この間、思い付きで、現在のロシアとドイツの関係は、要するに神聖同盟なんじゃないのか、と書いた。
ウクライナ動乱:NATO東方拡大問題(2)
実際まったくの思い付きだったのだけど、ふと思うに、パイプラインを通したガスの供給を通じて緊密度を増す現状は、表向きは、NATOとロシアと対立しているようで、その対立を足元から崩していると見ることも可能ではないのかと思った。
時代は保守ですよ、民主主義アジェンダを振り回して世界中でクーデータを起こして騒ぎまくる人たちと一緒にならずに行きましょうよ、と。
■ノルドストリーム
ロシアからドイツに、バルト海の海底を通してパイプラインが走る。2011年から既に稼働している。もうかなり工事は進んでる。(※最初間違ってまだ工事中みたいなことを書いてました。訂正しました)
■サウスストリーム
黒海の海底を通して、ブルガリアであげてセルビア、ハンガリー、オーストリアに行く路線と、ブルガリアで分岐してギリシャ、イタリアに行く路線がある。こっちは去年関係国が契約して基本的な条件はクリアしているが、ウクライナ危機を受けてEUが交渉にストップをかけているらしい。
What future for EU's energy supply? (ドイツDW)
http://www.dw.de/what-future-for-eus-energy-supply/a-17542697
■ EUのエネルギーは多様化すべきなんだろうが・・・
過去10年、ウクライナで危機があり、グルジアで危機があるたび、欧州はエネルギーをロシアに依存しすぎだ、亡国だ云々という話が世界中に配信される。
でも、現実には、それにもかかわらず、本当にそうなったかといえばそんなことにはなっていない。それどころかもっとつなげようとしているのがサウスストリーム。
結局、だってこっちの方が安くて現実的じゃないの?というのがこのたりの欧州の答えのようにみえる。(上の記事でも関係者がそう言ってる。米国産のガスは、まぁ部分的な解決法ですかね、みたいな)
一応EUはロシアに対抗するパイプライン構想を持っているのだが、10年前からずっと同じような感じで進捗があるのかないのかよくわからない。ロシア頼みではありません、を言うための政治プロジェクトなんじゃないかと疑いたくなるぐらい。
考えてみれば、それはやっぱりロシアから買う方が不安定ではないから、という答えが本音なのではなかろうか。実際、ウクライナ通らなきゃ問題ないわけだし、客の立場は強いよというのも本当だし。
さらにいえば、EUプロジェクトに比べてロシアの方が競争力がありそうってのもあると思う。
つまり、ロシアのガスはロシアが産出してロシアから積み出して水の下を通してEU直結だが、EUプロジェクトは他国からガスを買って、EUではない国を通して、どうにかして持ってこないとならない。交渉が大変だし、場合によっては政情不安がありそう。つまりロシアのはパッケージができてる。仮にパイプラインを爆破するような悪い奴が出てきたら、そりゃきっとロシアが戦うんじゃね?みたいなところもお得?(長距離なんだから近くにいる強いガス屋の利点は確かにありそう)
中東のガスをトルコを通して、みたいな話も聞くけど、中東に依存したパイプラインって・・・
また、上の地図でも分かる通り、欧州には内陸国も多い。ここにLNGでアメリカからシェールガスを運べってどんだけ施設がかかるんでしょう・・・でしょ?
結局サウスストリームもこのまま行くんじゃなかろうか?
神聖同盟説からするとブルガリア、セルビアをどう考えるかだけど、そこはスラブ繋がりでお兄さんのロシアとちょっとだけ寄りを戻した、みたいな感じか?
■ 思い付き
今日の思い付き。ブルガリア、セルビアは、トルコと緊密な繋がりを結ぶぐらいならロシアに顔を立てたい的な発想も根底にあったりしないのか?など思ってみたりもする。
なぜなら、このへんはロシアが露土戦争で勝たなければオスマン帝国の支配下または影響下だったから。そういう意味では、反トルコ・パイプラインのような気もする。これを独立戦争と捉えているルーマニアの立場はどうなるのか・・・。
そういえば、現在は反ロシアの急先鋒みたいな扱いになっているポーランドは、大トルコ戦争においてはオーストリア、ベネチア、ツァーリ・ロシアと共に戦った仲。そして、この時の名称も神聖同盟(1684年)。
こうやって考えてくると、NATOをポーランド+バルト3まで拡大するのは、まぁいいのかな、ですんだけど、黒海沿岸まで伸ばしたのは失敗だったと思う。反ソと反露は違うから、いつか必ず亀裂が入る。
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