今回はレコード屋の話。
よくどうやってレコードを仕入れているんですか?って聞かれるので、それを。
中古盤じゃなくて新譜の話です。
90年代初頭からバイヤーみたいなことをさせてもらっているのですが(途中数年レーベルの方で休んだりしたけど)20年前の当時はUKやUSそして日本の卸業者からインフォメーションがファックスなり郵送なりで送られて来て(もちろんメールなどありません)それをみてまたファックスで返信オーダーする、という感じでした。
とにかくジャケット写真もないもちろん音がまったくわからないものだから、ひとまず1枚とかオーダーして良かったらまたオーダーする感じ。
あとは海外の業者から国際電話で聞かせてもらったり。
電話代の方が儲けより高いんじゃないかなあ、と心配になりながら聴いてたけど。
イギリスに買い付けに行った時に出会ったラジオのDJとかに「新人のオアシスというのがヤバい」とか情報を聞いたり、あとタクシーのラジオでかかった曲をドライバーにコレ誰って言ってる?って聞いたのがワナダイズの「You and Me Song」だったり、前も言ったそういうのも稀にあったり。
しかしこんなこと書いてると思うけどやっぱりインターネットって凄いな。
で、00年代はそのインターネットがレコ屋業界をも大きく変えていきました。
色々な情報を得れストリーミングでサンプルを確認してオーダー出来るようにもなり、2005年くらいになるとMY SPACEが出て来たりちょうどUKインディ・ブームもあったりして限定7インチとか細かくたくさんリリースされているものを各レーベルやバンドに直接メールしてオーダーするのが仕入れの主流になりました。
というわけで
1. 海外や日本の卸業者から
2. レーベルから
3. バンドやアーティストから直接
基本当たり前のようにこの3つが仕入れルートなのですが、面白いことに2014年の今はまた1の卸業者からというのがメインになっているのです。
その理由は、Big CartelやBandcampなどの登場によりレーベルやアーティストが直接世界中のリスナーに販売することが安易になって、流通を限定する行為が特別なことじゃなくなったからなんじゃないかと思っています。
たとえばウチで扱っている限定300枚の7"や限定50本のカセットでさえ流通会社から入荷するものがほとんどなのです。
なので「BIG LOVEにしか入らない限定のレコードがある」とかよく言われるのですが、でも実はそんなことはなく、そう言われるもののほとんどがどの輸入盤店さんでも入荷できる商品だったりするのです。
BIG LOVEのイメージで言ってくれてると思うのでウチにとってはありがたい話ですが、そんなにたいした店じゃないんですよ...
しかしだからこそレコード店は各々純粋にその品揃えで個性を出すことのできる時代なんじゃないかと身が引き締まる思いでもあります。
とか言いながら、僕らだけが持つ特別なコネクションや独自で見つけたルートで仕入れるモノももちろんあります。
でもそういうのをなんかこれみよがしにエクスクリューシブ!とかってやるのなんか気がひけちゃうんだよなあ、とか言ってたら、なにをいまさら!すでにBIG LOVEはそういう店でしょ!ってお客さんに怒られましたけど(笑)
たしかに中には数週間から何ヶ月もかけてコンタクトして発送や配送業者の手配の仕方まで教えてあげてようやく入荷させたものが、いとも簡単に後日ほかでしかも(ここが大事)大幅に安く売られてるというのを聞くと自分も含め情けなくなり買ってくれた人には申し訳なくなるけど...
確かにビジネスとしてはその対抗策をするべきで自業自得の話ですけど、でも暗黙のルールってあるじゃーんって情けなるわ...というのも何回も味わってるし、しょうがない、そろそろそういうのもちゃんとやるか。
と今日準備運動をしないままプールに入り足をつって溺れそうになっている自分に言った。
なんだか本筋とずれたけど、とにかく今後もBIG LOVEを宜しくとお願いするのと同時にご期待いただきたい。
というだからこそのアイスエイジのニューアルバム「Plowing Into The Field Of Love」のヴァイナル盤のご紹介です。
ツイッターでは言いましたがBIG LOVEにはやはりの本家デンマークのESCHOオリジナル盤が入荷します。
しかも限定500枚のファースト・エディション(なにかが違うかは不明)
UKとUSのMATADORのヴァイナル盤はどうやら10月の下旬に発売が遅れたみたいですが、ESCHO盤は6日にちゃんと発売した模様です。
もう送ったと連絡がありました。
来週かな?
というところに本人たちから連絡が。
「ポスター作ってレコード分送っといた」
!!!涙。
なんて優しい人達なんだ…
これぞエクスクリューシブですね。
で、何度も言いますがCDはホステスさんの日本盤を買ってください。
私の素晴らしい解説が封入されているからです。
この作品がどんなに素晴らしいかという文章も大事だけど、なにか時代的にもそれ以上に情報をが欲しいと僕なら思うのでだいぶその辺ブッこんでます。
電車で読めるタイプ。
日本に限らず音楽サイトも音と映像だけコピーしアップしてるのばかりだもんね。
情報に溢れてるはずの時代なのに世の中には情報がありゃしない。
Iceage - Glassy Eyed, Dormant And Veiled
あ、19日の日曜日からLowerに会いにニューヨークに行ってきます。
どこか良いレコード屋と服屋とクラフトビールの店あったら教えてください。
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