THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,92 SOUND CRUE in many fields

2014-04-14 17:12:15 | Live Set List

2014.4.13(SUN)

OPEN 18:00     START 18:30

雪解けが一気に進んで、大通り公園雪まつり会場に横たわる残雪も残りわずかのポカポカ陽気ですが、さすがに日が傾きかけてくるとまだ厳しい冷え込みがありますね。

「サウンド・クルー」へのSTA出演は2度目。場所も札幌の中心地に位置していて地下鉄「バスセンター駅」からも徒歩1分という最高の場所です。

外観は可愛らしい黄色のビルですが、中は物凄く奥行きがあって広い!階段を上ってロビー、楽屋、カウンター、事務所などがゆったりと配置されていて、更に階段を上ると貫禄あるライブ・ホールが眼前に現れます。

この日は「サウンド・クルー」企画で6バンドの出演(1バンドは都合により急遽変更になりました)

STA以外、若いバンドが中心でほとんどがオリジナル曲。

編成、人数、ジャンル、年齢とどこをとってもSTAは浮きまくりの存在。まあ、どうあがいてもいつも浮いている存在なのでもう慣れっこです(シカゴを演奏するブラス・ロックバンドはどこにもいませんからね)。

でも楽屋、ロビー、会場内でもタイバン同志和気あいあいと和んでいます。事務所に行って編成パート、セット・リストの届け出を済ませてお互いにご挨拶。

午後3時20分からそれぞれのバンドが持ち時間25分でリハーサル。STAも4時50分からチェック開始。この日は久しぶりの9人態勢でのライブなのですがスケジュールの都合で管楽器2人欠席での7人リハーサル。まずは一人一人が音だしをしてミキサー・スタッフと意見調整。

本番序盤の2曲を流してみてメンバー各自がモニターの返しや他の楽器とのバランス・音量・音質の好みをミキサー・スタッフにお願い。ギターはエフェクターの効果も一つづつ出させてくれます(ワウとかも)

とにかくここの音響はぴか一です。今までに立った会場の中でも指折りではないでしょうか。一発目の曲でもう充分にロック・サウンドが確立されていて演奏する側が気持ちいいくらいに迫力ある音の塊に包まれ陶酔できます。

「前回のような感じでいいですか?」としっかりSTAの音は熟知しているご様子。

ミキサーの方から「私も楽しみにしていますよ」とまで言われました。ミユキ&ミツが言っていましたが管楽器の音作りは他の楽器に比べてミキサー泣かせなのだそうです。でもサウンド・クルー・ミキサーは管楽器が好きで卓調整はお手の物なんだそうです。心強い!!

さあ、リハーサルも無事に終えて「じゃあ、本番よろしくお願いいたしまあす!!」と全員が楽屋へ。この会場は楽屋から階段を登るとステージ左後方に出られる仕組みになっていて臨場感をいやがうえにも煽ってきます。

メンバーはそれぞれに食事に行ったり、ウォーミング・アップに勤しんだり、ミーティングを重ねたり、近所のペット・ショップ見学(!)に行ったりの自由行動。

 早くも入場者が続々と詰めかけていますが、BGMは11日に札幌公演を大盛況のうちに終えたばかりのジェフ・ベック最高傑作アルバム「ブロー・バイ・ブロー(ギター殺人者の凱旋)」。最高のシチュエーション!

 

「iyonnokka」

この聞きなれないスペルのバンド名はアイヌの子守唄から命名したのだそうです。網タイツにミニスカート姿のセクシー女性VOをセンターに据えた4人編成のオリジナル個性派ロック・バンド。

フロントの3人は皆フェンダーのサンバーストを使用。ベースはローズ・ネックの3TS/PB。珍しいことにブリッジ・カバーを装着。さすがにP.Uフェンスは邪魔なので付けなかったそうです。(マサとは楽屋でお互いのベース談義に花が咲きました)VOレディはメイプル指板のTSテレキャスター。

リードGはTSストラトキャスター。

彼女は初のライブだとのことで相当、出番前に緊張していたようだけど本番が進行するに従ってリラックスしてきたようで、会場に向かってついこの間終了したばかりの「笑っていいとも」にひっかけて「みんな、のってくれるかな?!」と呼びかけ。お友達から「いいとも!!」とバカ受けしていました(笑)

このバンドのメンバー達はマサが古くから関わりのある音楽スタジオ(本店&姉妹店共に)内でちょくちょく面識がありましたがタイバンは初。

とにかくトップという重圧に押しつぶされることもなく無事に勤めあげました。お疲れさま!!

