京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2020年12月京都童心の会 通信句会作品評 【選評】後半

2021-01-13 08:09:36 | 俳句
2020年12月京都童心の会 通信句会作品評
【選評】後半
○中野硯池特選
18 厚着する期限の迫る仕事して   金澤ひろあき
 大事な仕事を家に持ち帰ったのであろう。何れにせよ期限のある仕事に宵の口から取りかかったのであろう。
 夜が更けて一枚羽織り又一枚と重ね深夜には着ぶくれ夜が明けようとしている。仕事もはかどったことであろう。
○宮崎清枝特選
18 厚着する期限の迫る仕事して   金澤ひろあき
 本格的な冬になり厚着をしつつも、期限までにと一生懸命お仕事をなされてる作者。本当に御苦労様です。どうか御身体おいといなさって下さいね。御健勝お願ひ申し上げます。
○青島巡紅選
特選
28 雑炊や銃後の糧でありし頃  中野硯池
 「雑炊」は今では鍋料理の後にいただく当たり前のもの。それが戦地では「銃後の糧」だったというのは、悲しいほど重く時代の違いを感じさせます。当時の当たり前と現在の平和な時代の当たり前とでは全く意味が違ってきます。他になくそれしかなかったというのと、色々ある中でそうなるね、とでは。戦争体験者の生の声を聴く、そんな気持ちにさせられます。今年の夏で76年になりますね。
並選
113 ①丑年を重ね今在る初山河 宮崎清枝
 丑年生まれの方でしょうか。その周期を重ね「今在る初山河」となる。常に前向きな姿勢が感じられます。ばんばひろふみの「昨日より若く」を想起させるものがありますが、こちらの方が硬派です。
107 ②いま一度逢いたき人よ紅葉晴れ 宮崎清枝
 こういう思いは誰にでもあるだろう。「紅葉晴れ」の日に逢いたいと思う人だから、きっと晴朗で柔和な人だったのでしょう。ニュアンスは違うかもしれませんが、女流詩人長瀬清子の「あけがたにくる人よ」を想起させます。彼女は添い遂げた人ではなく初恋の人か誰かに呼びかけていますが。
100 ③秋日和猫の横顔気持ち良い 野原加代子
 秋のお天気の良い日に猫が横向けで寝ている。見ているとこちらまで一緒になって横になりたくなるくらい気持ち良さそうに寝ていたのでしょう。
89 ④検温しサンタ出動買い出し日 三村須美子
 「検温し」がコロナ禍のクリスマスであることを想起させ、それでもクリスマスプレゼントを楽しみしている子供達がいて、「サンタ出動」となる。ただ「買い出し日」は他の言い方にした方が良かったのではないかと思います。
38 ⑤どうなるの人の世変えたコロナさん 坪谷智恵子
 本当これからどうなるのだろう。終末思想を語る訳ではないが、ワクチンが予定通りの効果を発揮しても、第二第三のコロナウイルスが出現する可能性があるという。例えば、温暖化による氷雪や氷河が溶け出し眠っていたウイルスが現れるかも知れない。コロナウイルスがワクチンに対する耐性を早期に獲得するかも知れない。悪条件しか出てこない状況。本当これからどうなるのだろう。
