ビジネス書の厳選情報を毎日お届け 「ビジネスブックマラソン」 バックナンバーズ

アマゾン元バイヤー、土井英司による厳選ビジネス書評メルマガ。ベストセラー分析と本当に読むべき珠玉の一冊を提供しています。

『スモールワールド・ネットワーク』

2005年03月31日 | Weblog
http://tinyurl.com/5vdy5

本日の一冊は、「六次の隔たり」として知られる、ネットワークの法則と、その周辺の議論を、わかりやすく紹介した一冊です。

ウイルスの感染やヒット商品の爆発的な広がり方、人的ネットワークの構築など、さまざまな現象を説明するための新理論「スモールワールド現象」について、その研究過程も含めて詳しく解説しています。

マーケティングのヒントとも、人脈作りのヒントとも読める本ですが、どう読むかは読者次第です。間違いないのは、知らない人は知っておいた方がいい、ということです。

さっそく内容のポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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問題を難しくしているもの、そして、複雑なシステムを複雑にしているものは何かというと、全体部分の単純な総和ではないということだ。むしろ、それらの部分自体は極めて単純な要素でも、お互いに作用し合っていて、その相互作用によってはこちらが当惑するような振舞いをすることがある

結合の時代においては、何がどのように起こるかは、ネットワークに左右される

世界から見れば知人の輪などほんのひとにぎりの集団にすぎないのに、驚くほどしょっちゅう共通の知り合いに出くわすのは、社会ネットワークが関わっているというよりも、自分を驚かせるような事実に注意を払いがち(そして、そんな事実が起こる頻度を過大視しがち)な傾向があるせいなのだ

ネットワークは「クラスタリング」と呼ばれる様相を示す。(中略)クラスタリングは関係の重複を育む(中略)ミルグラムの実験が示した社会ネットワークのパラドックスは、一方では、世界が高密度のクラスターを形成していて、わたしの友人の多くが相互に友人なのだが、もう一方では、平均すると、ほんの何ステップかでどんな人にでも到達することができるということにある

就職活動では、会社にもぐり込ませてくれる友人を持つことだけでなく、それがどんな種類の友人なのかということが、たいへん重要である。しかし皮肉にも、それはあなたにもっともよくしてくれる親しい友人ではない(中略)役立つのは、思いも寄らない知人なのだ

システムが臨界状態になると、中心は必要ない。なぜなら、なんらかの中心がなくても、すべての位置がほかのすべての位置に影響を与えることができるからだ

われわれは、ある面では周囲の社会的構造の中で占める位置によって、また別の面では、内的な選好や性格特性によって行動する

世界はバラバシとアルバートが考えたようなシンプルなモデルよりももっと複雑である

ハブ・ネットワークをランダムに探索することにより、ネットワーク全体に過度の負担をかけずに、比較的短時間で、ほとんどのファイルが見つかる

つながり合ったシステムでは、因果は複雑にそしてしばしば誤解を招くかたちで絡み合っている
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ほかにも、ピア・ツー・ピアや伝染病など、さまざまなケースについて考察し、ネットワークのしくみがこれまでに述べられてきたほど単純ではないことを示しています。400ページ近い、厚い本ではありますが、翻訳も読みやすく、割とすんなり読めてしまいます。

というわけで、本日の一冊は、

『スモールワールド・ネットワーク』
http://tinyurl.com/5vdy5

です。「偶然の出会い」の秘密を知りたい方、人脈を広げるコツを知りたい方、商品・サービスを普及させるための考え方を知りたい方には、おすすめの一冊です。

■目次■
序文
第1章 結合の時代
第2章 「新しい」科学の起源
第3章 スモールワールド現象
第4章 スモールワールドを超えて
第5章 ネットワークの探索
第6章 伝染病と不具合
第7章 意思決定と妄想と群集の狂気
第8章 閾値とカスケードと予測可能性
第9章 イノベーションと適応と回復
第10章 始まりの終わり
訳者あとがき
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『アートスタイル市場』

2005年03月30日 | Weblog
http://tinyurl.com/5a46u

本日の一冊は、ずーっとアマゾンで買えず、ご紹介したくてもできなかった本です。

文化的な価値が市場的価値を決める「文化経済市場の検証」コンセプトブック、とのことですが、新しい時代のマーケティングのヒントとして、貴重なヒントを与えてくれる一冊だと思います。

著者は、コンセプト・プロデュースや経営コンサルティングなどで活躍中のようですが、もともとはデザイン畑の方です。この本にも、デザインに携わる方ならではの感性が生きています。

さっそく、どんな内容が盛り込まれているのか、チェックです。
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■ 本日の赤ペンチェック
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意外性の落差が勢いを生む。そういうことである。心理×情報=コト。言い換えればサプライズがないものはダメ、コトに転換できないものはダメ、シナジーがかからないコトはダメ

「違い」こそ最大の消費喚起力(中略)「違い」を求めて「同じ」に集まる同好の士型、テーマクラブ活動型の消費がますます台頭してくる

すべてをドラマ消費に変えよ

今の時代を一言でいえば「ジャーナリスティックな時代」である。情報は取材され、編集され、報道される。メディアによるメディアの取材さえある。情報は臨界点を超えると、一気に頂点に向かう。(中略)上昇気流に乗る、その「時」をつかまえる。それが「ジャーナル・タイミング」である。その「ジャーナル・タイミング」をプロデュースすることが、ビジネス能力だともいえる時代である

スローモードの時代には故郷回帰が起こる。(中略)東京の銀座では、現地の味つけや素材にこだわった郷土料理店が急増(中略)京都では大阪や神戸発のファッションが人気を集めたのに続き、「京都系」ブランドが20代後半~30代の男女の注目を集めている

人形や人物彫刻といった、人間の形をした表現「ひとがた」が、近頃目をひく(中略)ぎりぎりの自己相似形としての「人形鏡」願望。それはクローンにさえつながっている。ともあれ、顧客の心をつかむ手段として「ヒトガタ」を提示しよう

