ポーランドからの報告

政治、経済からテレビのネタまで、詳細現地レポをお届けしています!

ハルクローヴァの風に吹かれて~Villa AKIKO I

2007年02月16日 | 人々

ポーランド南部・ザコパネの北東30kmの小さな村、ハルクローバ(Harklowa)-隣国スロヴァキアとの国境近くに位置する、人口1500人ほどの、とても小さな村です。この村でペンションを経営されている日本人のご一家がいます。 Villa AKIKO の三和昭子さんご一家です。

   

 三和昭子 さん 
Villa AKIKOのオーナー・女将さんです。お料理から接待まで経営の全般を担当。昭子さんの人柄を慕って、これまでに5000人以上、世界約30カ国のお客様が訪れました。

 三和のぶ さん
Villa AKIKOの若女将、三和家次女 。お母様の昭子さんとこれまで二人三脚でペンションを盛り立てきました。お客様の送迎から観光旅行の添乗、ガイドまで何でもOKのオールマイティな秀女。趣味のスカイダイビングは、ノヴィ・タルグの飛行場に通い、1996年の世界選手権大会には日本代表選手として出場するほどの腕前。ポーランド人のだんな様ミハウさんとの間に、2歳の娘ユリアさんがいます。

   

 三和りょう さん
Villa AKIKOの影武者、三和家長男 。ペンション建設時から、数少ない男手として力仕事でペンション経営に貢献してきました。現在はワルシャワで歯科技工士として活躍されています。ポーランド人の奥様マウゴジャータさんとの間にお子様が生まれたばかり。ハンドグライダーのライセンス取得者でもあります。


三和昭子さんがペンション経営を始めようと決心したのは、今から14年前の1993年のことです。当時のポーランドは、まだ社会主義体制から体制が変わってすぐの時代でした。

標高780mから眺めるタトラ山脈の美しい稜線、ベスキディ山脈の豊かな森と水源、マウォポルスカの木造教会。クロッカスや雪見草の咲き乱れる穏やかな春、ブルーベリーやフランボワーズが実る高原の夏、キノコ狩りに紅葉狩りの黄金の秋、一面銀色に染まる雪深い冬。ハルクローヴァのさわやかな風に吹かれ、新鮮な空気の中ですごす時間、そして眼下に広がるガリツィア地方の牧歌的な景色は、昭子さんの心を捉えました。-ただ純粋に 「ここで生きていきたい」と思った- そのライフスタイルはポーランド人からも高い関心を持って注目され、雑誌『ELITY』ポーランド語版・2003年6月号で、この Villa Akiko が見開き6ページにわたって特集されました。

 Villa AKIKO
 34-434 Debno Harklowa Os.Ariake 1
 TEL.(+48) 18-275-1728


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ハルクローヴァの風に吹かれて~Villa AKIKO II

2007年02月16日 | 人々

山奥でのペンション作りは、本当に何もないところからスタートしました。荒地を均す道路工事から始まって、建物の基礎工事、内装工事、プールやジムの設置etc.. 完成までに3年もの月日がかかりました。何もなかったところに建物ができたということで、住所も新たに作ることになり、昭子さん自らOS.ARIAKE(有明地区)と命名。ARIAKE はポーランドで初めての日本名正式住所として登録されました。

  
  

さてこうして完成された客室は、内装はガリツィア地方の伝統的なスタイルを貫きながらも、お部屋名は、さくら・もも・うめ・あんず..etc と和波折衷!そしてお食事は、自家栽培している白菜や大根などの日本の野菜を使って、手作りの日本食を出すこだわりです。こんなオーナーの昭子さんの人柄を慕って、これまでにポーランド国内外の大勢の日本人・外国人ツーリストがこの Villa AKIKO を訪れています。


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ハルクローヴァの風に吹かれて~Villa AKIKO III

2007年02月16日 | 人々

ヨーロッパ旅行というとガイドブックに掲載されている有名所を駆け足で見て周る旅になりがちですが、観光地だけが旅のデスティネーションではありません。時にはこういった山奥のVillaを訪れ、気楽なひと時をすごすのも、また一味ちがった贅沢ではないでしょうか?付近の国立公園を散策したり、川釣りを楽しんだり。少し足を伸ばせば、ユネスコ世界遺産にも指定されている、マウォポルスカの木造教会群を訪れることもできます。

   

