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e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

オンデマンド型への転換を図るシーベルの業績

2005-04-09 | ◆ビジネス
シーベルの第1四半期の結果が、市場の予想を大きく下回る見込であると報じられている。

"Siebel reveals shocking prelims" CBR Online

シーベルによると第一四半期の売上見込は下記の通り。売上見込が予想を大きく下回った原因はライセンス収入の伸び悩みであった模様。

ライセンス収入  $75m
メンテナンス収入 $122m - $123m
サービス収入  $100m - $102m
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合計 $297m - $300m

しかし、シーベルの売上構造を見ると、ライセンス収入の比率は25%程度でしかない。ソフトウェア会社としては奇異な感じであるが、ソフトウェア発売当初にはライセンス比率の高かったものが、徐々にメンテナンス及びサービスへと比重が移っていったものであろう。従って、現在のシーベルはサービス主体のソフトウェア会社といえる。

ソフトウェア会社としてはライセンス収入から、メンテナンス及びサービス収入へと売上基盤が移行するのは自然な流れであるが、 サービス収入がおよそ1/3を占める状況は、そのソフトウェア導入が結構面倒であることを示唆する。それ自体が悪いわけではないが、機能としてコモディティ化した部分については、Salesforce.comのような定型型サービスによる切り崩しに合っていると考えられる。

一方、上記の数字には表れていないが、シーベルのオンデマンド型サービスである"CRM OnDemand"の契約高は$11mで、前年対比245%の伸びとなっている。急成長を遂げている一方、シーベルの契約シート数である33,000に対し、競合のSalesforce.comは227,000ということで、まだまだ苦しい状況が続いている。安定的なサービス収入のもと、いかにビジネスモデルの転換を図るかがやはりキーとなるか。