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中露の初のアジア太平洋地域共同パトロール

2019-07-23 23:12:09 | アジア情勢複雑怪奇

夕方からの韓国・露中の話がすっきりしなかったので改めて考えてから寝ることにして考えてみた。

韓国 警告射撃した、ロシア 侵犯してないからな、日本 両方に注意

の続き。

出そろったところで考えてみるに、
この話のポイントはまずアジア太平洋地域における中露の初の共同パトロールという点か。

Russian, Chinese bombers carry out first joint patrol in Asia-Pacific region — top brass
https://tass.com/defense/1069966

 

パトロール参加は、
ロシアのTu-95MS 2機
中国のH-6K 2機

とあり、このグループが予定された日本海と東シナ海のルートを飛んだ、と。

自衛隊が出した中露の航空機の航路。(ここ

 

しかしながら、付近にはもう1機存在した。それがA-50。

A-50は独立に竹島付近を飛んでいる。

 

 

どこまで行っても独立にロシア軍の飛行機が飛んでいたというでしょうが、これは、計画的な、それこそ演習をかねたパトロールに組み込んだんでしょう。

パトロールグループ4機は東シナ海からと沿海州側から飛んできて合流。

このグループは公海上しか飛んでない。だから最初からロシアが正式に声明を出しているように、うちのパトロールはどこの国の領空も犯していないという主張は正しいでしょう。

しかしながらもう1機のA-50は、竹島付近で領空侵犯をしている。

これは何のためにやっているかというと、こうやった場合、韓国、日本、あるいは日米韓はどう動くのかな、を見たかったという話では?

 

結果は、韓国が、韓国防空識別圏(KADIZ)に進入したことと、独島付近の領空を2回にわたり侵犯したことをごっちゃにして広報したことで、何が何だかわからない話が最初出回った。

そして、現場の対応も、こんな感じ。

空軍戦闘機はKADIZに無断で入った中国とロシアの軍用機に計30回ほど無線で警告通信を行ったが、応答がなかった。独島付近の領空を2回にわたり侵犯したA50に向けては、1度目は約80発、2度目は約280発の警告射撃を実施した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190723-00000046-yonh-kr


コンタクトがあったのかないのかわからないが(大して広くもないこの海域ではそんな悠長にはできなかったとも言えるが)、その中で、

独島(竹島)付近の領空侵犯に対して警告というのならまだ意味がわかるが、

KADIZというのは韓国が独自に設定した防空識別圏に過ぎないから、領空侵犯並に警告射撃を使って対応したとすればそれは不適切で、ほとんど危険行為と言われても仕方がない。そして、ロシアにぐさりと韓国こそ危険だと言われるはめになった、と。

 

韓国軍は要するにパニックしたんでしょうね。

そして、入るな入るなとばかりに警告射撃をしたらしい。が、ロシアの方は、フレアを出されただけだと言ってる。多分、射撃したとしても遠くの方だったのでロシア的にそれはカウントしないと判断した、ってところかもしれない。


日本の自衛隊の方は自国の竹島に対するスクランブル発進しか当面の課題はないからそれをクリアして、そして、観察しつつこういうことかとわかりました、ってところでしょうか。

 

で、この行動によって示唆されたことは、韓国軍と日本の自衛隊はこの海域において共同で作戦行動を起こすことは難しそうだ、ですね。

中露から見たら、第1回パトロールの成果はあったというべきでしょう。

 

■ 反省

私が反省してもしょうがないけど(笑)、いやだけどさ~、米の子分1の日本と2の韓国がそれぞれ同盟組んでここで何してんのかといったら、まず第一にこの対馬海峡というチョークポイントを有効に使ってるはずじゃなかったのぉ???って感じ。

竹島/独島問題があるから、そもそも日韓はこの海域付近で共同作戦を遂行できそうな感じさえしない。

ということで、極東側は一元的なNATO管理じゃなくて、ハブ&スポークスにしてたことの無意味さが丸見えになった、みたいな感じがする今日でございました。

多分、今度は台湾海峡あたりで何かするんじゃないですかね。あっちも声はでかいし、装備もいいことはいいけど、だけど実は援軍体制みたいなのはない。どうなのそれってというのが現状。

 

■ オマケ

ふと思うに、識別圏についても問題含みだったのかもしれないなと思った。このゾーンをロシアは(中国もだが)認めないと何度も様々なチャネルを通して韓国側に伝えている、と言われていた。これはつまり、韓国軍は何のために護るのか、どういう場合に必要なのか、どこと連携した時に重要課題になるのかの優先順位がついていなかったし、周知できていないことによって危険な状態なのかな、という気がする。

そこが破られるとしたらどんな時かとか、どこまでなら実はOKで、みたいなことというのは米露は船でいえば体当たりまがいのことをしてみたり、空では横切り飛行とか危険極まりないことをしつつ、相手との間合いがわかった、みたいなもの。

領空侵犯が起こった、すわ戦争だみたいに反応する人がいるけど、それって相当間違った考えだと思う。どこまで来たらどうなるのかをお互いに知り合うことも不用意な大戦争を避けるために必要。やってるうちに危機回避能力も身につくし。英語圏の人はこういう領空、領海での接触を try to push the envelope(限界に挑んでみる)とか呼んで、一応非難合戦はするけど一方でこっちも勉強してるみたいな感じで見てるところがある。

 


 


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