****去年から今年にかけて、せっかくライブイベントを立ち上げ対バン、タイムテーブル、フライヤーを決めても直前に中止あるいは延期の連続でひじょうに残念なことばかりでした・・・・。
なんとかかんとか本番に漕ぎつけたとしてもドタキャン、メンバー欠席などで消化不良気味に。
でもやっと最近は比較的スムーズに事が運ぶようになりました。
今回もキャンセルバンドは1つもなし。
快挙だよね。まあ、これはこれでスリリングな展開。
観客もずいぶんと入ってくれて盛り上がったし。それではセカンドアクトの出番だよ
バンド入れ替え中はステージと客席の間に白いカーテンがひかれています。薄っすらとメンバー達のシルエットが浮かび上がるという仕組み。****
2,17:55~18:25
「パイナップル」
このバンド名でピンときた方は、筋金入りのアイドルマニア。
そうなのですよ。松田聖子のコピーバンドなのだ。
結成6年目だそうです。
バンド名も大ヒットした彼女5枚目のアルバムから命名(1982年5月21日リリース)。
松田聖子カバーバンドといえば、小樽北運河サウンドエナジーで対バンした愉快痛快なるサックス奏者のミヤッチ率いる「ミルキーウェイ」を思い出すなあ。
でもこちらも負けないくらいに魅力的だよ。
実は去年の12月「小樽運河プラザ お気楽ライブ」で対バンしたばかりだ。
その時のライブを見ていたヒロリン&ミキティ曰く「ボーカルの女性はうまいね」とべた褒めだったもん。
それはともかくもこの日はどこもかしこも女性ボーカルが目白押し。
全バンドで華麗にスポットを浴びていた。これは頼もしい限りだ。女性のプレイヤーも増えてきたね。もっともっと女性たちに進出してもらえれば音楽界がより活性化して多種多様に裾野が広がりをみせるというもの。
今後益々の活況に期待しちゃおう。
さてさてパイナップルは2番手という重責をものの見事、余裕綽綽に果たしていました。
こちらも地元・札幌からの出演。
今までに何度もSTAと同じ色々なイベントに出演していたのですが、残念なことに曜日違いだったから、私が観るのは今回で2度目。
セットリストも「カワイ子ぶりっ子全盛期」の作品で網羅されているんだから、自ずと目じりが下がってくるというもの。
どの曲も光り輝いていて素晴らしいねえ。
なんたってこの日の出演バンド中、唯一純粋にアイドル色が濃厚なだけに、ジックリと拝見させていただきましょうか・・・・。
もちろん感染対策も万全に。
ステージ上にはパーティションやビニールの幕はなし。
ライブは去年の2月「小樽公会堂・雪明りの路(土)」そして先述の12月「小樽運河プラザ~お気楽イベント」以来なんだそうですよ。
年齢不詳の(!?)編成をば記してみましょう・・・・・
5人編成
VO/しっちゃん。G/タカヒロくん(2トーンサンバーストのストラトキャスター。メイプル指板。ピックアップはSSH)。B/佐藤くん(黒いヤマハの5弦がトレードマーク。ローズ指板。渋くフィンガーピッキング)。KB/じいちゃん(ヤマハMO8を使用。一人だけ真面目にマスク姿)。DR/みょうてんくんと言う布陣。はい、そうです。ドラマーのみょうてん君は数年前にマサが新札幌FM番組にSTA代表としてゲスト出演した際に大変お世話になった方。
彼のパワフルなドラミングは定評あるんだよ。久しぶりの再会だったけど相変わらず元気いっぱいでなによりだ。
彼はサウスポーなんだよね。そのセッティングだけでも見栄えがかっこいい。
札幌のフィルコリンズ、イアンぺイスだ!
叩き出すサウンドは爆音そのもの。
一聴しただけで誰もがそのパワフルなドラミングに度肝を抜かれること間違いなしだよ。
マスク姿はベースとキーボードの2人のみ。
6曲を披露。
な、な、なんと12月のセットリストから総入れ替えを図ってきた。
したたかなるバンド。
さあ、それではいってみましょうか!!
「ノースウィンド」からスタート
(1980年12月1日にリリースされた2枚目の同名アルバムに収録。もちろんアルバムはオリコン週間1位を記録!シングルカットはされていません。グッとマニアックなセレクション。)
さすが80年代アイドルブームの火付け役だけあって、一味も二味も違うよね。
それをしっちゃんは堂々と、無垢で伸びやかなる声に込めて歌っていました。
表現力も度胸満点で大したものだ。臆することもなく、まさにパーフェクト。
程好いポップなメロディラインが、何度も心をくすぐってくれて気持ちいい。
爽やかこの上ない風が吹き抜けている様は微笑ましい(季節的にはちょっとな・・・・・選曲だけどね‥‥笑。このアルバムは秋から冬にかけての移ろいをイメージした内容を盛り込んで網羅されているのだ)。
メンバー達の顔ぶれから察して、多分皆、聖子ちゃん世代の熱狂的なフリークなんでしょう。
男女問わずに絶大なる支持を受けたアイドル界の女王だもんなあ。
メンバー全員が縦横無尽に嬉々としてリスペクトしながら演じています。
2曲目に入るところでちょっとドタバタとトラブル発生!・・・・あわてつつも「気持ちだけ先走ってしまった(笑)」
では仕切り直しで・・・・・・
「明るい曲いきます!!・・・・・白いパラソル」
王道路線炸裂だ!
