ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

音楽・本・映画・サッカーなど興味の趣くままに書いていきます。

2/7のランニング

2007-02-08 22:08:13 | ジョギング
今日は久しぶりに息子と早朝ジョギング。
息子が風邪をひいて先週は寝込んでいたので久しぶりに二人で走る。
息子も久しぶりで辛そうだ。

今日の距離:3キロ

真夏の島に咲く花は/垣根涼介

2007-02-07 21:17:30 | 
この本を読むまでフィジー諸島については殆ど知らなかった。
南太平洋のどこかに浮かぶリゾート地で日本からの観光客も多いところ。
そのぐらいの貧しい知識しかなかった。

地図帳で見てみるとフィジーの首都スバのあるビチレブ島は意外に大きな島で、
ハワイのオアフ島よりもずっと大きい。
国全体の面積は四国ほどだというから南海の小島というわけではないのだ。

フィジーにはもともとこの島に住んでいたポリネシア系のフィジアンと、
宗主国イギリスの植民地であった頃、
労働者として連れてこられたインド人の子孫が数多く住んでいる。
国をほぼ二分するこの二つの民族はこれまで対立を繰り返してきたのだそうだ。

小さな島国とはいえ複雑な背景をもつこのフィジーを舞台にした青春群像がこの物語である。

脱サラして日本食レストランを経営するために両親とともに
ハイスクール時代にこのビチレブ島にやってきたヨシこと良昭。
彼は両親の経営するナンディの店の店長を任されている。

平凡なOLだったアコこと茜はフィジーに自分を惹きつける何かを感じて、
その何かを見つけるためにこの島にやってきた。
ワーキング・ビザを取り1年前から日本人観光客向けのツアーガイドをやっている。

そのアコの彼氏でフィジアンのチョネは鷹揚な大男。
暖かくて食べることには困らず、財産私有の観念に薄いフィジー人。
チョネは細かいことにあくせくとしない典型的なフィジー人だ。
ナンディの街のはずれのガソリンスタンドに勤めている。

ヨシの彼女はインド系のサティー。
父親は苦労して観光客向けの土産物屋を大きくし今ではナンディの一等地に店を構えるまでになった。
サティーは父の店を手伝っている。
勤勉なインド系フィジー人たちはその日暮らしで刹那的で
まじめに働くことの苦手なフィジアンたちをどこか見下している。
サティーの父親もそんな一人だ。

ヨシとチョネとサティーはハイスクールの同級生で、
ハイスクール時代にヨシの計らいでチョネとサティーは付き合っていた。
しかし、フィジアンとインド人との対立のはざまで二人の仲は引き裂かれ、
チョネは卒業と同時に一度は故郷のタベウニ島へと帰ってしまうのだが
一年前にふらりとナンディに戻ってきたのだ。

そんなある日首都スバで民族対立を背景としたクーデターが勃発する。
遠く離れたナンディは一見平穏を装っていたが、観光客は徐々に減り始めやがて
それぞれの生活に影を落としていく・・・。

南の島を私たちは憧憬をもって「南の楽園」と呼ぶ。
いつも何かを持っていてその何かを守るためにあくせくと働いている私たちは
南の楽園に思いをはせる。
しかし、一見楽園のような世界にも現実の生活はあるし誰も彼も生きるのに精一杯だったりする。
それはこの楽園のようなフィジーだって同じなのだ。
だから私たちの楽園はもしかしたら土地ではなく私たち自身の中にある。
それぞれの人生の中にあるのではないか。

フィジーでの政変は全くのフィクションだと思っていたのだが、
実際にこの国ではフィジアンとインド人との対立からしばしばクーデーターが起きており
つい昨年も軍によるクーデターが起きている。
南の島とはとても思えないが、どこかのんびりとした雰囲気があるのはこの国ならではなのだろうか。

著者の垣根涼介とは同い年である。
同世代として共感できるアイデンティティを持った作品だった。

2/6のランニング

2007-02-06 22:26:43 | ジョギング
暖冬で今朝も暗いうちから軽くジョギングしただけなのに、じんわりと汗ばんでしまう。
体は楽だけど、ちょっと気味の悪い気候だ。
走っているとこういう季節の変動にも敏感になってくるようだ。

今日の距離:3キロ

Showdown/村田和人

2007-02-06 22:15:44 | 音楽
この湿度の高い日本で最も乾いた音楽を届けてくれるのがこの人ではないか。
そういう意味ではセンチメンタル・シティ・ロマンスと双璧をなすかもしれない。
とにかくどのアルバムを聴いても同じ質感と清涼感がある。

村田和人がコンスタントにアルバムをリリースしていた80年代は最もお金がない頃で、
思うようにアルバムを買うことができなかった。
彼のMOONレーベル時代のアルバムが紙ジャケでリ・マスターされたので早速買ってきた。
あの頃聴けなかったものをある種敵討ちのように今買っている。
村田和人のような音楽を今やっている人は皆無に近いので、貴重でもある。

村田和人の音楽の向こうには無垢なアメリカが見える。

2/5のランニング

2007-02-05 21:41:31 | ジョギング
週末の筋肉痛が残っていて、そろそろと走った。
朝まだ暗いうちは寒いけど朝しっかり運動すると調子がいい。
問題は夕方ぐらいになると眠くなることだろうか。

