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プーチン・金会談から一夜明けて

2019-04-26 16:28:52 | アジア情勢複雑怪奇

ネット上では「上級国民」問題が話題。亡くなられた母子が気の毒すぎるだけではすまない問題ですねこれは。ちゃんと取材してもらいたいものだが原子力ムラ関係者ときてはそれも無理なのか。なんなのこの国!といった事態。

さてしかし、なんなのこの国!というのがもう一つあった。

安倍は欧州の旅に出ているわけだが、そこでブリュッセルでこんなことを言っているそうだ。

安倍首相 EUと日本はブリュッセルで露北朝鮮首脳会談を討議 北朝鮮が核兵器から一歩退くことを期待

https://jp.sputniknews.com/japan/201904266176107/

この記事はスプートニク日本語版で見たものでそれ以外には日本語ではみあたらない。おそらくスプートニクのブリュッセル担当の取材でしょうか。

しかし、それ以外のメディアでもこの傾向は確認できる。

安倍ぽんはブリュッセルの前には、イタリアに行って、北朝鮮はすべての大量破壊兵器と弾道ミサイルを完全に捨てるべきだというネオコン節を語った模様。

On North Korea, the Japanese and Italian leaders shared the view that closer coordination is needed until Pyongyang abandons all weapons of mass destruction and ballistic missiles in a complete, verifiable and irreversible way.

https://www.japantimes.co.jp/news/2019/04/25/national/politics-diplomacy/china-mind-abe-italys-conte-cite-need-caution-infrastructure-projects/

 

何か言いたいことがあるなら東京で言えよと言いたいですよ、ほんと。

欧州に出かけて行って、援軍を作って、問題を西側全体のものにしよう、ってな筋でしょ。

おりしもNATOはスロバキアあたりにも基地を作ってロシアを攻めるフォーメーションをまた作ろうとしている。

安倍は日本をNATOと結びつけ、日本も入るからロシアをみんなで攻めましょうと売り込んでいるようなもの。

つまり、有田八郎が、防共協定を売り込みに行っていた事態と非常に似てる。1930年代後半の欧州はかなり複雑で、特にイギリスは対ドイツとぎくしゃくしていたため、防共協定と書いて実はソ連をみんなで攻めようと読む、最低でも読めちゃうという日本の提案をイギリスは拾わなかった。このへんは数年前のNHKスペシャルでもやってたことがある。

また、状況的には日本は既に三国同盟的な立ち位置になっていることを、日本国民の大半は知らない。恐ろしい政権。

NATOに日本政府代表部って三国同盟みたいだと思う

 

■ NHK

プーチン大統領とキム委員長 比較化など非核化など連携強化で一致~中国は会談を評価/nhk

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190425/k10011896411000.html

ロシアのプーチン大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長との初めての首脳会談がロシア極東のウラジオストクで行われ、両首脳は、アメリカを念頭に、非核化など北朝鮮を取り巻く問題で連携を強めていくことで一致しました。


連携強化というより、ロシアが仲介者として本格的に登場したという大きなインパクトのある出来事ではなかろうかと私は思いますです。

一方プーチン大統領は記者団に対して、「北朝鮮は安全保障と主権を維持するための保証を必要としている」と述べたうえで、キム委員長から、みずからの立場をアメリカに伝えてほしいと要請されたことを明らかにし、両首脳は、アメリカを念頭に、非核化など北朝鮮を取り巻く問題で連携を強めていくことで一致しました。

金ちゃんから正式に、アメリカに伝えてほしいと言われたということは、プーチンは代理人となったとも読めるわけですからね。

そして、保証が必要というのはプーチンが前から言ってること。非核化というのは北朝鮮の武装解除の一部なんだ、であればそれをすることに対する保証が必要だろうということ。


■ 中国はハッピーよ

プーチン・金会談について、中国は、いやいや建設的で実りが会ってよかったよかったという感じ。これは新華社。

Spotlight: Putin, Kim hold "fruitful" talks on Korean Peninsula nuclear issue, bilateral cooperation 

http://www.xinhuanet.com/english/2019-04/25/c_138009861.htm

 

プーチンが会談後の記者会見で語った、

「非核化というのは、北朝鮮を一定程度武装解除しろという意味なんです。だから北朝鮮は、自身の安全保障と主権の保持について絶対に保証が必要なんです」

"Denuclearization means to a certain extent the disarmament of the DPRK. Definitely, the DPRK needs guarantees of its security and the preservation of sovereignty," Putin said at a press conference after talks with Kim.

