THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

JEFF BECK JAPAN TOUR 2014

2014-04-12 02:33:21 | free form space

ジェフ・ベックの札幌公演に行ってきました。

4月11日(金)ニトリ文化ホール

6時半開場 7時開演

セットリスト

01.Loaded
02.Nine
03.Little Wing
04.You Know You Know
05.Hammerhead
06.Angel (Footsteps)
07.Stratus
08.Yemin
09.Where Were You
10.The Pump
11.Goodbye Pork Pie Hat
12.Brush with the Blues
13.You Never Know
14.Danny Boy
15.Blue Wind
16.Led Boots
17.Corpus Christi Carol
18.Big Block
19.A Day in the Life
20.Rollin' and Tumblin'
21.Cause We've Ended as Lovers

一昨年、感動のジョニー・ウィンター以降、全くと言っていいほどに来日アーティストの来道がありませんでした。

ところがこのジェフ・ベックをきっかけにドドッとやってくるではありませんかあ!?

もうすでにコンサートが終了したアーティストも含めるとラリー・カールトン&デヴィッドTウォーカー、TOTO、ビーチ・ボーイズ、ボブ・ディラン、ブラザース・フォア(!)、ブライアン・セッツアー・オーケストラ、夏にはスィング・アウト・シスターズ、インコグニート、キャンディー・ダルファー等・・・。

これはいったいどうしたことでしょうか?まんべんなく来てくれればいいのに、来ないときは来ない、来るときにはいっぺんにやってくるとは・・・。

でも私は何の迷いもなくジェフ・ベックに決まりです!!

最近の新聞告知を見ると数多くの来道アーティストの中で、即日SOLD・OUT!表示はジェフ・ベックのみでした、さすが。

彼が札幌に来るのはこれで4回目ですが、人気は今だ衰え知らずどころか益々圧倒的に上がっているようです。

私も今回3回目の観戦(すべて札幌)ですが、毎回ステージの中身が豹変するので(バックのメンバーも)新鮮な気持ちで楽しむことができます。

本格的2014年ワールド・ツアーは日本からだそうで、バックのメンバーはおろかセットリストもほとんど情報がない状態。でも札幌はジャパン・ツアーの折り返し点に位置するため、バンドの状態もちょうど安定期に入っているものと思われます。

この日はなぜか寒風吹きすさぶ厳しい天候。それでも開場40分前からすでに会場周辺は賑わっています。開場されても入場者の列が裏口近くまで伸びているし、やっと中に入れてもグッズ、CD、パンフレット売場は黒山の人だかり。

やっとパンフレットを購入、そして来日記念盤の未発表音源収録ミニCD「YOSOUGAI」もゲット。(これ、中身はタイトルどおり予想外の3曲が聞けてお得感満点)

いつも女子トイレは混み合っていますが、男性の方は比較的スムーズなのですよ。ところがこの日は男性の方も長蛇の列。4階のトイレも並んでいました。

北海道のジェフ・ベック・ファンは膨大なんだなあ・・・としみじみ。

だって道産子は外国アーティストのコンサートにはあまり足を運ばない、という情けない状況が続いていたのです。(実際にローリング・ストーンズも芳しくなかったのでした)

この調子ならば次回の来日も是非札幌に!と早くも期待感に胸も膨らむ。

さてバックのメンバー達(3人)はよほどの通でなければ名前が出てこないような人たちばかりですが、経歴を見てみると凄腕の名手ばかりです。

まあ、ジェフ・ベックのバックを演じるのですから当然といえば当然ですが。

そうこうしているうちに5分ほど押しでコンサート開始。

重厚なサウンドが轟き渡るなかで演奏スタート(今回はKBがいません)。曲は「YOSOUGAI」の1曲目にも収録されていた「ローデッド」

しばらくして左袖よりジェフ・ベックが颯爽と登場。

黒の上下服に(靴も)レイバンのサングラス姿、お馴染のウルフ・ヘアー。

いつ見ても若々しいです。とても現在69歳とは思えない。驚いたのは白のテレキャスターを抱えているではないですか!?

でもはじき出す音はいつものジェフ・ベックそのもの。あいかわらず鋭く突き刺さるようなフレーズを決めまくる。

世の中、超がつくスーパー・ギタリストはゴマンといます。ジェフ・ベックよりも上手いギタリストもいっぱいいます。でもジェフ・ベックほどの存在感、1音ですぐにジェフだ!とわかる、あらゆる感情表現を意のままに操り、ジャンルの壁も軽々と超越して、かつ個性的に、ずっと落ち着くことなく進化し続けているギタリストがいるでしょうか?69歳ですよ。それであの挑戦的に切り込んでくるようなフレーズを連発しまくるのですから、こちらとしてはもうジェフ・ベック・ワールドに身を任せるしか手はないのですよ。

理屈抜きにカッコいい。彼ほどエレキ・ギターの似合う人間はいないでしょう。常にステージ上を歩きまわり、大股開きに体をくねらせてポーズをとってエフェクター操作、左端のマイクに向かって一言、三言MC。観客に向かっておどけて見せたかと思えば煽ってもきます。

