ビジネス書の厳選情報を毎日お届け 「ビジネスブックマラソン」 バックナンバーズ

アマゾン元バイヤー、土井英司による厳選ビジネス書評メルマガ。ベストセラー分析と本当に読むべき珠玉の一冊を提供しています。

『儲かる手書きチラシ作成術』

2004年10月31日 | Weblog
http://tinyurl.com/44j69

本日の一冊は、タイトルどおり、儲かる手書きチラシの書き方を述べた本です。

著者は、福島県のいわき市で、「すし八」という回転寿司店を経営している出村邦彦さん。チラシで飛躍的に売上を伸ばし、神田昌典さんや小阪裕司さんの本でも紹介されたという人物です。

この手の本は数多くあるのですが、本書にチラシメソッドに違いがあるとしたら、それは「とてつもなくきたない」ことでしょう。

そう、本書で紹介されているチラシの字は、お世辞にもうまいとは言えません。いや、はっきりいって「きたない」のです。

ところが、フタを開けてみると、このチラシがじつに儲かっているという。確かに、よく見て読んでみると、インターネット販売にも通じる、「売れる法則」が隠されているのです。

では、その「売れる法則」とは一体何なのか。さっそく見ていきましょう。

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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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手書きチラシをつづけているうちに、お客様との人間関係が自然に出来てくることが大きなポイント(中略)お客様との人間関係ができて、はじめて商品が売れる。つまり、人間関係づくりが先で、商品は後

沢山のチラシの中でも「目立つこと」、「捨てられないこと」、「お客様が読みたくなること」、「だれが書いているかわかること」が大きな違いです。そのためには、カラーチラシでなくてもいい

僕が思うに、チラシとはラブレターのようなものです。千人に向けて書くことは出来ませんが、「一人の人を想って書き」、書いたものを千人に見せ、読んでもらう

(売るためには)だれが、だれに対して書いたものかを明確にし、書く人が読む人に本気で気持ちを伝えることです

■儲かるチラシのひな型

レイアウトトップ:対象客
レイアウト中央:本文
・一行目 対象客
・二行目 自己紹介
・三行目 ねぎらい 癒し 心配り
・四行目 なぜこの商品をこの人に伝えたいのか
レイアウト右下のBOX
・商品(商品を、一つ決める)
・商品説明(同じ商品でも、対象客が変われば説明が変わる)
レイアウト左下のBOX(上から順に)
・社名、店名、屋号
・電話、FAX、URL(できるだけ大きく)
・地図(北を上にして、分かりやすく)

本文中書いてはいけない約束
・一つ目「買ってください」
・二つ目「来てください」
・三つ目「商品説明」

ねぎらいの言葉を、あなたからかけられると、お客様はあなたのことをしっかりと思い出します。これが、お客様とあなたとの距離を縮め、この先を読んでもらえるのです

同じ商品でも対象客を変えれば、何度でもチラシを入れることが出来る

チラシ・ダイレクトメールを出して反応が出るまでの数字
=アメリカでの計測の結果、最速六回目から反応が出てくる
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この後は、実際に反応の良かったチラシの実例が続々と登場するのですが、驚きなのは、東証一部上場の大手薬品メーカーでも、この手書きチラシで成果を挙げているということ。

担当者は、これで売上を300%にしたというのですから、驚きです。

実例は、本書を見ていただければわかるのですが、土井がここで指摘しておきたいのは、この本の中には、メディアを通して売るための法則が隠されているということ。

読者のロイヤリティを上げるための書き方、絶対に書いてはいけないこと、そして土井のセミナーに参加した方々はご存知だと思いますが、マーケットを変えることの重要性(竹やぶから出ないこと)。

確かに、これを理解して実践したら、成果は上がるはずです。

というわけで、本日の一冊は、

『儲かる手書きチラシ作成術』
http://tinyurl.com/44j69

です。読めば、チラシが中小商店のためだけのものではない、ということがよくわかるはずです。


目次

まえがき前に「後書き」を!
まえがき
処方箋
第1章 チラシで失敗、売上不振、さあ困った!
第2章 ヒナ型にならって手書きしよう
第3章 反応率が断然良くなるひと工夫
第4章 いざ、実験開始!
第5章 100円を700万円にしたチラシのヒナ型
第6章 すぐマネしよう、スグレものチラシ集
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『BAR レモンハート』

2004年10月30日 | Weblog
http://tinyurl.com/5yjvz

本日の一冊は、日本中の中年男性から熱い支持を受けている、累計500万部のうんちくマンガ「BARレモンハート」の会計入門編です。

「BARレモンハート」のマスター、ライターの松ちゃん、いつも鋭い質問をする常連のメガネさん、そして公認会計士の奥山さんの話を読んでいるうちに、公認会計士の仕事や具体的な監査の方法、減損会計、株式公開の手順など、さまざまな知識が得られる、優れもののマンガです。

とくに、会計士が監査を行なう手順や、減損会計と時価評価の違いなどは、巧みな例を用いることで、疑問を氷解してくれます。

では、具体的にどんなことが学べるのか。さっそく見て行きましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■貸し渋りが起きるわけ
・銀行の自己資本比率8%の維持が難しい

自己資本比率=自己資本/総資産
資本金を増やすか、総資産(貸しているお金)を減らすか→貸し渋り

■監査が義務づけられる会社
上場会社、大会社、学校法人、労働組合、政治政党、独立行政法人
※それぞれの定義は省略します

■公認会計士は誰の味方か?
会計士の監査報酬→株主の取り分の中から払われる

■監査っていったいなにをするのか
・経営者へのリスク・アプローチ(質問してリスクを探る)
・在庫管理や売掛金管理の調査 
※小規模なら実証手続(決算書の内容が実際に合っているか確認)
・建物、備品、請求書、領収書などの調査
※大企業の場合、試査をして調べる

■公認会計士による保証レベルの違い
・3か月ごとの財務諸表は監査しない ※レビューと監査は違う
・「監査」はもっとも保証レベルが高い

■減損会計と時価評価の違い
・減損会計
工場とか店舗とか比較的長い間それを使って稼ぐ資産についての話
・時価評価
「金融商品」つまり株式や債券のように売買する取引市場があってすぐにお金に換えられるものについて行う

■減損会計や繰延税金資産の問題
→不確定な将来を会計に織り込むようになった

■株式の公開手順
1.事業計画を作って、証券会社に相談
2.証券会社から監査法人を紹介
3.予備調査
4.公開準備へ ※その後監査等を経て公開
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まとめて書いたので若干固いですが、実際のマンガは、登場人物の会話で進められており、専門用語も極力使わずにそれぞれのトピックを説明しています。

というわけで、本日の一冊は、

『BAR レモンハート』
http://tinyurl.com/5yjvz

です。マンガとはいえ、内容は詳しく、読み応えがあります。「自己資本比率や」「繰延税金資産」「減損会計」などの用語がよくわからない、という人には、疑問解消にもってこいの一冊です。

目次
第一話 貸し渋りはなぜ起こるのか?
第二話 繰延税金資産のなぞ
第三話 公認会計士ってなんだろね?
第四話 公認会計士は誰の味方?
第五話 レモン・ハートを監査する!
第六話 太鼓判にもレベルがある!?
第七話 減損会計ってなあに?
第八話 減損会計をすると会社はつぶれちゃう?
第九話 ベンチャー企業と公認会計士
第十話 株式公開ってどうやってするの?
第十一話 ゴーイング・コンサーンと倒産と
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『おカネの発想法』

2004年10月29日 | Weblog
http://tinyurl.com/5sqc3

本日の一冊は、木村剛さんによる、久々の本格的な資産運用関連本(?)です。

(?)と書いたのは、これがただの資産運用本ではないからです。

大ベストセラーとなった『投資戦略の発想法』は、投資で必要な心構えや基礎知識を説いたものですが、今回は「そもそもお金とは何か」といった本質論を、世界経済の歴史や現状から紐解いています。