 

という大事な部分を取り込んでる。

非核化とか大量破壊兵器を全部捨てろというのは西側のトリック。いつまでも解決させないで、困らせて、リビアだのイラクetc.に持って行くという腹。イランも同様。

 

それに対して、ロシアも中国も釣られてない。世界中のNATO関係国以外はみんな気付いていると言っていいでしょう。まぁ、今日、NATO関係国より人数は多いわけだが。

 

新華社は公式っぽい普通の適切な記事だが、環球時報はライターがそれぞれ署名で出すので、かなり自由度高い。今回も、金さんがロシアに行った時点で、ロシアの登場、投入?をチャイナは歓迎、と書いてた。

China welcomes Russian input on Peninsula 

http://www.globaltimes.cn/content/1147294.shtml

 

当日の分では、

プーチン&習さんの「二重の凍結」アピールから2年も経たないうちに、これだけ進んだんだと書いていた。二重というのは、北朝鮮側とアメリカの両方が段階的に危険な行動を止めていこうという発想。

西側グループは全部、米朝間は手詰まりだと書いているわけだが、チャイナはそう思ってない。

さらに、

米朝間の信頼関係がなかなかできない、が、しかし、信頼は無からは生まれない。国際社会からの効果的な支援が必要だ。だから、中国とロシアが米と北朝鮮間の相互信頼が得られるように「信頼できる保証人」として振る舞えるし、そうすべき

Trust cannot be established from nothing, it needs effective assistance from the international community. Hence, China and Russia can and should act as a "credit guarantor" to help gain mutual trust between the US and North Korea.

http://www.globaltimes.cn/content/1147481.shtml

だそうだ。

結構、楽観してる。やっぱ自分んちがとても大きくなったわけで、さらにロシアが被ってきたら、アメがいくら踏ん張ったって、出来ること限界があるに決まってるだろ、わははははは、なんでしょうね(笑)。

ロシアの方がずっと慎重。関係各国が全員入って納得できる話し合いが必要だといってる。これは別の言い方をすれば、アメリカは無法者化(一極支配は自分が法の上にある)を止められるはずだ、という信念ともいえる。

ある意味ガッコの先生のようでもあるが、悪魔はいない(誰でも悔い改められる)という正教会の信念のような気もしないでもない。

ちなみに、アメリカ人の中でプーチンがものすごく根強く支持されている理由として、アメリカの政策について手厳しい批判はするし力技も来るんだが、アメリカ人全体を指してダメだみたいなことを言わないプーチンの態度も大きく好感されてると思う。

 

■ 立ち位置確認

で、ここで思うのは、この2年弱の間は要するに各関係者の立ち位置確認みたいなものだったのかというところ。ここからの2年ね。(関連記事を下にまとめました)

 

結果:

  • 中露はギャランター、保証人的に存在している(いろいろ差異はあるが)
  • アメリは北朝鮮が一定の軍備を破壊したことを受けて、とは言明しないものの、斬首作戦みたいな基地外沙汰の軍事訓練はやらなくなった。
  • 南朝鮮は和解したい。したいが、決意に欠けるところがあってアメリカには押し切られ、それを覆すべく働くことはできなかった(だから北朝鮮から怒られた)。
  • 日本は、NATOに入り込んで東アジアの紛争を国際化しようと愚かな試みを続けている。

これがポジション。

そして、前々からプーチンが言っている、2005年にはほぼ関係者の合意が出来たのにそれが覆った、それをした人たちは、ボルトンやポンペオが代表する人々と日本と韓国の一部でした、ってことでOK?

 

で、ここからどうなるのか私にはわかりませんが、今日の金ちゃんは、ロシアと今後もこのような調子で話をしたいという言い方をしているところを見ても、中露ギャランター路線の確立を北は望んでいることが明白になった、というのが昨日の固い成果と言えるでしょう。

そして、日本国民としては、この内閣は東アジアの隣国と話もできないような根性なしなんだなとただそれだけはよくわかった。言うことあるなら東京で言え!

 

■ 関連記事

北朝鮮問題、2017年の主な出来事

http://fanblogs.jp/dtj3/category_10/

 

北朝鮮 「体制保障され軍事脅威がないなら核保有の理由はない」

2018-03-06 22:12:43

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