2024年6月 京都童心の会 通信句会結果
【選評】
○佐久間照三特選
25 餓死のある地球で売れているダイエット本 金澤ひろあき
アイロニーが効いています。例えば、反戦デモが行われている国があるかと思えば、国と国が戦争状態で国民は参加か避難を余儀なくされる。こんな現実を正していけるのでしょうか。価値は常に二方向、場合によっては更なる方向に分裂するのがこの世です。だから逆にいろんな価値があって自分に合う価値や合わない価値に上手く対処していかないといけないのでしょう。
○野原加代子特選
77 草陰で燕気になる紋白蝶 佐久間照三
優雅に飛んでいる様にも見えて、燕に食べられそうなのは紋白蝶にとって可哀そうな人生だなと思います。草陰で食べられないように隠れているそのありさまが紋白蝶の特徴としても、人間だってそっとしてほしい時もありますと言いたい時があります。新緑の盛んな時期に虫も鳥も必死に生きているそんな風景が目に浮かびました。
〇金澤ひろあき選
特選 天 71 雀の枕と子供の頃聞いたと連れの手の小判草 佐久間照三
「雀の枕」、懐かしい響きです。一つの言葉から、懐かしい記憶がよみがえる。些細なことなのですが、それが糸口になって、昔の良かった時代がよみがえるのです。小さな言葉、小さな事柄に深い思いを感じます。方言の場合、生まれ育った所への思いも加わります。
地 20 水たまり えっ?あっ?ああ自死考 野谷真治
ぼんやりしている時、ときどきとんでもないことを考えたりしていることがあります。ハッと現実に戻って驚く。その驚きの大きさが伝わります。
人 47 年老いてノーヒット ノーラン負けたくない 蔭山辰子
「ノーヒット ノーラン」のように手も足も出ないこともある。でも「負けたくない。」という気持ちを持ち続ける。私もそうありたいです。
その他、感銘句です。
3 無口なサイフ並べ 緑の手づくり市 塩見すず子
それぞれの人が手作りの品を持ち寄って売る手作り市。「無口なサイフ」が印象深いです。緑の頃、初夏~仲夏のすがすがしさも反映されていますね。
8 緑陰や悲しき事は傘の中 松村芳子
「傘の中」の一語の働きで、語れないくらいの悲しさなのではないかという印象を受けます。一語の重みです。
34 この先も心の居場所求め旅 遠藤修司
旅をする理由は人それぞれですが、筆者の場合は「心の居場所捜し」。まだまだ見つからないのでしょうか。生きることに精一杯で忙しい時には、忘れがちになりますね。
56 夏日和姉に合いして亡母似し 野原加代子
自分やきょうだいの中に、亡くなった親の面影を見る。つながりを認め、ハッとする。そういうことが、私にも多くなり、共感します。
63 梅雨寒や片耳無音に気づかさる 三村須美子
「片耳無音」に寒さが強調されます。心模様も映しているような。
○野谷真治特選
43 マスクの中飴玉しゃぶり「こんぬつわ」 蔭山辰子
コロナウイルスが落ち着いたと思い、マスクをはずしていた時期がありましたが、昨年末、そして今年と、知人がコロナにかかり、最近、電車内など、たくさんの人がいる所では、またマスクをつけています。
マスクをしていると、時に言葉が伝わりにくい時があります。まして、飴玉を食べていると・・・。「こんぬつわ」が、実感があり、面白く読みました。
〇三村須美子特選
32 母の日やこれから気ままに生きたいと 金澤ひろあき
実感です。でもいつまで経っても社会、家族からのしがらみは続き、なかなか思うように気ままに生きていけません。いつも折り合いをつけて生活しなければなりません。人としての社会的な役割でしょうか。
○塩見すず子特選
21 猫にらむ 嵐のように来る値上げ 金澤ひろあき
嵐のような値上げにへきえきしています。猫も人間様の気持ちがわかりますよと遠くから同調してにらんでいる姿が浮かびます。
○蔭山辰子
4 エプロンで手を拭く母の小さな癖 塩見すず子
母の日のカーネーションの思いが嬉しく、もらう立場、あげる立場で、花がきれいに咲いているように思いました。私も娘たち家族から貰いました。
5番の「母の温もり 好きな黄色のカーネーション」の黄色も素敵です。
私は自分の母にちゃんと親孝行したかナーと、ふとふり返りました。
○岡畠真理子特選
6 うす緑草餅送る文添えて 松村芳子
○遠藤修司特選
69 若葉影介護の要らぬ終活を 佐久間照三
いやが上にも終活を考える要介護の世代、出来ることなら自分として、人のお世話をいやがらず出来る人になって最後をむかえたい。希望ですけど・・・。
【選評】
○佐久間照三特選