31 ⑥コロナ禍に餅代ほどのボーナス 中野硯池
 「餅代ほどのボーナス」それはないでしょう、と言いたくなりますね。でも、これは固定給だから言えること。コロナ禍で、例えば、タクシー運転手だと、上層組織何とかしろといってもどうにもなりません。でも、これは労働者の声でしょう。行政はもっと民意を汲み取るべきですよね。
20 ⑦冬支度こんなに早く年をとる 金澤ひろあき
 この句には、気づくと一年が過ぎ去るのが速いというのと、振り返ると人生が過ぎ去るのは速いという両方の意味があるように思います。「冬支度」という言葉が生きています。「年をとる」これ以外の言葉に置き換えるのは僕には難しいですが、出来ればもっと深みのある句になるのでないでしょうか。
14 ⑧木の葉降る今日の栞にせよと降る 金澤ひろあき
 「今日の栞にせよ」が効いていると思います。一昨日は一昨日の、昨日は昨日の、そして今日は今日の「木の葉降る」ですよね。いってらっしゃいと手を振っても、振った人の唇の色、声音の調子、頬の色、髪の揺れ具合、同じ筈がありません。
12 ⑨どんぐりを拾いたげな七五三 金澤ひろあき
 七五三といえば子供達が他所行くの格好をさせられて、半ば親の見栄の為に引きずり回される日。その子供の目に留まっているのは自分の日常、「どんぐりを拾いたげ」な目線。子供は親の玩具じゃないが、されてしまう不幸な瞬間がある。
49 ⑩冬枯の桜のどかに天に映え  蔭山辰子
  「のどかに天に映え」というのがいいです。動植物のエネルギー値が一番高いのは夏だと思われがちですが、冬が正解なのです。春夏が放出期、秋冬が充足期です。大地からエネルギーを貰い受ける溜め込んでいる最中。元気一杯なのです。長距離を走って30分ほど寝ると回復する体力。良い寝顔です。
7 ⑪薬指の傷口肌寒勝手口     野谷真治
 言い過ぎているような気もしないけれど、冬のシチュエーションならありか。「薬指の傷口」が低温乾燥の「勝手口」で「肌寒」でしっかり意思させれた。自分にも経験あります。
46 ⑫楽しかった京阪ホテル70代  坪谷智恵子
思い出をそのまま句にしたものですね。僕も参加してましたし、やはり楽しい思い出になっています。
33 ⑬晩緑は新しい靴買う日です 裸時
 「晩緑」はブロッコリーの名前でもあり行方克巳句集のタイトル。新緑に対して濃いというか深い緑に葉々の頃という季語(?)。僕の季語集には載っていないので。これからもっと暑く活動的になる。その前に「新しい靴買う」のは、その季節が楽しみな証拠。ワクワク感があります。
39 ⑭旅心夢の国へと秋沈む  坪谷智恵子
 「旅心」はGO TOのことだと思いますが、触発された心はコロナ第三波により「夢の国へ」、あれこれ世間でも騒いでいた「秋」と一緒に「沈む」ことに。コロナ対策の難しさ。「夢の国」に沈んだ旅のプランが早く実現すると良いですね。
56 ⑮下り坂逝った夫の名は登 蔭山辰子
 「下り坂」と急に亡くなった夫をかけている。「名は登」というのは変えた方が良い気がしてますが、はいそこで笑いというような落とし方ならありでしょう。