そしてもちろん、四方を自然に囲まれたロケーションならではの、楽しいアトラクションの数々。カヤックやイカダでの川くだりや、湖でのウインドサーフィンを楽しんでもよいし、。ノヴィ・タルグの飛行場で軽飛行機やグライダーに挑戦したりと、スポーツ好きの方も、たしなむ程度の方も楽しめます。

   

そしてアウトドアスポーツに疲れたら、Villaの室内プールやジム、ジャグジーでくつろいでと、もうここは一大リゾートスパ!その他スキー、マウンテンバイクや、ロッククライミングから乗馬までなど、四季折々のイベントが用意されています。

   

Villa AKIKO
 34-434 Debno Harklowa Os.Ariake 1
 TEL.(+48) 18-275-1728
 FAX: (+48) 18-264-4005
 Mobile: (+48) 601-45-4765


Villa Akikoへのアクセス:電車の場合
 ・ワルシャワ中央駅から特急電車でクラクフ中央駅へ(所要時間2時間30分)、クラクフからバスでノヴィ・タルグへ(1時間30分)、ノヴィ・タルグからハルクロヴァまでタクシー(約10 km)
 ・車の場合:クラクフ -ノヴィ・タルグ国道E77号線経由で95号線 (約70 km)、ノヴィ・タルグ - ハルクロヴァ国道969号線 (約10 km)


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「脂の木曜日」

2007年02月15日 | 文化

今日2月15日は「脂の木曜日」(Tłusty Czwartek)、一年で一番美味しい年間行事の日でした。「脂の木曜日」はポンチキ(写真)を大量に食べる日だからです。

イースター前の日曜を除いた40日間を四旬節(ヴィエルキポストWielki Post)といい、カトリックの教えでは、この四旬節の間は、節制の日々を送るべしとされています。この間は肉食や酒を控えたり、パーティや結婚式も避けられます。そして「脂の木曜日」は、その四旬節を前に心ゆくまで食べて騒ごうというのがその由来です。行事の楽しみ方は国によって違うのですが、ポーランドでは、ポンチキ(写真)を大量に食べるのが、慣例の年中行事となっています。

  

ポンチキとはポーランド版の餡ドーナツのようなものですが、中には餡ではなくジャムが入っていて、さらに表面が砂糖コートされています。ラードで揚げてあるため1個が300キロカロリーもあり、紅茶と一緒に、一人で5個や10個と、食べられるだけ食べます。

ポーランド全国のパン屋さん・お菓子屋さんにとって、「脂の木曜日」は一年に一度のかきいれ時の日。一週間くらい前から予約を始め、当日はどの店でも臨時店員を動因して、大量のポンチキを売りさばきます。お客さんの方も、朝早くから行列を作り、一人60個、70個という単位で大量のポンチキを購入していきます。ポンチキは1個2zl(=70円)くらいですので、かなりの売り上げになります。路上にも普段は見かけない臨時のポンチキ屋さんが立ち並びます。もちろんテレビのニュースでも報道され、リポーターが町を行く人に「ポンチキいくつ食べましたか?」とインタビューしてまわります。

この「脂の木曜日」にはポンチキの他にもう一つ、ファボルキ(Faworki 「枯れ枝」の意味)と呼ばれる伝統的なお菓子が好んで食べられます。このファボルキはサクサクに揚げてあるクッキーで、ポンチキより低カロリーですが、皆ポンチキとファボルキの両方食べるので、ダイエットにはなりません。

今年我が家ではポンチキを5個購入しました。私は3個食べたところで満腹になりギブアップしました。ポンチキは確かに味がとてもあっさりしていて飽きが来なく、紅茶といただくととても美味しいのですが、やはり1個300キロカロリーですので、さすがに3個が限度でした。


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バレンタインデー

2007年02月14日 | 日常生活
2月14日のバレンタインデーは、ポーランドでもすっかり定番のイベントになっています。かつての社会主義時代は、女性が主役のイベントというと、3月8日の「国際女性デー」の催しのほうが盛んでしたが、体制も変わった今、2月14日のバレンタインデーのほうが市民権を得てきています。贈り物はチョコレートのほか、お花や香水なども喜ばれます。とくに女性から男性へとは限らず、男性から女性へも贈り物をします。

  