一点集中。焦点を一点に合わせよう。(中略)「ワン」に顧客反応が出た時、そこから情報のシナジーが起き、情報の爆発が始まる。総合、総量からは何も起きない時代なのだ

デザイナーがマーケットを開拓する時代(中略)企業戦略のかなめが「デザイン」になってきた。センス、美学、感受性の競争になった

「半完成品」が、これからの製品の主流になる。わざと完成させない、あえて途中下車。あとはお客様に作っていただくか、注文に応じて完成させる。物完成型市場から、「ハーフメイド」市場へ。この市場転換が、深く静かに進行している

選択の最後の判定軸は「ドクターズ・モデル」になるということである。その道、その世界で研究し、実践し、解決方法を見いだした究極のプロ=「ドクター」のノウハウを、あらゆるカテゴリーに求める時代
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ほかにもたくさんのキーワード、ヒント、そして刺激的な事例が入った、大変興味深い本です。出版社が繊研新聞社ということで、おそらくファッション業界にしか知られていない本だと思いますが、他の業界にも当てはまる、さまざまなヒントが盛り込まれています。

というわけで、本日の一冊は、

『アートスタイル市場』
http://tinyurl.com/5a46u

です。マーケターなら、ぜひ読んでおきたい一冊です。

■目次■
まえがき
第1章 文化の衝撃
第2章 創造の火花
第3章 差異の価値
第4章 個人発美学
第5章 美の提案力
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『「心理テスト」はウソでした。』

2005年03月29日 | Weblog
http://tinyurl.com/5p7c6

本日の一冊は、久々に、日経BPの「違いがわかる男」T氏がおすすめしてきた本です。非常にこだわりの強い方で、滅多におすすめされないのですが、確かに、この本はとがっています。

内容は、かの有名な「ロールシャッハ法」や「血液型人間学」「内田クレペリン検査」といった心理テストの問題点を指摘・批判するという実に刺激的な議論。

後半部分では、さりげなくSPIなんかも斬っています。

社会調査の基本や、統計的な考え方を学ぶという意味で、ビジネスパーソンにとっても有益な一冊だと思います。

いくつか、ポイントをピックアップしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆「血液型人間学」

各血液型で肯定率(あるいは否定率)が7割を超えた質問がかなりあった。(中略)誰でも集中力にはムラがあるし、現実的な面とロマンチックな面をもっている。思い出を大切にしない人はいない。そして堅実な暮らしを望んでいる……。こんなことを聞いても、個人差や性格は明らかにならない。性格テストを作る場合、こういう質問は真っ先に削除の対象になる。(中略)一般的には、「はい」や「いいえ」の回答率は7割以下でないといけない。

政治家や野球選手やマラソン選手など、特定のサンプル集団が日本人の平均的な血液型分布と違っていても、血液型以外にさまざまな要因がある。これらの要因の影響力を取り除いて、血液型の要因だけを取り出さないと、血液型人間学の仮説を証明することにはならない

◆イギリスの心理学者ファーナムとスコーフィールドの主張 ※一部のみ

・権威主義的な人、他人からの承認欲求の強い人は、だまされやすい
・心地よい内容であれば、偽の情報でも信じやすい
・心理的な援助を求めている人は、不安が高いので、どんな内容でも信じてしまう
・実験者が立派な人で、情報が快い内容であれば、バーナム効果に陥りやすい
※バーナム効果とは、「誰にでもあてはまるような一般的な性格記述を、自分だけに当てはまるとみなしてしまう現象」

バーナム効果の研究から、肯定的表現は信じられやすいが、否定的表現は好まれないことがわかっている

◆ロールシャッハ・テスト

インクのシミが明らかにするのは、唯一、それらを解釈する検査官の秘められた世界である。これらの先生方は被験者のことよりも自分自身のことをたぶん多く語っている(アナスティシ)

エクスナの点検作業の結果、さらに驚くべきことが明らかになった。基準データは700名の正常者と書かれていたが、実は221名のデータが重複して入力されていた。つまり、479名のデータであった。エクスナはこの事実を2001年末のワークショップで公表した。非難が巻き起こった。臨床家は、10年もの間、間違ったデータで診断していた

◆内田クレペリン検査

ブロッキング現象は情緒不安定な性格から来たものではない。外向性次元と情緒安定性次元は性格の基本的特性であるが、二つの次元は独立で、無関係である。日本の内田クレペリン検査では、情けないことに、この二つの次元を混同し、ブロッキング現象を情緒不安定の証拠だとして解釈してしまう。これは大きな根本的な誤りである
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各心理テストの問題点を指摘していく過程も楽しく読めますが、専門外の人間にとって参考になるのは、統計の見方・考え方を学べる部分でしょう。

というわけで、本日の一冊は、

『「心理テスト」はウソでした。』
http://tinyurl.com/5p7c6

です。日経新聞を読む視点が変わる、そんな一冊です。

■目次■
まえがき
第1章 なぜかみんなの好きなABO――血液型人間学
第2章 万能心理テスト――その名は「バーナム効果」
第3章 インクのシミで心を占う――ロールシャッハ・テスト
第4章 定評ある性格テストは大丈夫か――矢田部ギルフォード性格検査
第5章 採用試験で多用される客観心理テスト――内田クレペリン検査
第6章 エピローグ――仕事の能力は測れるか
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『出世する人の口癖』

2005年03月28日 | Weblog
http://tinyurl.com/4kcul

本日の一冊は、ベストセラー『「クビ!」論。』で一躍有名になった、国際人事のプロフェッショナル、梅森浩一さんの新刊です。

※参考:『「クビ!」論。』
http://tinyurl.com/4rmld

自らが若くして出世し、また外資系企業で数多くの社員のクビを切ってきた経験から、ちょっとした物言いで評価される、とっておきの言い回しを紹介しています。

表面的にはただのテクニック論ですが、じつはその根底に細かい配慮がある、という点がおもしろいと思います。

さっそくいくつか目ぼしい例を見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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1.仕事の進み具合を聞かれた時、「やっていません」ではなく「~のつもりです」と言う
・上司から言われた仕事は、決して忘れてはいません
・仕上げるつもりがあることをアピール
・それが証拠にちゃんと○○が進んでいる