曲目も2曲の歌入りを除いてすべてインストウルメンタル。新旧取り混ぜて一時たりともだれることなく緊張感漲る流れ、(前回はジェフ・ベック・ヒストリーともいえる内容。それはそれでハッピー・サプライズでした)通をもうならせるほどのいぶし銀の選曲(カヴァー含む)。

2曲目からはローディーが手渡したお馴染の白いジェフ・ベック・モデル、ストラトキャスターにチェンジ。

アンプはマーシャル、もう一人のギタリストもマーシャル、ベースはメサ・ブギー、ドラムは1バスのヤマハ。早くも前半戦でバックのメンバー達によるソロ・タイムがやってきました。ベーシストは女性なのですが、この猛者連中のなかでもまったくひけをとらない貫禄のプレイ。ステージ中央前方に歩み寄ってオートワウをかけた状態での官能的なラインを奏でた後はチョッパーの嵐。

ドラマーも火花の散るようなスティック・ワークで会場を熱く演出。

もう一人のギタリストもオリジナリティに満ち溢れたフレーズを連発。

異国情緒を匂わせる明らかにただ者ではないと思わせるプレイに絡めてギター・シンセでキーボードの役割も担っていました。

3曲目に飛び出したのはジミ・ヘンドリックスの「リトル・ウィング」

ジェフはクリスタル・スライド・バーを指に差し込んで華麗にパフォーマンス。次に右手に持ちかえて小鳥のさえずり奏法。

そのスライド・バーをそっと丁寧に立てたまま床に置きます。

一通りソロを引き継いで後、再びそのスライド・バーを指に差し込みスライド奏法Ⅱ部の始まり。曲が終わると左前方モニターのあるベックのエフェクター・ボード右横にスライド・バーは役目を終えて置かれていました。

ベックは白いストラトに合わせたのかシールド・コードも白。これがよく映えて見事です(ワイヤレスではありません)。

白いシールドが似合うのは矢沢永吉とジェフ・ベックの2人をおいていないのでは?

「ザ・パンプ」の独特のベース・イントロでも開場は湧き立ちましたが、私個人的に一番鳥肌が立ったのは「グッド・バイ・ポーク・ハイアット」

1音、1音聞き逃さないよう食い入るように焼きつけました。

どの曲も益々の成長を遂げて渋みが増しています。

再び「YOSOUGAI」の3曲目「ダニー・ボーイ(トラディショナル・ソング)」

これはエリック・クラプトンも「チェンジ・ザ・ワールド」のシングルにカップリングで収録していました。ビートルズ映画「レット・イット・ビー」屋上ライブの「ゲット・バック」演奏終了後にジョン・レノンが一瞬口ずさむあの曲ですよ。

以前は別段思い入れがあった曲ではなかったのですが、今はとても身に染みいる名曲の一つとしてインプットしました。

いきなり地鳴りのようなドラミングが始まった!待ちに待った「レッド・ブーツ」です。アーム・バーを多様して一種独特の小刻みビブラート(クリケット奏法)を連発。ここぞというタイミングで繰り出します。またあれは音程キープも難しい技です。

もうこのあたりから一面ヒート・アップ。

それを鎮めるかのようにビートルズの「ア・ディ・イン・ザ・ライフ」

ベース&ドラムのツイン・ボーカルで「ローリン&タンブリン」後半にジェフはまたレイバンのサングラスをかけています。

スティービー・ワンダーから「迷信」のお詫びに提供された「悲しみの恋人達」

ハードからバラード、スリリングな超絶技巧テクニック、複雑極まりない楽曲群を自由自在に操って余裕の微笑みと共に演じてくれたさすがのコンサートでした。ストラトキャスターを床に横たえる姿も様になっています。

やはりジェフ・ベックは格が数段違うね。

演奏を終えた4人が1列に並んで挨拶、そのあと、ジェフは女性ベーシストと仲良く手を組んで歩きだし、他の男性2人に向かって「お前らあっち行け!」のジェスチャーは爆笑でした。

実は、横の席の男性は私と同年代で開演前から「よろしくお願いします」とにこやかに会釈。お互いにジェフ・ベック初来道、伝説の第1回ワールド・ロック・フェスティヴァルでのトリで出演したジェフ・ベックを見ていたということで意気投合。

音楽談義に花が咲き(その方はドラマーでノリも周囲の中ではぴか一)名刺交換も行い、私持参の双眼鏡を交互に覗きあっていました。こういうことって珍しいのですが、これもライブにおける一期一会ですね。

 

 

 

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2 コメント

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大変遅くなりました。 (隣の男です)
2014-08-23 00:33:02
まさか私のことを書いているとは!
その節は双眼鏡をのぞかせていただきありがとうございました。また次回の外タレのLIVEはご一緒したいです。
よろしく!
あれから4ヶ月半 (MASA)
2014-08-23 02:14:28
寒かったあの日が遂、この間のような気がします。
さあ、今度はどのミュージシャンが札幌に来るのか楽しみですね!観たいバンドがたくさんあります!!

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