そうすれば信望は自然と集まる。
(坂口幸雄)

経営者は、人間として部下と対峙できるか。その時、自分を支えるのは公私のけじめをはっきりさせた身辺の清潔さである。
(江戸英雄)

私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか一%にすぎない。九九%は失敗の連続であった。その実を結んだ一%の成功が現在の私である。その失敗の陰に、迷惑をかけた人達のことを私は決して忘れないだろう。
(本田宗一郎)

世の中の変化に応ずることも大切だが、変化の中で不変のものもあるということだ。
(根津嘉一郎)

人生は「節」があるからいい。悩む中から、何かを勉強してつかみとって行く。そこに人間的な成長もある。
(宇野牧)

読むことは考えることであり、知識は忘れたころに知恵となる。
(松原治)

お客様は来て下さらないもの、お取引先は売って下さらないもの、銀行は貸して下さらないもの、というのが商売の基本である。だからこそ、一番大切なのは信用であり、信用の担保はお金や物ではなく人間としての誠実さ、真面目さ、そして何より真摯さである。
(伊藤雅俊)
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ただ漫然と名言を集めているのではなく、その言葉が発せられた背景などについても若干コメントがあるのが親切ですね。

というわけで、本日の一冊は、

『経済人の名言(上)』
http://tinyurl.com/3w4vo

『経済人の名言(下)』
http://tinyurl.com/6635a

です。時間のあるときにめくれば、励みになること請け合いです。

目次
書ききれないため、今回は割愛します。
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