おさむのブログ

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『わたし事としての知覧巡礼の旅』報告その③

2019年04月02日 13時08分28秒 | Weblog
二日目は朝5時15分出発という強行軍。朝食前に長崎鼻から朝日に輝く開聞岳を仰ぎたいと思ったのです。しかしあいにくの雨模様・・・であればぜひあそこに行きたい。『下駄履き特攻』の地、指宿海軍航空基地跡。水上機の基地です。



 ここから出撃した山口輝夫少尉のご遺書が私の胸に刺さりました。抜粋ではありますが、ご紹介させていただきます。


「父上の名を呼んで突入します」(抜粋)
海軍少尉 山口輝夫
第一二航空戦隊 二座水偵隊 国学院大学出身 二三歳

 御父上様
 なんらの孝養すらできずに散らねばならなかった私の運命をお許しください。

 急に特攻隊員を命ぜられ、いよいよ本日沖縄の海へむけて出発いたします。命ぜられれば日本人です。ただ成功を期して最後の任務に邁進するばかりです。とはいえ、やはりこのうるわしい日本の国土や、人情に別離を惜しみたくなるのは私だけの弱い心でしょうか。死を決すればやはり父上や母上、祖母や同胞たちの顔が浮んでまいります。だれもが名を惜しむ人となることをねがってやまないと思うと、本当に勇気づけられるような気持がいたします。かならずやります。それらの人々の幻影にむかって私はそう叫ばずにはいられません。

 じつに日本の国体は美しいものです。古典そのものよりも、神代の有無よりも、私はそれを信じてきた祖先たちの純真そのものの歴史のすがたを愛します。美しいと思います。国体とは祖先たちの一番美しかったものの蓄積です。実在では、わが国民の最善至高なるものが皇室だと信じます。私はその美しく尊いものを、身をもって守ることを光栄としなければなりません。

 沖縄は五島と同じです。私は故郷を侵すものを撃たねば止みません。沖縄はいまの私にとっては揺籃です。あの空あの海に、かならず母や祖母が私を迎えてくださるでしょう。私はだから死を悲しみません。恐ろしいとも思いません。ただ残る父上や、多くのはらからたちの幸福を祈ってやみません。父上への最大の不孝は、父上を一度も父上と呼ばなかったことです。しかし私は最初にして最後の父様を、突入寸前口にしようと思います。人間の幼稚な感覚は、それを父上にお伝えすることはできませんが、突入の日に生涯をこめた声で父上を呼んだことだけは忘れないで下さい。

 私が死ねば山口の方は和子一人になります。姉上もおりますし心配ありませんが、万事父上に一任しておりますから御願いいたします。
 歴史の蹉跌は民族の滅亡ではありません。父上たちの長命を御祈りいたします。かならず新しい日本が訪れるはずです。国民は死を急いではなりません。では御機嫌よう。
                        輝夫

   出発前
       名をも身をも さらに惜しまずもののふは
                     守り果さむ 大和島根を


碑文冒頭に『君は信じてくれるだろうか・・・』とあります。平和が当然当たり前と思っている現代の私たち。過酷な時代を生きた同じ日本人が、未来の私たちに託したものを、私たちはしっかりと受け取っているだろうか。あいまいに、まあまあそこそこに、おもしろおかしくぼんやりと生きてはいないか。いや、『私たち』ではない。おれ自身がそれをしっかりと受け取って生きているだろうか。

山口少尉が後部座席偵察員として乗機した同型機。



指宿海軍航空基地跡を後にして、『花瀬望比公園』に向かいました。

ではまた。

おさむ






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