 

「Multipaper」

トリオ編成のここもオリジナル・ソング中心のバンド。リハーサルから特にマサの目を引いたのはベーシストの使用機材や奏法。一種独特の音色、フレーズは超個性的。ジャズベースを黙々と指弾きする姿は神々しい限り。

思わず「ジャコ・パストリアスやジョン・パティトウイッチとか好きでしょう!」と尋ねると「ハイ!」と元気に返答。今後の成長が楽しみですね。こういう生きのいいヤング・ミュージシャン達が頑張っているという事実は頼もしい限り。

 

「Taniguchi Chie」

3番目に登場は驚いたことに女性ソロです。でもピアノやアコースティック・ギターでの弾き語りではありません。

ファッショナブルな衣装に長い黒髪、ヘッド・セット・マイクを装着して全曲オリジナルでダンスに歌を披露してくれました。

サウンド・クルーは初出演とのことですが、すべてを一人でこなしているというのですから凄い!スーパー・レディ。会場のあちこちでも曲にあわせて踊っている人達が目立ちました。

作詞、作曲、アレンジ、打ち込み、ダンス、振り付け、MCとすべてを一人でマルチにこなしています。CDも制作しているとのことで、軽やかに見事なステップを踏んでクルクルと回転したり体をくねらせてみたり曲調もバラエティ。意外だったのはモノマネ。ソフトな口調のMCなんだけどいきなりクレヨンしんちゃんのモノマネ2連発。これがまた本物そっくり。いろんな才能を持っている要注目シンガーです。

ご両親がずっと心配そうに見守っているのですが、家族全員がバック・アップしてくれているのですからとても恵まれた環境ですね。

皆から応援の声がかかっていました。

 

「nu-Funk」

女性KB含む5人編成のラップ・ファンク・バンド。ここもオリジナル中心。ドラマーはSTAと3度タイバンを組んだアルファ・ジャークのbanboo Dです。以前からファンク・バンド活動の話は聞いていましたが遂にこの日、神秘のベールが剥がされました。

クラビネット効果満点のKB,全身全霊でラップをマシンガンのごとくはじき出すVO,歯切れ良いカッティングで彩りを添えるギター、的確なグルーブでボトムを支えるベース、そしてMCをこなしながら、パワフルに千手観音のようなスティックさばきでビートをたたき出すバンブーD。ただやみくもにドラミングするのではなく、トミー・リーのような豪快&華麗に見せる技を散りばめているところなんか憎いですね。

ずっと見ていたくなるようなパフォーマンス。無意識にこちらの体までもが動いてきちゃいます。

後半に飛び出したゴダイゴの大ヒット曲「モンキー・マジック」

これが唯一のカバーでもちろんファンク風に料理されています。レッド・ホット・チリ・ペッパーズとかも好きなんだろうなあ。

お疲れの握手を交わし合いました。

 

「THE SKY KID」

急遽、出演することになった3ピース・ジャパニーズオリジナル・バンド。

バンダナを首に巻いて骨太で男っぽいロックを轟かせてくれました。マサが特に気に入ったのは1曲目。リフとバックとボーカルとのアレンジの絡みが絶妙、効果抜群でインパクト絶大。ブレークの連続、タイミングがよく練りこまれていて若さにたがわぬ才能の片鱗を垣間見た思い。

逞しいステーングとは裏腹に舞台裏では人懐っこい好青年達でした。

 

ほぼ定刻通りの進行、満を持してのS・T・A参上です。会場いっぱいに待ち構える若者たちが次に現れるバンドを今か今かと待ちわびています。

9人編成のSTA。これだけでも見た目が派手ですね。ミユキ&ミキはサウンド・クルー初出演。もちろんこのメンツ、この編成でのライブは初。ハッシーもスタジオ練習&会場リハーサルなしのぶっつけ本番(出番前にこの日「初対面だというハッシー&ミユキをマサが間に入って紹介しようと思ったのですが、なんと御両人は以前からの知り合いでした!これならば話は早い)。もちろんタツも駆け込みライブとなりました。

マイクのセッティングだけでもそうとうな数を立てなければいけないのでスタッフの方たちにはただただ感謝です。これにこたえるには恥ずかしくない熱いライブを展開することがSTAに課せられた義務ですね。

軽くチェックをいれてみたけど鍵盤のモニターもバッチリ。今までで1番の音響返しです。

ミキサーSIMON氏からのGOサインを受けてライブ・スタート!!

