18ヶ月に及ぶ攻防戦であった。当初は両社が新聞紙上に全面広告を打ち合って、株主の賛同を得ようと激しく争った。当時Oracleは、PeopleSoftと旧JD Edwardsの共通の敵であり、仮に買収できたとしても統合効果を出すのは不可能と思われた。
しかし、18ヶ月も攻防が続くと、ITマーケットも大きく変わってきている。丁度この間に存在感を大きくしたのがSOA型ソフトウェア会社であるSalesforce.comであろう。ソフトウェア会社も新しいサービス形態への移行を押し進めざるを得ないことを象徴している。また、つい最近のIBMによるPC事業売却も、ITのコモディティ化の更なる進展を象徴する出来事であった。唯一変わっていないのは、SAPがERP市場で首位を独走しているという状況だけである。
18ヶ月に及ぶ攻防は、両社のマネージメントを消耗させたに違いないが、Oracleにしてみれば良かったのかもしれない。なぜなら、外部環境の変化が、Oracleへの対抗心よりも、市場の変化への対応へ、そして対SAPへと社員達の視線を変化させるのに役立ったかもしれないからだ。
とはいえ、これは18ヶ月前と比較しての話である。統合効果をいかに出していくかは、Oracle経営陣の手腕に掛かっている。しかし、アメリカ人がここまで辛抱強いとは知らなかった。
しかし、18ヶ月も攻防が続くと、ITマーケットも大きく変わってきている。丁度この間に存在感を大きくしたのがSOA型ソフトウェア会社であるSalesforce.comであろう。ソフトウェア会社も新しいサービス形態への移行を押し進めざるを得ないことを象徴している。また、つい最近のIBMによるPC事業売却も、ITのコモディティ化の更なる進展を象徴する出来事であった。唯一変わっていないのは、SAPがERP市場で首位を独走しているという状況だけである。
18ヶ月に及ぶ攻防は、両社のマネージメントを消耗させたに違いないが、Oracleにしてみれば良かったのかもしれない。なぜなら、外部環境の変化が、Oracleへの対抗心よりも、市場の変化への対応へ、そして対SAPへと社員達の視線を変化させるのに役立ったかもしれないからだ。
とはいえ、これは18ヶ月前と比較しての話である。統合効果をいかに出していくかは、Oracle経営陣の手腕に掛かっている。しかし、アメリカ人がここまで辛抱強いとは知らなかった。
オラクルがここまで辛抱強かったのは、オラクルが成長維持のために業務システムへと領域を拡大しなくてはならない、という危機感が強かったというのが一因だと思います。一方で、ラリー・エリソンの個人的な維持というのも相当強かったのではと勝手に推測しています。結果、この二つが合わさってここまで粘れたのでしょう。
統合効果は一筋縄では出ないのではと思います。というのも、Oracleの顧客、PeopleSoftの顧客双方を守っていくために、それぞれのシステムのサポートしなくてはならないため、R&Dや開発コストの合理化に限界があるからです。また、両システムを統合するのも至難の業なのではないかと推察します。
効果が出てくるとすれば、両システムをSOAへとアーキテクチャーを変えていく中で、コンポーネント化されたモジュールを相互に連携可能なようにすることによってではないかと思います。そこで、双方からベストな組み合わせを顧客に提示できるようになれば、良いですね。
といっても、言うは易し、行なうは難しですが。