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プーチン&トランプ:エルベ河の邂逅を記念して共同声明

2020-04-26 15:21:17 | WW1&2

1945年4月25日は、第二次世界大戦の東部戦線がほぼ終結し、東からドイツ他のいわゆる枢軸軍を押し返して東・中欧州を解放していったソ連軍と、西から西ヨーロッパを解放していった米軍がエルベ川で出会った日。この1週間後にベルリンが陥落して、欧州戦線はお終いになった。

 

そこから75年を記念して、現在のロシアの大統領とアメリカの大統領が共同声明を出した。

ホワイトハウス

Joint Statement by President Donald J. Trump and President Vladimir Putin of Russia Commemorating the 75th Anniversary of the Meeting on the Elbe

https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/joint-statement-president-donald-j-trump-president-vladimir-putin-russia-commemorating-75th-anniversary-meeting-elbe/

 

クレムリン

http://en.kremlin.ru/events/president/news/63277

 

当たり前に、同じもの。

パラグラフ4つの短いものなのでざっと訳すと、

2020年4月25日は、ソビエトとアメリカの兵士たちが出会い、エルベ川に架かかった壊れた橋の上で握手をした日から75年を迎える日です。この出来事はナチス政権の決定的な敗北を告げるものでした。

エルベ川での出会いは、1942年連合国共同宣言の枠組みの下で力を合わせてきた数多くの国と人々による多大なる努力の集大成を体現しています。この共通の戦いは、いくつかの戦場において何百万人もの兵士、船員、市民の犠牲を要しました。

また、私たちはホームフロント(国内戦線)にいた何百万人もの男女の貢献をも認識します。世界中で使った膨大な量の軍事物資を作り出したのは彼らです。労働者と製造者たちは、勝利に必要な装備を連合軍に供給するという点で決定的に重要な役割を果たしました。

「エルベの精神」は、より大きな大義のために、私たちの国々がどのようにして、違いを脇に置いて、信頼を築き、協力できるかの一例です。 今日21世紀の最も重要な課題に立ち向かう中、私たちはファシズムを倒すために一緒に戦ったすべての人々の献身と勇気に敬意を表します。彼らの英雄的な偉業が忘れられることは決してありません。

 

といった感じ。

一読して、これは2015年のプーチンの国連演説の趣旨そのものだなと思った。

また、1963年のケネディのいわゆる「平和演説」とも呼ばれる「アメリカン大学卒業式での演説」も思い出させられる。

前からこの話をしてますが、こんな感じ。(「リベラル」が歴史修正主義者だったというお話)

最後の大統領は多分ケネディかもしれない。ケネディのいわゆる平和演説で最も特徴的だと私が思うのは、ケネディはソ連の人々もまた人間だと普通に思っていること。

どのような政府や社会制度であっても、そこで暮らす人々を徳のない人々だと見なさなければならないほど、有害ではありません。アメリカ国民であるわれわれは、個人の自由と尊厳を否定するものとして、共産主義を深く嫌悪しています。それでも、科学や宇宙の進歩、経済や工業の発展、文化、いくつかの勇敢な行動でソ連の人々が見せた多くの偉業を讃えることはできます。

「アメリカもイノセントじゃないだろ」がもたらすざわめき

 

社会制度の違いによって他者を悪魔化していったレーガンなんかとは器が違う。そして、それはどこから来るかというと、ケネディ本人の資質もさることながら、あのあたりの人たちはまだ現実に大戦争を我が身で戦った人たちを前に演説をしているわけで、勇敢に戦った兵士を愚弄するようなことは、敵のみならず味方をも愚弄することになるのでモラル的にやれないってのもあったと思う。

さらにいえば、ムジャヒディーンなるゲリラ兵を自分で作って自分で騒乱起こしていく俳優大統領を無条件で喜べるほど、人々は命を軽くみていなかった。「自由のために戦うムジャヒディーン」にスペースシャトルの打ち上げを捧げちゃうレーガンのアメリカは、あまりにも軽薄で、あまりにも不埒だった。

 

■ アメリカは変われるのか

で、今後どうなるのかなんとも言えないけど、アメリカはアメリカ人のアメリカになるのか、金融資本と軍産が結託した世界支配の基地としてのアメリカになるのか、みたいな岐路にいるといっていいでしょう。

共同声明の中の「今日21世紀の最も重要な課題に立ち向かう中」というのは、いろんな機構改革とか条約改正とかをしつつ、もっと長持ちする世界秩序を作っていかないとならないし、実際ぼちぼち行われているんですよ、という認識であろうと思われる。

 

でもって、ケネディを殺して以降のアメリカというのは、キッシンジャーとかブレジンスキーみたいな、よく考えれば、アメリカ人と言えるのそれ?という人たちにいいように使われてきたとも言えるわけですよね。だってキッシンジャーはドイツ人、ブレジンスキーはポーランド人として大人になった人で、単にロックフェラーが担いだから重責を担ったみたいな人。

こういうの、民主主義って言うわけ? よく考えるとこんなにはっきり目に見えるステルス支配(ステルスなのそれ? F-35的ステルス?)を受けて、外交方針を乗っ取られて、それでも我々は民主主義~とか言ってた馬鹿は出てこいって感じがする。

あと、アメリカ人にとってのアイデンティティの問題ですらあると思う。

ロシア系ユダヤ系ドイツ系:アメリカのID問題でもある

 

というところで、もう飽きるほど書いたけど、このままでは無秩序になるのみならず、アメリカそのものも無秩序に、そして弱くなる。あんたたちこれでいいんですか?というプーチンのアプローチがちょっとずつ具現化していっている今日この頃といった趣。

そして、この抵抗勢力が要するにリベラル。リベラル勢はソ連の勝利を亡きものにして、アメリカの理念が勝利したみたいな馬鹿みたいなストーリーをでっちあげて、アカデミズムやジャーナリズムを支配することによって、その偽史を振りまいたという点で、希代の歴史修正主義者。

日本では右も左もリベラルも保守もみんな方向感を失ってるから何がなんだかわからなくなってる。

 

■ オマケ

歴史的な興味からの今後の課題は、1942年、43年あたりに、対ナチでソ連が勝利することが見えてきたあたりから、チャーチル、ルーズベルトがモスクワにアプローチしていろんな約束をして、後の世界の話をしていったのが今日の世界の基になってるとうところを、ちゃんと整理したい。

 

■ 参考記事

「リベラル」が歴史修正主義者だったというお話

じわじわ来てるプーチン in US

邪悪・憎悪のネットワークビジネス

 

■ WW2シリーズ

1943年2月2日:スターリングラードでドイツ軍降伏

1944年1月18日、レニングラード包囲解消(プーチン献花

1945年1月17日:ソ連赤軍ワルシャワ解放

1945年1月27日:ソ連赤軍アウシュビッツ解放

1945年2月4日、ヤルタ会談始まる

1945年2月13日、ブタペストついに陥落

 


 

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1 コメント

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Unknown (ローレライ)
2020-04-26 19:10:42
ナチスの米ソ軍対立の希望を砕いたエルベ川の米ソ軍抱擁!
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