Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

東京三菱と中国ソフト会社の提携

2005-04-02 | ◆ビジネス
日系の金融機関が、海外ITベンダーとの取引を行う際に、日系SIベンダーをリスク低減の観点で中間におくことはそれほど珍しくない。しかし、この記事を読むと、そうした状況もこれから徐々に減るかもしれないと予感させる。

『東京三菱、中国企業向け決済業務で中国ソフト大手と提携』  NIKKEI NET

記事によれば、東京三菱と中国の独立系ソフトウェア会社「用友グループ」との間での提携は、東京三菱銀行の決済サービスと用友グループの会計ソフトを連携させるものであるようだ。

かなり、特定目的のための提携であるとはいえ、このように日系金融機関が海外ベンダーと直接取引を行うことが増えてゆけば、日系ITベンダーの存在意義がますます問われることとなる。

システム開発のアンバンドリング - テスティング・ビジネス

2005-04-02 | ◆ビジネス
システム開発においてテストとは一番面倒なパートである。設計したり、プログラムを書いたりというのは、創造力も刺激されて結構楽しい。しかし、開発作業と比して単調さが支配するプログラム・テストという作業は、できることならやりたくない仕事である。

そしてシステム・テストがビジネスとして独立し、インドのアウトソース・ビジネスの新しい波を作ろうとしているらしい。

"Indian Software Testing Moves from Boredom to Boom" Reuters

記事によれば、インドのAztec Software and Technology Servicesは、$12mにてテスト会社であるDisha Technologiesを買収。インドのメジャーなITサービス企業であるWiproは、テストサービスの要員を過去二年で4倍の2,400名まで増員。また、過去9ヶ月の実績では、テストサービスに関わる収入が90%増の$64mとなったという。

どのようなシステムであるかにもよるが、ソフトウェア開発に占めるテスト作業の割合が20%-30%以上にはなり、コスト削減の余地はありそうだ。一方、テストにも単体から結合テスト、総合テスト、と様々なレベルでの工程があるが、品質管理の観点からは、テスト部分のみオフショアへという選択は容易ではない。従って、一般的なアウトソーシングのイメージで言えば、開発はアウトソースして、テストは自分でといったものである。

だが、テストが更にアンバンドルされれば、初期テストの工程を分離して、その部分のみをプロフェッショナルのテスターにアウトソースするということになる。こうしたことを実現するには、開発作業のモジュール化を推し進め、開発工程別のアンバンドリングを容易にするという作業が必要だ。一般的に日本の開発は仕様書に記載されない部分が多く、これがオフショア開発での課題になると言われているが、ソフトウェア開発の競争力という点からすれば、課題を指摘している場合でもないか。