前回は、クライアント側に必要な資質について伝えた。
関わりを持とうとする意思の大切さであった。それがあるからセラピーを受けに来ていると思われがちだが、その力を発揮するためにはセラピスト側に「伝える力」がないとならないと考えた。
今回は、セラピストの条件を定義してみる。
セラピストの条件
○ タフで関心が強く
○ 人間的で
○ 感受性豊かな極めて責任ある人間でなければならない。
○ 自分のクライアントに対する苦闘について喜んで討論しなければならない。
○ 自分の振舞い・表現・評価といったものは「たいして重要ではない」とほのめかしてはいけない。
○ 関わり合いを継続できる強さ。
○ 自分の価値をクライアントに吟味してもらう強さ
○ クライアントの強烈な批判に耐える強さ
これらを持たなければならないと思われる。
セラピスト、大変…たぶん、どのカウンセラーも全ては持っていないだろう。
だからこそ、日夜勉強が必要で、全ての体験はセラピストにとって重要なセンテンスとなりうると思われる。
セラピストはどのような誤りや欠陥もクライアントから攻撃される。セラピストは完全ではない。しかし、どんなに大きな努力が必要になっても、「人は責任ある行動が可能なのだ」ということを示してやらなければならない。ご都合主義であってはならない。クライアントの無責任な行動に対して、決して容赦はしないが、それにより苦しむ姿を、ある種、喜んで見守らなければならない。セラピストは責任ある生活を送る力だけではなく、クライアントが無責任さを認めて欲しいという現実に立ち向かうときや、クライアントがいかに苦しんで現実と闘っているときも、その現実を指摘し続ける力を「付け加える」必要がある。
○ 欲求充足ができないために孤立した、または、変則的な特異な状態にある人のことを十分に知り、理解しなければならない。
○ あるがままに受容する。
○ その行動を理解する。
これらの実行には能力が必要である。驚いたり、批判したりしてはならないと考える。
次回は、セラピーの状況において、クライアントの行動を考えてみる。