25 餓死のある地球で売れているダイエット本 金澤ひろあき
アイロニーが効いています。例えば、反戦デモが行われている国があるかと思えば、国と国が戦争状態で国民は参加か避難を余儀なくされる。こんな現実を正していけるのでしょうか。価値は常に二方向、場合によっては更なる方向に分裂するのがこの世です。だから逆にいろんな価値があって自分に合う価値や合わない価値に上手く対処していかないといけないのでしょう。
○野原加代子特選
77 草陰で燕気になる紋白蝶 佐久間照三
優雅に飛んでいる様にも見えて、燕に食べられそうなのは紋白蝶にとって可哀そうな人生だなと思います。草陰で食べられないように隠れているそのありさまが紋白蝶の特徴としても、人間だってそっとしてほしい時もありますと言いたい時があります。新緑の盛んな時期に虫も鳥も必死に生きているそんな風景が目に浮かびました。
〇金澤ひろあき選
特選 天 71 雀の枕と子供の頃聞いたと連れの手の小判草 佐久間照三
「雀の枕」、懐かしい響きです。一つの言葉から、懐かしい記憶がよみがえる。些細なことなのですが、それが糸口になって、昔の良かった時代がよみがえるのです。小さな言葉、小さな事柄に深い思いを感じます。方言の場合、生まれ育った所への思いも加わります。
地 20 水たまり えっ?あっ?ああ自死考 野谷真治
ぼんやりしている時、ときどきとんでもないことを考えたりしていることがあります。ハッと現実に戻って驚く。その驚きの大きさが伝わります。
人 47 年老いてノーヒット ノーラン負けたくない 蔭山辰子
「ノーヒット ノーラン」のように手も足も出ないこともある。でも「負けたくない。」という気持ちを持ち続ける。私もそうありたいです。
その他、感銘句です。
3 無口なサイフ並べ 緑の手づくり市 塩見すず子
それぞれの人が手作りの品を持ち寄って売る手作り市。「無口なサイフ」が印象深いです。緑の頃、初夏~仲夏のすがすがしさも反映されていますね。
8 緑陰や悲しき事は傘の中 松村芳子
「傘の中」の一語の働きで、語れないくらいの悲しさなのではないかという印象を受けます。一語の重みです。
34 この先も心の居場所求め旅 遠藤修司
旅をする理由は人それぞれですが、筆者の場合は「心の居場所捜し」。まだまだ見つからないのでしょうか。生きることに精一杯で忙しい時には、忘れがちになりますね。
56 夏日和姉に合いして亡母似し 野原加代子
自分やきょうだいの中に、亡くなった親の面影を見る。つながりを認め、ハッとする。そういうことが、私にも多くなり、共感します。
63 梅雨寒や片耳無音に気づかさる 三村須美子
「片耳無音」に寒さが強調されます。心模様も映しているような。
○野谷真治特選
43 マスクの中飴玉しゃぶり「こんぬつわ」 蔭山辰子
コロナウイルスが落ち着いたと思い、マスクをはずしていた時期がありましたが、昨年末、そして今年と、知人がコロナにかかり、最近、電車内など、たくさんの人がいる所では、またマスクをつけています。
マスクをしていると、時に言葉が伝わりにくい時があります。まして、飴玉を食べていると・・・。「こんぬつわ」が、実感があり、面白く読みました。
〇三村須美子特選
32 母の日やこれから気ままに生きたいと 金澤ひろあき
実感です。でもいつまで経っても社会、家族からのしがらみは続き、なかなか思うように気ままに生きていけません。いつも折り合いをつけて生活しなければなりません。人としての社会的な役割でしょうか。
○塩見すず子特選
21 猫にらむ 嵐のように来る値上げ 金澤ひろあき
嵐のような値上げにへきえきしています。猫も人間様の気持ちがわかりますよと遠くから同調してにらんでいる姿が浮かびます。
○蔭山辰子
4 エプロンで手を拭く母の小さな癖 塩見すず子
母の日のカーネーションの思いが嬉しく、もらう立場、あげる立場で、花がきれいに咲いているように思いました。私も娘たち家族から貰いました。
5番の「母の温もり 好きな黄色のカーネーション」の黄色も素敵です。
私は自分の母にちゃんと親孝行したかナーと、ふとふり返りました。
○岡畠真理子特選
6 うす緑草餅送る文添えて 松村芳子
○遠藤修司特選
69 若葉影介護の要らぬ終活を 佐久間照三
いやが上にも終活を考える要介護の世代、出来ることなら自分として、人のお世話をいやがらず出来る人になって最後をむかえたい。希望ですけど・・・。
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