今日の距離:3キロ

FC東京勝恵方巻

2007-02-04 13:55:26 | Weblog
節分に太巻きを食べるなどという習慣は関東にはつい2,3年前まではなかったと思う。
ここ最近、それもコンビニあたりから流行り始めたのではないだろうか。
恵方巻。その年に幸運の方角を向いて食べるのだそうだ。

われらがFC東京もスポンサーの新宿とんかつさぼてんから「FC東京勝恵方巻」を出した。
カツが巻いてある恵方巻である。話のタネに買ってみた。
味の方はどうにもビミョーであったが、北北西を向いてこれを食べた。

目下のところチームはキャンプ中だが、恵方巻も食べたことだし今年は優勝にからむ活躍をしてもらいたいものだ。

2/3のランニング

2007-02-04 12:18:30 | ジョギング
今月は10キロをきちんと走りきるのを目標にして取り組むことにした。
昼間、子どものサッカーの練習に付き合ってダッシュを繰り返したので
太腿がパンパンになってしまったのが計算外だったが、夕方から10キロにトライした。

6分/キロが目標だが、ペース的には5分40秒~50秒ぐらいがちょうどいいペースのようだ。
最初はきつかったが、6キロあたりから楽になってきた。ラップもそれをあらわしてる。
しかし終盤膝に疲労が溜まり向かい風もあって若干ペースを落とした。
10キロを過ぎてくると膝に痛みが出てくるがこれは筋力を強化するしかない。
苦手な筋トレもやらなくてはいけないのだけど・・・。

今日の距離:10キロ
タイム:58分13秒

ラップ
5:44(1)
6:02(2)
5:44(3)
5:55(4)
5:58(5)
5:42(6)
5:37(7)
5:50(8)
5:47(9)
5:50(10)

Romantique/大貫妙子

2007-02-03 10:23:12 | 音楽
彼女のターニングポイントになった作品がこの『Romantique』ではないだろうか。
今でこそ、大貫妙子というのはひとつのジャンルとして確立された感があるけれど、
このころの彼女は音楽業界(そう音楽そのものではなく産業としての音楽業界)に疲れていたのだろう。
ヒット作を作ることとやりたい音楽を生み出すということに折り合いをうまくつけられずにいたのだろう。
前作にはそんな迷いがあった。

そこに現れたのがこのアルバムのプロデューサーである、牧村憲一である。
彼女のパーソナリティをいち早く見抜いた彼は彼女にヨーロッパをコンセプトとした楽曲作りを進言する。
アメリカン・ポップスから出発していた彼女にとってヨーロッパを志向するということは歌い方まで変えてしまうということだった。
細い声質である彼女がシュガー・ベイブで山下達郎と伍して声を張り上げるというのはやはりどこか無理があったのだ。

かくして人気絶頂期にあったYMOの面々をバックに坂本龍一のアレンジした曲と、
加藤和彦をアレンジャーとしてムーンライダースを中心としたメンバーで構成された曲とで、
存分にヨーロッパを意識して作られたのがこのアルバムである。

今聞くとそれなりに時代がかった感じはするし、
加藤和彦のアレンジはやはりサディスティックスから抜け出していないような感じがしないでもないけど
今に続く大貫妙子の立ち位置がほぼ固まったアルバムと言っていいだろうと思う。

自分の目指すべき指標を得たことがアルバム・セールスにも繋がったのだろう。
ここから大貫妙子はワン・アンド・オンリーの地位を獲得していく。

2/2のランニング

2007-02-03 07:43:22 | ジョギング
少し寒かったので怪我を気にして抑え気味にスタートした。
それでも、ここのところきちんと動かしているので調子は悪くない。
週末はしっかりと走りこみたい。

今日の距離:3キロ

笑い犬/西村健

2007-02-01 21:54:34 | 
これはやはり一種のピカレスク小説の範疇に入るのであろうか。
刑務所の中の生活がどういうものかは知る由もないし、あまり知りたいとも思わない。
ましてやできることならば厄介にはなりたくないところでもある。

この物語はそんな刑務所の中の様子がまるで、
筆者が実際に経験したのではないかと思われるほど綿密に描かれているのだ。
塀の中にもある種の慣習めいたものがあったり、
規律の中にも複雑な人間関係がつむぎだされていたりするし、
外からはうかがい知れないさまざまなドラマもある。

とある都市銀行がバブル崩壊の過程で過剰な融資回収業務を行った結果、
先祖代々の土地を失った地主が自殺してしまう。
過剰な取立ては脅迫であり、それが原因で死に至らしめたとして支店長が逮捕、起訴され有罪となる。
塀に中に落ちてしまった平凡なサラリーマン芳賀の苦難の刑務所暮らしが始まる。
塀の中の興味深い生活の様子とそんな生活に順応していこうとする主人公、
彼の帰りを待つ家族の姿が丹念に描かれていく。

塀の中でのさまざまなエピソードや人間模様を描いてそれだけでも面白いし
このまま彼の出所まで行くのかと思いきや、残り数十ページを残して物語は俄然急展開するのである。

小気味良い展開で息もつかせず読ませてくれる。
事件設定にそれほど意外性はなかったが、ぐいぐいと引っ張っていくストーリー展開が爽快だった。