海山散歩人

古希を過ぎても、ライフスタイルは変わりようもなく、ジタバタしながら生きている高齢極楽トンボのブログです。

高倉健さん:合掌

2014-11-18 | 日記・雑感
帰宅したら高倉健さん逝去が報道されていた

映画スターは沢山いるけれど、健さんは銀幕のスターと呼ばれる
最後の映画俳優であろうことは、誰もが認める事実であると思う。

セリフが多いわけでもなく、派手な立ち振る舞いもせず
寡黙な表情が感情を表現して、そこにいるだけで映画の物語を感じさせるような
オーラがスクリーンいっぱいに広がっている存在感がいつまでも記憶に残る。

テレビのニュースの健さんをデジカメで撮って、ほんの少し振り返ってみた。

テレビドラマにはほとんど出演せず、自らを「俺は映画俳優」と言い切る、
潔癖、潔い、へつらわない、こだわりがある、自分を信じている・・・・


鉄道員(ぽっぽや)では、一人駅員を演じたが、悲しみを押し殺した演技は
スクリーンと現実の境目がないような、その場に居合わせたような臨場感、
観ている者の鳥肌が立つようなシーンが忘れられない


最後の主演作品は2年ほど前の「あなたへ」だったと思う。もちろん見に行った。
刑務官の役と子供のいない妻に先立たれる夫を演じ、妻の遺言を守るために
旅に出て、いろいろな人間模様と情けを描いた秀作であった。

この映画の後、健さんの希望で富山刑務所に慰問にいったとき、受刑者への挨拶で
冒頭、「自分は日本の俳優では一番多く、皆さんと同じ役をこなしました」
といって和ませ、最後に「どうかみなさん、頑張って元気に出所してください」
と励まして、大きな拍手に送られて壇上を降りたとのことです。


俳優・高倉健の語り口は、人間・高倉健の語り口と何ら変わることのない
ゆっくりと、とつとつと落ち着いた言葉で、気持ちに響くような感じが伝わります。

任侠映画でスターになり、受刑者や反対の警察官、過去の過ちを償う役、
悲しみから逃げられない鉄道員、幸せで孤独な夫役などを演じきった
映画俳優「高倉健」、この人を嫌いな人がいるのだろうかと思ってしまう。

日本人の羨望の眼差しと、尊敬にも似た感謝の気持ちに見送られようとしている。
最後の銀幕のスター高倉健さんに合掌。




コメント
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