もちろん、投資に関する基礎知識も登場しますが、最大の読みどころは、豊かに生きるうえで必要なお金との付き合い方、そしてお金がなくても豊かに生きるための自己投資や、パーソナルブランディングの部分でしょう。

自らも起業して成功されている木村さんだからこそ語れる、新しい時代の「おカネの発想法」とは何か。さっそく見てみましょう。

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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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そのおカネが本物かニセモノかという点は、じつのところ本質論ではないのです。そのおカネが、皆さんに受け取ってもらえるのか、それとももらえないのか、というところに、おカネであるか否かを峻別する本質があるのです

おカネが増えるとしたら、それはそのおカネを使ってビジネスをする人がいるから増えるのです

株式会社の株式を所有していると、万が一倒産したときに投資がパーになってしまうということを「リスク」と呼んでいるのであれば、株式会社に勤めることはもっと大きな「リスク」

おカネの発想法に基づく株式投資
・どの株式会社がうまくいくかわからないから、いろいろな株式会社に分散投資することによって、
全部が全部ダメになるということのないようにしよう
・二〇銘柄に分散→「転職してみたい会社の株式」がお勧め

株式投資における究極の目的は、おカネを儲けることではないのです。株式投資の究極の目的は、人を動かすパワーを手に入れるということ

おカネというツールに頼らないコミュニケーション能力を持っている人はおカネが要らないということなのです。おカネがなくとも、他人を動かせる人には、おカネは不要なのです。おカネに頼らなくとも、自分の好きなモノが手に入る人には、おカネは要らない

めざすべき究極の姿は、「自分自身がおカネになる」ということ

コミュニティとか、仲間とか、人望とか、信頼性とか、信用というモノは、おカネと同じなのです。そういうおカネをどういうふうに獲得していくのかが極めて重要なのです

おカネは、インフレで価値が減ってしまいますが、コミュニティとか、仲間とか、人望とか、信頼性とか、信用というモノは、インフレによって影響を受けません。逆に、そういうときこそ、真価が発揮されるに違いありません

『金持ち父さん貧乏父さん』の教えには反してしまいますが、まずは仕事をしておカネを稼ぎながら、自らを鍛えなければなりません

何も他のことは考えずに一二〇%の力を現在の仕事に注ぎ込むべき

節約ができる人は、意志が強い人です。自分の行動を自分でコントロールできる人です。外部の雑音や他人の行動に惑わされることなく、自分の意志を貫ける人です。そして、意志が強いということは、財産形成で成功するために不可欠の要素なのです

複利を味方につけられるかどうかが、あなたの財産形成の成否を決定づける

財産形成のメインエンジンは、仕事からの収入
→最も重要な投資は自己投資

財産形成のスピードをアップするためには、仕事で成功することが一番重要(中略)株式を売買する前に、まずは自分を磨く――それが財産形成の王道です
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お金儲けの本だと思って読んだら、じつはなかなか読み応えのある、自己啓発の書でした。木村さんの起業話なども盛り込まれており、これから起業したい方や経営者にもおすすめの内容です。

というわけで、本日の一冊は、

『おカネの発想法』
http://tinyurl.com/5sqc3

です。これからの個人の生き方やおカネとの付き合い方を説いた、読み応えのある一冊です。

目次
☆はじめに――新札の時代に考えるべきこと
☆第一章 あなたのおカネを防衛せよ!
☆第二章 おカネとはナニモノなのか?
☆第三章 おカネは「ことば」である!
☆第四章 おカネは経済の血液である!
☆第五章 おカネとどう付き合えばいいのか?
☆第六章 おカネの価値を護りながら殖やす
おわりに――「自分がおカネになる」ということ
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『仕事力を磨く言葉』

2004年10月28日 | Weblog
http://tinyurl.com/3uphv

本日の一冊は、世界中の名立たる経営者や学者、コンサルタントなどの言葉を集めた、珠玉の名言集です。

ドラッカー、ポーター、マズローなどの学者から、ウェルチ、デル、稲盛和夫などの名経営者まで、全部で100の名言を集め、解説を加えています。名言が登場する書籍の概要も若干盛り込まれているので、ビジネス界の著名人のうんちく本としては価値があります。

選んでいる人物は基本的に王道ながら、なかなか渋い顔ぶれです。さすがは日本経団連出版、といったところでしょうか。

では、具体的にどんな人物のどんな名言が収録されているのか。さっそく見ていきましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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ビジネスで大切なのは、強烈な願望と達成への執念だ
高原慶一朗

小売業にとって、何にもまして大事なものは、基本原則の徹底です
鈴木敏文

十人に聞いて九人がうなずくようなことは、だいたい間違えている
松井道夫

競争優位に立つための鍵を握るのは組織に属する人間である
アブラハム・H・マズロー

「常在戦場」の心構えがあれば、最悪のときに備えることができる
金川千尋

実績につながるのは、冷静さより誠実さ
スティーブン・P・ロビンズ

人の話に答えを求めてはいけない。答えはすべて自分のなかにあるのだ
堀場雅夫

リーダーとは何か。まず第一にそれは仕事だということである
ピーター・F・ドラッカー

すぐれたリーダーシップは、感情のレベルに働きかけるものなのだ
ダニエル・ゴールマン

はじめに適切な人をバスに乗せ、その後にどこに行くかを決める
ジェームズ・C・コリンズ

実行とはリーダーの最大の仕事である
ラリー・ボシディほか

戦略の本質とは、何をやらないかという選択である
マイケル・E・ポーター

すぐれたリーダーは、自らに仕える者に仕える
ベッツィ・サンダース
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いかがでしょうか。「昔、勉強したけど忘れた」という人、「本は読んだけど覚えていない」という人には、なかなか便利な一冊です。

というわけで、本日の一冊は、

『仕事力を磨く言葉』
http://tinyurl.com/3uphv

です。著名人の名言をすぐに参照できるという点では価値ある一冊ですが、正直、解釈や洞察が物足りないです。また、編集面では、索引に著名人の名前が入っていないのが致命的です。

通勤時などの細切れ時間を有効活用したい人には、便利な一冊かもしれません。

目次
はじめに
1.プロフェッショナリティを磨く
2.マネジメント力を磨く
3.リーダーシップを磨く
4.戦略センスを磨く
5.人間力を磨く
おわりに
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『営業は断られた時から始まる』

2004年10月27日 | Weblog
http://tinyurl.com/62tu7

本日の一冊は、あのセールスの古典的名著、『私はどうして販売外交に成功したか』と並び称される、有名な一冊です。

参考:『私はどうして販売外交に成功したか』
http://tinyurl.com/5lafn

原書は1953年に書かれており、日本ではダイヤモンド社が『販売は断られた時から始まる』のタイトルで1964年に発行。いったん途絶えたものを、改訂復刻したのが本書『営業は断られた時から始まる』です。

正直、『私はどうして販売外交に成功したか』には及ばないものの、人間に対する洞察やセールスのテクニック、そしてユーモアは、一読の価値があります。

では、具体的にどんな教えが記されているのか、さっそく見て行きましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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多くの人びとは売る商品――他の人びとによって必要であり、欲しいと思われている商品――を持っている。しかし顧客によくわかってもらえないあいだは買ってもらえない

もっともよくアピールする方法で顧客に近づくことを考えだせ

人間とは妙なもので、一度ある品物を買ったり、あるいは契約をすると、よい買い物をした、よい契約したと思いたがるものである(中略)こうした人の気持ちに、ときには如才なく、ときには正面から堂々と訴えて、われわれの営業力をますます強化することがたいせつである

セールスマンはだれでも、二つの面を持っている。その一つは、その人の人格、説得力、知識、そして誠実さである。もう一つはその人の評判、信望、名声である。すなわち前者は現実に備えている才能であり、後者は世間の人が抱く考え方によるものである

