小うつな人・ケアマネな人、を応援する日記

小うつな方・ケアマネな方、どっちでもある方のために捧げる、ネタのたわごとです。めざそう癒し人!?

「ギスギスした人間関係をまーるくする心理学=エリック・バーンのTA」を読んで

2012-05-07 08:54:07 | 弱さへの思考
この本はTA教育研究所 理事長 安部朋子著、西日本出版社から2008年創刊である。

「人生の中で『何かがうまくいってないなぁ』『なんとかならないかなぁ?』等、体調や気分の優れない方、自分探しをしている方、あるいは『もっと幸せになりたい』という方にTAは役に立ちます。」と序文にあるように、TA(transactional analysis)という心理学を実生活に活用するために、TAの普及活動の為に、書かれた書物である。

TAの哲学として
①人は誰でもOKである。→存在に優劣はない。
②誰もが考える能力を持つ。→考える能力を十分に刺激し、コミュニケーションをとる方向に進める。
③自分が自分の運命を決め、その決定を変更することができる。

とある。

自我状態構造モデル(PAC)両親・大人・子どもというものを各人が持っているとか、
ストローク、スピッツ博士の乳児院調査、ラケット感情(お気に入りの感情)、スタンプ帳、ゲーム、ドラマ・トライアングル、ライフ・スクリプト…などの言葉を解説して、自らの人生に自ら「気づき」を持つことを目的としている。

もしかすると、体調や気分の優れない方、自分探しをしている方、あるいは『もっと幸せになりたい』という方には、考え方の視点を変える上で役立つかもしれない。

ぜひ興味のある方は一読を。とても読みやすく書かれています。

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と、打っておいて、実はこの後、否定的な文章です。読まなくても結構。

これを創り出したエリック・バーンは、生前、自らの事はほとんど語らなかった。
この「自らを語らない」というのは、元々所属していたフロイト学派のフロイトと同じだ。エリック・バーンは決裂したにも関わらず、同じことをしている。

しかも3回離婚している。自らの実生活で家族構築ができなかった。

こんなやつの言う「心理学」がアテになるものだろうか?

自分の説を活用しなかったのか?ということは、信ずるに値しないと自分は思う。
これが、フィクションであれば、「作品と個人は別物」と言い切れるが、少なくともカウンセリングでも活用されるTA(これについて交流分析という日本語が充てられているが、実際は違う!と著者はしつこく言っている…が五十歩百歩でしょ?)は人の一生を左右する可能性がある。それほど「心理学」は権威あるものになっていることに恐怖を覚えなければならない。

正直、霊能者や占い師と大差ない。
だったら、「やじうま」の占いコーナーでも見ていたほうがましである。

そして、
忘れてはならない。311。
私はここから、全ての概念が崩れ去った。

1年を過ぎようとしているにも関わらず、心理学は何の役にも立っていない。
子どもたちを含め、傷ついた人々に対して、何ができている?

この本は、安全な場所に居住していて、半径3mで苦しんでいる個人には役立つだろう。
でも、死生学を伴った状況において、何の役にも立たないのが、心理学だ。

全てのカウンセラーに、言いたい。

あなたは今日、つくば市に行って、竜巻被害にあった人びとへ、早速、心の救済に行って下さい。
無力であることが分かるだろう。

そして、その中には原発被害で非難してきた7家族が含まれているという。
こんなにもカタストロフィを体感した人に、心理学は、何ができるというのか。

経済も医療も心理学も、宗教だ。
信じていればこそ、通用するものだ。幻想に丸抱えされることで、自分を保持することができているに過ぎない。
趣味で読むのなら時間つぶしにはもってこいの心理学。でも、信じるに値しない。

一時期、真剣に心理学を勉強した私は、311を境に心理学とは決裂した。無駄なんだもん。笑っちゃうんだもん。そして、一切役に立たないことが311以降、わかった。

だったら、もっと別の角度で、物事を捉える必要がある。