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THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

KGB/MOTION

2017-11-18 22:20:46 | free form space

このKGBなる物騒なバンド名を冠した5人組。先月ここで私が紹介したデビューアルバムは1976年の発表。10曲入り。
なんたって当時はスーパーグループなんて呼ばれてロック界は騒然としたものです。
数多く出現しては短命に終わったり、肩透かしをくらったりしたスーパーグループの中でも、郡を抜いていた顔触れがこのKGB。なんたって
渋い達人らが勢揃いです。
スティーブミラーバンドからバリーゴールドバーグ。ポールバターフィールド、アルクーパーとのスーパーセッション、ブラスロックのエレクトリックフラッグからはマイクブルームフィールド。バニラファッジ、カクタス、BB&Aからはカーマインアピス。ブラインドフェイス、トラフィックからはリックグレッチ。マルチなセッションミュージシャンのレイケネディからなる5人組。
私は高校生当時深夜のラジオ番組で、初めてこのバンドの曲を聴きました。大ファンだった小林麻美さんのDJだったから、よく記憶しています^_^。
曲調はジャズ、ブルース、ソウルをミックスした熟練サウンドを思い切り堪能できるロック。
このバンド、実はレコード会社の商魂逞しい企画から誕生したらしいです。
バンド名のイニシャルはケネディ、ゴールドバーク、ブルームフィールドから命名。で、リズムセクションがいないと話にならんということで急遽雇われたのがカーマイン、グレッチ。
だからあまりカーマインの個性は発揮されていないですね、残念ながら。私はカーマイン目当てだったんだけど。
多少消化不良気味な部分も見受けられますが、ブルームフィールドのスライドギターやレイケネディの魂のこもった熱唱は感動的。
ビートルズのカバーやレイケネディがビーチボーイズに提供した曲も聴きどころ。
その後、ジョーコッカーのツアーに帯同するも、やはりご多聞にもれず、セカンドアルバムの頃には弦楽器のメンバー2人が入れ替わってしまいます。
バディマイルスのサポートギタリスト、ボブディランのセッションベーシストが加入。
キッスのプロデューサーを迎えて、同年先述のセカンドアルバム「モーション」を発表。
この作品、はっきり言って全く売れませんでした…。
でもね、ブルームフィールドとリックグレッチという大物を欠いた分、レイケネディのソウルフルなボーカルを前面にフューチャー。ファーストでは目立たないドラミングをしていたカーマインアピスの音が、ここでは本来のパワフルな「ドンバシッビシズバッ‼︎」個性的サウンドが目一杯に炸裂しています。新メンバーの2人もなかなか良い仕事をしていますよ。
特にギタリストは当時話題のエレクトリックシタール、そしてボイスモジュレーターをセンスよく導入。
全員白人メンバーなのにカッコいいファンキーテイスト溢れるロックを披露してくれます。私個人的には正直な話、セカンドの方が断然痺れましたね。
これだけの力作なのに呆気なくKGBは解散してしまいました。そのセカンドもほとんど話題にならず。
その後マイクブルームフィールドは世界中の熱烈なるファンらが復活を信じる中、惜しくもドラッグ中毒で亡くなりました。リックグレッチも静かに他界。
で、このKGB時には、実績があったにも関わらず1番無名だったのがレイケネディ。
彼はAORブーム吹き荒れる中、大ヒットを飛ばし一躍有名になります。
デビッドフォスターと組んだ「ロンリーガイ」は八神純子の「パープルタウン」のアレンジにそのまま引用されて、クレジットの件で揉めましたよね。
そして今度はよせばいいのに、マイケルシェンカーグループに加入。西武球場のロックイベントに参加してヘビーメタルを歌うのです。歌詞もまともに憶えていない。似合わないメタルファッションとステージアクションは散々酷評されてやっぱり脱退。
でもあの素晴らしいボーカルは変わることなくいつでも健在です。

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