セールスマンという名に背かない人は、打算的な頭で行動しない。すなわち、相手の顧客に購買力があるかどうかによって、全力を尽くそうか、尽くすまいかと決めてかかるようなことはしない

まだ基礎がかたまらず弱小であったときに、懇切丁寧に扱われ、かゆいところに手の届くサービスを常に受けていれば、やがて事業が大きく発展した暁にも、それをけっして忘れるはずはない。今日の「小さな芽」は明日の「大木」である

どの顧客も小さすぎることはなく、また大きすぎることもない

セールスマンシップにとって、もっとも悪いことは、片意地を張って、ものごとにこだわることである

私は自分の商品のことをすぐに話題に載せて、商談を始めるようなことは絶対にしない。自分の仕事のことは口に出さず、まず見込み客のビジネスについて話を進め、その人の仕事を私の仕事として考えることにしている

あなたは販売するものに、燃えるような熱意を持たなければならない。と同時に、けっして競争相手をけなしてはならない

どんな説明をするにも、それぞれの行なうべき時がある。しかも、その時はセールスマンが自分で選ばねばならない。そして、巧みに選んで、しかもその時を顧客が選んだように思わせねばならない

あえて私が「営業は断られた時に始まる」というのは、最初の「ノー」、二番目、三番目の「ノー」は、いずれも、これをたやすく、さらに詳しい説明を聞きたいという気持ちに変えさせてしまえるからである

「イエス」といった客に「ノー」といわせるな

私には私自身がふだん使っているテクニックを、このセールスマンが使い始めたことがよくわかった。それは、買うかどうかではなく、どちらにするか、ということである

息子よ、私はあなたにセールスマンになってもらいたい。なぜなら、優秀なセールスマンには利己主義者はいないからだ(チャールズ・リップスコンブ)
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ほかにも、

もし、ご満足がいきませんでしたならば、われわれにお話し下さい。
もし、ご満足がいきましたなら、よその人にお話し下さい。

といった、ユーモアあふれる内容が満載です。

というわけで、本日の一冊は、

『営業は断られた時から始まる』
http://tinyurl.com/62tu7

です。営業マンとして洞察力や心理、心構えを磨きたい方には、ぜひおすすめしたい一冊です。

目次
1.十分に準備せよ
2.上手に演出せよ
3.友だちをつくれ
4.小さなカシの実を植えよ
5.顧客の仕事を自分の仕事と思え
6.注文取りに終わるな
7.口実を反論と勘違いするな
8.「冷たい勧誘」を「熱い勧誘」に変えろ
9.競争に打ち勝て
10.惰性を克服せよ
11.潮時を狙え
12.「ノー」という言葉に耳をかすな
13.仕上げが肝心、だがそれだけで終わらすな
14.顧客を喜ばせよ
15.元気を出せ
16.当てはまるかどうか試してみよ
17.ただのセールスマンに終わるな
18.挑戦に応じよ
解説・加藤諦三
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『シャープの「ストック型」経営』

2004年10月26日 | Weblog
http://tinyurl.com/3qoja

本日の一冊は、「流行の経営モデルは追わない」シャープの強さの秘密に迫った一冊です。

本書でも書かれていますが、シャープという会社は、経営念で「規模を追わない」ことを明言している、珍しい会社です。

具体的には、「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって、広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」と明記されており、まさに本業に専念すべきであるということを、高らかにうたっているのです。

やはり、環境変化に強い会社というのは、裏にこうした経営者の堅実な考え方があるものなのですね。

では、その考え方が、実際の経営にどう落とし込まれているのか。
そして、著者らが言う「ストック型」経営とは何なのか。

さっそく本書を読みながら研究してみましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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【ストック型】経営モデルの特徴
1.問題解決の先送りをしない
2.個人的な能力に依存せず、システムとしての競争優位を確立
3.規模拡大・シェア拡大を重視しない
4.短期環境変化に対して安定的な企業システム
5.環境の構造変化に適応する企業システム
6.本業重視
7.社員重視の経営風土と学習する組織
8.経営理念の浸透と継承

早川徳次の考え方――「他社が模倣するような商品をつくれ」
・自分だけの商品では発展させるには大変な費用もかかるし、時間もかかる。ところがマネをしてくれる人があると自分のものとあわせて宣伝してくれる

社是:「五つの蓄積」
信用の蓄積、資本の蓄積、奉仕の蓄積、人材の蓄積、取引先の蓄積

ラジオの需要激減の際に会社を救ったのは労働組合の熱意であったが、円高危機の克服も、その例に倣って社員に打開策を求めた(中略)経営危機は社員の創意工夫で乗り切るのが、シャープの処し方

テーマの素晴らしさを意気に感じ、不眠不休に近い状態で実用化を成功させた技術者が経営者のもとに走り、経営者は技術者の功績に手を取り合って喜ぶ。失敗よりも挑戦する気風が尊重される。このような風土がオンリーワン商品を生む原動力になっている

各事業部門が保有する技術を固有に深掘りして専門性を高めるだけでなく、他部門の新商品にも惜しみなく技術を提供する。このような技術マネジメントを”融合”と称して、オンリーワン商品を生む原動力にしている

ブラックボックス化の手法(技術の流出を防ぐ)
1.製造装置を自社でつくる
2.原材料をオープンにしない
3.設計技術を隠す

技術やノウハウをモノづくりの熱意や誠意と一緒にして、働く人の頭脳と心の中に蓄積していくことがもっとも必要(中略)やはり人材に勝るブラックボックスはないのです

シャープの開発力の源泉:「緊急プロジェクト」研究者にとっては、責任を感じる半面、非常にやりがいのあるプロジェクトである。緊プロとして認められれば、部門で細々と研究していたテーマ、自身の学生時代から追いかけていたテーマなどが、公然と陽の目をみるわけである。社内の優れた人材を招聘でき、本社から希望する予算を割り当てられる。普段接する機会の少ないトップから激励されるのも、意気に感じる。緊プロに認定されてから、大概のテーマが開発スピードを上げ、困難な課題も乗り越える例が多い

通常、PPM的な発想であれば、成熟期を過ぎた商品は衰退期を迎えるので、撤退するか、生産コストの低い国へ生産拠点を移そうと考えがちである。しかし、シャープの場合は、オンリーワン技術の開発によって、成熟商品を成長商品へ衣替えさせる戦略をとる

関連商品を統合して生産する工場運営
1.景気変動に合わせた柔軟な生産対応が可能になり、余剰人員が発生しにくい
2.非効率・過剰な設備投資が防げる
3.不採算事業からのシフトが容易になる
4.トータルコストを最小化できる

強い製造業の復活の条件(町田社長)
1.自らの特長を伸ばし、他社にない強みを磨く
2.粘り強く育て上げていく
3.知的財産権の保護とブラックボックス化
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液晶事業への30億円の巨額投資や、太陽電池の例を見る限り、シャープという会社は、優れた投資センスを持っているようです。流行を後から追いかけるのではなく、他社に先駆けて思い切った投資をする。

抜群の投資センスと本業へ臨む実直な姿勢、この辺のバランスの良さがシャープの強さなのかもしれませんね。

というわけで、本日の一冊は、

『シャープの「ストック型」経営』
http://tinyurl.com/3qoja

です。シャープが現在手掛けている各事業の具体的な検証もあり、投資家にとっても役立つ一冊だと思います。

目次
プロローグ 「ストック型」経営とシャープ
第1章 経営理念とリーダーシップの継承
第2章 オンリーワン戦略
第3章 技術戦略と組織マネジメント
第4章 現場の挑戦 オンリーワン商品誕生の舞台裏
第5章 モノづくりを極める
第6章 シャープ「強さの証明」
エピローグ モノづくりを支えるもう一つの「ストック」
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『言いにくいことを上手に伝えるスマート対話術』