***SET LIST***

1、INTRODUCTION・・・CHICAGO

2、~ONE FINE MORNING(ある晴れた朝)・・・LIGHTHOUSE

3、~FREE FORM PIANO・・・SHIN

4、~SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO

5、FREE(自由になりたい)・・・CHICAGO

6、~25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO

 

***MEMBER***

MASA・・・B VO CHO

NOBU・・・G

MITSU・・・TB

KEN・・・DR VO CHO

SHIN・・・KB VO CHO

TATSU・・・TP

HASSY・・・AS

MIYUKI・・・BS

MIKI・・・CHO PER 

今回も1曲を除いてすべてが初期シカゴのレパートリー。と、ここで緊急ニュースが入ってきました。

シカゴの新譜「CHICAGOXXXⅥ NOW」がアメリカ時間7月4日遂に、ああ・・・遂にリリース決定!!「サタディ・イン・ザ・パーク」の歌詞にもあるとおりアメリカ独立記念日の発表ですね。もうこうなったら燃え上がるしかありません。

1年以上ずっとオープニングに鎮座している珠玉のナンバー「イントロダクション」。この日の出来はかなりの完成度を誇ったようです。いつものように「サウンドクルー」の名称をアドリブで散りばめたマサによるナレーションからSTAの紹介に突入、3カウントからイントロへ。

数段迫力が増したのは4管だからというのもありますが、4人ブラス・メンバー全員が高度なテクを維持していることにほかなりません。

それに加えてミキ嬢が細部にわたってパーカッションを鳴らしてくれることも今までには見られなかった贅沢な装飾。カウベル、そしてシェイカー、マラカス、タンバリンと的確にオリジナル音源どおり響いてきます。これでこの曲もそうとうにグレードアップしました。

中間部の上昇コードにおけるケンの変化するドラミング、突然ブレークした後に(ピッタリと全員が決まりましたね)繋がるトロンボーン・ソロ。ここでは会場から「おおお!!」と驚愕のため息が漏れましたね。

STAのライブ、温まりと本格的ノリに入るにはちょっと時間がかかり2曲ほど進行した頃から調子が出てくるのですが、この日のステージは珍しいことにしょっぱなからエンジン全開で波に乗っています。

ほぼ乱れることもなくエンディングを迎え、間髪いれずに2曲目に突入。へヴィーなドラムの導入部分でマサが「サンキュウ!ネクスト・ナンバー、ワン・ファイン・モーニング!!」

ここのメドレーは効果テキメンでしょう。

1曲目だけでも十分に衝撃度があるのに、さらなるパワー・チューンが連続で飛び出してくるのですから。予想通り、皆圧倒されて食い入っているのがよく見えてきます。

読みは的中。数年ぶりに復活した「ある晴れた朝」。初期STAがライブの盛り上げ場面で必ず取り上げていた曲なのですが「イントロダクション」がそれにとってかわって組み込まれたのと同時にお休み状態でした。適役なボーカル、テクニックを擁するブラス・メンバー不足もありしばらく様子見だったのですが満を持してこの日、蘇りました。それも「イントロダクション」とのカップリング・オープニングという前代未聞のセット・リスト。

技術面はもとより、スタミナ面でもそうとうタフでないと持ちませんが(普通のメンバーならもうここの途中でダウンです)現在のメンバーたちなら難なくクリアです。もちろんここ最近はこのライトハウスにほとんどの時間を費やして全員が鍛練を重ねた結果ですよ。

1回目のスタジオ・リハーサルではあちこちがほころびだらけで想像以上のポンコツだったのでショックを隠せませんでしたが見る見るうちに勘を取り戻して昔以上の完成度に至りました。

