遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

中原中也ノート21

2019-09-11 | 近・現代詩人論
恋いを知らない
街上の
笑ひ者なる爺やんは

赤ちゃけた
麦藁帽をアミダにかぶり
ハッハツハツ
「夢魔」てことがあるものか

  その日蝶々の落ちるのを
夕の風がみてゐました

思ひのほかでありました
恋だけは――恋だけは 

「想像力の悲歌」とだいされている。恋を知らない「笑ひ者なる爺やん」とからかわれているのは永井で、「蝶々」である泰子を手にいれた恋の勝利感を唄ったものか。併し二人の関係はそれほど安定したものではなく、泰子の元に撮影所関係の男が出入りし、中也は嫉妬に苦しめられることになる。
 「ノート1924」で恋愛詩よりも重要なものとして注意すべきは、ダダ主張を書きつけたと思われる幾編かの詩編がある。

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