2004年10月25日 | Weblog
http://tinyurl.com/4tjcz

本日の一冊は、仕事上で、言いにくいことを伝える必要性が生じたらどうするか、という心構えと方法論を説いた一冊です。

某B社のTさんの友人が担当した本らしく、ご紹介いただいたのですが、正直、土井は人間関係でくよくよするタイプではないので、最初は興味が持てず、本は「ビジネス・ブック・マラソン」の控え室(本棚)で眠っていました。

ところが、ふと気がついて序文を見ると、なんとあの『7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィー氏が序文を書いているではありませんか。

参考:『7つの習慣』
http://tinyurl.com/6t7sc

これは一味違う本かもしれない、と思ってめくってみたところ、どうやら思いっきりビジネスパーソン向けの本でした。

ちょっと、この装丁じゃコンセプトがわかりにくかったですね。でも、気を取り直して、さっそく赤ペンチェックしてみましょう。

テーマは、「いかにして緊迫した会話に対処し、仕事で成果をあげるか」です。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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固い絆で結ばれた人間関係を築ける人、しっかりしたキャリアを持つ人、強い組織やコミュニティには、共通した特徴がある。それは、大きな利害関係や感情の高ぶり、対立した意見があるときでも、率直に話すことができる能力を備えていることだ

優れた組織では、新しい経営方針が打ち出されたり、リーダーが問題を正すのを待つまでもなく、関係する当事者同士が問題に向き合い、率直に話をする

リスクが大きく、論争になっていたり感情的になったりしている場面で、適切に会話を進め、うまくまとめあげるのに必要なスキルとは何か。それはすべての関連情報を(関係者全員から)上手に引き出すことができる能力である

ダイアローグに長けた人は、誰もが自由に自分の思いを打ち明けることで、バラバラな個々人の思いをひとつの思いのプールに蓄積し、共有できるように努力する

ダイアローグ・スキル向上のポイント
・自分が本当に欲しいものは何かを見極め、理解すること
・愚かな選択(二者択一)をしないということ

問題が深刻化する前に見つけるべきもの
1.会話が緊迫してきた状況
2.人々の安心感が揺らいでいる状況(沈黙や暴力)
3.自分自身のストレス時のスタイル

優れた会話のスキルを備えている人々が注目するのは、安心という要素だ。(中略)安心しているとき、人はどんなことでも話すことができる。しかし、安心のないところでは思いが自由に行き交うことはなく、ダイアローグの成功はありえないからだ

健全なダイアローグに戻る方法
・内容から離れる。安心させる。内容に戻る
・共通の目的を探す
・相互の敬意

他人の行動と自分の感情の間の中間ステップは存在する。だから同じ状況に直面しても、十人十色の感じ方が生まれるのだ(中略)自分が作ったストーリーを再考し、新たなストーリーを作れば、感情のコントロールが可能になる

反発を避ける五つのスキル
・事実を共有する
・自分のストーリーを話す
・相手のプロセスを尋ねる
・仮説として話す
・チャレンジを奨める

四つのパワー・リスニング・スキル
・質問する
・ミラーリングする
・言い換える
・呼び水を注ぐ

意思決定の四つの方法=命令・相談・多数決・コンセンサス

意思決定法を選ぶ際の四つの重要な質問
1.関心を持つのは誰か
2.知っているのは誰か
3.誰の賛成が必要か
4.何名の参加が適切か
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25年間に2万人、数百の組織を対象にした研究成果、というだけあって、書き切れないほどの対話ノウハウが詰め込まれています。装丁とは裏腹に、非常に論理的な内容でした。

というわけで、本日の一冊は、

『言いにくいことを上手に伝えるスマート対話術』
http://tinyurl.com/4tjcz

です。上司や部下、恋人との対話から、会議での話し合いまで、幅広く使えるテクニックが満載です。

目次
難しい話題を上手に扱う方法
会話の達人になる―ダイアローグの驚くべき力
自分から始める―欲しいものに集中する
状況を見る―安心感の揺らぎに気づく
安心させる―何でも話せるようにする
ストーリーを作る―感情に流されずにダイアローグを続ける
プロセスを告げる―摩擦を起こさずに説得する
プロセスを引き出す―激怒する相手、だんまりを決め込む相手から聞き出す
行動につなぐ―緊迫した会話を行動と結果に結びつける
すべてをまとめる―準備と学習のツール
難しいケースの実践的アドバイス
人生を変える―着想を習慣化する
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『なぜ、だれも私の言うことを聞かないのか?』

2004年10月24日 | Weblog
http://tinyurl.com/3pa75

本日の一冊は、プロフェッショナル・コーチとして知られる鈴木義幸さんが、コーチングのエッセンス(部下との対話術)をコンパクトにまとめた一冊です。

メールマガジン「Biz Coach Magazine」で紹介した27の事例を、「すぐに役に立つ具体的なケーススタディ」として掲載し、その後で解説するという構成になっています。非常にわかりやすく、アドバイスが具体的なのが特長です。

では、具体的にどんなアドバイスが載っているのか。いくつかピックアップしてみましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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自分の発した「言葉」とその言葉に込めたい「意味」を一致させて部下を動かすためには、もはや頭ごなしの命令スタイルでは難しい。一方的な命令スタイルに代わる新たなコミュニケーションスタイルが、いまどきの部下を動かすうえでは必要なのです

上司の質問(悩み)は、おおむね2種類に集約できる
1.ストレスの高まった部下の存在を知る方法
2.ストレスの高まった部下への対応方法

ストレスサイン ※具体的な特徴は本書をご参照ください
・攻撃的な行動に出る
・逃避的な行動に出る
・ライフスタイルに表れる

ストレスサインが見られたときの対応策:無理をさせない
・いま以上負荷をかけない
・残業させない
・他の人のサポートをつける
・気晴らしや休息をとらせる
・必要なら専門家に任せる

人の意識や行動を変化させ、それを維持し、定着させるには、「リマインド」と「モニタリング」が必要

信頼関係が生まれる前に「相手を変えよう!」と性急に変化を求めても、それは抵抗を生むばかりです。なぜなら、「変える」ということは、「今までを否定する」ことにもつながりかねないからです

まずはマネジャーとしての意図を「要望」という形で伝え、それを行動に移していく上で、何ができるのかを質問していくと、部下は話しやすくなります(中略)「どう思う?」と聞くのではなく、「君はどうしたい?」と聞くと、上司側からの「検証」の意味合いがなくなるので、部下も自由に話すことができます

相手に「相談を持ちかける」と、その相手にいつもと違う視点で物事を深くかつ当事者意識を持って考えさせることができます。その結果得られる成果も、あなた1人だけで考える時よりずっと大きいはずです。さらに、相談を持ちかけた相手との信頼関係を深められる良い機会が得られるという利点もあります

一方的に指示され続けると、人はだんだん指示に依存するようになります(中略)部下が指示命令に依存していると見受けられた時には、「答えは部下の中にある」と心で唱えながら、まずは簡単に答えられる質問を投げかけ、相手に自分で考えることを促しましょう

部下が自発的に行動するよう、モチベーションを高めたいと思う時には、部下の行動につながる”スイッチ”を知っていることが重要

上司であるあなたにとって重要なのは、自分の部下がまず会社組織にとって「存在意義がある」「役に立っている」と自覚できるような”環境”をつくってあげること
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個人的には、非常にためになりました。ありがとうございます。決して理論だけに偏らず、実践に使えそうなところがいいですね。

