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別にthe West中心世界と思ってない by ラブロフ

2020-07-05 21:38:41 | WW1&2

日本時間ではとっくに昨日だけど、7月4日はアメリカの独立記念日。

Black Live Mattersの人たちがワシントンで星条旗を燃やしてた。

Protesters burn American flag outside White House after Trump's July Fourth address

https://thehill.com/homenews/news/505891-protesters-burn-american-flag-outside-white-house-after-trump-july-fourth

私はスルーしようと思う。だって私はアメリカ人じゃないから。

 

■ 拡大G7は欠点がある by ロシア外務省

今日どうして出てきたのかよくわからないけど、ロシア外務省の事務次官のリャビコフ氏が、

G7サミットの拡大という考えは、欠点のある考えという表明をしていた。前から言っていたと思うけど7月4日付けでも念押し。

「いわゆる拡大G7サミットという考えには欠点がある。なぜなら、この考えを生み出した人は中国ファクターをどう考えているのかが明瞭でないからだ。現代世界の一定の問題について中国抜きで話し合うことは不可能だ。

"The idea of the so-called expanded G7 summit is flawed, because it is unclear to us how the authors of that initiative plan to consider the Chinese factor. Without China, it is just impossible to discuss certain issues in the modern world," he stressed.

Senior Russian diplomat describes expanded G7 summit initiative as "flawed idea" 

https://tass.com/politics/1174803

だそうです。

当然すぎて鼻血も出ないって感じですね。

 

■ 香港問題は中国の内政問題 by ロシア外務省

また、香港については、こっちもロシアの立場は、香港問題は中国にとっての内政問題であり、外国勢力は中国の中央政府と同国の香港行政特別区の間の関係に介入すべきではない、というものでゆるぎなし。

Russia slams U.S., Britain for Hong Kong discussion in UNSC 

http://www.xinhuanet.com/english/2020-06/05/c_139116852.htm

"We consider the situation in Hong Kong an internal affair of China and urge external forces to abstain from interfering in relations between the central government and the special administrative region of that country," Russian Foreign Ministry spokesperson Maria Zakharova said at a news briefing.

 

これは、件の国家安全法が通っても同様の立場。

こんな報道もあるけど、要するにアメの支配下にある国連組織がちょっとしたことを言っているのにすぎない。安保理ではない。

国連、香港国家安全法に懸念表明「恣意的な解釈で基本的人権を侵害の恐れ」

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/post-93863.php

また、言い方を見ても、この法律がダメだなんてことはそりゃ言えるわけもないので、こんなことを言っている。それをメディアが拾って大騒ぎっていういつものパターンですね。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のルパート・コルビル報道官は3日、今週施行された「香港国家安全維持法」について、条文が「あいまいで範囲が広すぎる」と指摘し、集会の自由や表現の自由といった基本的人権が侵害される恐れがあるとの見解を示した。

 

ロシアは、既に、米英が国連を使って話し合って何か引き出そうみたいな策略を取ろうとしても無駄だ、と非難していたりする。

 

しかし、この件は、実は香港のみならず台湾にも話が及び可能性は絶大にあるわけだから、日本って、こんな、明白に外国の国内事情に立ち入る方に全部かけちゃってどうするんだろう・・・。

ロシアのザハロワ報道官の数日前の言い方はこんな感じ。

我々は、中華人民共和国の主権と領土的一体性を尊重する。そして、私はこの件について疑念の余地はないと思う。であるのならば、香港の状況は純粋に中国の内政問題である。

そこから、ロシアの立場が示される。我々は中央政府とその国の地域の1つの関係における外部の介入に断固反対する。

"If we all respect the sovereignty and territorial integrity of the People's Republic of China, and I think there is no doubt about that, then we should consider the situation in Hong Kong as a purely internal matter of China. This also implies our Russian position: we are categorically against external interference in relations between the central government and one of the country's regions," she said.

https://www.aa.com.tr/en/politics/russia-defends-chinas-law-on-hong-kong/1897612

 

ということで、この議論に反論することはどの国にとってもとても難しい。まして欧州諸国は、独立志向を持った地域を抱えているところがいくつもある。したがって、それらの各国において、外国勢力の介入によって自国領土の一体性が失われても構わない、などという議論が承認されることはない。

ということは、メディア上を走るのは、野蛮人のアメリカ政府関係者による目的を持った騒動でしかない。

で、この線を通していくと、いずれ台湾の話も出てくるんだろうなと想像する。これは戦後処理の問題でもある。香港よりこっちの方がずっと大変で、そしてずっと危険。多分、日本国政府内外務省はさすがに、いい加減な態度で香港問題を扱おうとは思ってないだろうと思う。

しかし、メディアに煽られて、へんなムードが作られて後戻りできなくなってるのが日本。いつものことだ~って感じ。

 