(1981年7月リリース。6枚目のシングル。当然のことオリコン週間1位を記録)
またまた掟破りなことを・・・・・(笑)。狙ったなあ。確信犯。
これは明らかに反則技だね(笑)
もう理屈抜きにウキウキで最高の気分だ。下手な能書きなんか消し飛んでしまう勢い。これもアイドルソングだからと言って、たかをくくっていたら、思い切り足元をすくわれるよ。
演奏も歌もすこぶる難易度強なんだから。
しかし全てにおいて、クオリティの高い楽曲だなあとつくづく思います。
歌詞、アレンジにいたるまで。
だって大御所の松本隆、チューリップの財津和夫コンビの作品なんだもん。それも頷けるというもの。
星の数ほどデビューしては消えていくアイドル達の中でも、聖子ちゃんはすでに別枠のポジションを確立しているね。
曲の一つ一つの完成度も崇高すぎる。
琴線をビンビンに振るわせ続けてくれる。
出だしの「お願いよ~!」というセリフ一発でハートをキュンキュンと射抜かれてしまう。
決めの振り付けを思いっきり真似ようとしている、往年のギャル達(死語)も出現。
照明も思いっきりキュートな雰囲気を醸し出すべく綺麗にキラキラきらめいていたよ。
美しい光景だ。効果絶大、大成功。
聖子ちゃんカットの女の子って最近では全く見かけなくなったけれども、(当たり前だ)あのヘアスタイルはとても可愛いのになあ・・・。
いきなりあの髪型が復活したりして・・・なあんて考えていたら一気にエンディングを迎えてしまった。
「はい、こんばんは!パイナップルです。よろしくお願いいたします!第55回フレンズ・ライブにお声をかけていただき彦さん、ありがとうございます。とっても嬉しいですよ。」
拍手が沸き起こる中で「あなたに逢いたくて~ミッシング・ユー~」
1996年4月22日にリリースされた通算40枚目のシングル(両A面仕様)。ミリオンを記録するほどに大ヒット。オリコン週間堂々の1位。
なんたって聖子ちゃん本人による作詞、作曲なんだから、それも十分に納得。説得力があるはずだ。
現在までにおいて唯一のミリオンナンバー。紅白にて大トリでこの曲を熱唱してもいる。
ピアノによるイントロだけで、もうグッときちゃうなあ・・・・心に染み入るバラード永遠の傑作だ。
種を明かせばここいら辺のアレンジはAOR期のシカゴそのもの。というよりもデヴィッド・フォスター節全開。
ヒットメーカーの手腕がてんこ盛り。それを参考にしてるのは火を見るよりも明らか。
それはともかくも、別格のアイドルたる実力をこれでもかあ、というほどに誇示してくれたターニングポイント。一気に聖子ワールドを見せつけてくれた。
ものすごいゴージャスな大作。
しっちゃんは己の楽曲のように吸収し、ナチュラルな雰囲気を漂わせながら心を込めて懇切丁寧に披露してくれました。
それほどの難曲なのにたいしたもの。
何度もいうけれど、バック陣のプレイの上手さも特筆ものだ。
とかくこのようなじっくりと展開される曲ともなると、ちょっとした気のゆるみで何度もほころびが露呈するというもの。
ところが凄腕集団ゆえに的確なるテクニックを紡ぎだすさまには舌を巻いてしまった。
ギタリストはフュージョン系の猛者。ワウワウペダルやスライドバーを駆使したソロでも、いぶし銀の様相を呈していたよ。
恐るべしだ。ドラマティックなスケールのあるアートチューン。
ちなみに聖子ちゃんのカバーバンドってたいていは膨大なヒット曲を羅列してはじけまくるものなんだけど、このバンドはアルバムに収録されている隠れた名曲も積極的に取り上げているんだよね。その趣旨には好感が持てる。
エンディングでは再びしっとりピアノの旋律でクロージング。
先述どおりミョウテンくんのドラムはボンゾ丸出し(笑)
まだハードな曲ならばいいけれど、静かな曲で轟くボトムが半端ないくらいドテッパラに食い込んでくる。
ミキシングがその辺りを強調しているようで、後日ミョウテンくんにそのことを伝えると「そうだったんですか!?」と驚いていた。聖子とボンゾのコラボレーション。
なんでもミョウテンくんは譜面を見るためのライトを忘れてきたらしく、相当に苦労したらしいよ・・・・あらら~~・・・。
しっちゃんからの懇切丁寧なるメンバー紹介に続いて、次の曲へ・・・・。
「次にお送りする曲はとっても有名ですよ・・・・ハートのイアリング」
1984年11月1日発売19枚目のシングル。アルバム「ウィンディ・シャドウ」にオープニングとして収録。
オリコンチャート1位を記録。
松本隆と佐野元春による作品。初参加の佐野は「ホーランド・ローズ」というペンネールで作曲。
歌詞の内容は失恋ストーリー。
でも暗い進行は皆無。カラッとした突き抜け感がほどよく明日への希望に満ち溢れていて元気をイッパイもらえそう。
非常に完成度の高い、コンサートにおけるハイライト曲。
まずはハイハットによる繊細なる刻みからスタート。追随してキーボードによる荘厳な響きが彩を添える。パーフェクトだねえ。一挙手一投足に思わず唸ってしまいます。各自が熟練の技で鎬を削る。
パイナップルのバンドもフロントの紅一点シンガーを前面にフューチャーしつつも、しっかりとバックでは的確なサウンドで固めて安定感が抜群だ。
主張するところはしっかりと主張しているしね。
まさにつわもの揃いだ。こんなアンサンブルに支えられていたら、しっちゃんも何の気兼ねなく歌に集中できるというものさ。
本当はメドレーだったんだけど譜面の順を間違えたメンバーがいたので一端停止。
「オーケー!!(笑)」
気を取り直して再開!
「風は秋色」
(オリコン堂々の1位を記録した1980年10月1日リリースの通算3枚目のシングル。オリジナルアルバム・ノースウインドウに収録。化粧品のコマーシャルソングに起用されていた。2000年代に入ってもコンサートのセットリストにお目見えする機会が多いスタンダードナンバー)
申し分なきセレクションだ。
聖子ブーム真っ只中に放ったお約束の名曲をセレクションとは、なかなかにツボを得たこだわりどころが憎い。
これってまたもや秋の情景・・・・・にも関わらずキュートで爽やかこの上ない・・・・・。
聖子カラーに染まると、このように仕上がるんだね。
(多少、強引だけど・・・・)
満を持してここで、渾身のギター・ソロが飛び出した。
歯切れのよいコード・カッティングもさすがだ。センスの良さに唸ってしまったよ。
おお!転調したら益々熱狂の度合いが増してきたよ。
エキサイトした観客が、リズムに乗って体を揺らしたり歌メロを口づさむ。
電飾付きのタンバリンを頭上高く振り上げて叩いている人も出現。
口笛もピューピューと吹き鳴らされている。
このように多種多様なる光景に浸れるのもイベントの醍醐味の一つ。
「ありがとうございます!たくさんの手拍子をいただきまして私は感動に打ち震えております。途中で歌詞がわからなくなってしまいました(笑)。
聖子ちゃんの秋っぽい曲ばかりでしたがいかがでしたか?
去年は本当に大変な年になってしまいました。ライブもあまりできなくて寂しい限りです。
主催の皆さん、本当にご苦労様です。
それでは早いもので最後の曲に参りたいと思います。これ知っていますか?聞いてください・・・・・ジュテーム・・・・」
(1981年5月21日リリース3枚目のアルバム・シルエットに収録。B面2曲目。これはシングル曲ではありません。本人もファンの間でも非常に人気のある曲)
膨大なるヒット曲の中から厳選するのは、さぞかししんどかったことでしょうね。
聖子ちゃんのカバーライブをやるからには、この何倍もの時間が欲しいくらいだ。
思い切りアップテンポのリズムに身を委ねてノリノリにぶっ飛んじゃおう!余力を振り絞って迫ってきましたよ。誰の胸にもキュンキュンと染み入る不滅、珠玉のJ・POP真骨頂だ。
もうこれだけでも鋼の涙腺が崩壊寸前。
青春時代の甘くほろ苦い思い出が蘇ってくる。
みょうてん君もここぞという時にすさまじきフィルインで豪快極まりないくらいに、美味しいところをかっさらっていく。
それに触発されたのか、ギターソロでは満を持して爆発。
伝家の宝刀とばかりに指板上を疾走する超高速弾きにアーミングを交える。「ギュイーン!!」
続いてはキーボードが鍵盤の魔術師のごとく滑らかに上下しながら速射砲マシンガンのように音符を打ち鳴らす。
しっちゃんもそれに負けないくらい、感情移入して熱唱を繰り広げてくれます。
観客もステージ前方にまで飛び出して行って踊り狂いたいんだろうけど、このご時世だけにジッと我慢。
ここでは仕方ないから静かにジックリと、とろけてみましょうよ。
締めくくりは華やかなるフィナーレで大団円を迎えることとなりました。
「ありがとうございました。パイナップルでした!!」
本当にお疲れさまでした!汗びっしょりで心地よき疲労感に満たされていて皆幸せそう。
「いやあ~、フレンズ・ライブVOL,55っていいもんですねえ~!」(水野晴郎風に)
BGMはクイーンの「愛という名の欲望」
****これにてライブ・レポートPART,3は終了!でもすぐに続きを書きますよ!!しばしお待ちくださいませ!!****