3.上司に催促する時は、「どうなりましたか?」ではなく「私にできることはありませんか?」と言うことで婉曲的に催促する

4.上司に案件を忘れられてしまった時は、「お伝えしましたが」ではなく、「言葉足らずでごめんなさい!」と言う
※上司の顔を潰さないために、潔く謝る

5.意見を仰ぐ時は、「どう思います?」ではなく「こういう理解でよろしいでしょうか?」と言う
※お互いに誤解や思い違いを、できるだけ生じさせない話し方こそが、上司とうまくやっている部下のしゃべり方

8.難題をもちかけられた時は、「できません」ではなく「考えさせてください」と言う
※やる気を示すために、検討してから断る

12.上司の気持ちをつかみたい時は、「ボクは好きです」ではなく「ボクも好きです」と言う

16.意見を言う時は、「生意気を言うようですが」ではなく、「間違っていたらごめんなさい」
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100ページちょっとの、薄い本ですが、人間関係の機微をうまくとらえており、出世するしないにかかわらず、若い人は読んでおくとためになる本だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『出世する人の口癖』
http://tinyurl.com/4kcul

です。職場の人間関係改善のために、ぜひ一読を。

■目次■
※目次=内容だったりするので、今回は省略します
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『強い工場』

2005年03月27日 | Weblog
http://tinyurl.com/6f2ez

本日の一冊は、日本経済新聞の夕刊に2回にわたって連載された、「モノづくり日本、中国と競う」と「モノづくり 世界と競う」をもとに、日本のモノづくりを見直すべくまとめられた一冊です。

日本経済新聞社の論説委員が、取材をベースに、トヨタやホンダ、スズキ、キヤノンなど、さまざまなメーカーの製造現場の取り組みと、そこに込められたモノづくり哲学を紹介しています。

工場の改善プロセスから、一体私たちが何を学ぶことができるのか。さっそく教訓を抜き出してみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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「ムダ取り」。トヨタの生産現場には常に今あるものを簡略化、省略できないか考える伝統がある

「現場の困りごとには大きな改革の芽、コスト削減のチャンスが潜んでいる」
(ホンダ専務・白石氏)

日本企業はおしなべて、設備過剰のリスクより「チャンスを逃す」くやしさを避けようとする心理的な傾向が強い。だが、需要拡大の見通しがはずれたり、需要期が思ったほど長くなければ悲惨なことになる

「名無しの権兵衛さんのためにつくっているより、誰のためにつくっているのか、はっきりわかったほうが真剣になれる」
(山田日登志氏)

日本のモノづくり再生の出発点は「脱管理」にある

「ゆっくりつくれば、ミスが減る」、その結果として「ゆっくりつくれば一日の出荷量は増える」

「中国の人件費が日本の三十分の一と考えると諦めが先に立つが、日本の人件費が中国の三十倍と考えると対策を考える余地が生まれる」
(スズキ会長の鈴木修氏)

「みそ汁にそうめんを入れても切れませんが、味噌にそうめんを入れてかき混ぜたら全部切れちゃいますよ」
(マツダの研究員・栃岡孝宏氏=強度は相対的なものであるという考え方)

「店で売れるスピードで、工場で生産し、客先に届ける」
(NEC長野社長の寺沢和男氏)

多くの工場でラインの稼働率低下の原因を突き詰めると、設備の大規模な事故ではなく、「チョコ停(小さなトラブルによるちょっとした停止)」の積み重ねにあることが少なくない

「多品種生産による生産の”ムダ”こそ、新製品や高品質を実現し会社を伸ばす原動力」
(カイハラ社長・貝原良治氏)

「製造業にとって設備や機械はどこの国に行っても変わらない。違うのは人の手」。貝原はこう言う。中国、世界と競い合う日本のモノづくりの原点は、働く人の意思と知恵、技術にある
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現場で起こった発想の転換や、その結果もたらされた斬新なアイデアや仕組みが、読ませてくれます。エンジニアのみならず、ビジネスパーソンにとっても役立つ教訓が盛り込まれています。

というわけで、本日の一冊は、

『強い工場』
http://tinyurl.com/6f2ez

です。工場の改善物語と、職人たちの発想法からの気づき、両方が楽しめる、そんな読み物です。

■目次■
1章 世界最強の現場――ニッポンの自動車の底力
2章 生産現場を救え――業師たちの想い
3章 小粒で強い現場――こだわりのコストダウン
4章 セルが工場を変える――リードタイム・イズ・マネー
5章 マイスターの誇り――人材活性化への道
6章 部品こそ命――完成品メーカーを超える
7章 ネットワークに活路――目指すは世界市場
8章 日本回帰――これからの「強い工場」
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『君も社長になろう。』

2005年03月26日 | Weblog
http://tinyurl.com/4ha8g

本日の一冊は、登録者数30万人を超える起業家支援サイト、「ドリームゲート」のプロデューサー、吉田雅紀さんによる一冊です。

以前にご紹介した、ネットエイジ西川さんの『起業は楽しい!』同様、起業家予備軍の背中を押す、啓蒙の書です。

※参考:『起業は楽しい!』
http://tinyurl.com/48eb6

具体的にどんなメッセージとアイデアが盛り込まれているのか、さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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ちょっとしたビジネスアイデアと、実現しようとする情熱さえあれば、誰でも社長になることはできます

ビジネスのアイデアというものは、ブラブラすることによって、発見できる確率が格段に高まるもの

お金を計算してみると、必ず何らかの問題が発見できます。その問題をクリアできるようにアイデアを練り直して、またお金を計算し直す――この作業を繰り返していくことで、徐々にプランが具体化していきます

起業しようとする人はつい甘く計算してしまいがちなので、売り上げ予測の部分に関しては、かなり厳しく予想する必要があります

◆事業プラン立案に必要な要素6W2H
Why? なぜこの事業をやるのか?
What? 商品・サービスの具体的な内容は?どんな特徴で、どんなノウハウを使うのか?     
Where? Whom? 想定する市場は? 顧客は?
When? どのようなタイミングで行うか?
Who? 誰がやるのか?
How much? 資金は? 売上高や利益の目標は?

アイデアの元の形に固執し続けると、商売として成功できない可能性が出てきます。アイデアそのものもどんどん改良していく柔軟性が大切

◆夢なし君でもできる5つのこと
1.夢がないなら、お金を貯めておこう
2.夢がないなら、旅行に行っておこう
3.夢がないなら、夢がある人の近くにいよう
4.夢がないなら、勉強をしておこう
5.夢がないなら、友達をたくさんつくっておこう

「何を知っているか」よりも、「誰を知っているか」

実績がない状態から始めるには、リスクに立ち向かっていける情熱こそが、自分自身のエネルギー源になると同時に、周囲の人たちの心を動かす力になる

心のどこかで、「この人からどうやって儲けてやろうか」なんて目論んでいたら、相手の懐には入っていけません。あるいは、わからないものを、わからないからという理由で否定したり、自分から遠ざけたりしないことが肝要です
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50ページ以上もある第一章が、一般的な議論に終始しており、最初はどうなることかと思いましたが、具体的な起業ノウハウや、起業した人にしかわからない自己管理の方法など、参考になる部分がいくつもありました。

というわけで、本日の一冊は、

『君も社長になろう。』
http://tinyurl.com/4ha8g

です。本人の経験や、他者の事例がもっと深く掘り下げられていたら、さらにいい本になったと思います。

■目次■
第1のゲート たった一度の人生に挑戦する
第2のゲート 将来のビジョンを描く
第3のゲート 自分の会社で働く
第4のゲート 失敗するのを恐れない
第5のゲート 人生の自由度を高めよう
エピローグ
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『キャッシュフローを生む不動産投資』

2005年03月25日 | Weblog
http://tinyurl.com/3nra8

本日の一冊は、最近活躍中の若手不動産投資アドバイザー、広瀬智也さんによる、不動産投資のマニュアル書です。

不動産投資を成功させるための考え方や心構えはもちろん、利回り計算の方法、物件探し、不動産業者との付き合い方、購入資金の調達、購入後の管理まで、個人の不動産投資に必要な基本情報は、ほぼ網羅されています。

さっそく、赤ペンチェックで内容をチェックしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆不動産投資のメリット
・不動産の売買では銀行などが長期で低金利のお金を貸してくれる
・大家さんという商売が確立されているため、それを支えてくれる不動産管理会社が多数存在している

◆不動産投資のリスク
・空室リスク
・金利上昇リスク

◆アパート投資に成功したAさんの例
債権者から売却を迫られていたうえに、ローン特約で解除になった取引があったばかりというタイミングの良さが功を奏した

◆不動産会社が顧客を探し出す順番
1.自社の顧客
2.知り合いの不動産会社
3.不動産会社間の情報ネットワークで広く公開

◆不動産会社に払われる手数料
=<(売買代金×3%)+6万円>+消費税

良い物件を見つけたければ色々な不動産会社とつき合いを持つこと

物件資料の備考欄などに、「再建築不可」「容積率オーバー」などと書かれている物件には手を出さないほうが無難

◆現地調査5つのチェックポイント
1.物件周辺の状況
2.建物の状態
3.入居者や管理状況
4.写真を撮ろう
5.ヒアリングをしてみよう

利回りやエリアが同じような物件でも、
1.土地の面積が狭くて、(高さが)高い建物
2.土地の面積が広くて、(高さが)低い建物
を比較すると、2のほうの担保評価が高くなり、銀行融資が受けやすい

◆不動産投資におけるキャッシュフローの計算式
「税引き後利益」-「返済元金」+「減価償却費」

次に買う人が銀行融資を受けやすいということは買い手がつきやすい
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不動産の売買に関する基礎知識が、過不足なく網羅されていて、非常に使い勝手がいい本だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『キャッシュフローを生む不動産投資』
http://tinyurl.com/3nra8

です。不動産投資もビジネスである以上、「仕入れ」と「販売」は利益を生むために大切な要素です。この2点において、もっと具体的かつ体系的なアイデアがあれば、さらに有用な本になったかもしれません。

■目次■
はじめに
StepI なぜ不動産投資が注目されているのか
StepII 情報収集から購入まで、こうすればうまくいく
StepIII 購入資金の調達はどうすればうまくいくか
StepIV 不動産投資はキャッシュフローで勝負しよう!
StepV  不動産投資を成功させるコツ、失敗しないポイント
エピローグ 
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『高収益企業のつくり方』

2005年03月24日 | Weblog
http://tinyurl.com/4d5b6

本日の一冊は、京セラの名誉会長、稲盛和夫さんによる注目の新刊です。

稲盛さんが主宰する「盛和塾」で行われている「経営問答」をベースに、経営者の心構えやリーダーシップ、高収益体質をつくるためのポイントについて語っています。

問答形式で話が展開するので、読みやすく、かつ内容が具体的なのがポイントです。

さっそく、要点を見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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トップが持つ経営理念、哲学によって会社経営は大きく左右される

会社経営の真の目的は、エンジニアである私の夢を実現することではなく、従業員とその家族の生活を守っていくことだと気づかされた

全従業員のためという大義名分があったからこそ、私自身、何の気兼ねもなく、従業員に対して堂々とリーダーシップを発揮することができた

受注が五割増えても、生産性を高めることによって、人員や設備は二、三割増に抑えます。また、売上が大きく落ち込むような事態になっても、経費をとことん減らすことで、利益の減少を最小限に抑えます。そうすることによって、高収益を実現し、維持することができる

