何がしたいのかさっぱりわからないウクライナ問題はまだまだ決着しない。というかコアに100年、長くみれば500年から800年スケールの問題なので、決着するというのはむしろ大変なことのような気もする。
日本の保守派論壇では、馬渕睦夫氏が主張されるアメリカによるプーチン潰しにフォーカスがあたっているようにみえる。で、それに人々が呼応するのは、ナショナリスト vs グローバリストの戦いという線が日本人に響くからでしょう。
私はこの対立軸は正しいと思ってます。ですが、話はもっと大きいですよね。
で、グローバリスト vs ナショナリストというのは、西方教会 vs 東方教会 に似てなくはない何かでもあるのよね~というのも面白く思ってるところ。
でも現実には面白くない局面に入っている我が日本、って感じ。
GDP 年率-7.1%に下方修正
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140908/t10014424421000.html
マイナス7%って、先進国じゃそうそう見られない数字だと思うけど、これでもあんまり騒ぎになっていないというのもどうなんでしょう。
アベノミクスというのがそもそもドル防衛の支援機構だったんだと思うし、それによって円安に振れて一部が喜び、かつ多分株価は上がる。しかし、第3の矢に重心を置いたために実体経済への好影響は何もなく、まぁその今ここに至るって感じでしょうね。
で、状況よりももっと問題なのは安倍政権はこれを消費増税の反動で、景気は回復基調と思ってるらしいところ。
この感じはしかし、ロシアがやった証拠が何一つなくても「ロシアの侵略による」とか書いたり、何をもって法の問題とするのかまったく不明なところで「国際法に従い」とか言う最近の各国の政治家さんたちと同じだと思う。
これはなんなんだろう? どこかから振付けされていてそれ以外を語ると危険だという状況なんだろうか?
西側の使徒となっているって感じがする。なんかいつの間にか西側各国が宗教支配を受けているような感じが非常にするんだよねぇ、なんか。同じ文言を繰り返させられ、誤りだろうがなんだろうが、オウム返しに繰り返す。
欧州なんか、自分の首を絞めるためにわざわざ騒いでいるとしか思えないことを延々やってる。自分で自分に制裁する国々ってどういうことなの?って感じ。
いろいろ歴史を見てるけどこういう状況って類例がないように思う。属国どころじゃなくて、単なる使徒、信者さんにされているって感じがする。
日本だけがアメリカの言うことを聞かされて、みたいに見えてる人がいるかもしれないけど、そうじゃないです。欧州各国も基本的に同じ。国際法が、侵略が、制裁が、の文言がどこもかしこもほぼ決まってるのが凄い。
で、日本の北隣りのロシアが、お前ら目を覚ませ~、眠ったら終わりだ~と叫び、西隣のチャイナは、眠りたい人には眠らせておくあるよ~、とか言っちゃう図を思い浮かべる今日この頃。
■ 集団的認知障害発症なのか、それとも作戦なのか
この西側諸国の状況は、各国の主だった政治家が集団でウィルス性疾患にでもかかって認知障害に陥ったとでも考えないと理解できない。
無理やり合理的説明を考えるならば、まぁこの間書いた通り、メディアに出る部分と現実の政治部分が分離している、という話なんじゃないかと思う。これが唯一、集団的認知障害説を否定できる説じゃないかと思うのよね。
メディアを仕切る仕組みは各国政府とは別にあるので、各国政府はその仕組みに振り回されないために、メディア上は勝手に言わせることにしている。
実の部分は各国政府の文言でも書かれた政策でもなく、動いているお金やら行動やらで見るしかない、
ってこと。
仕組み的にはこのへんで書いたこと。
各国の主流メディアは各国とは別に主従関係があり、各国政府はその仕組みによりコントロールされている
■ メディアの独立、中央銀行の独立、宗教の独立
なんでそうなるのかといえば、メディアが各国のコントロールから独立してるからでしょうか。メディアの独立、中央銀行の独立、宗教の独立、この3つが思えば the West のツールだったんだろうなぁとかも思う。つまりね、独立というとなんだかいいことみたいだけど、国家から独立して外部機関の支配下にあったら、各国国家をリモートコントロールできちゃうでしょ。だからこそ、国家からこれら3つの機関(他には、各種人権団体の独立、とかもあるかもしれない)を独立させることをもって、近代的だ、と言って来たんじゃないのかな、など思う。
で、これって、西方教会的だな、と思うわけですね。西方教会というのは私たちが通常カトリックと読んでるローマ教会とそこから派生したプロテスタント諸派。西洋社会は本当はこうやって正教分離で国民国家の時代を迎えていったはずなんだけど、結局その仕組みを崩せなかったみたいな感じですかね。宗教の代わりに経済学が入ったりして、要するに思考を外部統制されてるって感じ。
これに対して東方教会系のいわゆる正教は、国家と宗教をはっきり分離させてないって言っていいんだと思う。だから、国家の下に宗教が入ってる、と言えないことはない局面が現れる。これを、西側近代はなじるんだけど、ある国にとって外部コントロールが有害だったら仕方ないんじゃないの~と私なんかは思う。
だから、ロシアが復権にあたって正教をアピールしたのは、またカトリックの奴らが来る、西側というやつらは常に思考統制に来るんだよなぁという1000年来の知恵によるものってところもあると思う。だけど、国家の下に宗教を入れると、日本の戦中を考えるとわかる通りナショナリズムの暴発に歯止めがかからないというリスクもあるので、これはこれで大変なこともある。でも、国家が内側から壊れるより良いと思うのならこっちがいい、と。
いろいろ総合して考えるに、the West は崩壊とはいかなくても、結構な影響力低下過程にあるんだろうなぁとは思う。というか、少なくとも、西洋、西欧、欧米の優越性はモラルに関する限り完全に木端微塵って感じ。これでお金もなくなったらどうよ、ってところでしょう。