シンのボーカルも今までのボーカリスト中、一番はまっていたのではないでしょうか。ピアノ・ソロも鳥肌が立つほどに滑らかに鍵盤上を飛び回り、厚みを増したコーラスも過去随一。でもこのコーラスはかなりのハイ・トーンでそれがずっと伸ばしっぱなしでグイグイと上昇、それが何度も出てきて毎回ごとに複雑に増えていくのです。だから上手くコントロールをしておかないとこれ1曲でばてるか喉を破壊してしまいます。演奏は最初から最後まで休むことなく過激なままですし。

その苦労の甲斐あって2曲を終えた段階で「やったあ!!」という満足感に満たされました。会場もお口あんぐり状態、ちょっと間を置いてハッと我に返って拍手がドッと沸き起こりました。

構想は的中、抑揚をつけるために(熱さましのインターバル)場面転換、シンによるエレクトリック・ピアノ・ソロ。また新しいミニ・ソロを披露してくれました。幻想的でサイケデリック、70年代初期のスティーヴィー・ワンダー風ですね。

一瞬の静寂を切り裂いて軽快なピアノ・シンコペーション「サタディ・イン・ザ・パ―ク」

メンバー達が会場に向かって手拍子を求めるとすぐに皆もそれに賛同してくれました。

極上のブラスロック・ポップスですが、こいつも難曲なのですよね。ミキ嬢が込み入ったコーラス・ワークを巧みにこなしてくれたおかげで今までの野暮ったさもとれてきました。

中間部を通過したところで、初めてマサのMC。

改めてSTAの紹介、2度目のサウンド・クルー出演のこと、今日タイバンの5バンドが若さに溢れていてお見事だったこと、更に悪乗りしてよせばいいのにトップ・バッター「イヨンノッカ」にならって「こんな調子で残り2曲も強烈なブラスロックで盛り上げていきたいと思いますがのってくれるかな!!??」と言おうとしたら肝心のところで噛んでしまい・・・それがかえって受けてしまいました。恥ずかしい・・・ガラにもないことをアドリブでやろうとすると火傷しちゃうよ、という戒めですね(楽屋でも数人にからかわれました)。

それはともかく、2分半の「フリー」はあらゆるエキスが凝縮された曲。全速力で400メートルを突っ走る勢いと申せば大体の感触が伝わるでしょう。

ここもミキ嬢のコーラスがマサに加わり、主題部はシン、ドスの効いたソウルフルな部分はケンが歌を受け持つという構成。そこに超速吹きブラス・セクションが遠慮なしに殴りこみ。

「ラストです!25or6to4!!」

ここでも会場のあちこちから「YEAHHH!!」と歓声が飛び交います。

ノブの独壇場ともいえるこの曲は有名なコード・ワークから感情爆発ギター・ソロ&クライ・ベイビーのお約束展開。そしてメンバー達が用意してくれた温かな花道スぺースにおけるマサとの絡みも一つの見せ場。

スキップ踏んだりマイク・スタンドに楽器をこすりつけ、

バス・ドラムやモニターに片足乗せたり、シンバルを蹴り上げ(それにケンも反応して連打)、最後はベース・ギターを会場に向け突き出し天井高く抱え上げてジャンプを合図にフィニッシュ。

「ありがとうございました!STAでした!!また会いましょう。バイバイ!!」

ジェフ・ベック・コンサート会場の席でマサと隣り合わせになった同年齢の男性の方もライブに駆けつけてくれました。

延々と語り合っていたのですが、何と驚いたことにSTAライブ初期の頃、澄川モダンタイムでタイバンをしていたのです!!「ヒューズ」というグレン・ヒューズのカバーバンドでドラムを担当していたとのこと。またお互いに共通の馴染のスタジオ・オーナーとも知り合いだということもわかり再度握手(笑)いやはやなんとも世の中狭いというか、音楽好きというのは行動範囲が同じなんですね。

その後も楽屋やロビーでタイバン、観客の皆さん、ホール・スタッフとも労をねぎらいつつも談笑。あっという間に夜も更けてゆくのでした。この日の月はとびきり美しかった・・・・。

SPECIAL THANKS TO・・・MR.KIKUCHI&KEIKO&HITOMI&ALFA-JERK&BAMBOO D&MR.TAKI&HAJ&MR.SIMON&STUFF!!!

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする