構造的に無理がある

伝統的な日本家屋の外部仕上げとしてよく用いられてきた『真壁造り』。庇などの板金の納まりには、今回紹介する『立ち上げ』の方法や『首切り』の方法などがあるのですが、いずれにしても構造的に無理があります。軒の出が非常に深いのが日本家屋の特徴ですから、通常の雨風では雨漏りしません。しかし、横殴りの暴風雨となるとてきめんに雨漏りしてしまうことがあります。昨年の台風で散見しました。

一見何事もなさそうな真壁と板金の納まり。



上から見るとこんな感じ。



経年で木材が痩せて乖離しています。そもそもコーキングと木材は相性がよくありませんから、木目の通りにはっきり分かれて隙間があるのが見えると思います。これでは横殴りの雨が柱や壁を伝わって雨漏りしてしまいます。

雨漏りさせないための最適な対処方法は『真壁の柱を包んでしまう』なのですが、美観の問題もありますし費用もかかります。今回も『一先ずはコーキングで。。。』ということになりました。

『決める』というのは、何事もなかなか難しいですね。

ではまた。

おさむ