というわけで、本日の一冊は、

『なぜ、だれも私の言うことを聞かないのか?』
http://tinyurl.com/3pa75

です。薄い本で、さらりと読めてしまいます。悩める上司には、ぜひおすすめしたい一冊です。

目次

はじめに
1.部下のストレスをコントロールしてあげよう
2.「成功した」と仮定して、部下にアイデアを出させよう
3.時には自分の上司をコーチングしよう
4.「被害者」意識を捨て「創造者」になろう
5.教えたことを思い出させて、見つめ直させよう
6.部下との間に太い「命綱」をたくさんつくろう
7.部下を「リスペクト」し、信頼関係を築こう
8.「暗黙知」を部下に伝えるナレッジマネジメントを実践しよう
9.「質問」と「要望」を使い分けて、部下の考えを引き出そう
10.部下と一緒に現場を回って、経験を共有しよう
11.エンパワーメント――目標を与えたら、あとは部下に任せてみよう
12.部下と本音で話し合う機会をつくろう
13.企業内コーチを育成しよう
14.目標管理制度をうまく使うには、まず部下の話をたっぷり聞こう
15.ピア・コーチング――同僚同士でコーチングし合ってみよう
16.時には部下に相談してみよう
17.部下に「自分で考える」癖をつけさせよう
18.部下との会話の量をもっと増やそう
19.部下を「正しく」叱ろう
20.部下に「自分はこの会社で役に立っている存在だ」と感じさせよう
21.最近の若い部下とのコミュニケーションの仕方を考えよう
22.コーチングの発想を実際の営業に活かしてみよう
23.会議の運営にコーチングのノウハウを活かそう
24.フィードバック――部下があなたの考えをどう受け取ったか確認しよう
25.「究極の質問」を部下にぶつけてみよう
26.あなたの「正論」を部下が耳に入れるよう、話し方を工夫しよう
27.あなた自身が部下の「コーチ」になってみよう
おわりに
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『考える技術』

2004年10月23日 | Weblog
http://tinyurl.com/4t2gv

本日の一冊は、大前研一さんの、久々のビジネス自己啓発書です。

大前さんの本でよく売れるのは、思考法や仕事術に関するお話ですが、今回の『考える技術』は、まさにそんな内容です。

冒頭で著者自身が述べているように、「新しい時代は、思考力によって極めて大きな格差が生まれる時代、すなわち『思考力格差』の時代」であり、本書の目的は、「この新しい世界のなかでビジネスマンが生き抜いていくために必要なビジネス思考の方法と、その思考回路を身につけるためのノウハウ」を提供することにあります。

では、具体的にどんな内容が盛り込まれているのか。さっそくそのポイントを見てみましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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問題解決のみならず、先見性とか直感と呼ばれるものも、じつは論理的思考があってこそ生まれる

仮説を証拠で裏付け、結論を導き出すうえでもっとも大切なのは、「その問題の原因は何か」を明確にすることである。ところがほとんどの経営者やビジネスマンは、問題として見えてくる現象にばかり目がいってしまい、原因の解決に至らないという思考パターンに陥っている

少なくとも十分な仮説が出てくるまでは、自分が現場に出なくてはならないのである。それを定量化するのにスタッフを使うことはできるが、仮説そのものを導き出すのを部下に頼ってしまっては価値あるものが出てこない。じつは、これはコンサルティングだけでなく、企業の経営にも言えることだ

「こうすれば問題は解決する」という提案までできなければ、真の問題解決とはいえない。しかもその解決策は、すべて現場、マーケットから生まれてきたものでなければならない

問題解決のための思考トレーニング法
・吊り広告を題材に、「この会社の社長に売上を伸ばしてほしいと頼まれたら、自分ならどうするか」を考える
・「自分が二階級上のポジションにいたらどうするか」を考える

人を納得させるための論理構がしっかりとなされていれば、提言には説得力が伴う。説得力とはすなわち相手の心理までも勘案した論理構成の力であり、その論理構成を生み出す思考回路の組み立て方こそが、提言のノウハウなのである

人間の感情はロジックだけでは収まらない。感情の問題をきちんとフォローして、翌日からは嬉々として実行に移してもらえるように仕向けていくことも、プレゼンテーションの実効性を上げるには不可欠なのである

プレゼンテーションの秘訣
・「言いたい順序」ではなく「相手が納得する順序」
・ピラミッド・ストラクチャー ※実践手順は本書を参照ください

論理的思考においては、まず事実に対して忠実であることが前提である(中略)たとえ自分の感情がどうであれ、出てきた事実に対しては謙虚になる。それが問題解決のための絶対の前提条件なのだ

世界のマーケットで競争力を持っている日本の優良企業は、同質性のぬるま湯にひたることなく、社内で挑戦的な目標を掲げてやっている。それは言い換えれば「自己否定する勇気」と言ってもいい

(権威者のフレームワークに頼ることのリスクを述べた上で)私自身、与件となるようなフレームワークはまったく持っていないし、前提も持っていない。現実にお金がどう流れているか、顧客の購買の意思決定がどう変わってきているかといった、「物理現象」しか私は信用していない

前提があって結論があるという思考パターンの人間なら、どんなときにもパニックにならないし、前提が変わればまた違う結論を出せる。マッキンゼーにかぎらず、これからの世の中は、他の仕事でもこういうタイプのほうがうまくいくはずだ

自分がふだん使っているセンスや感覚を、ガラッと違うものの前にさらしてみる。それは外国人でも、違う性別の人でも、違う年齢の人と話すことでもいい。そうしたことが、新しい発想やアイデアを生むうえでとても有効なのだ

「成功のパターン」の四要件
1.事業領域の定義が明確にされている
2.現状の分析から将来の方向を推察し、因果関係について簡潔な  論旨の仮説が立てられている
3.自分のとるべき方向についていくつか可能な選択肢があっても、  どれか一つに集中する
4.基本の仮定を忘れずに、状況がすべて変化した場合を除いて原  則から外れない
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著者は本書で、単にこうした考え方を示すのみならず、考え方を実践するためのトレーニングとして、郵政民営化、カネボウ問題、クルーグマンのインフレターゲット論などに関する検証をしています。

前著『質問する力』でも披露した、大前流の「物の味方」が、本書の最大の魅力ではないでしょうか。

参考:『質問する力』
http://tinyurl.com/4lpq6

というわけで、本日の一冊は、

『考える技術』
http://tinyurl.com/4t2gv

です。ビジネスパーソンの思考トレーニングに役立つ、いい意味でちょっとひねくれた一冊です。

目次
はじめに――「思考力格差」の時代
第1章 思考回路を入れ替えよう
第2章 論理が人を動かす
第3章 本質を見抜くプロセス
第4章 非線形思考のすすめ
第5章 アイデア量産の方程式
第6章 五年先のビジネスを読み解く
第7章 開拓者の思考
巻末資料
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『AQ 仕事の逆境指数』

2004年10月22日 | Weblog
http://tinyurl.com/49nug

本日の一冊は、ビジネスシーンにおける、さまざまな「逆境」を乗り越えるための行動理論を説いた本です。

IQ,EQに続く能力指標として、さまざまな概念が提唱されていますが、本書で述べるAQ(逆境指数)もまた、そのひとつです。

では、一体AQとは何なのか。それは仕事で役立つものなのか、先天的なものなのか、訓練で身につけることができるのか。

その辺を、本書を読みながら探っていきましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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AQ(逆境指数)とは、大きな悲劇から小さな怒りまで、あらゆる逆境に対応するために、あなたに組み込まれた行動パターンのこと

10年前、「逆境にもっとも効果的に対処する者が、仕事や人生の成功者となる」というAQ理論を私は打ち立てた。同時に、私の研究グループでは、アスリート、学生、リーダー、販売員を対象に定量調査を開始した。その結果、AQがきわめて信頼度の高い成功への予測変数であることがわかった

成功するためには、生まれながらに高いAQを備えている必要はない

人の能力の3つの形態
・必要能力
・実在能力
・アクセス能力

人間のタイプ
・脱落組
・キャンパー
・登山家

AQには4つの要素がある。それがCOREである。COREとは、コントロール、責任、影響の範囲、持続時間の4つであり、それらが組み合わさって逆境に対する反応が決まる

AQというのは、微笑みながら、楽しく、幸せだと触れ回ることではない。脳に組み込まれた反応パターンを変えることなのである。そうやってAQの高い反応パターンが身につけば、あなたの言葉も行動も自然に前向きになる

