1969年のデビュー以来、ファンク・ジャズ・オルガン・プレイヤーの第1人者として大活躍、膨大な量のアルバムをリリースするも1999年に惜しまれつつ他界したチャールズ・オーランドを紹介します(ノブもライブ盤を所持しています。ベースがマーカス・ミラーとのこと)。
写真の「INTENSITY」
TOTAL TIME52:20
全6曲入り 1972年発表
バックを固めるミュージシャンも超1流のクセモノ達が大挙して参加。
私のフェバリット・ドラマーでもあるビリー・コブハム、そしてヒューバート・ルースらを筆頭に皆が脇を渋くテクニカルにやりたい放題に(?!)演奏しまくっています。主役のオーランドがメインとなる旋律をハモンドB3で奏でる中を各パートの代表がかいくぐるようにソロの応酬。
オール・インストウルメンタルゆえ縦横無尽に火花散るアドリブが炸裂。
一聴した印象はこれまた私の大好きな「デオダート」をブラック・サウンドでコーティングしたような感じといえばわかりやすいでしょうか。
ちょっと乱暴な表現かもしれませんが・・・。
もちろんブラス・セクションの炸裂具合がたまりません。
オリジナルの中にいくつかのカバーも収録。
キャロル・キングの「ウィル・ユー・スティル・ラブ・ミー・トウモロウ」(6:55)
そしてSTAのうるさ型が圧倒的に支持する「シカゴⅢ」からも2曲。
1曲目に、なんと隠れた名曲でもあり組曲トラベル・スーツの最終楽章にあたるハミング、フルート、ギターやティンバレスが軽快な「ハッピー・コウズ・アイム・ゴーイン・ホーム」(11:15)収録。ファンキー・メロウサウンド炸裂。
この曲をセレクトするセンスは賞賛に値しますね。ハミング部分をハモンドが担当。ビリー・コブハムの一聴しただけで彼とわかる独特のおかずとパワフル・サウンド。
ブラス・セクションは基本的にオリジナルどおりですが、TPハイノートの切れ具合が半端ではありません。
オリジナル・アルバムでは4曲入りでしたが、1999年CD化の際に2曲をボーナス・トラックとして追加。
この2曲は彼のもうひとつのアルバム「チャールズ3世」レコーディング時のテイク。
この盤のジャケットにチャールズが抱きかかえて写っている愛息チャールズ3世に捧げられたアルバムです。
それがまたまたシカゴⅢからのヒット曲「ロウダウン」(8:20)だったからとてもビックリしました。前にもこの曲のカバーを紹介した時、日本のジャズ・ミュージシャンのものだったと解説しましたが、ジャズロックバンド・シカゴはこの方面の方々にとってはとてもそそるくらいの興味の対象だったのでしょうかねえ。まあ、時代が世界的にもシカゴ人気絶頂期だったことも好都合だったのでしょう。
作者のクレジットがCETERAはいいとして「SERATHINE」には苦笑してしまいましたが・・・。
その「ロウダウン」はいきなりファズのかかったギター・ソロからはじまりますが、そこから歌メロのハモンドにさしかかると何故かホッとします。
ブラス隊も忠実に再現されていますが、やっぱりエネルギッシュな響き。
一体全体、この人たちはどういう体力しているんだろうか?
トータル・タイム約52分中、シカゴ2曲で20分近くの時間を費やしてくれた事も嬉しいです。
ラストの「スピードボール」(5:19)は作者がリー・モーガン。アルバムでもソロで大活躍。
ご存知の通り彼はこの曲をレコーディングした次の日の深夜、恋のもつれに巻き込まれてしまい射殺されてしまいました。つまり正真正銘のラスト・レコーディングなのです。
4曲目に収録されたオーランド作「モーガン」(10:25)でのモーガン自身のソロは涙なくしては聴けません。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます