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欧州にあるアメリカの核兵器とミサイルシールド

2019-07-24 09:31:34 | 欧州情勢複雑怪奇

ニューズウィークはCIAの機関紙のようなものだからそのつもりで読むのが吉だと思うけど、その日本語版にもこんな記事が出てた。

アメリカ核兵器の配備先はどこ? (うっかり)暴露された極秘情報

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/07/post-12590.php


NATO議会会議のサイトに誤って一時的に公開された報告書に、アメリカの核兵器の配備情報が含まれていたことが7月半ばに判明した。航空機に搭載可能な核爆弾「B61」150発の配備先としてベルギーとドイツ、イタリア、オランダ、トルコの基地名が挙げられていたという。報告書はカナダのジョセフ・デイ上院議員が4月に執筆した草稿で、最終版ではこの情報は削除されている。

まぁ、公然の秘密というやつですけどね。

あと、この推移も、量と質の問題があるし、果たして本当にそれだけなのかも実はよくわかってないと思うな。

1971年には欧州内に7300発以上のアメリカの核があったともいわれる。現在は150発だとしたら、当時と比べれば大幅に削減されたと言えるのかもしれないが。

 

これはNATO側から出たものだから欧州の話だけだけど、当然に極東側のも開けてほしいですね。日本と韓国のこと。

 

この情報に対するロシアの反応はこの間書いた。

核といえば、ロシア外務省は、米国は米国の核を欧州の数カ国に置いているそうだが、自分んちだけにしなさいね、ロシアはそうしています、と呼びかけている。

Russia calls on US to store nuclear weapons only on its own territory — diplomat

https://tass.com/world/1069119

 

これ面白いね。これが要するにアメリカが使ってた1つのトリックでしょ。ソ連は核を沢山持っているぅうう、とか言うけどアメリカは英、仏という絶対離れない分身に核を持たせ、次にはドイツやトルコに核兵器を置き、冷戦時代には沖縄にも置き、実のところ全球的にロシアを核で脅してたし、今もいる。 

これはつまり、勝手に各国を核保有状態にしているという話。なんなんだよ、お前とロシアからクレームがつきました、と。

米露の関係改善は近い将来には予想できません by ラブロフ

 

で、核を多数持たないでもミサイルを含む上空からの攻撃が可能になったからだ~ということもある。こんな感じ。

NATOのミサイルシールドというやつ。

 

 

でね。こういうものを作ってきたことの意味は何だろうと考えると、実にまったくただの金儲けの道具以外の何物でもなかったのではないのだろうか。

だって、こうやってロシアを攻撃しようとも、そりゃ3000万人ぐらい一気に殺すとなればやってやれないことはないのかもしれないけど、だけど、それは同時に同じぐらいの破壊が欧州にもたらされるわけですよ。ロシアは報復能力を持ってるから。

ということは、一体これは何? ただの金儲けの道具としかいいようがない。

だけど、こういうのを設置していく過程で、この構想の正否こそすべて、これこそ天下の一大事であるといいなすことによって、様々な、秘密防衛がどうした、これは軍事機密だからどうしたといった法規制が作られていく。ロシアにじゃないよ、設置国に。

これは結局、各国の主権と民主主義、そして経費を取り上げることができるという実利がある、ということなんだろうと思う。

これは一体何なのかといえば、今となってみれば、冷戦期の緊張戦略の変奏だったんじゃなかろうか。

緊張戦略というのは、偽旗作戦というか自作自演を連続的に行っていくことで、社会に一定の緊張を持たせたり、偽のターゲットを敵視させたりしていった冷戦期のNATOの秘密行動の説明に使う言い方。

NATOとグラディオ作戦、緊張戦略

思えば、日本でも、日本を取り巻く環境は日増しに緊張の度合いを強め、とか、激変する国際社会の中で、とかいうセリフが日々語られ、個別具体的に何を指しているのかを誰も考えずに漫然と流してしまってるけど、このトークを理由づけとして、なんちゃら保護法制、軍備etc.が作られていったわけですからね。

 

なんちゅーかしかし、おかしなことだけど、こういう馬鹿プランをやることによって直接に脅かされているのはロシアだけど、衰退するのは構想を維持、推進する側の国の直接の利益を得られる人たち以外の人々なんだわな、って感じ。だって、明らかに自由度も下がるし、nationとしての落ち着きを失う。第一誰が構想を進めているのか国民には明らかでないから、ステルス支配が進む。なにこれ、って感じよ、ほんと。

 

■ オマケ

論点が違うから書けなかったけど、上の図を見てもわかる通り、トルコというのはNATOにとってとてつもなく重要な国。ここの立ち位置がぐらつていることの意味を、日本の論客みたいな人たちは取り上げなくていいんだろうか?

マスコミに出ない海外記事さんがちょうどいいものを訳されていた。お借りします。

S-400究極の撃墜

Finian Cunningham
2019年7月17日

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-ef68cd.html


 


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