AQが比較的高い人は、官僚的な環境の中では変化を起こすむずかしさを実感している

仕事や人生に対して達成欲を維持することのできる者こそ、すぐれたAQの指導者や助言者やリーダーになれる

組織の改善に必要なのは、オープンマインドの人材である。鉄の心臓をもつ人は自我を守ろうとするため、発展性がない。逆に、オープンマインドをもつ人びとはある程度まで自己分析をおこなうことができる。このたぐい稀なる特質によって、困難な問題の解決に際して、将来同じような問題に直面したときにどう対処するべきかを学びとることができる

人を最終的に判断するのは、順境のときに何をしているかではない。逆境に見舞われたときに、どうするかである(マーチン・ルーサー・キング牧師の言葉)

人格者は困難な状況にとくに引きつけられる。なぜなら、彼らは難しい問題を処理することによって、自分の潜在能力を実感できるからだ(シャルル・ドゴール)

性格は簡単に、黙ってつくられるものではない。試練と苦しみを乗り越えたという経験だけが魂を強くし、目を開かせ、熱望をかきたてて、成功をもたらしてくれる
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このほかにも、AQを測るためのチェックリスト(個人・組織)、すぐれたリーダーの条件、AQの高い人材を雇うためのノウハウなどが盛り込まれています。

というわけで、本日の一冊は、

『AQ 仕事の逆境指数』
http://tinyurl.com/49nug

です。文章が冗長なのと、書き方があまり科学的ではない点が気になりましたが、厚さの割にはさらりと読めると思います。

現在の仕事に疲れている方や、無気力に悩まされている方、これから起業しようとする方向けの一冊です。

目次
第1章 あなたの秘められた能力を伸ばすために
第2章 まず、あなたのAQを測ってみよう
第3章 登山家のCOREとはどういうものなのか
第4章 レスポンス能力の高い登山家を育てる
第5章 登山家を指導し育成していくために
第6章 登山家とはいったいどんな人間なのか
第7章 頂上を目指すカルチャーを築き上げる
第8章 前へ、そして上へ!
訳者あとがき
巻末資料
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『新社長へ!これだけは覚えておきなさい』

2004年10月21日 | Weblog
http://tinyurl.com/4tm9z

本日の一冊は、明日香出版社の石野誠一社長による、後継者へのメッセージです。

経営者として必要な人生の知恵や心構え、経営の具体的ノウハウ、自らの体験談など、さまざまな話が、父から息子へのメッセージとして書かれており、あの名著『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』を髣髴とさせる内容です。

参考:『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』
http://tinyurl.com/5d2ux

決して後継者問題だけに焦点を絞った内容ではなく、広く、新社長が学んでおくべき事がらを網羅しています。

では、具体的にどんなメッセージが込められているのか。さっそくポイントを見て行きましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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経営業とは、人の味方であり、人の使い方です。「人間」について洞察を深くすることが、間違いのない経営につながっていくことになります。

人と接する場合、「人は自分がいちばん可愛い存在である」ということを徹底的にわきまえておかないと付き合いを全うすることはできません。逆に言えば、人は他人の痛みには、意外と鈍感なものです。若くして人のうえに立たされる新社長は、このことを心してください。

苦はともにできても楽はともにできない(会田雄二の言葉)

近きものを喜ばせば遠くより人来る(孔子のことば)

大事なことは、人と人とのエネルギーのぶつかり合いがあって、会社もまたそのエネルギーの許容量を増やしていくということです。

過分なる報酬は、過分なる投資によってもたらされる(経営名言)

社内から信頼を得る最高の方法は、<私(わたくし)しない>ということ―自分のポケットに入れるな―

すでに存在する事業には、その集団を育てるために、人生の旬の期間を注ぎ込んだ人たちがいるのです。その人たちの<今と明日の生活>の基盤収入を保証するという責任が、二代目にはあるわけです。

経営者が、「伸ばそう、伸ばそう」とがんばるより、伸びるように条件整備をつみあげていくと、自然と会社は成長していく

人を叱るときは、あれこれと斟酌してはならない。この人はあとでどれだけ傷つくだろうか、などと思っては、逆恨みされる叱り方になる。ただ、本人のためを思って、真に打てばいいのだ。真実で打たれて、だめになる人間は、もともとそれまでの人間だ。さっさと離れればいい(松下幸之助の訓え)

人を叱ってわが身を責め、人を斬って、またわが身を責める――そんな繰り返しのあとに、経営者の風格と、立派な会社集団が造られていくのです。

■歌丸光四郎「運命の7大原則」■
第一の原則 善因善果
第二の原則 是が非でもという願望は達成されない
第三の原則 得意は失意の前兆である
第四の原則 願望は諦めたときにひょっこり達成される
第五の原則 訪ねてきた運命の波には乗るべし
第六の原則 潔きは悲惨を伴う
第七の原則 誰がみても気の毒な状態は運命好転の前兆

人生、欲しいものは、<欲しい、欲しい>と念じて、努力すれば、たいていのものは手に入る

■新社長に望まれる要件■ ※天野親子調べ
1.具体的に数字で説明できる
2.自社の将来のビジョンなり方策を具体的に説明できる
3.他人の意見によく耳を傾ける
4.約束を守る。スケジュールを書き込む手帳を持っている
5.礼儀正しく明るい。健康で家族を大切にする
6.従業員から尊敬され親しまれている
7.従業員の定着率が高く、優秀な人材が多い
8.服装や私生活があまり派手でない。身分不相応な外車に乗っているのは好まれない
9.友人が多い。1000枚以上の年賀状が来る人
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いかがでしょうか? さすがは書き手としても優秀な、石野社長の渾身の一冊です。もう既に他界されていてお話を聞けない名経営者たちとのやり取りや、自分が会社を経営して得た経験・視点など、貴重な話がたくさん盛り込まれていました。

というわけで、本日の一冊は、

『新社長へ!これだけは覚えておきなさい』
http://tinyurl.com/4tm9z

です。土井も新社長の一人として、大変参考になりました。ちなみに、奥付を見たら、なんともう8刷り。さすがですね。

目次
はじめに
第1章 社員さんとどうつきあうか
第2章 功労幹部をどう処遇するか
第3章 自分と後継者をどうあつかうか
第4章 決めてからどうしたか
第5章 求心力を得るには
第6章 日々をどう生きるか
第7章 身につけておきたい、あれこれ
第8章 事業を継ぐ二代目として意見表明します
あとがき
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『実録 軽トラ1台で年収1200万円稼ぐ』

2004年10月20日 | Weblog
http://tinyurl.com/4gf78

本日の一冊は、熊谷さん同様、偏執狂の著者による一冊です。

先日、土井宛に書評依頼のメールが著者から直接届いたのですが、一瞬「スパム?」と思われるほど、激しい「売り込み」だけのメールでした。自分の本、メルマガ、ホームページ…。思わず呆然としてしまいましたが、往々にしてこういう「周りの見えない著者」は、マニアックでいい本を書いたりするのです。

で、かんき出版の営業の方にお願いして現物を取り寄せたところ、やはり「アタリ」でした。テーマが軽トラで稼ぐ、ということなので、売れる本かと言われると厳しいですが、内容は有益です。

とくに、これから起業を考えている人にとっては、ニッチマーケットをねらう視点や、実際にビジネスを行う際に必要となる資金繰りの話、開業時の手続きなど、参考になる部分が多いと思います。

具体的にどんな内容が盛り込まれているのか、さっそく見ていきましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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軽自動車の積載効率はお世辞にもいいとは言えません。ですから「軽運送の配達料金は高いか?安いか?」と問われたら、ほとんどの反応は「割高である」「高い」となります。

お客さんが軽運送に持ち込んでくる「ワケあり」の荷物
・発注もれや配送もれ
・誤配送
・時間が限られている条件下で届け先の数が多すぎるとき
・通信やシステムの復旧に必要な品物
・宅配便の集荷しめきり時間を過ぎた荷物
・宅配便で送りづらい事情があるような荷物
・宅配便約かんの貨物保険金額(宅急便の場合30万円)よりも高価な荷物

