昼食のバーベキューを楽しんでいると四人組の流しが現れました。
流し(ながし)は、ギター・ヴィブラスラップなどの楽器を持って酒場などを回り、客のリクエストに応えて客の歌の伴奏をしたり、ときには客のリクエストになど答えて自らの歌を歌う者のことである。流しのレパートリーは演歌ばかりではないが、そのなかでも演歌専門で歌っている者は演歌師とも云うことがある。
流しは、ギターと歌詞本をもって(アコーディオン・ヴィブラスラップなど、その他の楽器の場合もある)飲み屋を回り、客の歌の伴奏を務めたり、またリクエストに答えて歌を披露する。昭和40年代頃まではカラオケが全くなかったため、流しはとても人気があった。最盛期には新宿だけで100人を超す流しがいたといわれる。カラオケの飲み屋への普及とともに「流し」は急速に廃れ、現在では新宿で5人とも言われる。
カラオケと違い、ギターなどの生身の伴奏であるので、客がリズムや音程を外しても伴奏の方が客の歌にあわせる。従って音痴には「流し」の方が歌いやすい。また、常連になると「流し」が歌い方のアドバイスをしてくれることもある。しかし「流し」には酔客相手の商売ならではの苦労も多い。酔客に理不尽に絡まれることは日常茶飯時である。
また、自分の歌声を聞かせる「流し」も多い。
「流し」はどの店でも回るわけではない。「流し」が回る店は決まっており、「流し」にリクエストする客も大抵は常連である。常連客の紹介で「流し」は新たな客や店を開拓していく。従って「流し」は常連客は非常に大事にする。
2013年の現在も、都内などで酒場を回る「流し」は少なからずいる。
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ある流しの営業スタイル
「流し」にもさまざまな営業スタイルがあるが、昭和40年ごろから平成15年ごろまで新宿ゴールデン街や新宿ゴールデン街に近い歌舞伎町・新宿3丁目を流していた平均的なスタイルのある流しの例では、ギターを1本と歌詞本を1冊持って、なじみの店(スナック、バー、居酒屋)を回る。
店に入ると入り口でギターを「ボロン」と短く1回鳴らす。その場にいる飲み客のなかに自分が歌いたい者、あるいは「流し」の歌が聞きたい者がいれば、そこで流しに声をかける。リクエストしたい客がいないと「流し」は次の店に向かう。
客のリクエストが入るとその客に歌詞本を渡す。歌詞本は分厚く800曲から1200曲ほどの歌詞が入っている。客が曲を決め、「流し」のギター伴奏で客が歌う。あるいは客のリクエストで「流し」が自ら歌うこともある。伴奏あるいは自ら歌う場合でもリクエストに応じられる曲は基本的には歌詞本に載っている曲になる。が、歌詞本に載っていなくとも著名な歌や歌詞本発行後の流行歌などには応じられる場合もある。歌詞本に載っていない曲の場合、客が歌詞を暗記していないと歌うことは出来ない。 また、「流し」自らが選曲する場合もある。
「流し」の料金
相場はさまざまであるが平成10年の例で、新宿ゴールデン街のある「流し」は伴奏の場合で1曲500円、3曲で1000円であった。ただし、1例であって皆ではない。有名な「流し」、あるいは特殊なリクエストに答えられる「流し」の場合はこのかぎりではない。また、「時間貸し」の場合もある。この場合1時間いくらで契約し、時間貸しの場合は時間内は何曲でも同じである。料金は「相談」である。
曲目
「流し」出身の有名歌手には演歌歌手が多いが、実際の「流し」のレパートリーは演歌ばかりではない。軍歌・フォークソング・歌謡曲、あるいはJ-POP、K-POPなど、基本的には「流し」が回る店の客層に合わせてレパートリーを持つ。ただし、「流し」にも「流し」の客にも中高年が多いため、古い歌が中心になることがほとんどである。
現役の流し
現在も「流し」をしている者もいる。 さまざまな地方の新聞が、現役の「流し」を取り上げることもある。カラオケ普及前の「流し」が伴奏中心で客に歌わせるスタイルであったのに比べて、現代の「流し」は自分の歌声を聞かせる方向のものが多い。
新宿ゴールデン街
多くの文化人が通い、一種独特の文化を持っていた新宿ゴールデン街はまた、かつては流しのメッカでもあった。しかし、新宿ゴールデン街もカラオケに押され平成10年ごろだと新宿ゴールデン界隈を流している「流し」は主に2人になっていた。一人は有名な通称「マレンコフ」氏、もう一人は「山崎」氏で新宿ゴールデン街ではマレンコフと山崎氏はそれぞれ贔屓の店を持ち、互いのテリトリーは守っていた。現在では新宿ゴールデン街で長く営業していた「流し」の最後の二人も死去あるいは引退し、新宿ゴールデン街を長年にわたって流していた「流し」はいなくなった。
トリビア
北島三郎、五木ひろし、渥美二郎などが、「流し」からプロの歌手になった一例である。また遠藤実は「流し」から歌手となり作曲家になった。
流し(ながし)は、ギター・ヴィブラスラップなどの楽器を持って酒場などを回り、客のリクエストに応えて客の歌の伴奏をしたり、ときには客のリクエストになど答えて自らの歌を歌う者のことである。流しのレパートリーは演歌ばかりではないが、そのなかでも演歌専門で歌っている者は演歌師とも云うことがある。
流しは、ギターと歌詞本をもって(アコーディオン・ヴィブラスラップなど、その他の楽器の場合もある)飲み屋を回り、客の歌の伴奏を務めたり、またリクエストに答えて歌を披露する。昭和40年代頃まではカラオケが全くなかったため、流しはとても人気があった。最盛期には新宿だけで100人を超す流しがいたといわれる。カラオケの飲み屋への普及とともに「流し」は急速に廃れ、現在では新宿で5人とも言われる。
カラオケと違い、ギターなどの生身の伴奏であるので、客がリズムや音程を外しても伴奏の方が客の歌にあわせる。従って音痴には「流し」の方が歌いやすい。また、常連になると「流し」が歌い方のアドバイスをしてくれることもある。しかし「流し」には酔客相手の商売ならではの苦労も多い。酔客に理不尽に絡まれることは日常茶飯時である。
また、自分の歌声を聞かせる「流し」も多い。
「流し」はどの店でも回るわけではない。「流し」が回る店は決まっており、「流し」にリクエストする客も大抵は常連である。常連客の紹介で「流し」は新たな客や店を開拓していく。従って「流し」は常連客は非常に大事にする。
2013年の現在も、都内などで酒場を回る「流し」は少なからずいる。
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ある流しの営業スタイル
「流し」にもさまざまな営業スタイルがあるが、昭和40年ごろから平成15年ごろまで新宿ゴールデン街や新宿ゴールデン街に近い歌舞伎町・新宿3丁目を流していた平均的なスタイルのある流しの例では、ギターを1本と歌詞本を1冊持って、なじみの店(スナック、バー、居酒屋)を回る。
店に入ると入り口でギターを「ボロン」と短く1回鳴らす。その場にいる飲み客のなかに自分が歌いたい者、あるいは「流し」の歌が聞きたい者がいれば、そこで流しに声をかける。リクエストしたい客がいないと「流し」は次の店に向かう。
客のリクエストが入るとその客に歌詞本を渡す。歌詞本は分厚く800曲から1200曲ほどの歌詞が入っている。客が曲を決め、「流し」のギター伴奏で客が歌う。あるいは客のリクエストで「流し」が自ら歌うこともある。伴奏あるいは自ら歌う場合でもリクエストに応じられる曲は基本的には歌詞本に載っている曲になる。が、歌詞本に載っていなくとも著名な歌や歌詞本発行後の流行歌などには応じられる場合もある。歌詞本に載っていない曲の場合、客が歌詞を暗記していないと歌うことは出来ない。 また、「流し」自らが選曲する場合もある。
「流し」の料金
相場はさまざまであるが平成10年の例で、新宿ゴールデン街のある「流し」は伴奏の場合で1曲500円、3曲で1000円であった。ただし、1例であって皆ではない。有名な「流し」、あるいは特殊なリクエストに答えられる「流し」の場合はこのかぎりではない。また、「時間貸し」の場合もある。この場合1時間いくらで契約し、時間貸しの場合は時間内は何曲でも同じである。料金は「相談」である。
曲目
「流し」出身の有名歌手には演歌歌手が多いが、実際の「流し」のレパートリーは演歌ばかりではない。軍歌・フォークソング・歌謡曲、あるいはJ-POP、K-POPなど、基本的には「流し」が回る店の客層に合わせてレパートリーを持つ。ただし、「流し」にも「流し」の客にも中高年が多いため、古い歌が中心になることがほとんどである。
現役の流し
現在も「流し」をしている者もいる。 さまざまな地方の新聞が、現役の「流し」を取り上げることもある。カラオケ普及前の「流し」が伴奏中心で客に歌わせるスタイルであったのに比べて、現代の「流し」は自分の歌声を聞かせる方向のものが多い。
新宿ゴールデン街
多くの文化人が通い、一種独特の文化を持っていた新宿ゴールデン街はまた、かつては流しのメッカでもあった。しかし、新宿ゴールデン街もカラオケに押され平成10年ごろだと新宿ゴールデン界隈を流している「流し」は主に2人になっていた。一人は有名な通称「マレンコフ」氏、もう一人は「山崎」氏で新宿ゴールデン街ではマレンコフと山崎氏はそれぞれ贔屓の店を持ち、互いのテリトリーは守っていた。現在では新宿ゴールデン街で長く営業していた「流し」の最後の二人も死去あるいは引退し、新宿ゴールデン街を長年にわたって流していた「流し」はいなくなった。
トリビア
北島三郎、五木ひろし、渥美二郎などが、「流し」からプロの歌手になった一例である。また遠藤実は「流し」から歌手となり作曲家になった。