商売の秘訣は、お客さまが納得して、喜んで買って下さる最高の値段を見抜き、その値段で売ること

商売に貴賎はありません。(中略)自分の仕事に誇りを持って働けば、それが天職です

安易な自社ブランド品は、下請けメーカーの陥りやすい罠

一割下げようと思うから、長時間の議論をしても結論が出ないけれども、三割下げようと思えば、今の設計や材料、工程に至るまで根本から見直す必要があります(松下幸之助さんの考え方)

多角化は経営者だけでなく、会社全体の資源を分散させます。そのため私は、現有する経営資源を活用することができ、シナジー効果を期待できる、保有技術の延長線上で、多角化を進めようと考えました

会社や事業の置かれている状況を冷静に見つめ、決して暴走しなかったからこそ、大きくつまずかなかったのです。また、事業がうまくいっても、有頂天にならず、己を見失うことなく、地道な努力を重ねてきたから、発展を続けることができた

買収では新しい経営者にみんなが心からついてきてくれるということが一番大事なのです。力の論理で相手を屈服させ治めていくのか、それとも徳や人間性をもって治めていくのか。それによって、買収後の経営はまったく違ってきます

仕事ができる人には相応の給与を払いますが、イヤなら辞めてもらってもいいというドライなやり方では、会社は長続きしません。あなたの会社は、報酬だけで人を動かそうとするのではなく、栄誉と賞賛を与えることで従業員をモチベートする方法を取り入れるべきです
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「経営問答」に参加した経営者たちの具体的な悩みに答える、という形をとっているため、話が具体的で、参考になります。最近は、精神論に偏った本が多かった著者ですが、久々に具体的な経営論を楽しむことができる一冊が登場しました。

というわけで、本日の一冊は、

『高収益企業のつくり方』
http://tinyurl.com/4d5b6

です。中小企業の経営者や、これからビジネスに挑む方にはぜひおすすめしたい一冊です。

■目次■
序章 会社の存在意義を問う
第一章 高収益の基盤を築く
第二章 挑戦し続ける企業を目指す
第三章 パートナーシップで経営する
第四章 自ら燃える集団をつくる
終章 高収益経営を目指す
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『リーダーシップ・サイクル』

2005年03月23日 | Weblog
http://tinyurl.com/5uyfk

本日の一冊は、ジャック・ウェルチ時代にGEのリーダシップ育成の方法論を確立した人物で、現在、ミシガン大学ビジネススクール教授を務めるノール・M・ティシーさんによる一冊です。

著者は本書で、勝利する企業に共通する「次世代リーダー育成のしくみ」を明らかにし、「教育する組織」とは何か、そしてそれを築き上げるためにリーダーは何をなすべきか、といった点を詳しく書いています。

GEを中心に、ヤム!ブランズ、ホーム・デポなど、さまざまな企業の実例が紹介されており、経営者が何を改め、どんな取り組みをするべきか、考えさせてくれる一冊となっています。

では、具体的にどんなことが書かれているのか。さっそくチェックしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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勝利するリーダーは教師であり、勝利する組織は教育を奨励し、教育した者を評価する。

(SEALのような)規律のしっかりした社会をつくるためには、トレーニングさえすればよいというわけではない。メンバー間に相互信頼と尊敬の念を築き、組織のどのレベルにいようと自分が学んだことを他者に進んで教え、組織全体のIQを高めることも大事

良循環な教育は、リーダーが教育にコミットし、自分自身が学ぶ環境整備を行い、生徒である社員に自信を持って教育に取り組むよう奨励することがなければ誕生しない

◆リーダーが組織の隅々に伝播すべき価値ある知識
1.市場と顧客に関する知識
2.効果と効率に関する知識

成功の鍵は旧体制の指令網をバイパスし、それまで指示下にあった人々の心に直接つながりを持つことにある。そのために政治革命では、銃を持つ人々、プレス、放送タワー、そして教育システムをコントロールしている人々を支配下に置く

教育する組織は全員が学習者であると同時に教育者でもあるという点を非常に重視している

◆チームがエネルギッシュかつ生産的に仕事を行う5つの条件
1.組織全員に非常に明確に理解される危機感
2.人々の心を動かし、達成感のあるミッション
3.人々の心をさらに伸ばすことを目標とする
4.チームワークの精神
5.自信と現実的な期待

人々をワクワクさせるストレッチ・ゴールと人々にやる気をなくさせるゴールとのあいだの境界はどこで決まるかといえば、それはゴールそのものというよりも、ゴールに関して人々がどのように感じているかに依存している

(教育する組織づくりに成功しているリーダーは)命令、強制、罰則、さらには解雇などにあたってパワーの行使をためらわない
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どうしたら「教育する組織」をつくることができるのか、さまざまな企業の事例とともに学ぶことのできる良書です。

というわけで、本日の一冊は、

『リーダーシップ・サイクル』
http://tinyurl.com/5uyfk

です。約500ページにわたる厚い本ですが、読み応えのある刺激的な本です。経営者として、また一ついい勉強になりました。

■目次■
第1章 勝利の新DNA
第2章 勝利への二つの道
第3章 教育する組織をつくる
第4章 教育的見地からスタートする
第5章 教育的見地のつくり方
第6章 パワーのパラドックス
第7章 リーダー兼教師のパイプラインづくり
第8章 教育する組織のスケールアップ
第9章 良循環な教育をつくる
第10章 トリロジー大学
第11章 教育する組織のデジタル化
第12章 グローバル・シチズンシップ
結論 良循環な教育のチャレンジ
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『瞬間情報処理の心理学』

2005年03月22日 | Weblog
http://tinyurl.com/3lffh

本日の一冊は、人間が瞬時に物事を認識・判断するメカニズムを解き明かし、そこに秘められた落とし穴と、それを利用する方法を示した一冊です。

「瞬間情報処理」という体系だった学問分野があるわけではなく、心理学を中心としたさまざまな研究成果を、著者らが「瞬間情報処理」というキーワードでまとめたのがこの一冊です。

著者らによると、瞬間情報処理には、4つの特徴があり、そのうちの「無意識性・自動性」にこそ、「だまし」の余地があります。

わずか2秒の間に、私たちは一体どんなメカニズムで物事をとらえているのか。さっそくそのポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆瞬間情報処理の特徴
1.目標性・一貫性(生命維持や適応のための行動)
2.即応性・適応性(目の前にある情報を乗り切るための行動)
3.無意識性・自動性(熟慮なしに要素行為が連続的に行われる)
4.省資源性・効率性(できるだけ少ない資源消費で行動する)

だましのテクニックの多くは、瞬間情報処理の無意識性・自動性という特性を巧みに利用している

長期記憶の内容はエピソード的なもの、手続き的なもの、意味的なものに分類される

◆ウィッケンズが指摘した、人間の判断過程における12の特徴 ※一部紹介
1.人は初期の経験事象や情報に重きをおくため、それ以降の情報を重視しない
4.自分の判断に有利な情報を集めていることに気づかない
7.人間はせいぜい一度に三~四仮説しか扱えないほどの能力しかもちあわせていない
10.得られるもの以上に潜在的損失を過大視するため、その損失を意識した判断をする

◆ハンセンらの研究
A.大勢のなかに一人だけ怒りの表情を探す
B.大勢のなかに一人だけ喜びの表情を探す
=Aの方がはるかにその検出時間が短くて済んだ

◆瞬間的行動の3つのタイプ
1.技能ベース 2.規則ベース 3.知識ベース

◆一目でわからせる文書設計のコツ
1.漢字使用率を30%程度にする
2.カタカナは、漢字とは逆にその字形の簡単さゆえに「図」になりやすいので、慎重に使う
3.ひらがなについても、多すぎるときは、読点を多めにしたり、カギカッコや下線などの飾りを使うようにする

◆とっさの購買行動を引き出す7つのコツ ※一部紹介
1.テレビなどの「広告情報を店頭で想起」させ、親近感や安心感を引き出す
2.価格魅力で「今買ったほうがトク……」という判断を引き出す
3.価格魅力で「他の製品よりこっちのほうがトク……」という判断を引き出す
4.大量陳列・山積みなど「在庫切れを想起」させる陳列で、補充意向をくすぐる
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ほかにも、さまざまな研究・実験の結果が示されており、私たちの情報処理のメカニズムを理解するためには、貴重な一冊と言えるでしょう。また、文章や広告の作成など、ビジネス的にもヒントが満載の一冊です。

というわけで、本日の一冊は、

『瞬間情報処理の心理学』
http://tinyurl.com/3lffh

です。かしこい消費者になりたい方や、逆に商売に役立てたい方は、必読の一冊です。

■目次■
1章 二秒間に起こる見えの世界―視覚情報処理
2章 瞬時の音の世界
3章 一瞬の判断の世界
4章 瞬時的センサーとしての情動の世界
5章 とっさの行動の類型と特徴
6章 一目でわからせる文書設計のコツ
7章 一気に読める量を増やすコツ
8章 二秒で伝える広告設計のコツ
9章 とっさの購買行動を引き出すコツ
10章 好感の第一印象作りのコツ
11章 ひらめくコツ
12章 運転時の一瞬の判断を最適化するコツ
13章 勝利するための瞬間的な動きと判断のコツ
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『メールマーケティング』

2005年03月21日 | Weblog
http://tinyurl.com/6tueo

本日の一冊は、マーケティング本やブランド本では定評のある宣伝会議さんが、最近のメールマーケティングの動向をまとめた本です。

読んで感動する類いの本ではありませんが、携帯マーケティングやHTMLメールなど、最近のメールマーケティングの動向と成功事例をコンパクトにまとめた、なかなか使い勝手のよい便利な本です。

具体的にどんな発見があるのか、さっそくポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆モバイルメールの開封タイミング
1.メールが着信したらだいたいはすぐに開く 74.8%
2.着信してもすぐには開かないが、休憩時間や手が空いた時に開く 23.4%

マス広告や店頭プロモーションから見込客を取り込むには、空メール、アタッチメント、QRコードなどの誘導ツールをうまく活用することが重要となる

◆コミュニケーションストーリーの流れ
1.関心部分(1)訴求
  興味関心事から想定される利用シーンとそれを実現する特長を訴求
2.関心部分(2)訴求
  興味関心事に沿った特長をより具体的・多角的に訴求
3.オーナーズボイス
  生活者が商品を購入して実現したい姿を訴求
4.不安点解消
  興味関心事以外の訴求ポイントを挙げ、成約前後の不安の解消

◆購買履歴の分析に有効なRFM分析
 最新の購買日、累計の購買回数、累計の購買金額を分析

◆成功事例
1.ヤマハ
・「目覚まし時計音着メロ」をインセンティブにサイトへ誘導
・空メールでテレビCMの効果測定実施
・2ヶ月で50万通以上の空メールを受信
2.タワーレコード
・JAMES JARVISデザインの待受画像ダウンロードキャンペーン
・数回に分けてダウンロードさせることでリピート獲得
・売上300%アップ、会員は48%増加
3.フレンテ
・シンプルかつパーソナルなメルマガ。顧客と企業を超えた関係作り
・一般発売前に新商品プレゼント

◆リストマネジメント
1.ユーザー獲得
2.リストの状態把握
3.セグメントごとまたは個別のハンドリング

◆ユーザーコミュニケーション
1.登録時のユーザビリティー
2.パーミションへの配慮
3.効果測定
4.インセンティブの提供
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紹介し切れませんでしたが、さまざまなリサーチ結果をまとめた、第4章の「メールマーケティングデータ集」もかなり役に立ちます。
現在のモバイルユーザーの動向が一目瞭然です。

というわけで、本日の一冊は、

『メールマーケティング』
http://tinyurl.com/6tueo

です。メールマーケティングに携わる人は、要注目です。

■目次■
第1章 メールマーケティング概論
第2章 メールマーケティング成功事例集
第3章 メールマーケティングを構成する7つの要素
第4章 メールマーケティングデータ集
第5章 メールマーケティング用語集
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『チームリーダーの教科書』

2005年03月20日 | Weblog
http://tinyurl.com/5wbcb

本日の一冊は、かつて伊勢丹のカリスマ・バイヤーとして名をはせ、後に福助の再建や、イトーヨーカ堂の新会社社長就任などで話題を呼んだ、あの藤巻幸夫さんが、リーダーシップとマネジメントについて持論をまとめた一冊です。

「教科書」と謳っているだけあって、非常に読みやすく、しかも内容は、新人リーダーにとって非常に参考になります。

具体的にどんなことが書かれているのか、見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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志、人間力、システム、ルールをバランスよくあやつってチームをまとめるのが、フジマキ流の理想の「リーダー」

人間の心は、システムやルールだけでは絶対に動かせない

あなたが強引にメンバーを「集める」のではなく、それぞれのメンバーが自分の意志で「集まる」チームをめざす

「現体制にチームの分裂や崩壊を招く火種はないか?」という検証は、常に緊張感をもって繰り返し行おう

チームに新メンバーを迎えたいときは、自分だけでは判断しない。必ずその人を客観的に見れる、他のメンバーの判断も仰ぐこと

ゴールをめざす作戦を立てるとき、あなたが必ず「余白」を示すこと

リーダーは喜びや嬉しさといった感情を、全身でしっかり表そう

メンバーを見守り続けること、人間を見ていくこと。それを面倒くさいと感じるならば、あなたはリーダーになどなるべきではない

プロセスを評価する際、メンバーの努力には2つのタイプがあるということを、よく頭に入れてほしい。その2つとは、
1.業績を上げるための努力。仕事での創意工夫など
2.人や企業文化を支える努力。周囲への気配りや励まし、部下や後輩の育成、不正を許さない姿勢や、手を抜かない姿勢など

仕事のレベルアップのしかたを「模索中」の人に対しては、あなたのほうからコミットメント(責任・約束事)を与えていけ

リーダーの役目は、ミスを怒ることにあらず。すべきことは、ミスが繰り返されない「しくみ」をつくることだ

◆次期リーダーを探す時の注目ポイント
1.想いがある
2.志が高い
3.人間を見る力がある
4.明るく元気
5.勝ち方を知っている
6.器量の大きさ
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以上、読んでおわかりのように、じつに「熱い」本です。こんなリーダーがいたら、確かについていくだろうなあ、と思わせるリーダー像が描かれています。

というわけで、本日の一冊は、

『チームリーダーの教科書』
http://tinyurl.com/5wbcb

です。メンバーに慕われる、真のリーダーを目指す方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

■目次■
CHAPTER 01 事前準備
CHAPTER 02 チーム編成
CHAPTER 03 ビジョンを掲げる
CHAPTER 04 戦略を固める
CHAPTER 05 チームの士気を高める
CHAPTER 06 トラブルを防ぐ
CHAPTER 07 次のリーダーを育てる
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『人脈大改造』

2005年03月19日 | Weblog
http://tinyurl.com/7yw2p

本日の一冊は、『ゴトー式口説きの赤本』『後藤芳徳の「モテる!」成功法則』などのいわゆる「口説き本」で知られる著者が、その人脈構築術について述べた一冊です。

※参考:『ゴトー式口説きの赤本』
http://tinyurl.com/5sap5

※参考:『後藤芳徳の「モテる!」成功法則』
http://tinyurl.com/4dpl8

コネも学歴もなしでビジネスを立ち上げて成功し、各界著名人とも太いパイプを持つ著者が、人脈のつくり方と、メンテナンス方法について持論を語っています。

さっそく、その主張のエッセンスを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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足元をすくわれない一番の方法は、信頼できる人間関係でしっかり周りを固めること

最終的には質で勝負、それが人脈です。ピンチに陥るときも、大きく飛躍できるときも、たいていは1人の人間の影響で決まってしまう

自分自身のほうから何かサポートできることがないかを常に探し続ける姿勢が重要

成功者は付き合う人間を非常に厳しい目で選別している

血のつながった親を大切にしない人間が、血のつながらない僕を大切にする可能性は極めて低い

「そのままの君でいいんだよ」では、人間は成長しません

あなたの価値とは、「あなたと付き合わなければ、他で決して得られないもの」

自信のない人ほど身近な人の価値を下げて見ることで、その人の側にいる自分の価値が高いと思い込む詐欺的な解釈をよくします。自信がある人は身近な人の凄さを認めることができます

努力や価値を評価するのは他人です。そして忘れてはいけない重要なポイントは、世間は他人でできているということです

◆人間の魅力=相手の感情をどれくらい揺り動かせたかの幅の大きさ

『ギブ&ギブ』のスタンスは、他のどんな能力にも勝る評価を獲得できる方法でもあります。それほど多くの人が求めてやまない、そして得がたい能力

◆コミュニケート3ヶ条
1.即断即決に対応できる準備を常に整えておく
2.何があっても必ず帳尻を合わせる
3.生き銭と死に銭を知っておく

◆有名人をキーワードに、人脈を広げる方法
1.有名人がいるところに行って、そういう人たちと仲良くなる(困難)
2.自分が有名人になってしまう
3.自分が親しい人間を有名人にするサポートをする
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全体的に極めて現実的で、厳しいトーンが貫かれています。本気で自分の人脈を見直したい人には、興味深い一冊となるでしょう。