軽運送ならではの「おいしい」ニーズ
・林間学校に必要な機材の運搬
・接待ゴルフ
・弁当配達
・警戒厳重区域への配達
・コンビニ(トラブル時)
・機密性の高い荷物

世間がどんなにハイテク化しても荷物を届けるのは生身の人間の役割です。配達の仕事は、ITに追い詰められない仕事ともいえます。

軽運送業とは荷主の求めに応じて仕事をする、コバンザメ商売(中略)自分の努力よりは他人(荷主)の業績に勢いがあるかどうかが、仕事量を決定してしまいます。だからこそ、軽運送でもっとも大切なのは、「将来性(発展性)ある法人客」「拡大主義の企業」を見抜けるように目利きの力を養うことなのです。

ひとりでできないときは外注すればよい

手配師になると車も車庫も不要

軽運送業に向かない人
・借金のある人(ただし自宅のローンは別)
・借金をして開業しようという人
・運転資金が極端に少ない人
・ギャンブルが好きな人
・前職のプライドが捨てられない人
・お客さんに敬語を使うことに抵抗感がある人

売上倍増の究極テクニック
・法人客相手に後払い可能で仕事に応じる
→コスト意識がない担当者は、大した用件でもないのに習慣のよう に仕事を出すようになる
・自分の土地そのものに貸倉庫を設けて、荷物の出元にする
・宅配便で送れるものを大手宅配業者価格より安く設定し、下請け 宅配価格より高く設定すること
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どうでしょうか? 個人的には、ニッチマーケットを見つけるための視点が満載の、ユニークな本だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『実録 軽トラ1台で年収1200万円稼ぐ』
http://tinyurl.com/4gf78

です。これから起業する人には、一読の価値あり、だと思います。

目次

第1章 ”軽運送”は誰でもできる運び屋商売
第2章 ワクワク、ドキドキの運転席
第3章 ローリスク、ローコストな自営業
第4章 その気になったあなたが知りたいこと
第5章 ひとりで始める軽運送ビジネス
第6章 自分に適したやり方で稼ぐ、儲ける
おわりに
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『ヒューマン・リソース・マネジメント』

2004年10月19日 | Weblog
http://tinyurl.com/639u2

本日の一冊は、『キャリアショック』『成果主義は怖くない』などの書籍で知られる、高橋俊介さんによる、人材マネジメント論です。

参考:『キャリアショック』
http://tinyurl.com/5cjzs

参考:『成果主義は怖くない』
http://tinyurl.com/5jt9k

スカイパーフェクTV!の「ビジネス・ブレークスルー ビジネス基礎講座」6回分の内容をまとめ、加筆修正したものだそうです。

テキストとして編まれただけあって、人事上のさまざまな課題が体系的にまとめられており、すんなりと頭に入ってきます。

「衛生要因」「動機づけ要因」の話も登場しますし、なにより注目したいのは、事例を含め、当該分野の研究成果がふんだんに盛り込まれている点です。

どんな内容が盛り込まれているのか、ポイントをまとめてみました。ご覧ください。

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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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事業ビジョンが決めなければならない「3つのこと」
1.誰がお客様なのか(顧客ターゲット)
2.その顧客に対してどんな価値を提供するのか(価値提供)
3.どうやって儲けるのか

事業ビジョンが経営の意思であるとすれば、それとリンクする人材マネジメントも経営の意思によって決めるべきものであって、正解が普遍的にあるものではない

「企業風土は経営の意思に関係なく周囲の環境からつくられたもの」と答えた会社よりも、「企業風土は自分たちの意思でつくってきた」と答えた会社の業績がいい

組織マネジメントの6つのスタイル
1.WHATよりはHOWをその都度具体的に指示する個別命令型
2.WHATよりHOWを具体的ルールにするマニュアル型
3.WHATを一般的に記述する職務記述型
4.具体的目標数値だけを与え、あとは極力自由にする数値目標型
5.質的目標も含め、WHATを相互に合意し、HOWはできるだけセルフマネジメントさせる目標管理型
6.ビジョンや行動指針などの方向性だけを与え、WHAT構築からのサイクルを自律的に回させる自己管理型

自律組織をつくる上で一番重要なのは、WHATを構築する人の数が増えることであって、そのWHAT構築能力のある人間を増やしていかなければ会社は儲からない

トップが意図している形で、自らが質的に高いWHATを考えて、自分たちでやっているかどうかをチェックする体制も必要

組織品質の高い組織マネジメントの要件

1.自律組織では、ビジョンや行動指針、提供価値といった抽象的概念の具体的理解と行動を一致させる
2.トップ自らが自分の言葉で繰り返し伝える
3.第一線のリーダーがそれを自分たちの言葉で伝える
4.具体事例やメタファー、デフォルメを使う
5.様々なメディア、グループ討議方式、研修の活用、映像、カード、メールは特に具体事例で示す
6.伝わっているか、行動しているか確かめる。それができるまで許さない愚直さをもつ
7.セルフマネジメントのサイクルを回す
8.先行指標によるセルフマネジメントを機能させる

仕事で役立つ人間の能力
1.スキル、2.頭の良さ、3.行動特性・思考特性、4.動機

勝負能力開発は、新しいやり方、新しい課題、新しい仕事に常にチャレンジして、それに気づき、開発することが肝要

行動特性・思考特性といった能力は、特に最初の10年の仕事特性やマネジメントスタイルに影響される

これからの報酬制度の4つの流れ
1.予見性の低い、柔軟な報酬制度
2.一律性の低い、事業別、職種別、カンパニー別の報酬制度
3.序列性の低い、組織序列と等級というより、業種別や職種別などの給与相場と期待成果や実際の貢献度による報酬制度
4.詳細な給与表や中央人事部の個別管理でなく、ライン主導のシンプルで柔軟な報酬制度

企業のパフォーマンス、組織のパフォーマンスに相関が最も高いのは、やる気があるというよりもコミットメントしているという状態

外因的コミットメント→報酬やポストで引き出す
内因的コミットメント→コーチングの考え方が役立つ

※コミットメントを引き出す具体的な手法、考え方については書ききれないので、本書をご覧ください
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いかがでしょうか。本当は事例も含め、もっと紹介したかったのですが、長くなってしまうので、この辺にしておきます。

というわけで、本日の一冊は、

『ヒューマン・リソース・マネジメント』
http://tinyurl.com/639u2

です。決して著者の思い込みではなく、研究成果から得られた「人を動かす要因」が、客観的に語られている点が魅力です。

目次
まえがき
第1章 事業ビジョンと人材マネジメント
第2章 組織の自律性と組織運営の仕組み
第3章 人の能力と人材フローマネジメント
第4章 人事制度の歴史と報酬管理の流れ
第5章 仕事コミットメントと組織コミットメント
第6章 雇用とキャリアのマネジメント
第7章 福利厚生のマネジメント
あとがき
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『コリン・ローズの加速学習法 実践テキスト』

2004年10月18日 | Weblog
http://tinyurl.com/6n786

本日の一冊は、いわゆる「加速学習」のためのテキストブックです。

脳科学の研究成果に基づく、効果的な学習方法を指南するという本で、内容がじつによくまとめられています。

本書では、

1.短時間で学習する能力
2.適切な意思決定を行う能力
3.創造的思考の能力

の3つのスキルを柱に、以下のようなテーマにも言及しています。

・読書の速度を、今の3倍にする方法
・記憶力を高めるための14の方法
・人間の持つ8種類の知能
・名前を完全に覚えるための記憶力を身につける方法
・説得力のある文章を書くための6つのルール
・新しいアイデアを生み出す思考法
・仕事の時間を増やさずに、仕事の質を高める働き方

しかも、やり方さえ学べば、どんな人でも効果的な学習が可能になる、という根拠を挙げながら解説してくれるので、学習に対して臆病になっていた人でも、自信がわいてきます。