2020年12月京都童心の会 通信句会作品評 【選評】前半

2021-01-12 08:12:47 | 俳句
2020年12月京都童心の会 通信句会作品評
【選評】前半
○裸時特選
62 池の雲を啄ばむ鴨の朝   白松いちろう
池に映った雲という発想が滑稽。捉え方の妙。
○白松いちろう特選 
53 紅葉の山里に抱かれる屋敷跡 蔭山辰子
山あいにある今が見ごろの紅葉に包まれた古民家、まるで一幅の絵を見るような心地になります。もしかして、次に訪れる時は落ち着いた喫茶店に変身して美味しい珈琲が楽しめるでしょう。
○蔭山辰子特選
29 鬼穴に籠りて大江山眠る  中野硯池
 足を延ばして天橋立まで行きたいです。好きな時に仲間たちと、お喋りしながら大笑い。お弁当ほうばり・・・。そんな日が帰って来て欲しい。
 恐ろしい新型コロナ風邪にふり廻わされた日々でした。早く平穏な時代になりますよう、心から祈っております。
○野谷真治特選
64 一円玉の晴天 布団むくむく膨らむ 白松いちろう
 一円玉を取り出して、おがめる。―。
「一円玉の晴天」が気になり、特選にした。「布団むくむく膨らむ」とは、なにか。わからないまま、面白いと感じた。
―晴天に恵まれた日のことを、気象の業界用語では、「1円玉の晴天」というらしい。「崩れれることのない天気」として「晴天」を意味する言葉とのことでした。
○三村須美子特選
111 母は娘を子は母想ひ星月夜 宮崎清枝
都会では星明かりを感じるほどの満天の星空、天の川が美しく輝いて見えるとまではいかないかもしれません。大小様々な星の輝く空を眺めながら母は娘のこと、娘は母ことを想う。ふっくらとした情感が星月夜に呼応して良いと思いました。
○坪谷智恵子特選
113 丑年を重ね今在る初山河  宮崎清枝
 新年ハッピーなえとがめぐってらっしゃる。おめでとうございます。美しい自然のもとに心静かにおすごしの御様子、句作を拝見して心洗われる思いです。
○金澤ひろあき選
111 母は娘を子は母想ひ星月夜 宮崎清枝
 お二人の心の響き合いと、星月夜の美しさがぴったり。ハーモニーですね。
そしてその他の感銘句です。
2 あれえッさざえのうんこは何処から出るの 木下藤庵
 読むなり笑いましたが、でもこれを考えた事も無かったですよ。意表をつく視点ですね。
8 婆さんのあんみつ屋いつも日向ぼこ  野谷真治
 下町かどこかにありそうなお店ですね。ゆとりのある日に、ふらりと入ってみたい気がします。
30 減給の賞与五段抜きの記事  中野硯池 
 コロナで経営が危ない企業が出ている現在の現実を詠んでいます。いつまでこの暗い道が続くのでしょうか。夜明けを期待したいのですが。
33 晩緑は新しい靴買う日です  裸時
 新しい物を買うとき、心が弾みますね。その心の弾みが素直に詩になっていていいですね。
38 どうなるの世の中変えたコロナさん  坪谷智恵子
 今までの日常が突如止まってしまう。まさかと思っていた事が本当に起こってしまいました。いつまでこれが続くのか。もとの日常が戻るのか。先が見えないまま年が暮れようとしています。
57 いつか行く待っているかな居ないかナ 蔭山辰子
 待っていてほしいな。そう思う存在が私にもいくつか。
64  一円玉の晴天 布団むくむく膨らむ  白松いちろう
 「一円玉の晴天」とは、「安定した晴れ間」のような気がします。冬は光が弱いですが、貴重でありがたいです。その日に当てた布団のぬくもり具合。その感じが伝わりますね。
81 大声で喜ぶ漁民=無言で弔う魚群   青島巡紅
 金子みすずの「大漁」という詩の視点と重なります。人間サイドだけでなく、魚の側で見ると・・・。こういう発想が「これからの地球」に大切だと思います。 
95 冬巡礼トイレのスタンプラーリとは 三村須美子
 この間、東福寺で重要文化財のトイレ、東司を見ましたが、現代のトイレもいろいろな企画があるのですね。
100 秋日和猫の横顔気持ち良い    野原加代子
 時折見せる彼らの幸せそうな横顔が良いですね。
○野原加代子特選
107 いま一度逢ひたき人と紅葉晴れ  宮崎清枝
 老いを感じる時、走馬灯のように記憶の中を若い頃や幼少期などの事が頭の中に浮かんできます。散歩をしている時に、山の麓を見て美しく色づき紅葉晴れで良い想い出が思いを馳せます。
 父や母にはいま一度会いたくなる句です。
○木下藤庵特選
100 秋日和猫の横顔気持ち良い    野原加代子
 私は猫が大好きなものですから、この句に引かれました。

2020年12月京都童心の会 通信句会作品評

2021-01-11 12:14:21 | 俳句
2020年12月京都童心の会 通信句会作品評

謹賀新年
 旧年は、1月は名古屋蕉風発祥の地、2月は山頭火の故郷防府へ行きました。ところが、3月からコロナで足止め。コロナでは人生初の連続でした。
 新しい年、皆様の御息災をお祈り申し上げます。
  道草も楽しや次は丑の年 ひろあき

 選者 裸・・裸時    真・・野谷真治  白・・白松いちろう
    藤・・木下藤庵  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  巡・・青島巡紅  須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 智・・坪谷智恵子 清・・宮崎清枝
    加・・野原加代子

○木下藤庵
1 今日は煙雨だ汚い声の鴉よ啼くな
2 あれえッさざえのうんこは何処から出るの ひ
3 化野や千体仏と秋の風   辰
4 夕ぐれにうぐいす啼いて農夫は帰る
5 婆ちゃんの頭の手拭いさらう鳶
6 爆音を聞けば空襲の夜を思い出す 須
○野谷真治
7 薬指の傷口肌寒勝手口      藤 巡
8 婆さんのあんみつ屋いつも日向ぼこ ひ
9 顔を何度も洗う夜長の仮面   裸 白
10 半月立て掛ける画布の冬   智 硯
11 水の中群がる銀河の痛点
○金澤ひろあき
12 どんぐりを拾いたげな七五三 裸 白 辰 須 加 藤 硯 清 巡
13 かたまって咲く菊人はデイスタンス 真
14 木の葉降る今日の栞にせよと降る  裸 辰 須 智 加 藤 清 巡
15 me tooを押して綿虫ついてくる
16 綿虫の阿呆になれぬやつ一つ
17 綿虫にどうも肩こりなさそうだ  硯
18 厚着する期限の迫る仕事して (特 硯)(特 清)
19 三島の忌騙したように晴れている 裸 白 辰
20 冬支度こんなに早く年をとる   真 智 清 巡
21 厚着して三密加速させている
22 厚着する私の隣ミニの足     智 清
○中野硯池
23 コロナ禍の開店勤労感謝の日 藤 辰
24 御祝儀のつく初糶のずわい蟹 ひ
25 越前蟹ロシアの蟹をずわい蟹
26 足早な梅田の地下も冬に入る 白 辰 須 加 藤 清
27 ボブスタイルなれど梳きいる木の葉髪
28 雑炊や銃後の糧でありし頃  (特 巡) 智 清
29 鬼穴に籠りて大江山眠る   (特 辰) 須
30 減給の賞与五段抜きの記事  真 ひ
31 コロナ禍に餅代ほどのボーナス 辰 藤 巡
32 舟底を洗ふ舟屋の十二月   真 加 清
○裸時
33 晩緑は新しい靴買う日です  ひ 巡
34 日向にバントの音が馨ってる
35 鳥取砂丘色んな動物行進す
36 あの髪をそっと指差す雛祭り 硯
37 盆の月芝生震えて露を出す 白 須
○坪谷智恵子
38 どうなるの世の中変えたコロナさん ひ 巡
39 旅心夢の国へと秋深む  裸 加 清 巡
40 ひっそりと水引草が人待ち顔
41 秋晴れの明石公園菊薫る
42 ふる里を捨てた父京へ私5才  真 加
43 山陰線トンネルだらけ顔にスス 裸
44 咲き誇る垣根山茶花師走告げ  辰
45 ノッポさん皇帝ダリア師走入る 白
46 楽しかった京阪ホテル70代  巡
47 米寿から歳を返していきましょう 真 ひ 須
○蔭山辰子
48 手の平にはーと息かけ冬の朝 加 硯
49 冬枯の桜のどかに天に映え  巡
50 山茶花の白の清らに願かけて  白 清
51 身を清め口をすすいでさあマスク
52 2波3波どこまでつづく四波五波・波・波ハッハ ひ
53 紅葉の山里に抱かれる屋敷跡 (特 白) 真
54 屋敷趾発掘に良き時代を思う
55 登り坂息をはき吐きクシャミする  裸
56 下り坂逝った夫の名は登   真 藤 巡
57 いつか行く待っているかな居ないかナ ひ 須
58 信長光秀夢の又ゆめコロナ晋三
59 少しだけ平和を祈り新年を待つ
60 一つだけいい知らせかなハヤブサ2 藤
○白松いちろう
61  大樹一枚の葉を残して晩秋     加
62  池の雲を啄ばむ鴨の朝 (特 裸) 藤 硯
63  今日も筑波山を拝むどこまでも晴
64  一円玉の晴天 布団むくむく膨らむ (特 真) ひ
65  石壁の蔦の深紅 蜥蜴の隠れ家    辰
66  シニアの友一人逝き二人ご新規の縮図
67  年末の定期戦 ゆずり葉の選定    加
68  先ず公園が生まれニュータウンの始り
69  コロナ禍に耐えて孫採用通知に号泣  真
70 マスクから白い息サァラジオ体操だ 
○青島巡紅
71 赤信号バスの屋根から枯葉落つ  裸 白 加 清
72 夜明け前手を合わせ行く地蔵堂  智
73 池紅葉鯉は水蹴り人は笑む    須 智
74 葉残らず実ばかり残る柿の木や  智 加
75 鳥居前自撮り晴着がここかし   辰
76 乾燥肌の山が遠退く十二月    真
77 サイドミラーの朝日も鈍い十二月 裸 須 硯
78 最高神も一人は嫌天岩戸開き
79 冬の公園押し競饅頭する子ゼロ  白 清
80 白い息朝日に背伸びする太陽柱  白 真
81 大声で喜ぶ漁民=無言で弔う魚群  ひ
82 富国強兵具を入れ過ぎた炊き込みご飯  白 ひ
83 遠出の全身筋肉痛も御利益に入るよね  裸 ひ
84 天使も足を滑らせる結果オーライ 真

