70年代前後、ニューロックの夜明けと謳われていた頃のまだまだ無限の可能性を秘めた熱い音楽シーンにおいて、各レコード会社から続々と登場してきた今となっては伝説のバンド達。
本国アメリカではコロンビアでしたが、日本では当時CBSと名のっていたレーベルも生きの良いバンドやミュージシャン達を内外問わずに数多く排出。
洋楽部門では、誰が言ったか上手い事考えたものでして、所属していた人気絶頂3バンドの頭文字から「CBSのCはCHICAGO,BはBLOOD SWEAT&TEARS,SはSANTANA!」と当てはめていました。
そのサンタナは1966年、サンフランシスコで結成。
サンタナ・ブルース・バンドからサンタナに改名。あのウッドストック・フェスティヴァルに出演して一躍注目される存在となりました(私はサンタナのライブ・シーンは全出演者の中でも1,2を争うほどの素晴らしいパフォーマンスだと思いますよ)。
ラテンロックというジャンルを確立し、カルロスの官能的なギタースタイルが絶賛され、ギター小僧達もこぞってコピーしたものです。
「ブラック・マジック・ウーマン」「僕のリズムを聞いとくれ」「君に捧げるサンバ」「哀愁のヨーロッパ」などヒット曲多数。
度重なるメンバーチェンジもなんのその。1998年にはロックの殿堂入りを果たし、1999年にはアルバム「スーパーナチュラル」がバンドにとっては28年ぶりの全米1位に輝き、全世界で3000万枚以上を売り上げるという快挙を達成して奇跡の復活も遂げています。同作はグラミー史上最多の9部門で受賞。収録曲「スムース」もビルボードで12週間にもわたって1位を獲得。サンタナ初の1位シングルとなりました。
またバンドメンバーにはタワー・オブ・パワーからチェスター・トンプソンが在籍。ニール・ショーンとグレッグ・ローリーもその後ジャーニーを結成して大成功を収めていますね。
サンタナのリーダーでもあるカルロスはソロ・ワークにも積極的でジャズ・フュージョン系からハードロック、へヴィメタル系のミュージシャン達とも共演しています。
写真の7枚は、主なソロ・プロジェクト。
1972年発表の「カルロス・サンタナ&バディ・マイルス!ライブ!」(6曲入り)大御所ドラマー、バディとの共演。
同年のダイアモンド・ヘッドにおけるライブ盤でシングル「エヴィル・ウェイズ」(6:36)もヒットしました。
1973年「魂の兄弟たち」(5曲入り)
マハビシュヌ・オーケストラの凄腕ギタリスト、ジョン・マクラフリンとの共演。他のゲスト・ミュージシャン達も凄い。
コルトレーン組曲「至上の愛」でのギター・バトルは壮絶。
1974年作「啓示」は5曲入り。
先のジョン・コルトレーンの妻だったジャズ・ミュージシャン故アリス・コルトレーンとのコラボ作品。
宗教色が濃厚で万人受けするとは思えないけど、その方面の熱狂的マニアには好評の内容。
1980年発表の「スイング・オブ・デライト」(9曲入り)はLPでは2枚組という超大作。
お馴染みのサンタナバンド・メンバーに加えて、凄腕ジャズ・ミュージシャン達(ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスなど)を迎え入れての制作。マイルスを意識したセッション風フュージョン作。
1983年「ハバナ・ムーン」(11曲入り)
カルロスが多大なる影響を受けたアメリカン・ルーツ・ミュージックの名曲を素直に温かみある作法で仕上げた快作。
1987年「サルバドールにブルースを」(9曲入り)
前作の延長線上に位置する作品。ただし前作のように豪華なゲスト陣は招かずに彼のギター中心にスポットを当てた円熟味の境地に到達したかの感さえうかがえるような質の高い1枚。グラミーのベストロックインスト部門を受賞。
最後は1994年「サンタナ・ブラザース」(11曲入り)
タイトルからもおわかりでしょうがカルロス、実弟のホルヘ、甥のヘルナンデスによるアルバム。
ヘルナンデスのギターは若いのでアーミングを多用しつつも早弾きなのですぐにそれとわかります。
ただカルロスとホルヘのギターはあまりにもそっくりなので区別が難しい・・・。
どちらかというとカルロスのほうが太くて甘いトーンだというのがポイントかな。
全体的にしっかりとサンタナバンドしていますので期待を裏切らないと思います。4曲目「アランフェス交響曲」は必聴!