というわけで、本日の一冊は、

『人脈大改造』
http://tinyurl.com/7yw2p

です。200ページちょっとの平均的な文章量ですが、非常に読みやすい一冊でした。

■目次■
第1章 ピンチ人脈を斬る 
~あなたの周りにはどんな人がいますか?~
第2章 チャンス人脈と出逢う 
~あなたは自分が成功できると思えますか?~
第3章 新規人脈をつかむ 
~あなたは付き合う価値のある人間ですか?~
第4章 未来人脈を動かす 
~あなたは他人に自分を伝えられていますか?~
第5章 必要人脈を描く 
~あなたはゴールをイメージできていますか?~
第6章 理想人脈を極める 
~あなたには無償で応援したい人がいますか?~
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『論理ノート』

2005年03月18日 | Weblog
http://tinyurl.com/3zxoe

本日の一冊は、ノートルダム大学、ケンタッキー大学で哲学と論理学を教える、D.Q.マキナニー博士によるロジカルシンキングの本です。

単なるハウツーではなく、論理的思考を身につけるための心構えや法則がわかりやすい例とともに示されています。

途中、論理学の話などもでてくるので、まだきちんと学んだことのない人には、いいきっかけとなるのではないでしょうか。

では、さっそく内容のポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆論理的になるための心構え
1.言葉に敏感になり、言葉を効果的に使うコツを身につける
2.世界の現実を尊重する
3.考えていることと、実際に起こっている事実との関係を意識する

主観的事実は通常、それを経験する本人にとっては自明のものです。とはいえ、自己欺瞞や自己弁護といった働きによって、本人もその事実をはっきりと理解できないことがあります。また、他人に関する主観的事実が事実であることを証明できるかどうかは、その人物が信用できるかどうかに完全に左右されます

コミュニケーションに際して最初にすべき、最も重要なことは、言葉と観念とを一致させることです。そして次にすべきは、複数の観念を筋の通った文章へとまとめることです。

◆意志を効果的に伝えるための5つのルール
1.明確に説明していないのに、聞き手があなたの言いたいことを理解できたと決めつけない
2.完全な文で話す
3.評価を含む命題を、客観的事実に関する命題であるかのように扱わない
4.二重否定を避ける
5.使う言葉を聞き手に合わせる

論理的論述の中であいまいさや多義性を避ける最も効果的な方法は、言葉を定義すること

前提(結論を受け入れる理由)の中には、ある特定の聞き手にだけ重い意味を持つものがあります。したがってそうした聞き手に対しては、まさにそのような前提を使うべきです

◆論理思考のための28の鉄則 ※一部のみ紹介
1.前件否定の誤謬を犯さない
2.後件肯定の誤謬を犯さない
3.「推定有罪」で推論しない
4.多義的な言葉を使わない
6.偽の仮定からスタートしない
11.人身攻撃で論理をすり替えない
13.専門家の意見を乱用しない
24.時系列だけで因果関係を結論づけない
28.議論を単純化しない
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最初はありがちなロジカルシンキングの本だと思って読み始めたのですが、じつは人生や仕事に生きる知恵にあふれた良書です。
どのように他人や言葉、事実と付き合えばよいか、その心構えが記されています。

というわけで、本日の一冊は、

『論理ノート』
http://tinyurl.com/3zxoe

です。「理性的」「論理的」を自認する人にも、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

■目次■
第1部 論理的になろう
第2部 論理の基本を知る
第3部 論証をきちんと組み立てる
第4部 なぜ非論理思考に陥るのか
第5部 論理思考のための28の鉄則
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『「できる人」の話し方&コミュニケーション術』

2005年03月17日 | Weblog
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本日の一冊は、かつてパルファン・イブ・サンローランの日本支社長を務め、現在はカリスマインストラクターとして活躍中の、箱田忠昭さんによる最新刊です。

社会人になってからの評価というのは、他人が決めるものですが、本書はまさに、「他人に評価される人」「他人に好かれる人」の法則を解き明かし、その技術を明らかにしようとするものです。

では、具体的にどんな内容が盛り込まれているのか。さっそく見て行きましょぅ。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆大切な2つの原則
1.人は事実ではなく言葉に反応する
2.人はあなたの話を見ている

人間理解、人間心理について、大きなものがもう一つある。それは「人は相当程度、あいまいでいい加減である」ということだ

あいまいさを避けるためにはコミュニケーションでは「数字を使う」「対比させる」「確認する、念を押す」「繰り返し訴える」といった「できる人の話し方」を用いなくてはいけない

◆好意を持ってもらうための5原則
1.こまめに顔を出す
2.ほめる
3.楽しい雰囲気つくりをする
4.相手の重要感を満たす
5.相手に”触れる”

◆改めるべき3つのクセ
1.すぐ否定するクセ
2.すぐ話の腰を折るクセ
3.うわの空でいるクセ

◆5つの共感ゾーン
1.趣味
2.共通の知人
3.共通の体験
4.事実の一致(血液型、出身地、出身校、家族構成など)
5.共通の信条、信念(尊敬する人物など)

◆説得のための技術
1.PREP法(結論・ポイント→理由→具体例→ポイント・主張)
2.SDS法(全体→詳細→全体)

◆より良いコミュニケーションを実現する「アサーティブ型」
言いたいことを、言いたいときに、言いたいように言うこと

◆アサーティブに主張するためのDESC話法
事実・状況→意思・説明→提案→結果を示唆する
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コミュニケーション術の基本から、プロの交渉術まで、なかなか有用な情報が詰まっています。字数の関係で、赤ペンチェックでは紹介しきれませんでしたが、プロが使っている7つの交渉技術は注目に値します。

というわけで、本日の一冊は、

『「できる人」の話し方&コミュニケーション術』
http://tinyurl.com/6h9n4

です。実務家の著者ならではのテクニックと説得力が魅力の一冊です。

■目次■
プロローグ
第1章 絶対に知っておくべき「人間の心理」
第2章 良い人間関係をつくる「話し方」
第3章 説得力を出す「話し方」
第4章 人生における駆け引きは必要!
    簡単に使える!「プロの交渉技術」
第5章 あなたの話は見られている!「身体の使い方」
第6章 知っているだけで「気持ちがラクになる」
    スムーズな「クレーム対応」
おわりに
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