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読む日々

テーマばらばらの読書日記

時雨の記

2011-08-03 | 
中里恒子「時雨の記」

映画化された時に気になっていたんだけど、なかなか読めずにいました。
映画も観てません。

読んでみて・・・・涙がじわっと出て、それが尾を引く感じ。悲しいとか辛いという涙じゃないんですけどね。
50を超えた会社社長が、数十年も前の若いころに見初めた人妻と偶然再会するところから始まるストーリー。

女性の方は未亡人で一人暮らしとなっていて、男性の方は家庭に難あり、という状況。
その二人が紡ぐ、大人の純愛物語、でした。

将来、家を出て一緒に住む。その時までは彼女には触れない、という約束をした上でのお付き合い。
お互いの心のうちが丁寧に丁寧に表現されていて、ひとつひとつの文が「いいなあ」という感じ。

最後は男性が亡くなってしまうのですが、女性の家に「死にに来た」って感じでした。

「風の盆恋歌」にも少し似てるかなあ。あちらは女性の方に家庭があったんだっけ?両方だっけ?

それにしても、社長夫人が酷すぎる。よくもまあ、こんな人と結婚したもんだ、と思ったけど、
人は変節していくものだしね。最初からではなかったのかも。
もともと持ってる物を周りの環境で変な風に育てちゃったんでしょうね。

若いころ、感じていたこと。
たまたま「適齢期」と言うべき時期に出会って結婚してしまうけど、もっと好きな人と後で出会ったらどうするの?
どうしてみんな、簡単に「この人」と決めて結婚できるんだろう・・・。

と、悩んでました。結局自分も勢いで同じことしちゃったんだけど。

でもそうした疑問の一つの答えがこの本にあるのかなあ、と思いました。

満足度90

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