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幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「いじめ・暴力に向き合う学校づくり 対立を修復し、学びに変えるナラティブ・アプローチ」ジョン・ウィンズレイド/マイケル・ウィリアムズ共著 ”校長が理解ありやる気があるかどうか”

2024-07-10 18:16:18 | 本の紹介
 あらかじめ定めておいた決まりを適用する。この決まりのほとんどは性質上、厳しい罰則である。決まりの適用にあたっては、行いの深刻度や酌量すべき事情、状況の文脈といったものあ勘案しない。
 こうした方針に沿って制定された罰則には、ほとんどの場合、違反した生徒を学校から排除するという内容が含まれている。排除さえすれば校内の悪い雰囲気が改善し、他の生徒に問題が波及せず、将来的には違反の防止につながるという前提があるからである。このように、ゼロトレランス方式は、暴力行為だけでなく暴力行為を行う生徒にも拡大適用されている。この裏には、暴力は一部の生徒にもともと備わっている性質であって、学校コミュニティはそうした生徒に寛容であってはならないという考えが潜んでいる。・・・
 このゼロトレランスアプローチには大きな問題がある。それは、うまくいっていないということだ。・・・
 それどころか、ゼロトレランス方式は逸脱行為の発生率を高めているということも報告された。

・暴力を生じさせず、対立にも建設的に対処できる雰囲気を校内に作り出したい。学校が本気でそう考えるならば、必要なのは、最善の方法を状況に応じて検討・決定できる包括的なアプローチである。一つの方法だけで学校の空気を一変させられる魔法の特効薬などない。

・「人が問題なのではない。問題が問題なのだ」

・多くの学校で蔓延しているのは、人を「問題」とすることである。周囲がある生徒をを何らかの「問題」、たとえば「トラブルメーカー」などと見なせば、その生徒のアイデンティティまでそうした評判によって形づくられてしまう。よくあるのが、何か問題が起きると「その生徒の人格上の欠陥がその問題を引き起こした」と仮定するような論理である。

・欠陥という考え方に伴う問題は、見立てが正しいか否かということだけにあるのではない、それよりも大きな問題は、欠陥ディスコースが常に還元主義的だという点にある。還元主義は人や集団を全体化する、つまり何か一つのもので、人や集団を代表させてしまうので、人々についても見方を狭い範囲に限定させてしまう。
だが、人はいつでも複雑な存在であり、どんなやり方であっても、たった一つの記述で表現しきれるはずがない。

・外在化する言語とは、話し合っている問題や対立を第三の存在として扱う語り方のことである。

・問題の影響をマッピングする
 一枚の紙やホワイトボードに問題の影響関係を図式化していくことを意味している。気をつけてほいいのは、マッピングの際に意識すべきなのは問題の影響であり、問題の原因ではないという点である。マッピング時に検討するのは誰が何をしたかということではなく、対立それ自体によって、人がどのような影響を受けたかということだからである。

・マッピング時に使う言葉の例
 ・この対立は、君にどんなことを感じさせる?
 ・こうしたこと全部が、君にどれくらいの代償を支払わせている?
 ・この対立のせいで、君は、自分ではこうしたいなあと思っていることとは違う行動をさせられちゃってるかな? もしそうだったら、それはどういったことかな?
 ・この争いは、相手の生徒について、君にどんなことを考えさせる?
 ・こうしたこと全部が、君の健康にどんな影響を与えている?
 ・そのケンカは、着物クラスメートにどんな影響を与えた?
 ・もしこのままもっと悪くなり続けたとしたら、最終的にどうなると思う?
 ・その対立がしでかしていることって、他に何かある? 

・脱構築とはあらゆる意味づけを崩すことでも、意味づけを構成する要素を分析したりすることでもない。デリダは、脱構築とはある意味づけに内在する矛盾を詳らかにし、剰余と呼ばれる新しい意味づけが出てくるようにすることだと、はっきり述べている。またデリダは、矛盾の中には、脱構築に向かう衝動が見えないながらも潜んでいることが多いとも述べている。

・ナラティヴの視点から見ると、謝ったということは、一連のストーリーの中で起きた一つのイベントに過ぎない。謝ることが本当に大事かどうかは、もっと広い関係性のストーリーを踏まえて考える必要がある。

・カウンター・ストーリーを広げていく
 移行先ストーリーのことを「カウンター・ストーリー」と呼ぶ。

・学校のカウンセリングは学びに関するものであり、治療ではない

・校長のカウンセラーの信頼関係が十分に育まれていれば、管理職は対立をコーチングする役としてカウンセラーを活用できるだろう。場足によっては、スクールカウンセラーが教師のコンサルタントとなって、学級内の対立のマネジメントをコーチングすることも可能となる。

・見取り図を手に入れるための質問のリスト
 ・トラウマとその影響を文章化する
 ・トラウマをマッピングする
 ・カウンター・ストーリーを探す
 ・レジリエンスに関するストーリーを発展させる


・修復的対話のガイドライン
 ・会話場面を作る
 ・問題を特定する
 ・問題の影響をマッピングする
 ・傷に取り組む
 ・プランを作る




感想
 学校でのいじめはなくなりません。
先生が先生を虐めていたケースもありました。

 いろいろな取り組みがなされていますが、これをやれば良いというのもないようです。

 スクールカウンセラーが学校に入っていますが、校長の理解があるかないかが、そのカウンセラーを生かせるかどうかのようです。

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