○三村須美子
85 コロナ禍や人生模様年の暮れ  智 清
86 猫冷えて舞い戻る枕元     裸 加 硯
87 クリスマス家族分担娘の指図  辰
88 えー子してたらサンタ来るとさとす婆 白 ひ 硯
89 検温しサンタ出勤買い出し日  真 清 巡
90 冬ぬくし波の陽満ち来る漁港かな
91 戸をゆする座敷わらしか夜寒し 藤 硯 清
92 冬空や絶壁の中に仙人堂 裸
93 裸木や四頭身の仁王尊
94 寺めぐる接待みかんの盛りたくさん 真 硯
95 冬巡礼トイレのスタンプラーリとは ひ
96 新暦見据える先に不安と期待 白 辰
○野原加代子
97 秋の顔紅葉の色や頬染めて
98 境内の銀杏拾い懐かしき   加
99 染まりして銀杏並木や黄金色
100 秋日和猫の横顔気持ち良い  (特 藤) 裸 ひ 巡
101 遙かなる琵琶湖眺めて秋暮れし 須 智 藤 清
102 晩ご飯柚子味ソに母の味  硯
103 遠くには山の麓や薄かな
104 柿がりや孫に聞きして3個取り 裸 ひ
105 秋惜しむ故郷祭り目に浮かび 藤
106 立冬や迎えし友と来年も
○宮崎清枝
107 いま一度逢ひたき人と紅葉晴れ(特 加) 白 辰 須 智 藤
108 秋冷や社へ続く竹穂垣   須 智
109 芒野に風なびかせて送迎車 裸 藤
110 本願寺の屋根越え銀杏黄葉大樹 ひ 智 硯
111 母は娘を子は母想ひ星月夜  (特 須)(特 ひ) 辰 智
112 五日早デイの初出や友と逢ふ  智
113 丑年を重ね今在る初山河   (特 智) 辰 真 須 硯 巡

誕生日に人間ドック

2021-01-09 12:02:04 | 俳句
誕生日に人間ドック
         金澤ひろあき
 誕生日に人間ドックを受診しました。コロナ流行下なので、受付時間も9時と限定され、人数も少ないようにしています。寒い日でしたが、コロナ対策で換気を頻りにします。採血の時に「体が冷えてますね」と言われました。そのせいかもしれませんが、血圧が高い。血圧が高いなんて、初めて言われました。
 例年だと検診後、付属のレストランでランチですが、これも感染防止のため、持ち帰りのサンドイッチになりました。味気ないですが、仕方ないですね。
 帰りに西院の本屋さんに寄って・・・と思ったら、その本屋さんは閉店していました。雰囲気の良いお店だっただけに残念です。これもコロナ禍のあおりでしょうか。
  誕生日の人間ドック換気で寒い  ひろあき
  お気に入りの本屋閉店底冷えする

バナナの葉

2021-01-08 17:28:07 | 俳句
バナナの葉
         金澤ひろあき
 芭蕉といえば俳人ですが、もとは「バナナ」の意味でした。江戸深川に住んでいた頃、庵に植えたので、ペンネームにしたとか。今、深川の芭蕉庵跡は、お稲荷様になっていて、芭蕉は一本もありません。
  深川の芭蕉庵跡いま稲荷 ひろあき
 芭蕉のお墓のある大津義仲寺には、芭蕉が植えられています。けっこう元気で、花が咲いていたりします。でも実はならないようです。
 芭蕉の別のペンネームが「風羅坊」。ふうらふうら歩いているイメージですね。「風羅」は風にでも破れそうな薄い衣の意味だとか、芭蕉の葉の意味だとか。実際に破った事はないのですが、破れ易いのかな。
  風羅坊ふうらふうら歩く私も ひろあき