内容が盛りだくさんのため、すべてをご紹介できませんが、なるべく重要なところに絞って、エッセンスをご紹介します。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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最近の10~15年間の研究によって、脳科学者たちは、知能は固定したものではないという結論を出しています。脳を使えば使うほど、脳細胞同士の間に、より多くの結合が生じます。脳細胞間の結合が多ければ多いほど、知的な思考能力が高まります

新しい情報があなたの感情に受け入れられるような方法で伝えられたときは、それを充分に学び、よく記憶することができる

否定的な感情や恐れがあるとき、脳の中間層は、入ってくる情報を抑制してしまう

多くの人間が本当の可能性のごく一部しか使えない理由
1.自信の欠如
2.学習に対する体系的な取り組みの欠如
3.自分に合った学習スタイルや、幅広い知能を活用する方法を知らない

学習の6つの段階――M.A.S.T.E.Rモデル
M(A Mind Set for Success):成功をもたらす心の準備
A(Acquire the Facts):事実を入手する
S(Search out the Meaning):意味の探求
T(Trigger the Memory):記憶の活性化
E(Exhibit What you Know):学んだことを試してみる
R(Reflect on How you Learned):どのように学習したかを振り返る

成功を導く意志力のカギ
1.自分が何を達成したいかというビジョン
2.そのビジョンを達成することができるという揺るぎない信念

意識の焦点を当て続けるための最も易しい方法は、絶えず疑問を持ち続けること

言葉を頭の中で聴きたい人にとっては、速読は望ましくありません。そして、頭の中で言葉を聴くという戦略は、数学や科学の難しいテキストを読む際には役に立つことが多いのです。目的に応じて、最適の読書速度は異なります

1つひとつの言葉を「聴こう」とすると、読書速度がかなり低下します。私たちが聴くことのできる言葉は、毎分250語ほどですが、見ることのできる言葉は、毎分2000語以上に上ります。もし、純粋に目で捉えるだけで読むことを覚えれば、読書の速度を大幅に高めることができます

セッションの中で一番良く覚えているのは、始めと終わりの部分です

もし学習内容の想起率を高めたいと思うのであれば、セッションの中に、たくさんの初めの部分と終わりの部分を作ることです

記憶の4原則:「復習」「銘記」「保持」「想起」

顔と名前を一致させる方法

名前を覚える秘訣は、名前と顔との間に、視覚的な強い結びつきを作ること

アイデアの実践
何らかのアイデアを見たり聞いたりしてから24時間以内にそれを使った場合、ずっとそれを使い続ける可能性ははるかに高くなります

創造の3段階
・洞察
・組み合わせ
・新旧の比較

創造性のための枠組み
・収集―多くの情報を集める
・4方向思考―角度を変えて眺める
・アイデア―多くのアイデアを生み出す
・新しい組み合わせ―アイデアを再結合する
・最高の組み合わせの結果を調べて決定する
・行動に移す
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ちょっと赤ペンがインフレ傾向になってしまいましたが、それだけ内容は、読み応えがあります。

というわけで、本日の一冊は、

『コリン・ローズの加速学習法 実践テキスト』
http://tinyurl.com/6n786

です。読書に関心の高いみなさんには、ぜひおすすめしたい速読術や、効果的な学習法が掲載されています。

目次
まえがき あなたには必要なものがすべて備わっている!
Chapter1 第1段階 成功をもたらす心の準備
Chapter2 第2段階 事実を収集する
Chapter3 第3段階 学んだことの意味を探求する
Chapter4 第4段階 記憶を活性化する
Chapter5 第5段階 学んだことを試してみる
Chapter6 第6段階 どのように学習したかを振り返る    
Chapter7 第7段階 学習する組織になるために 
Chapter8 第8段階 分析的思考とは?
Chapter9 第9段階 創造的思考とは?
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『なぜあの人だと話がまとまるのか?』

2004年10月17日 | Weblog
http://tinyurl.com/6bzpm

本日の一冊は、コーチングやファシリテーションを専門とする戦略コーチ、田村洋一さんによるファシリテーションの実践ガイドです。
ロジカル・シンキングや、コーチング、ファシリテーションの本が流行で終わってしまうのは、理論を実践して自然にできる状態までもっていかないと、効果を発揮しないからだと思います。そういう意味では、著者が本書のなかでたとえている通り、自動車の運転に近いものなのかもしれません。

本書の最大の特長は、著者が定期的に疑問を投げかけることで、読者に考える機会を与えていることだと思います。

200ページに満たない薄い本ですが、考えながら読み進めていくうちに、話をまとめるテクニックと考え方をマスターできるはずです。

では、具体的にどんな内容が盛り込まれているのか。さっそくそのエッセンスを見ていきましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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「問題解決」という考え方、心の持ち方に根本的な問題があるのだ。まず、問題解決のアプローチでは、視界が狭くなりやすい。理解よりも解決、把握よりも行動に走ってしまいがちだ

話がまとまる3つのステップ
・ゆるめる
・伸ばす
・縮める

緊張構造とは、実現したいビジョンや目標と、それに対応する現実との間に生じる構造的な関係のことである。そして、この緊張構造をつくることが成功の第一歩、いや成功の半分以上を占めるといってもいい

「現在から将来ビジョンを展望する」のではない。「将来ビジョンから現在を展望する」のである

話がまとまるプロセスでどんなことがおきていれば満足なのか、を考えて欲しい。具体的な成果が数値化できないなら、無理にしなくても構わない。ただ、話が決着したら、それでどんないいことがあるのか、誰がどう喜ぶのか、何がどうよくなっているのか、わかっていることだけを書く

組織を相手にするには、成功の鉄則がある。それは、組織そのものを相手にしない、ということである。(中略)あなたの組織に何人ひとがいようとも、ひとりひとりの個人を選んで相手にすること

人数が多くても少なくても、基本的なスタンスは変わらない。まず、その相手にどうしてほしいのか、自分の意図を明確にする。次に、その目的を果たすためのメッセージを書く。そして、メッセージを受け取った身になってそのメッセージを読む。最期に、そのメッセージが自分の意図にあった効果を持つのか考えながら、メッセージを書き直す。足りないものがあるとしたら何なのか。事実なのか。論理なのか。視点なのか。わかりやすさなのか

話がまとまるには、「何のために」(Why)と「どのように」(How)の両方が必要である。(中略)しかし、特に強調したいのは、ハウツーよりホワイツー、ノウハウよりノウホワイ、マネジメント以上にリーダーシップのスキルである

「離見の見」を実践できるためには、相手主義を体得すること、そのために自分主義にけりがついていること。次に何を聞き、何を言う、ということが潜在意識の中に染み込んでいて、相手の様子を鋭敏に感じ取れる状態にあることが大切である

積極的傾聴のパラドックスを乗り越える心構え
・意図を持ちながら意識を持たない

傾聴の3つのレベル
1.自己中心
2.相手中心
3.全方位

それでもまとまらないとき
・自分でやる、ひとりでやらない
・話がまとまらない言い訳をする
・諦める
・距離を置いてみる
・説得しない
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読んでみたら、ビックリ。かなり原理原則や心構えに寄った内容でした。それだけに、ファシリテーションに興味がない人でも楽しめますが、手っ取り早く具体的ノウハウが欲しい、という人は肩すかしをくらうかもしれません。

というわけで、本日の一冊は、

『なぜあの人だと話がまとまるのか?』
http://tinyurl.com/6bzpm

です。悩んでいるマネジャーの癒し本として、また会議やチーム運営の心構えとして、読んでみるとおもしろいかもしれません。

目次
序章 「話がまとまる」とはどういうことか
第1章 自分が本当に望んでいるものは何か
第2章 自分の価値を明確にする
第3章 戦略的に緊張構造をつくりだす
第4章 組織に動いてもらう
第5章 相手主義
第6章 話を聞く
第7章 それでもまとまらないとき
終章 話がまとまるための行動様式
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