3月は1日にプーチンの「強制MAD」宣言があったところから始まって、振り返ってみれば激動だったななどと思う春の一日。気がつけば、大気の中にとても冷たい風がまじる気配がなくなった。古来人々のいう、暑さ寒さも彼岸までということなのだろう。
というわけで、北朝鮮の金さんが習さんを訪問し、会談していた。
人民日報のこの記事がオフィシャルだと思う。3ページの長文。
http://en.people.cn/n3/2018/0328/c90000-9442453.html
一読して、全体として、北朝鮮の労働党と中国共産党が指揮というか指導というかをする体制は崩さない、と言っているように思った。
つまり、西ドイツが東ドイツを食うみたいな、ああいう勝ち負けでぐじゃぐじゃにするようなシナリオはありませんと言ったも同然のような気がする。
金さんの言葉として、
北朝鮮は、南北朝鮮の関係を若いと協力の関係に変えて、両国首脳間のサミットを持つ決意をしている、とある。
Kim said that the DPRK is determined to transform the inter-Korean ties into a relationship of reconciliation and cooperation and hold summit between the heads of the two sides.
米国と二国間のサミットを持ちたいと考えているというのもある。
The DPRK is willing to have dialogue with the United States and hold a summit of the two countries, he said.
朝鮮半島の非核化については、南朝鮮と米国が我々の努力に対して誠実に応じ、平和と安定の雰囲気ができれば、できるだろう、と。
"The issue of denuclearization of the Korean Peninsula can be resolved, if south Korea and the United States respond to our efforts with goodwill, create an atmosphere of peace and stability while taking progressive and synchronous measures for the realization of peace," said Kim.
といった感じなので、ふとNHKのこのタイトルを見ると、なんじゃらほいという感想を持たざるを得ない。
中朝 初の首脳会談“北朝鮮が非核化に向けた意思示す”
3月28日 11時56分 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180328/k10011382141000.html
というわけで、北朝鮮と米国との間の平和会談なりが持ち上がっても、それをもって、西ドイツが東ドイツを食うみたいな「統一」というおめでたいムードを作って実は略奪するといったことをしないために、両国は(というより習政権は)踏ん張ったというところではないだろうか。
折から、ロシアとイギリスの間が、信じられないぐらいにぐじゃぐじゃになっているわけだけど、あの根幹にあるのは、イギリス(または英米独仏あたり)がソ連を崩壊させるに際して、大量のロシア人(というかソ連人)を買収して、秘密やら機密を流させ、それを通じてその人員を囲い込んで対ロシアのスパイネットワークみたいなのを作っていたという話なんだろうと思う。
ふと、これって「白系ロシア」と総称される人々が、ソ連の周辺でなんとかして今度はソ連を崩壊させようと、イギリスやら日本に匿われていたという成り行きを思い出したりもする。差異はいろいろあるけど、外側からロシアを攻めるための道具としては同じでしょ。で、こういうことをやると、後々まで禍根が残りまくる。
ああいうみっともないことは極東では見たくないので、安定路線を保ちながら変えるところは変えるという中国の保守的な路線を私は歓迎しますね。
そこから考えると、西側勢ってどこもかしこもボルシェビキみたいなだとも思う。革命を成功させた中国共産党を前にこういうことを言うのもおかしな対比なんだが、でもほんと。
■ オマケ
ちゃんと書いているのが中国、ロシア勢で、日本を含めた西側メディアは壮大なレッドへリング状態だなといったところ。
中国、北朝鮮に2国間関係発展の4原則を提案
ロシアは中朝首脳会談を歓迎する 露外務省
https://jp.sputniknews.com/politics/201803284722703/
現在、4月に予定されている韓国の文大統領と金氏の会談に向けた準備が進められている。南北首脳会談後は、金氏とトランプ米大統領の会談が行われる見込み。
ロシア外務省は、ロシアは今後も「全当事者の直接対話を通じた平和的な政治・外交手段のみによる」地域情勢の解決に協力する方針だと指摘した。