■ RIC

そんな中、ちょっと前にロシアとインドと中国の外相がオンラインで外相会談をしていた。

Russia, India, China to oppose destructive actions of other states, says Lavrov 

https://tass.com/politics/1170873

目的は要するに折からのインドと中国の不和の一件なんだけど、不和があろうが、外相同士がちゃんと話し合える場があるのは大変良いこと。

もちろん、この件は、ロシアがお膳立てしたんだろうと誰でも察しがつくところ。だから、今後はこういうことを中国やインドができるのか、ってところがテーマでしょうね。

つまり、中国はアメリカとソ連の不和をネタに、漁夫の利を取る戦略で生きてきたので、紛争になりそうな時に誰かのために対話の場を用意する、それも広く西側の不和を買いながら、ってことを表だってやるのはあまり得意ではない。

ロシアが英米に抵抗してたら、それを儲けと思わずに、いや思ってもいいんだけど、一定の、誰が聞いても利の通った、長持ちする、10年後に見返してもカッコ悪くない行動をとれるのか、ってこと。中国は実際いろいろ試されていると思う。

 

インドはこれはそういう立場であったことはないわけだけど、今後は大きな国としてそれが求められる。ということでロシアが支援に回りつつ、いろいろと学習していくものとみえる。

国際関係って、力があれば、あるいは金があれば勝てるってのもんでもない。それはちょうど隣組の金持ち親父がすべてを仕切るなどということがありそうでないのと似てる。

 

■ 別にWest中心のシステムじゃないよ

ということで、これらのロシアの行動を支えているのは、2週間ぐらい前にラブロフ外相が言った

現在の世界システムはthe West中心というものでもないでしょ

という認識の仕方だろうなと思う。

Current world system is not western-centric, says Lavrov 

https://tass.com/world/1170867

 

こんなことを言ってる。

私は現在の世界システムをWestern-centric(西側中心)と呼ぶ理由があるとは思いません

The Westは、もちろん西側中心にする試みを続けるでしょう。世界の政治において何世紀もやってきた植民地支配にしがみつこうとするでしょう。少なくともいくつかの西側の国はそうします。この例は、我々のパートナーであるいくつかの国々の政策の中に見られます。

にもかかわらず、私たちは上海協力機構やBRICSの中で、あるいはロシア、インド、中国というトロイカの中で協力していますが、特に後者のケースで、私たちは決して現在の国際関係システムに代わるものを作ろうとはしません

なぜか。

それは国連憲章の枠組みの中で協力の枠組みを作っていけばそれで十分だということ。

要するに、この間のプーチンの論文でもそうだけど、ロシア外交は、国連憲章に基づき国際関係の紛争を解決していけばよろしかろうという点で常に一致してる。

国連憲章ってよく読むと、実際多極的に使おうと思えば使えるように出来てる。

ただし、前回の国際連盟が力によって秩序を破壊する人たちに対してあまりにも無抵抗すぎたので、安保理を強い奴らに持たせたってところが異なるだけ。

そして、これを一極支配のために使おう、自分の行動にOKを与えてくれる機関にしようというのがアメリカなわけだけど、どれだけもこれだけもなく彼らの無理が目立つ。それは初期設定が多極的だからで、その極限にあるのが拒否権でしょう。

ここでも最後に触れられていた。

プーチンの第二次大戦論文:東西がつながった

 

で、ロシアがこういうことを考える背景としてはこんな感じでしょう。大きな秩序変更、つまり世界的大革命なんてのは、世界的大戦争でもなければできるものではない。そんなことを我々はもう二度と望まない。したがって、今ある秩序を直し直し使う、それが我々にとっての利益であり、多くの他国もそうだろうと考える、ってなことでしょう。

で、今日、WWIIで多大なる犠牲を出したロシアと中国がそういうのなら、このシステムに対するこれはもう一定程度以上の重石になることは必定。

もちろん、西側の内部で争う分には、非西側勢力は黙ってみてることになるだろうが、彼らが思っていることは、俺らは決してお前らのための戦場にならない、でしょう。どこよりも優秀なミサイルを見せている意味は究極的にはそれだと思うな。

 

■ オマケ

基本的に、多分、ロシアの提案は通る。英米仏なんかが、そうだね、とは言わないだろうにせよ。

そもそも、もう一回世界戦争を起こして、強国を倒して、つまりロシアや中国を弱国化して、あるいは奴隷化して一国支配にするような力を持った勢力はどこにもないもの。

ということで、マジで思うわけだけど、日本って、前回の秩序破壊者のステータスを捨てるための試みを絶対にしようとしなかったわけですが、それで本当に良かったんでしょうか? これでOKだと思ったロジックってどんなものなのだろうか?

第2次大戦の結果を認められない唯一の国

ガラパゴスランドの知的敗戦

ナチ・シンパのままでどこまで行けるのか

 


 


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2 コメント

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Unknown (ローレライ)
2020-07-06 12:20:02
香港をチェチェンにしたい西側に釘を刺すロシア!
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チェチェンのわけないです (ブログ主)
2020-07-06 13:56:47
ローレライさん、

チェチェンをあなどってもらっては困ります(笑)。極東の騒ぎなんて、子どもの喧嘩レベルです。
返信する

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