ところでバレンタインデーといえば、一年で唯一女性から男性へ告白出来る日という触れ込みで流行ったように記憶しています。それはつまり一年のその他の日は女性からは告白できないということで、「そんな時代遅れな!」とずっと思っていましたが。。

先日、我が家の夫に聞いてみたところ、ポーランドやロシアなどの中東欧スラブ圏の国では、今でも男性からの告白が原則なんだそうです。女性から告白しようものなら、軽い女と思われるし、それでOKした男性も、女の尻にしかれている奴とみられるとか。ほんとなのかな.. とちょっと思ってしまいましたが、とりあえず、そういう意見もあると思って聞いておきました。というわけで、一応アドバイス:ポーランドで恋愛されている男性の方、いくら待っても女性からは告白してきませんので、自分から頑張って告白しましょう!そして女性の方、あせって自分から告白するよりも、気長に相手からの告白を待ったほうが、うまくいくそうですよ!


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コシチューシコの山と、ホテルFMポド・コプツェム

2007年02月13日 | ホテル

クラクフの西の郊外にあるコシチューシコの山は、ポーランドが三国分割時代、タデウシュ・コシチューシコ(Tadeusz Kosciuszko)が蜂起軍を結成した場所に作られた、人造の山です。数年前に大雨で一度全部流されてしまったのですが、きれいに修復されました。このコシチューシコの山からはクラクフ市内を一望でき、特に「黄金の秋」とよばれる9月から10月のシーズンは絶景です。

   

そして写真に見える赤レンガの建物は、オーストリー統治時代の教会をかねた要塞です。現在この要塞はきれいに改装されて、FMラジオ局 RMF FM(Radio Muzyka Fakty) になっています。

   

ラジオ局の隣には、 ホテルFMポド・コプツェム(Hotel FM Pod Kopcem) が併設されています。このホテルの入り口を入ると.. 早速ビョークのサイン入りパネルが出迎えてくれる豪華さ!もともとこのホテルは、RMF FM にゲスト出演する海外アーティストの宿泊用のホテルということで、かなりハイグレードな作りになっています。

   

全部で16室とこだわりのお部屋は、内装もアンティーク家具がとてもかわいらしい女性向きの内装。浴室もバスタブ付きでとてもきれいです。

   

そしてこのホテルのこだわりのもう一つが、お部屋番号。通常のホテルのような1号室、2号室ではなく、98.4 FM GDANSK などと、なんと全室の番号が、実際にある地方ラジオ局の周波数になっているのです。いやはやなんとも洒落心がきいています。

旧市街へはバス&トラムで約15分とちょっと距離があるのですが、それを補って余りあるほどの、とても素敵なホテルです。ぜひ一度ものは試しということで泊まってみましょう!


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冬のワジェンキ公園

2007年02月12日 | 観光ガイド

ワルシャワ市街の南部にあるワジェンキ公園は、ヨーロッパで最も美しい公園の一つといわれています。ワジェンキ(Łazienki)とはポーランド語で浴場と言う意味です。スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキ王が1766年から30年の歳月をかけて完成させたもので、公園内の離宮にある浴場がとても美しかったことから、この名前がついたといわれています。

   

ワルシャワ中央駅から約3km、バスで10分ほどです。近くに日本大使館があるので、大使館を訪れる折、いつもこのワジェンキ公園を散歩して帰ります。ただ旧市街などワルシャワの見所が集中している区画からはだいぶ離れていますので、ワルシャワ観光に時間があまりとれない人はカットしてもよいでしょう。バスだと180番が便利です。

   

ちなみに... ヨーロッパで最も美しい公園といわれているこのワジェンキ公園も、さすがに冬場は閑散として、ひとっこ一人いません。

   

   

園内にはくじゃく、鴨などの野鳥がいて、訪れる人の目を楽しませてくれます。

   

こちらはショパンの像です。毎年夏の観光シーズン期間は、毎週日曜日ごとにこのショパンの像の傍でショパンコンサートが開かれます。ただ冬は... やはり人がいません。公園とはやはり夏場に訪れるべき場所のようです。夏場に訪れることをお勧めいたします。


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修復工事 V

2007年02月11日 | こぼれ話

ヴィスワ川の南岸に聳え立つ巨大な建物、これは一体なんなの?

共産主義時代には最高級ホテル「ホテル・フォーラム」として栄華を極めていたこの建物も、もはや廃墟となって数年が経ちます。ヴィスワ川河川敷という土壌的に不安定な場所に建設されたため、老朽化とともにコンクリートにヒビが入るようになり、数年前から営業中止になりました。(地震がない国ポーランドでは、基礎工事の時に少ししか地下を掘らないそうですが、それも原因でしょうか?)予算の面から修復工事にも耐え得ないと判断され、もう何年も廃墟のままの状態が続いています。

  

クラクフの旧市街はヴィスワ川北岸部部のみに広がり、南岸部は住宅地や工業地となっているため、旧市街側からヴィスワ川を見渡しても、よいパノラマが望めません。(こちらの記事も参照) その最たるものがこの廃墟で、あまりにも酷いということで、広告幕で覆ったりしているのですが、いやはや哀れ。なんとかならないものでしょうか。


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観光名所の落書き

2007年02月10日 | 一般

楽しみにしていた観光名所を実際に訪れてみたら... 汚くてがっかりだったということもたまにはあるかと思います。とりわけ老朽化や修復工事で汚いのならまだしも、人為的な理由、たとえば落書きで汚されていたら... 最悪です。

   

クラクフへの観光客のほとんどが訪れる、クラクフ郊外のヴィエリチカ岩塩坑。中世から残る岩塩坑として大変歴史的価値のある場所であることからユネスコ世界遺産に指定されており、とりわけ聖キンガ大聖堂などの数々の地下礼拝堂が大変美しいことで知られています。 しかしそれと同時に、残念ながら見るも哀れなくらい落書きがすごい場所です。

観光ルートであるダニオヴィチャ立坑の入り口を入ると、まずは地下64mまで木製の階段で一気に降りるのですが、すでにこの入り口から至るところ一面に落書きされています。ヴィエリチカ岩塩坑では、地下の岩塩坑という特殊な性質上、採掘後の空洞を支えるために、木の柱で足場が組んであるのですが、この木柱が落書きに最適!?らしく、一面いたるところ落書きだらけです。その落書きの一つ一つを見てみると、名前や出身地、訪問日を刻んだたわいないもので、本人たちは訪れた記念のつもりなのでしょうが... 白色に塗られた木柱の一番目立つ場所に、わざと目立つようにしてあったり... 他人の落書きを見せられる側は、決していい気持ちがしません。漢字やハングルの落書きも目立ちます。岩塩坑の管理会社側でも、この落書きには十年来頭を悩ませており、メンテナンスで木柱のペンキを全部塗り替えたり、落書き禁止マークをつけてみたりしているのですが、あまり効果はないようで、塗り替えた直後は落書きがなくても、しばらくして訪れると、残念ながら新しい落書きが増えています。(写真はポーランド・チェコ国境の町チェシンのお城の塔です。)


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ヨルダン公園でポーランドの偉人に出会う

2007年02月09日 | 観光ガイド

クラクフ旧市街から徒歩5分のところにあるヨルダン公園には、ポーランドの歴代の偉人の胸像が飾られています。この公園をおとずれれば、ポーランドの偉人を一通り知ることが出来ます。

   

入り口を入ってすぐのメインストリートには、比較的近代(19C~)の偉人の銅像がならんでいます。ヨハネ・パウロ二世やキュリー婦人、ユゼフ・ピウスツキなどに混じって、枢機卿などのカトリック神父の像も並んでいます。胸像1つ1つに小道と花壇がついていて、とても綺麗です。

   

メインストリート突き当たりには、16・17世紀の偉人の胸像が円形に並んでいます。アダム・ミツキエヴィチ、フレデリック・ショパン、ユリウシュ・スウォヴァツキ、ヤン・マテイコなど、世界的に有名な人ばかりです。またその円形花壇の中央には、公園の名前の元になったヨルダン氏の大きな像がたっています。

   

こちらはポーランドの国民画家、ヤン・マテイコの胸像。「ルブリンの合同」「天文学者コペルニクス、神との対話」などポーランドの歴史の重要なシーンを題材にした絵画が有名で「ポーランド人はマテイコの絵で歴史を学ぶ」といわれるほどです。

さらに公園の奥に入ると、ミコワイ・コペルニクスやタデウシュ・レイタンなど、最も古い時代の偉人の像が並んでいます。園内には子供が遊べる乗り物もあり、家族で楽しめます。近くには国立博物館もあり、散歩にも最適の場所です。


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