欧州委員のユンケル議長が、オランダで行ったスピーチの中で、
「ウクライナは今後25年間EU及びNATO加盟国にならない」http://jp.sputniknews.com/politics/20160304/1724212.html#ixzz427kxxDQh
と語ったことが多少の波紋を呼んでいる。
多少って、これこそ問題のとっかかりだったのに!なんだけど、もう、EU諸国内がどこも、もし入れても入れなくても、それはみんなドイツのせい、で話しが詰んでるから白けてるってのが現状だと思う。
悪く言うなら、それはみんなアメリカのケツをなめつつ自らの年来の野望達成に向かったドイツのせい、やっぱりドイツは欧州のガン、でしょう。マジで非常に信用を失ったのはドイツなんだけど、いつものようにそれに全く気付かないのがドイツ人ってのも怖いんだなぁこれが。
で、どうしてユンケルさんはこんなことを言ったのかといえば、オランダでは法的拘束力はないものの、4月にウクライナのEU加盟のための条約についての住民投票が行われるためでしょう。
オランダにこれで盛り上がられても困るので、大丈夫、大丈夫、そんな大事にならないってばと言いに行ったのであろうと私は真っ先に思ったが、同じことをウクライナの議員も語っている模様。
‘There will be no EU in 5 years, only Ukraine’ – Radical Party MP
https://www.rt.com/news/334573-lyashko-eu-schengen-dissolution/
で、その閉めに、
そうだろうそうだろうとも。ウクライナはEUのメンバーにはならないだろう。なんてったって統一欧州のリーダーたちが取った政策のせいでEUは5年以内にはもうないからだ。
EUはないだろうしシェンゲン協定もなくなる、NATOもなくなるかもしれない。しかし、ウクライナは存在する。そして、ウクライナがどう見えるようになるかはウクライナ人自身にかかってる、既にモスクワ訪問計画を立ててるユンケルにじゃない。
と語ったそうだ。
「既にモスクワ訪問計画を立ててる」を取り除いたら独立的意志の見えるいい文だったのに残念だわ。どうあれユンケルなんていう外人の問題じゃない、ウクライナはウクライナだとおもえればいいわけだけど、そこでやっぱりモスクワ野郎のせいだ、という被害者感情が入ってしまうところがモスクワ野郎(ロシアのこと)との違いだなとかも思う。
どうあれ、どういう事情でもどういう理由でも「ロシアはロシアだ」と我慢するからこそ「ロシアはロシアだ」は達成されるって感じだもの。
■ またかい
このやり取りを見ていて思い出すのは、ナチスドイツ軍がウクライナに侵攻した時のこと。一部のなにがなんでも反ロシアの一部(この人たちが現在まで続く過激なウクライナ派)以外でも、ソ連もやだしな、ドイツでもいいかみたいな感じになった人も結構いたと言われていたのに、ドイツ軍の占領政策の悪さから次第にそんな人いませんになっていって、最終的にはごく一部を除き、大多数のウクライナ人はモスクワ野郎他のソ連兵士と共に普通にドイツ軍と戦ってました、というのね。
■ 「劣等民族」に手をかけるのやめろ、ドイツ
そもそも、当時のドイツは国内で、スラブ人は劣等民族だ、優秀なドイツ人が劣等民族を指導するのだとかなんとか言って将来の兵士を洗脳していったんだから、そんな人たちが上手に占領政策をうまくやれるわけもない。
このへん、ドイツはすべてをユダヤ問題にしてしまったために、自分らの過去の洗脳計画の全貌を忘れてるよな、と私は思ってみてる。
ロシア草の根もどうも最初は忘れてた(人によっては知らなかった)っぽいがここ2年でだんだん思い出して、すっかりドイツ不信になってるなという印象。
■ 総額18億ドルのローン
さてそのウクライナに日本はお金をた~くさん貸し込んでいる。
ウクライナは4月、日本から金融の安定化を目的とした3億ドルの借款を受け取る。4日、ウクライナのナタリヤ・ヤレスコ財務大臣が角茂樹駐ウクライナ日本大使との共同ブリーフィングで明らかにした。http://jp.sputniknews.com/europe/20160304/1723688.html#ixzz427vAL0Xo
今回のは3億ドルだけど、ウクライナのヤレスコ財務大臣によれば、日本がウクライナに拠出した借款は総額18億ドル、貸与期間は20年だそうだ。
ある時払いの催促なしですかね。
で、この金額がふと目に留まったのは、上のNewsWeekの記事に、
EU and U.S. remain big stakeholders in Ukraine’s developments after granting Kiev a 1.8 billion euro ($2 billion) loan.
とあったから。
米ドル換算で20億ドル(約18億ユーロ)を、EUとUSで貸した、と。それをNewsweekは、EUと米国はウクライナの開発に大きな利害関係を有している、とか書いてる。
だけど日本の名はない。ないが、金額的には1国で同じぐらい貸してる。
これって何?
これはあれか、昔ロシアを崩してエリチンを米の傀儡政権にするときにドイツと日本に金を出させた、ってな話とパラレルなの?
いずれにしても、日本国民には何一ついいことはないようにしか思えません。
もうヨーロッパもアメリカ(ネオコン以外)もあまりやる気が無く、ウクライナ自体も現政権とネオナチ勢力の対立が再び激化していますね。
個人的には、このままズルズルと親露路線に回帰するか、親欧派同士で内戦か更なる国家分裂を予想しています。東部や南部でロシアに靡く地域が増えるかもしれないです。
東部、南部はモスクワでいいになる確率はかなり大きそうに見えますね。ってかもともとそこはロシア人アイデンティティのある人たちが多数の地ですからね。
昆虫みたいな顔したあのヤチェニックの支持率5%とかいうジョークのような状態だけど、要するに the West の軍事支配が効いてますからしばらく凍結が続くでしょうね。the West から見れば、ウクライナが滅茶苦茶になることは喜ばしいことですからいつまででもやらせるでしょう。
おそらく、シリアが決着するまではこのままじゃないですかね。