ポーランドからの報告

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「脂の木曜日」

2007年02月15日 | 文化

今日2月15日は「脂の木曜日」(Tłusty Czwartek)、一年で一番美味しい年間行事の日でした。「脂の木曜日」はポンチキ(写真)を大量に食べる日だからです。

イースター前の日曜を除いた40日間を四旬節(ヴィエルキポストWielki Post)といい、カトリックの教えでは、この四旬節の間は、節制の日々を送るべしとされています。この間は肉食や酒を控えたり、パーティや結婚式も避けられます。そして「脂の木曜日」は、その四旬節を前に心ゆくまで食べて騒ごうというのがその由来です。行事の楽しみ方は国によって違うのですが、ポーランドでは、ポンチキ(写真)を大量に食べるのが、慣例の年中行事となっています。

  

ポンチキとはポーランド版の餡ドーナツのようなものですが、中には餡ではなくジャムが入っていて、さらに表面が砂糖コートされています。ラードで揚げてあるため1個が300キロカロリーもあり、紅茶と一緒に、一人で5個や10個と、食べられるだけ食べます。

ポーランド全国のパン屋さん・お菓子屋さんにとって、「脂の木曜日」は一年に一度のかきいれ時の日。一週間くらい前から予約を始め、当日はどの店でも臨時店員を動因して、大量のポンチキを売りさばきます。お客さんの方も、朝早くから行列を作り、一人60個、70個という単位で大量のポンチキを購入していきます。ポンチキは1個2zl(=70円)くらいですので、かなりの売り上げになります。路上にも普段は見かけない臨時のポンチキ屋さんが立ち並びます。もちろんテレビのニュースでも報道され、リポーターが町を行く人に「ポンチキいくつ食べましたか?」とインタビューしてまわります。

この「脂の木曜日」にはポンチキの他にもう一つ、ファボルキ(Faworki 「枯れ枝」の意味)と呼ばれる伝統的なお菓子が好んで食べられます。このファボルキはサクサクに揚げてあるクッキーで、ポンチキより低カロリーですが、皆ポンチキとファボルキの両方食べるので、ダイエットにはなりません。

今年我が家ではポンチキを5個購入しました。私は3個食べたところで満腹になりギブアップしました。ポンチキは確かに味がとてもあっさりしていて飽きが来なく、紅茶といただくととても美味しいのですが、やはり1個300キロカロリーですので、さすがに3個が限度でした。


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