ポーランドからの報告

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名前の日

2007年02月27日 | 文化

名前の日-聖命祝日(ポ語:Imieniny、英語:Name Days)とは、キリスト教の守護聖人を崇拝するための記念日のことで、一年365日にそれぞれキリスト教諸聖人の名前が振り当てられています。

ポーランドでは、この名前の日がとても重要視されています。たいていのカレンダーには、一年365日分の名前の日の聖人が書かれていますし、ネットのポータルサイトやバスやトラムの電光掲示板でも、今日は何さんの日です、という情報が流れています。

もちろん名前の日当日は、誕生日と同じように、ディナーなどのご馳走やプレゼントでお祝いをします。お店に行くと、名前の日を祝うようのきれいなカードが沢山売られていますし、とくに中年以降になって自分の年を数えなくなってくると、誕生日よりも、この名前の日の方を盛大に祝うことも多くなります。

名前の日は、新しく生まれた子供の命名の際にもとても重要になり、誕生日の日の聖人の名前を命名することもまれではありません。例えば私の夫の妹のベアタは、3月8日生まれで、その日がベアタの日だったので、ベアタと名づけられました。ほかにも、水泳選手のオティリア・ジェンジェイチェク選手も、誕生日がちょうどオティリアの日だったので、オティリアという名前になったそうです。

名前の日は通常一つですが、「マリア」のようにポピュラーな名前の場合は複数あり、その場合、通常、誕生日に一番近い日を名前の日とする慣わしになっています。例えばマリアさんの名前の日は、(1月1日)、1月23日、2月2日、2月11日、3月25日、4月14日、4月26日、4月28日、5月3日、5月24日、6月2日、7月2日、(7月5日)、7月29日、8月2日、8月4日、8月5日、8月15日、8月22日、8月26日、9月8日、9月12日、9月15日、9月24日、10月7日、10月11日、11月16日、11月21日、12月8日、12月10日、となっていて、このうち最も重要なのが、8月15日の聖母マリア昇天の日と、12月8日の聖母マリア生誕の日ですが、個々のマリアさんの名前の日をどれにしているかは、各家庭により異なります。


私はこの名前の日を祝う習慣をポーランドに来てから初めて知ったのですが、初めのうちは、一年に二度もプレゼントをもらえるなんて、なんてすばらしい慣わしなんだ~程度にしか思いませんでした。ところが困ったのは、周りのポーランド人に、「サチコの名前の日はいつ?」と聞かれることです。もちろん私の名前、サチコはキリスト教の聖人とは何も関係ありませんので、名前の日もありません。しかしそう説明しても、ポーランド人にはすんなりとわかってもらえないことが多いです。「サチコは名前の日がないなんて、なんてかわいそうなんだ」などと同情されたりするので、困ってしまいます。


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